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アブソリュートタルタロス
電脳魔神 デスフェイサー
超合成獣人 ゼルガノイド
人造ウルトラマン 量産型テラノイド 登場
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「……ここからはこの俺『ウルトラマンアーク』が相手をしてやるよ」
そう言って未来から時空を歪めるアブソリュートタルタロスを追って来た『ウルトラマンアーク』は、手にしている強大な力を秘めた『銀色の鍵剣』を彼らに突き付けて啖呵を切った……が、それを見たタルタロスは余裕ある態度を崩す事は無く平然としていた。
「ふむ、それは結構だがそちらに我々を相手に出来る余裕があるのかな? ……大体“過去の自分を依り代にする”などという方法で時間遡行を行った以上、貴様は現在本来の実力を出せないのではないか?」
「…………」
……実際タルタロスの言った事はおおよそ事実であった……現在のアークは“過去の自分に未来の自分を上書きする”為に『銀色の鍵剣』の力をかなり使ってしまっており、更に過去の自分に施されている封印に影響を与えかねない『ネオフロンティア由来のタイプチェンジ』の使用も自粛しなければならない状態である。
……しかし、図星を突かれた状態であっても尚アークは涼しい表情を浮かべていた。
「まあ確かに、今の俺は無理な時間遡行の所為でいくつか制限のある状態ではあるが……それでも、
そう言ってアークは手にしている『銀色の鍵剣』をまるで鍵を開けるかの様に捻った……すると突如としてタルタロスの肉体に“銀色に輝く粒子”が纏わり着いたのだ。
……そして、その粒子はタルタロスの動きを封じながら
「こ、れは……! 我を
「御名答。本来ならどれだけ過去を改変した所で精々が新しい並行世界が出来るだけで現在は変わらない……と言うのが所謂歴史の修正力の基本的な法則(多分)なんだが、今はそれをなんやかんやする事でほんの少し“異物であるお前を排除する”方向に向けただけだ。元々過去への改変が些細な事だった場合だと自然に元の歴史へと戻す働きも修正力にはあるからな」
そう、未来のアークが有する『銀の鍵』は能動的に時間に干渉する事は不得手だが、時間・次元・空間などを乱す相手に対する
……だが、そんな状況に陥ったと言うのにタルタロスは冷静に身体を僅かに動かしながら自分に纏わりつく粒子を観察していた。
「……ふむ、成る程、動けなくなるがこの時代に留まるぐらいは出来るか。……いいだろう、ここは一旦引くとしようか。修正力の力を利用しているのなら我がこの時代から出る事までは止められんだろうからな」
「……随分とあっさりしてるじゃないか、ネタバレソース」
「ああ、貴様の『銀の鍵』の底は見えたからな」
アークの軽い挑発を受け流しつつタルタロスは自身が見破った『銀の鍵』の
「この修正力を操る力は確かに強力な様に見えるし、実際に我をこの時代から追い出すぐらいは出来るだろうが、我の時間移動そのものを完全に封じる事は出来ん様だな。……それに貴様の時間遡行は我が過去の貴様に干渉した事実を逆探知して未来の自分を送り込んでいる様だが、それ故に過去の自分に干渉されなければ我がどの時間軸に居るかまでは分からないのだろう? もしそれが出来るなら我がべリアルやトレギアを引き入れる事を阻止する筈だからな」
「……チッ」
……そのタルタロスの言葉は概ね事実であり、未来のアークの『銀の鍵』の力を持ってしても究極生命体であるタルタロスの時間移動を妨害する事しか出来ず、整然“居るべきで無い”時間軸から追い出すぐらいしか出来ないのだ。
加えて様々な過去や並行世界に移動するタルタロスの現在位置を把握するのも難しい……というか、過去・現在・未来の時間軸と無数に存在する可能性世界の交差する一点にのみに時間移動によって現れるタルタロスを、何のヒントも無しに捕捉するのは砂漠の中で狙った砂の一粒を見つける以上に難しいのだ。
「かの伝説の大邪神の断片である以上はもう少し厄介かと思っていたが、所詮はカケラだったか。……或いは完全には使いこなせていないのか?」
「好き勝手言ってくれるな」
(つーか、大邪神のカケラだからこそおいそれとは使えないんだよ! 特に時間系の力は修正力を無視して別時間軸や並行世界の“俺”に影響を及ぼす可能性もあるからな! それどころか下手な使い方をしたら俺自身のSAN値が減るわ!)
実の所、アークは内心そんな事を考えており、それでも自信満々に語ったのはこれ以上タルタロスに『銀の鍵』への干渉をさせない為のハッタリの部分が多かった。
……そんな感じで内心を見せずに相手の動向を注意深く探っていたアークだったが、暫しの睨み合いの末にタルタロスはこの時間軸から出る為の黄金のゲートを展開してその中に入っていった。
「まあ、最低限の目的──『銀の鍵』の使い手の能力調査を果たせた以上は引くとしようか。……貴様はコイツらと遊んで行くと良い」
「「「…………」」」
そうして黄金のゲートの中に入ってこの時代から出て行ったタルタロスと入れ替わる様にして、ゲートの中から三体の
その外見は三体とも全く同じで赤と銀の体色に身体の各部に金色のプロテクターが付けられていると言うもので、三体ともまるで機械の様に一糸乱れぬ動きで歩いているのが妙な不気味さを醸し出していた。
……もしネオフロンティアスペースに付いて知っている者が見れば、その外見は『ウルトラマンダイナ』にそっくりだと言うかもしれない……それもその筈、この三体の人型はウルトラマンダイナのデータをコピーする事によって生み出された人造ウルトラマンなのである。
「【人造ウルトラマン テラノイド】だと? しかも三体とか量産型って事か……そっちの【デスフェイサー】や【ゼルガノイド】といい余程
「「「デアッ!」」」
未来から来たが故に目の前の敵達の詳細をついて知っていたアークが愚痴っていたら、三体の【量産型テラノイド】は同時に腕を振るい三日月状の光刃『フェイクビームスライサー』を放って来た。
……それに対してアークは手に持っていた『銀色の鍵剣』を手放しながら、念力で操作して空中を飛び回させてそれらの光刃を斬り払ってみせた……が。
「踏み込みが甘い! ってな……うおっとぉ!」
「ジェアァッ!」
『◼️◼️◼️◼️◼️◼️!』
その間に接近して来たゼルガノイドが拳を放って来たのでアークは咄嗟にそれを捌きながら格闘戦にもつれ込むが、その隙を突いて更にデスフェイサーの右腕にある『デスシザース』が伸長してアークの背後から首筋を掴もうと迫って来た。
……だが、アークは背後からのデスシザースを念力で操作した『銀色の鍵剣』で叩き落とし、自身は過去のアークと比べても遥かに熟練した格闘技でゼルガノイドの連続攻撃を放ち、最後には強烈なヒザ蹴りを放って悶絶させそのまま投げ飛ばしてみせた。
「ドリャァ!!! とは言え、やっぱり五対一はキツ……ッ! アークディフェンサー!」
「「「デヤァッ!!!」」」
その様に優勢に戦いを運んでいたアークだったが突然身体に走る悪寒に従って円形のバリアを展開した……その直後、後方に待機していた三体のテラノイドがこの状況なら味方に誤射する事は無いと判断して、三体同時に腕を十字に組んでフェイクソルジェント光線をアークに撃ち放ったのだ。
……どうにか防御は間に合ったもののコピーとは言えソルジェント光線三発は流石に防ぎきれず、バリアは僅かな時間だけ徐々にヒビが入りながら拮抗した後に粉々に砕けて、その余波でアークは後方に吹き飛ばされてしまった。
「ぐわっ⁉︎ ……ええいっ、あのタルタルソースめ! 面倒な置き土産をしていきおって! 流石に連携が取れている相手に五対一ではキツいぞ」
尚、この【量産型テラノイド】は光線技の撃ちすぎでエネルギー切れになってしまった先行試作型と違い、戦闘中のエネルギー配分が可能な判断力と味方との連携が可能なレベルの戦術行動が可能なプログラムがインストールされており、更にデスフェイサーとゼルガノイドを含めてタルタロスの力の影響下にある事もあってお互いを味方と認識した上での連携なども可能になっているのだ。
(というか単純に手数が足りないな。一体一体の実力はそれほどでも無いし、連携も教科書……プログラム通りだから読みやすいが俺一人だと対応出来ん。……この『銀色の鍵剣』の本来の力や『タイプチェンジ』も今は使えないし……ここは
そこまで思案した後にアークは飛ばしていた『銀色の鍵剣』を手元に回収すると同時に自身の固有亜空間のしまう形で手元から消すと、代わりに自分のインナースペース──銀色の粒子が満ちる空間に自身の人間態を模したアバターを形成し、更に“一つのデバイス”を召喚してそのアバターの手に持たせた上で付いている“トリガー”を押した。
「さて、先日貰ったこの
【Arc Access Granted】
そしてアークはそのデバイス──『ウルトラゼットライザー』に『ウルトラアクセスカード』のアークverをセットして起動状態に移行させ、それと同時に現実のアークの手の中にもゼットライザーと同じ形状の武器が形成された。
……ちなみにこのウルトラゼットライザーはインナースペース内の物が本体であり、その機能の一つとして巨大化したウルトラ戦士が使える武器として大型の複製を形成する機能があるのだ。
『◼️◼️◼️◼️◼️!』
「ジェイア⁉︎」
「判断が遅い! ライズスラッシャー!」
「「「デヤッ⁉︎」」」
いきなり武器を変えたアークを警戒してデスフェイサーがガトリング砲を、ゼルガノイドと量産型テラノイド達がフェイクソルジェント光線を放とうとするが、それよりも一手早くアークがライザーを振り抜きながら大型の三日月型光刃を放って彼等にダメージを与えつつ牽制した。
……とはいえ、時間稼ぎがメインの技だったので彼等へのダメージは少なく、特にスフィアと融合している為に高い再生能力を持つゼルガノイドは直ぐに立ち上がりアークに突っ込んで行った……が、それだけの時間があれば
「さて、ウルトラマンの複製体が相手なら……この三枚で行ってみるか」
そうしてインナースペース内のアーク(人間態)は腰につけた『ゼットホルダー』から三枚の『ウルトラメダル』を取り出して、ゼットライザーの青いブレード部分に備え付けられたスリットに装填し、そのブレードをゆっくり扇状に展開する事でメダルをライザーにスキャンさせた。
【Geed】【Seven】【Leo】
「これもウルトラゼットライザーとウルトラメダルのちょっとした応用だ……ペルソナ・イリュージョン!」
その三枚のメダル──『ウルトラマンジードメダル』『ウルトラセブンメダル』『ウルトラマンレオメダル』をスキャンしたライザーのトリガーを押すと共に、現実のアークが手に持ったライザーを前方に掲げた。
……すると現実のライザーから三本の光の線が飛び出しながら複雑な軌道を描いて絡み合って行き、直後にアークがライザーを掲げた先で一つの人型となって実体化した。
【Ultraman Geed Solid Burning】
『ウルトラマンジード!!! ソリッドバーニング!』
『デェヤッ!』
そうして現れたのは赤い身体に銀色のアーマーを装着して、更にその各部に装着したブースターから蒸気を噴き出している目つきの悪いウルトラマン──ウルトラマンべリアルの遺伝子を継ぐ息子であり、その運命に終止符を打った戦士『ウルトラマンジード』の燃え上がる勇気を体現した姿『ソリッドバーニング』であった。
……そう、これがアークが使った技『ペルソナ・イリュージョン』の効果──自身のエネルギーとライザーとメダルの力を使ってウルトラ戦士の虚像を一時的に召喚する力なのだ!
『デェヤァッ!』
「ジアッ⁉︎」
いきなり眼前に現れた新しいウルトラマンにゼルガノイドを一瞬怯むものの与えられたプログラム通り即座に敵を打ち倒そうとパンチを繰り出すが、ソリッドバーニングはその強固な装甲で攻撃を弾き飛ばし反撃に肘の噴出口から炎を噴きださせる事で強化された拳をゼルガノイドの胸に叩き込んだ。
それによって吹き飛ばされたゼルガノイドを追いながらソリッドバーニングは頭部に付けている『ジードスラッガー』を逆手に持って斬りかかっていく……だが、ゼルガノイドが離れて誤射の心配が無くなった途端にデスフェイサーとテラノイド達が一斉に射撃の体勢に入った。
「まだ手数が足りんか。次はコレで行くぞ」
だが、その攻撃が放たれるよりも早くインナースペース内のアーク(人間態)はライザーのブレードを元に戻してから先程の三枚のメダルを取り外し、新たな二枚のメダル──『ウルトラマンギンガメダル』と『ウルトラマンタロウメダル』をセットして再びスキャンした。
【Ginga】【Taro】
「ふん、ウルトラマンのデータを参考にするならもう少しマシな攻撃をしたらどうだ?」
【Ultraman Ginga Strium】
『ギンガに力を! ギンガストリウム!!!』
そして再びライザーのトリガーが押されると共にペルソナ・イリュージョンが発動してアークの前に光が乱舞して人型を形作る……そうして召喚されたのは
……その直後デスフェイサーとテラノイド達は一斉に攻撃を放つが、片手を前に出したギンガストリウムが前方に展開した渦巻く銀河状のバリアにあっさりと防がれてしまった。
「うむ、相変わらず凄まじい防御性能。しばらくそっちは頼むぞ」
『シャオラッ!』
「「「ディヤッ!」」」
その後バリアを解除してギンガストリウムはタロウと同じファイティングポーズを取りながらテラノイド達に向かっていった……そして三度インナースペース内のアークはライザーを操作していく。
「連中はウルトラマンと人間の技術を組み合わせた悪い面の集まりって訳だし……最後はこの組み合わせでどうだ?」
【X】【Cyber Gomora】
そんな感じでアークは『ウルトラマンエックスメダル』と『サイバーゴモラメダル』をスキャンして3度目のトリガーを押した。
【Ultraman X Gomora Armer】
『サイバーゴモラ・ロードします。サイバーゴモラアーマー・アクティブ!』
『イーッサー!!!』
これで3度目となるペルソナ・イリュージョンによる虚像召喚が実行され、現れたのはメカニカルな外見をしてX字のカラータイマーが印象的な『ウルトラマンエックス』に地球人の技術で作られたサイバー怪獣の一体『サイバーゴモラ』のデータによって作られてモンスアーマーを装備された姿である『ゴモラアーマー』であった。
……そうして召喚されたゴモラアーマーは両腕のクロー部分を盾にしてデスフェイサーのガトリング砲を防ぎながら距離を詰めていった。
「まあ、これで手数で劣る事は無くなっただろ。流石にエネルギーの消費は激しいけどな。……さて、本当の戦いはここからだぜ」
そう言った未来のアークは手に持ったライザーを構えて召喚された新世代ウルトラマンとネオフロンティア由来のウルトラマンデータ悪用組との戦いに参加するのだった。
あとがき・各種設定解説
未来のアーク:VSタルタロス(戦うとは言っていない)
・実際の所はタルタロスについて調査をしている途中に過去の自分に干渉されている事を察知して慌てて時間遡行を行った感じで、作中本人はドヤ顔で語っているが修正力云々については『銀色の鍵剣』を介した感覚で何となく理解しているだけだったりもする。
・過去のアークの姿が父親に似ているのはネオフロンティアウルトラマン由来の力を封印されている所為であり、それ故に封印が解放された未来のアークの姿にはネオフロンティア要素が出る。
・故にアークはこの姿が“本来の姿”……新しい基本形態であり、更に新タイプチェンジとか『銀色の鍵剣』という新武器も使えるのだが、今回はネタバレ防止の為に名前含めて詳細は秘密。
ペルソナ・イリュージョン:唐突にアークが見せたチート技
・原理としては分身能力の応用で、作り上げた分身をライザーとメダルの力で別のウルトラマンに変質させている感じ。
・某Zさんの召喚技の様に光線撃つだけで終わりではなく近接戦も出来るが流石に本物程の力は出せないし、それ相応にエネルギーを消費するので三体も召喚すると1分くらいしか維持出来ない。
・元ネタは当然平成ライダー10番目と20番目の方々。
アブソリュートタルタロス:アークとは高度な頭脳戦を演じた(という事にしてほしい)
・今回は特に何もせずあっさり撤退したが、それはこれ以上この時間軸に留まり続けた場合には要らぬ損害を受けると判断したから。
・実際あの状況のアークでも自身と周囲へ相応の被害が出る事と引き換えにすればタルタロスにかなりの打撃を与える事も出来たので、仕掛けるリスクと反撃を食らうリターンを天秤に掛けた形になる。
・テラノイドを三体も置き土産として置いていったのは、足止めと妨害件未来アークを戦闘に集中させて自分の居所を追跡させない様にする目的があった。
【人造ウルトラマン 量産型テラノイド】:タルタロスの手駒
・タルタロスが“どこかの並行世界”で回収した物で、スペックは先行試作型と互角だがエネルギーの節約や連携・格闘戦闘が可能になる高度な戦闘プログラムが付けられている“量産可能な完成された兵器”。
・どの様な並行世界で作られたのかは不明だが、人造ウルトラマンの“原材料”や“エネルギー源”を知っているアークは『余程ロクでもない世界線で作られたのではないか』と推測している。
読了ありがとうございました。
ギャラファイ八話は光の国組の世代や継承についての会話がエモかったり、フーマがファルコン1案件だったりと実に素晴らしかったです。正直後二話で終わるのか心配になるぐらいに密度が濃いですね。