宇宙に輝くウルトラの星   作:貴司崎

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彼の真価

 ──────◇◇◇──────

 

 

 地底怪獣 グドン

 古代怪獣 ツインテール

 マケット怪獣 エレキミクラス

 高次元捕食体 ボガール

 高次元捕食体 ボガールモンス 登場

 

 

 ──────◇◇◇──────

 

 

「答えろ! お前は何者だ!!!」

「……うーん……困ったなぁ……」

 

 さてさて、何かこう説明の難しい事が色々ありまして、現在この俺こと新人宇宙警備隊員アークは地球で防衛チームCREW GUYSのメンバーであるリュウさん(仮)に銃を突きつけられてホールドアップされている訳です。

 ……まあ、彼の立場からすれば俺は『上司の身体を乗っ取って地球で好き勝手やってる宇宙人(ハンターナイトツルギ)と親しげな怪しい男』な訳なので、むしろ防衛チームとしても個人としてもこの行動は当然の行動ではあるんだが……。

 

「なんとか言ったらどうなんだ!!!」

「…………(この状況で一番“最悪なパターン”は……まずメビウスに連絡しよう)」

 

 ……何というか大分焦っている感じのリュウさん(仮)を見て逆に冷静になった俺は、とにかく最悪の事態だけは回避する為に彼にバレない様にメビウスに秘匿テレパシーで連絡を取る事にした。

 

『……あー、メビウス、聞こえるか? そっちはどんな感じだ?』

『え? アーク、うん聞こえるよ。……こっちはツルギから彼が復讐に走る様になった詳細を聞いた所。その後で彼は去って行ったけど……』

 

 成る程、向こうはそんな感じか……少なくともヒカリさんはメビウスに事情を説明するぐらいには関心を持っていると見るべきか。

 ……まあ、今はそんな事を考えている余裕は無いし、さっさと要件を言っておこう。

 

『こっちは現在リュウさんらしきGUYSメンバーに、セリザワ氏の肉体の乗っ取ったハンターナイトツルギと一緒にいたという事で銃を突き付けてホールドアップされている所だ』

『ええええぇぇぇぇぇぇっ!!!? ……じゃ、じゃあ、僕が今すぐそっちに言ってリュウさんに事情を……』

『いや、お前は()()()()()()()()()()()

『え⁉︎』

 

 ……予想通りこちらの現状を伝えられたら焦った様子でこっちに来ようとしたメビウスを、俺は“最悪の事態”を避ける為に言葉を強調しつつ静止した。

 

『いいか、この状況で一番最悪なパターンは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だ。……極論、俺やヒカリさんの正体がバレても地球から離れれば良いだけだが、お前はそういう訳にも行かないだろう』

『……それは……』

『それに真面目天然バカのお前がこの場に来た所で、俺を庇える都合のいい言い訳など思いつかないだろ。むしろ状況をより混乱させるだけだから絶対に来るなよ』

『酷く無い⁉︎ それに天然ならアークも大概でしょ!!!』

 

 何を言っているのやら、お前よりは天然じゃないだろう(自己評価)……それはともかく、俺はメビウスに念入りに絶対こっちへは来るなと言い聞かせて念話を切った。

 ……さっきから念話の為に黙りっぱなしな俺を見て、目の前のリュウ氏の引き金がかなり軽くなっているのが雰囲気で分かるからな……まあ、俺が()()()()()()()なら特に問題にはならないんだが、撃たれないに越した事は無いし上手く事情を説明してみるか。

 

「いつまで黙っている気だ!!!」

「おっと、これは失礼した。……私はM78星雲“光の国”の宇宙警備隊に所属しているアークと言う者だ。この地球には君達がハンターナイトツルギと呼ぶ同族を連れ戻しにやって来た」

 

 まあ、とりあえずは自分の立場を言っておいた方が良いだろうな。何分地球に不法侵入しているのはこちら側であるのだし……責任は親父が取ると言っていたし。

 ……ただ、俺の言葉を聞いたリュウ氏は困惑した表情を浮かべていた。

 

「M78星雲……光の国?」

「ん? ……ああ、分かりやすくいうと、君達地球人が『ウルトラマン』と呼んでいる生物と同じ種族が住む星だな。ちなみにこの姿が外見を変えているだけの所謂擬態だ」

「ハァッ⁉︎」

 

 どうやら『M78星雲光の国』という言葉自体が地球ではあまり知られていなかった様なので、分かりやすく補足するとリュウ氏はかなり驚いた様だった……が、そこは流石地球の防衛チームの一人と言うか、直ぐに動揺から立ち直ってこちらに質問をぶつけて来た。

 

「……じゃあ、ツルギのやつも『ウルトラマン』だって言うのか⁉︎」

「まあ、かつて地球を守った『ウルトラマン』と同族ではあるな。個人的には今の彼は『ウルトラマン』と呼ぶには相応しく無いとは思うが。……彼は昔は普通にいい人だったんだが、かつて守ろうとしたとある惑星をボガールに滅ぼされてしまい、その星の民の怨念に取り憑かれてしまってな。今ではあの様な復讐鬼と化してしまったのだ」

「……ウルトラマンの故郷にそんな風になるやつもいるのかよ」

「ウルトラマンとて神では無いからな。……まあ、宇宙の平均から見てもかなり住民は善良で平和だとは思うが、それでも私達も心のある生物に変わりない以上はその手のトラブルが無くなる事も無いのだ」

 

 とりあえず俺はリュウ氏に手早く事情を説明していく……よしよし、こっちの事情を聞くのに集中しているからか銃口が下に下がって来たな。ここはセリザワ氏の情報も話しておくか。

 

「セリザワ氏に関しては【ディノゾール】との戦いで死に掛けていた彼を見つけて地球での活動の為に融合した様だ。……現在のセリザワ氏はツルギとの融合で命を保っている状態だから、下手に分離させる訳にも行かない状況なんだ」

「……ッ⁉︎ だが……!」

「それに彼がボガールの復讐に囚われているから、こちらの帰還の申し出にも一切応じる気が無いと来た。……無理矢理叩きのめして連れて行くにしても地球への被害やボガールの行動、何よりセリザワ氏の肉体に負荷を掛ける恐れがあるから難しい」

「……グッ……⁉︎」

 

 そう言った俺の言葉を聞いて苦悩の表情を浮かべながら地面に膝をつくリュウ氏……うむむ、一応一通りの事情は説明しておいた方が良いかなと思ったんだが逆効果だったか? 逃げる隙が出来れば良いなとは思ったが、ここまで追い詰めたりとかまではする気が無かったんだが。

 

「じゃあどうすりゃあ良いってんだ!!!」

「……これまで、俺はツルギがボガールへの復讐心に囚われている以上、肝心のボガールさえ倒して仕舞えば彼もこちらの話を聞いてくれる……言い方は悪いが用済みになったセリザワ氏との分離にも同意してくれると思っていたんだが、どうにもこちら側の足並みが揃わない上にボガールは逃げ足が速いから中々捕まえられないのが現在の状況だな。俺も先日の光線防御でしばらくは戦えないし」

 

 こんな風に言って宇宙警備隊として実に情け無いとは俺も思うんだが、現在の地球と取り巻く状況は色々と面倒臭すぎるんだ。せめて俺が変身出来るぐらいに回復すれば力技だがまだ打つ手はあるんだが。

 ……それに、俺の見立てだと現在のボガールは……。

 

「後、今のボガールを下手に倒すと厄介な事になるかもしれん。そちらでもボガールの()()()()()()()を後で解析しておいた方が良いだろう。……では、さらばだ」

「ッ⁉︎ 待てっ!」

 

 そうして俺はこちらを静止して来たリュウ氏を遮る様にウルトラ念力を使って風を吹かせて土煙を舞い上がらせる事で彼の目を眩まし、その隙にテレポートを使ってその場から離脱したのだった。

 ……済まんなリュウ氏、俺がGUYSに捕まったりすると絶対にメビウスがボロを出すだろうから、それだけはどうしても避ける必要があるのだよ。情報は全部あげるから見逃してくれい。

 

 

 ──────◇◇◇──────

 

 

「へーい、天ぷらうどんお待ち!」

「ありがとうございます。……それじゃあ頂きます」

 

 そんな事があってから一週間ぐらいが過ぎ、俺はCREW GUYSの本拠地から離れた街のとある食事処で天ぷらうどんを食べていた……別にこの一週間呑気に食べ歩きをしていた訳では無いぞ、むしろ今後の事も考えて自分の傷を治すのに専念していたんだからな。お陰で変身と戦闘が可能な程度には回復したし。

 ……それにあの後こっそりメビウスに秘匿念話を使って向こうの状況を確認したりと色々やってたし。

 

「ズルルルル……さて、先日のメビウスからの秘匿念話によると現在のボガールに体内には大量のエネルギーが内包されており、迂闊に倒すと大爆発すると言う話だったな」

 

 GUYSによる解析だと内包されているエネルギーは約1.9ギガトン、引火・爆発すれば半径100キロ以内は瞬時に壊滅するのだとか……倒す時には宇宙に持っていくか周囲にバリアフィールドでも貼るのが妥当かな。

 ただ、その時に俺がベラベラ喋った情報の所為でリュウ氏が凄く荒れてたとか、ウルトラマンの故郷とか言う光の国や宇宙警備隊に対する論争が(特にテッペイさんと言う人を中心に)巻き起こって色々大変だったと文句を言われたが。

 ……最終的には隊長さんが収めてくれたらしいが正直済まんかった……地球では思ったよりもウルトラマンについてあんまり知られてなかったんだな。ああいう状況では出来るだけ正直に話した方がいいかなと思って……。

 

「まあ、メビウスの正体がバレなかったんだしよしとするか……ご馳走様でした」

 

 そうして俺は天ぷらうどんを食べ終わって勘定を済ませてから店を出て……直後、またも探知機に頼る必要がない程に強力な気配が放たれるのを感じ取った。

 ……これはボガールの怪獣を呼び起こす能力のエネルギー波だな。

 

「……ボガールめ、本当にもう隠れて行動する気は無いみたいだな。……或いは内包されたエネルギーの所為で行動に移す時に気配が漏れてしまう様になったのか……とりあえず行くか。今なら俺も戦えるしな」

 

 ……そうして俺はエネルギーが感知された方向へと地球人に怪しまれない範囲での全速力で向かって言った。

 

 

 ──────◇◇◇──────

 

 

「ギャァァァァァァァァ!!!」

「キシャァァァァァァッ!!!」

 

 そして現場に到着した俺が見たのは、まるでお互いを“宿敵”と定めているかの様な激しい戦いを繰り広げている【地底怪獣 グドン】と【古代怪獣 ツインテール】の二体……。

 

「キィシャァァァァァァァァ!!!」

「ギャァァァァァ!?」

「キキィィィィィ!?」

 

 ……の横合いから割り込んで、瞬く間に二体の大怪獣を肉体を変形させて作り出した大きな口でむさぼり食らうボガールの姿だった。

 

「キシャァァ」

「チッ、ちょっと遅かったか……ん?」

【Realize】

「ガオォォォォ!!!」

 

 腹を膨らませて満足そうな雰囲気のボガールを見て俺が舌打ちすしていると、その眼前にエネルギーと高分子が結合してミクラスの姿を形作った……この前と同じCREW GUYS製の人造怪獣だな。空には彼等の戦闘機も飛んでいるし。

 そして、そのミクラスは前と同じ様に果敢にボガールに挑みかかって行き、格闘からヤツの弱点である電撃を至近距離で叩き込むコンボで有利に戦いを進め、そのままボガールを電撃でダウンさせた……のだが……。

 

「ギギィ……ギャッシャァァァァァ!!!」

「ガガァッ⁉︎」

 

 その時、突如としてボガールの背中が裂けると、そこからまるで脱皮するかの様に進化した──背中にまるで巨大な翼の様な口を生やし手や足、そして尻尾などがより鋭くなって顔も更に凶悪な感じ変化したボガールが現れたのだ。

 ……まさか、大量の怪獣を食らってそのエネルギーで進化したのか⁉︎

 

「ガガァ……ガォォォ!!!」

「ギャシャァァァァァァァァ!!!」

 

 その進化したボガールに対してミクラスは再び電撃を浴びせ掛けるが耐性を獲得したのか全く効かず、逆にボガールの方から電流を流されて大ダメージを受けて時間切れかそのまま消えてしまった。

 ……そしてボガールは地上にいたGUYSメンバーに狙いを定めるが、そこに前回の焼き直しの様に変身してメビウスが現れてボガールに戦いを挑んで行った。

 

「セヤァッ!!!」

「ギャッシャァァァァァ!!!」

 

 誘爆を懸念してかメビウスは格闘主体でボガールを攻め続けていくが、凶悪になった姿は伊達では無いのかボガールは単純な防御力のみでメビウスの格闘攻撃をはじき返しながら逆に強烈な打撃を浴びせかけてメビウスにダメージを与えていった。

 ……そして、徐々に内包エネルギーが上がっていくボガールに気を取られたのか、戦いの中でメビウス出来た一瞬の隙を突いてヤツが尻尾でメビウスを捉えると、そのまま背中の大口でメビウスを飲み込んでしまったのだ。

 

「メビウス⁉︎」

「ギャッシャァァァァァ!!!」

「まだ消化はされていないか、流石にウルトラマンを速攻で消化という訳にも行かないと……だが、内側から自力での脱出は難しそうだな」

 

 その光景を見て地上のGUYS隊員が悲痛な声を上げる中で、俺は右腕にアークブレスを展開して救助に行こうとし……それよりも早く戦場に現れた小型戦闘機が放ったビームがボガールの頭部に直撃した。

 ……それに怯んだボガールが背中の口を僅かに緩めた瞬間、中のメビウスは無理矢理口をこじ開けて脱出に成功していた。

 

「へこたれんな! ウルトラマン! そんなでけえ図体して何してる!!! この星守るつもりなら根性見せろ!!!」

「リュウさん……」

『あの熱血バカ』

『遅いぜ、アミーゴ』

「……セヤァッ!!!」

 

 そして俺のウルトラ族としての優れた五感は地上に居るのと戦闘機に乗っているGUYSメンバーのそんな声を聞き取っていた……勿論、それはメビウスも同じであり、その声を聞いて奮起したメビウスは先程までよりも遥かに力強い動きでボガールへと向かっていく。

 ……なんか前にも似たような事があったけど、ああいう光景を見せられると横から要らぬ手を出すのは無粋に思えてくるんだよなぁ。

 

「セヤァッ! セイヤァッ!!!」

「ギッ……ギッシャァァァァァァァァ!!!」

 

 そんなメビウスの怒涛の攻めにボガールは徐々に押されていき、トドメに誘爆しないように士官学校で習った対怪獣用制圧術の一つであるヘッドロック(マン兄さんの得意技)によって首を絞め落とされたのだった……そしてメビウスは倒れたボガールを持ち上げて。爆発しても問題ない場所へと連れて行こうとした。

 ……色々あったがようやくこれで解決かな……と俺が思ったその時、別の方向から見覚えのある光線がボガールに向かって放たれて、それに直前で気がついたメビウスは慌ててボガールを地面に落として光線から避けさせた。

 

「…………」

「ツルギ!!!」

 

 ……そうしてメビウスとGUYSメンバーが光線が撃たれた方向を見ると、そこには鎧を纏った青い巨人──ハンターナイトツルギの姿があったのだった

 

「……えぇ……ヒカリさんそれは無いでしょう。今良いところだったじゃないですか……とそんな事を言っている場合じゃ無いか」

 

 ……そして彼の全身から立ち昇る鬼気を見て()()()()()()()を察した俺は、全速力でメビウス達が戦っている場所にまで向かって行ったのだった。

 

 

 ──────◇◇◇──────

 

 

「ツルギ……」

「どけ! そいつは俺が倒す!」

「よせ! ボガールを爆発させたら、この星の多くの命が犠牲に!」

「だからなんだ! 今こいつを倒さねばもっと多くの犠牲が出る。 数え切れない命が食い尽くされるぞ!」

 

 そんな問答の後、ツルギは右腕のナイトブレスからナイトブレードを展開してメビウスに向かって行き、メビウスもそれに答える様に左腕のメビウスブレスからメビュームソードを展開して斬りかかって来たツルギを迎え撃った。

 だが、ツルギのナイトブレスはかの『ウルトラマンキング』が彼に与えたアイテムであり、復讐の鎧の所為で真価を発揮出来ていないとはいえそこから発せられる光剣の強度はメビウスのそれを上回っており、更に剣術自体の技術でも劣っていた為にメビウスは劣勢に追い込まれていった。

 ……そして何合いかの光剣同士の打ち合いの末にメビュームソードは真っ二つにへし折られ、その勢いでメビウス自身も地面に叩きつけられてしまった。

 

「グアッ⁉︎」

「…………」

 

 先程のボガールとの戦闘での疲労もあってカラータイマーが鳴る程に疲労したメビウスは直ぐに立つ事は出来ず地面に倒れ伏し、その間にツルギは容赦なく右腕のナイトブレードを膨大なエネルギーが内包されたボガールモンスに向けて振り下ろそうとしていた。

 

「やめろォォォォ!!!」

 

 その剣を振り下ろされる事によって齎せれらる悲劇に、そしてそれが恩師の手によって行われるという事実に思い至ったリュウは叫びながらトライガーショットをツルギに向け……。

 

「流石にそれ以上は見過ごせないな!」

「なっ、お前は……⁉︎」

 

 その直前、人間には不可能な速度で脇を駆け抜けていった見覚えのある外国人の青年が右腕についたブレスを発光させて光となる場面を見た所為で、その引き金が引かれる事は無かった。

 ……そして、青年──アークはそのまま本来のウルトラ族の姿に『変身』すると、振り下ろされる寸前だったツルギの腕を掴んでその動きを止めた。

 

「アーク⁉︎ 離せっ!!!」

「いやぁ、流石にこんな事で無駄な被害を出すのは許容出来ないなっと!」

 

 そのままアークはもう片方の手でツルギの胸元を掴み、ボガールモンスから遠ざける様に勢いよく彼を投げ飛ばした……投げ飛ばされたツルギは地面を転がるものの即座に態勢を立て直してアークを睨み付けた。

 

「どけっ! アーク! 今そいつを倒さねばもっと多くの犠牲を生むと何故分からん!!!」

「いや、別にさっさと宇宙にでも運ぶかして始末すれば良いだけなのに、復讐目的でそんな事も分からずに無駄な被害を増やそうとしているなら流石に止めますよ。……出来ればそれまで大人しくしていて欲しいんですが、無駄な被害を出す様なら力付くで止めますよ。俺はメビウス程優しく無いので」

 

 そう激昂するツルギに対してアークはやや呆れた様な声音で返答しながらも、その雰囲気を剣呑なものに変えながら彼にそう忠告した……が、復讐心に囚われたツルギが忠告を聞くはずもなく、彼は再びナイトブレードを振りかざしてアークへと斬りかかる。

 

「ハァァァ!!!」

「アークッ⁉︎」

「……やれやれ、仕方ない……じゃあ力付くでっと!」

 

 それを見たメビウスが叫ぶが、それをスルーしながらアークは冷静に自分に振り下ろされる光剣を見据え……その両手での()()()()()()で掴み取った。

 ……そして、更にアークは両掌にエネルギーを集中させつつ手首を捻る事でナイトブレードをあっさりとへし折ったのだ。

 

「なっ⁉︎」

「メビウスとの打ち合いで光剣が脆くなってたのに気付きませんでしたか? ……申し訳ないですが、ちょっと手荒に行きますよっ!」

「ガハッ⁉︎」

 

 自身の剣を折られて驚いたツルギに出来た隙を突く形で、アークはまず密着した態勢からの容赦ないヒザ蹴りをツルギの腹部に叩き込み、そのまま前屈態勢になった彼の背中に今度は肘打ちを打ち込んで悶絶させる。

 ……そうして態勢が下がったツルギのこめかみに問答無用でアークは回し蹴りを放って蹴り飛ばし、駄目押しに捕縛用の光の輪『キャッチリング』をツルギに巻き付けて拘束した。

 

「グゥッ⁉︎ 動けん!!!?」

「そもそも貴方は科学者ですからね、戦士として生きてきた年季が長く無いです。鎧による強化や貴方自身の才能もあって“強く”はありますが、ウルトラ兄弟の様なベテランの戦士達の経験からくる“怖さ”は無いです。……その上、復讐心のせいで動きが単調で見破りやすく、メビウスとの戦闘で刃が鈍っているのなら対処は容易ですよ」

 

 ……そもそもゾフィーやセブン21がアークを地球への単独任務に行かせる事に決めたのは、浄化能力やヒカリへの説得要員としてのもあるが、それ以外にも彼であればハンターナイトツルギ及びボガール相手でも()()()()()()()()()()()()()を持っているからでもある。

 

「……つ、強ぇ……」

「……アーク、幾ら何でもやり過ぎじゃあ……セリザワさんの事もあるし……」

「だからちゃんと手加減しただろう? あの鎧の防御力を考えればあのぐらいなら問題無いだろうし……ふむ」

 

 その容赦が一切ない行動にGUYSメンバーやメビウスがやや引き気味になりながら驚愕するのをスルーしていたアークは、突如何かに気付いた様なそぶりを見せると共にアークブレスから盾──ウルトラディフェンダーを取り出してツルギに向けて投擲し……それを念力で操って()()()()()()()()()()()を防いでみせた。

 ……その後、彼は特に何とも無い様にその光弾を放った者──ボガールモンスの方を振り向いた。

 

「ナッ⁉︎」

「ふん、貴様がツルギが現れた時点で狸寝入りをしていた事に気が付いていなかったとでも? ……さて、俺としても問題がややこしくなり過ぎてちょっとイライラしてた所だから……殴って解決出来る()()()()()から片付ける事にしよう」

 

 ……そうしてアークは意識を取り戻したボガールに対してファイティングポーズを取りながら向き合ったのだった。




あとがき・各種設定解説

アーク:めっちゃ強い(小並感)
・そもそも幼少の頃からゾフィーを始めとするウルトラ兄弟に鍛えられ続けて来た彼が弱い訳がなく、市民の避難が終わってない街中とかで無いまともな戦いなら今のツルギやボガールよりも遥かに強い。
・一応ツルギを攻撃した時もダメージが可能な限り少なくなる様に加減しながら攻撃している。

メビウス:アークの強さは知っているのであんまり驚いてはいない
・手加減もちゃんとしているのは理解しているが、それはそれとしてやり過ぎじゃ無いかとも思っている。

リュウさん:アークが与えた情報の所為で原作より困惑が強い
・でも、そんな状態でも『ウルトラマンなら何とかしろ』とか言わなかったし、その後は原作と同じ様にツルギとの会話や隊長のフォローもあって復帰しているメンタル強い人。

ツルギ:ボコられて簀巻きにされる

ボガール:進化したのにあっさりやられてるヤツ
・これには“裏で糸を引いているヤツ”も苦笑い。


読了ありがとうございました。
ここしばらく主人公が食道楽したりナズェミテルンディスカ⁉︎ ばっかりだったので、次回は主人公無双シーンを入れていきたいと思います(笑)
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