□月▼日
宇宙人連合の連中に暗黒宇宙に閉じ込められて復活したエースキラーと戦わされたりしたが無事に撃破&脱出を果たしたりした翌日の今日、俺と21先輩は銀河系支部で休養がてら報告書を書いたりした。
尚、あの宇宙人連合共は俺達を暗黒宇宙に閉じ込めてから直ぐに地球へと向かって封印されているヤプールを復活させようとしたみたいだが、メビウスと地球にいたウルトラ兄弟の皆さんに次々と倒され、最後にヤプールを何とか復活させたもののそのヤプールに用済みとして始末されたみたい。
……まあ、そのヤプールも俺達の報告を受けて地球へと向かった親父とタロウ教官を含むウルトラ6兄弟とメビウスに倒されたので、事件そのものは無事に解決したので一件落着と言った所だろう。
そしてヤプールが倒された事でその封印であるファイナルクロスシールドを維持する為に地球に残っていたマンさん、セブンさん、ジャックさん、エースさんの四人は地球を離れて再び宇宙警備隊に復帰する事になったのだ。
正直言って現在アホみたいに忙しい宇宙警備隊にとってはウルトラ兄弟とまで呼ばれる彼等の復帰は非常に有り難かった様で、彼等が帰還した銀河系支部では(ようやく激務から解放される希望が見えた事から)諸手を上げての歓声が上がるぐらいだった。
……まあ、四人も精鋭が復帰したんだし、これでもう少しは仕事が楽になるだろうよ。
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□月▷日
……そんな事を思っていた時期が俺にも有りました(笑)……何故かウルトラ兄弟達が復帰してから直ぐに、現在宇宙中で暴れまわっている自称エンペラ軍団達の活動が更に活発化しだしたのだ。お陰で復帰したばかりのウルトラ兄弟達は休む暇もなく宇宙中を飛び回る羽目になったしな。
まあ、彼等は『二十年近く地球で休暇を貰ってしまったのだし、これからしばらくはしっかりと働かないとな』と言って、早速宇宙各地の自称エンペラ軍団を次々と取り締まってウルトラ兄弟は健在であると全宇宙に示してるけど。
ただ、それでもエンペラ軍団を名乗る連中の活動は止まることを知らず、宇宙警備隊が全力稼働な所も変わらないので人材はまだまだ不足気味だった……ので、少し早いけど俺は21先輩との指導を兼ねたコンビを解消して単独での宇宙保安庁の任務を行うことになったのだ。
……先輩は『調査能力にはまだ少し経験不足からの不安があるが、戦闘面では一切の問題が無いから苦戦している宇宙警備隊員の援護と言った任務なら単独でも十分にこなせるだろう』と言われたしな。頑張らないと。
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□月◁日
今日は宇宙保安庁としての単独任務として救援の要請があった銀河連邦加盟惑星である『エルフィ星』にやって来ていた……この星に住むエルフィ星人はちょっと耳が長い以外はごく普通のヒューマノイドタイプの宇宙人だが高度に体系化された超能力を使え、更に高い科学技術を持つ星である。
それでどうして派遣されたのかと言うと、まずエルフィ星の首都で住民が斬殺される事件が起きてその犯人を捕まえるためにエルフィ星の警察が調査を進めていたのだが、その調査に携わっていた警官達も犯人に辿り着く前に次々と殺されてしまったらしい。
その被害に相手が警察では手に負えないと判断したエルフィ政府は軍隊の派遣を指示して、更に警察と連携して犯人を調査と討伐を行ってその正体が三人の【奇怪宇宙人 ツルク星人】のグループである事や潜伏場所なども突き止めたのだそうだ。
……この【ツルク星人】は種族全体として“刃物”に異様な執着を示す性質があり、主に両腕などに鋭い刃を移植する手術を成人の儀式としているらしいのだが、その執着が行き過ぎて辻斬りの様な行為に出やすい種族として宇宙でも危険視されているのだ……まあ、中には普通に生活する者や刃物への執着が転じて刀匠として生きる者もいるらしいけど。
だが、【ツルク星人】は比較的有名であるが故に巨大化能力や高い剣技や隠密能力を持っている事はエルフィ軍でも知られていたので、当然その三体が巨大化して襲い掛かっても問題無いレベルの戦力──エルフィ軍が誇る超能力駆動の巨大ロボットなどを準備して討伐に乗り出したのだが……突如としてエルフィ軍を
……そうして混乱したエルフィ軍に三人の【ツルク星人】が襲い掛かって甚大な被害を出してしまい、その三人にも逃げられてしまったのだそうだ。
まあ、今現在宇宙で暴れているエンペラ軍団が何故か円盤生物を持っている時がある事を考えると、恐らくこの赤いガスは【円盤生物 ノーバ】の『レッドクレイジーガス』である可能性が高いと思う。生物の凶暴化や赤い鎖になる事とかがかつて地球で目撃された【ノーバ】の能力と一致するからな。
……それで大打撃を負ったエルフィ政府は【ツルク星人】達への対応の為に宇宙警備隊に援軍の要請を出して、そこで手の空いていた俺が派遣される事になったと言う事なのだ。
今は再び行方をくらました【ツルク星人】達をエルフィ政府が全力で捜索しているので、見つかるまでは待機しておく事になっている……エルフィ星の調査なら彼等の方が遥かに長けているし、よそ者の俺が出しゃばっても足を引っ張りかねないしな。恐らく俺の出番は戦闘が始まってからになるだろう。
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□月◀︎日
そんな訳でエルフィ政府に貸し出された住居で待機していたのだが、報告に来てくれる軍人さんが言うにはどうも捜索は難航しているらしい……それと言うのも【ツルク星人】のグループをエルフィ星内の犯罪組織が匿っているのが原因の様だ。
この犯罪組織の構成員はは銀河連邦加盟前のエルフィ星で加盟では無く他の惑星への侵略を主張していた政府関係者やタカ派の軍人が主であり、現政府が政権を握って銀河連邦に加盟した後に離反して現政府転覆を狙うクーデター組織となったものらしい。
……軍人さん曰く『連中は自分達の超能力に無駄な自信を持っており我々なら宇宙に覇を唱える事が出来ると主張したのだが、そもそもその超能力も所詮はヒューマノイドタイプレベルの規模でしか無く、貴方達ウルトラ族やサイコキノ星人辺りと比べれば大した事が無いだろうと主張を一蹴された上で追い出された者達なのさ』との事。
更に『……まあ、当時のエルフィ星は何とかして早く宇宙進出をしたいと思っていたから、銀河連邦加盟の障害になる彼等をかなり無理矢理な方法で追い出してしまっていてな。それが500年以上も尾を引いてしまっているのさ』とも言ってたな。ちなみにエルフィ星人はヒューマノイドタイプの中でもかなり長命な種族で平均1000年ぐらいは生きる。
まあ、そう言う事情なので尚更調査に関しては何もさせて貰えなさそうだな。自分の惑星の犯罪者は可能な限り自分で捕まえなければ“本星の治安維持すら出来ない”と評判が悪くなるし、軍人さんも余り他惑星の俺を関わらせたくは無い感じだったし。
……とは言えずっと引きこもってるのも暇だし、宇宙警備隊員がやって来て何もしないとか言うのもちょっとアレなので、せめてパトロールとかに協力出来ないか打診してみようかな。
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□月▼日
パトロールの手伝いという形で外に出る事が出来る様になったぜ。やったね! ……まあ、別に今までも外出禁止とかされてた訳じゃ無いんですけどね。ただ『いつ連中が見つかってもいい様に直ぐに連絡が取れる場所で待機しておいてくれ』とエルフィ軍に言われてたから部屋に居ただけで。
……勿論、専用の通信機を持つ事は義務付けられているし、あくまで手伝いなので警察の人と一緒ではあるが部屋の中で日記を書くかニュースを見てこの星の情報を集めるよりは良いだろう。
そういう訳で警察の方から派遣された警官のシャルルさんと婦警のアスフィさんと一緒にエルフィ星の首都『アールヴヘイム』をパトロールしたのだが、今日の所は特に何事も無かったな。
……と言うか、首都で散々辻斬り事件が起きて厳戒態勢なので住民が殆ど外に出てこず街の活気が無くなっているんだよな。軍が討伐隊を編成して敗北した事もそれに拍車を掛けている感じだし。
一通り首都を見た感じだと種族固有の超能力(この星では“魔法”と言うらしい)と発達した科学技術が融合した独自の文明を構築していて中々面白い街並みであり料理も美味しかった(ここ重要)んだけどね。
……出来れば観光とかもしてみたかったんだけどそんな余裕も無いし、この首都がいち早く元の姿を取り戻せる様に宇宙警備隊として頑張るしかないか。【ノーバ】のデータとかも渡したしナノマシンに対する対策も急ピッチで開発されているとシャルルさんから聞いたから、後は連中を見つけるだけなんだが……。
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□月◇日
……どうやら連中の動きの方が少し早かったらしい。例のテロリスト集団が首都に攻め込んで来た様だ……ちなみに俺は自室待機です。流石にこの星の犯罪組織相手に宇宙警備隊員が出張ると何かと面倒な事になるからな。
それにまだ【ツルク星人】や【ノーバ】も出て来ていない様だしな。連中が現れたら俺の出番と言うことになるだろう。幸い多少ダメージを受けたとは言えエルフィ軍はその大半が健在、只のテロリスト集団に遅れを取る事は無く戦闘は有利に進んでいる様だしな。
……さて、どうなるか……。
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□月◆日
ふう、厳しい戦いであったがどうにか【ツルク星人】と【ノーバ】を倒す事が出来て良かったよ……あれからテロリスト達は普通に劣勢になっていったので俺の出番は無いまま終わるかと一瞬思ったりもしたが、追い込まれた連中が古の時代に封印された禁断の巨大ロボットを出して来たり、それに合わせてツルク星人&ノーバも出て来たりして有利な状況から一時ちょっとしたパニックになったりした。
……まあ、その“古の時代に封印された禁断の巨大ロボット”って言っても見た感じマザーケルビムやエースキラーより弱そうだったけどね。なのでそちらはエルフィ軍の最新巨大ロボット10体ぐらいが押さえ込み、同時に現れたツルク星人&ノーバは俺が相手をする事で対処したのだが。
とりあえず三体のツルク星人に対してはセブンガーに足止めを頼みつつ俺はその間に赤いガスを撒き散らしているノーバを倒す事にしたのだが、あのてるてる坊主めヒラヒラと動くから中々攻撃を当てにくく腕のムチや鎌も意外と力強くて結構手間取ってしまった。
……とは言え、凶暴化ガス状ナノマシンはウルトラ族に効く程の強度では無く、そもそもノーバはガスによる対民衆テロに特化した個体だから肉弾戦闘に持ち込んで仕舞えば倒すのは簡単だったのだが。エルフィ軍も前回の教訓から結界とかパワードスーツとかでガス対策をしてたし、そもそもロボットのセブンガーには無意味だったしな。
その後はセブンガーが相手をしていたツルク星人三体を流れ作業で撃破した訳だ……確かにツルク星人の殺傷に特化した剣技は二段攻撃とかが出来たりするレベルではあるのだが、所詮は近接距離でしか使えないので光線技による遠距離攻撃に徹すればそこまで苦戦する相手では無かったからな。連中の刃を受け止められるセブンガーが前衛に居てくれたのもあるし。
……そうして俺がツルク星人とノーバを撃破している間にエルフィ軍の方も巨大ロボットを撃破した事でテロリスト達は戦意を喪失して、その殆どが捕縛されたって感じだ。後で聞いた話だと例の禁断の巨大ロボットはあらゆる魔法を無効化するみたいな能力を持っていたらしいけど、所詮は魔法全盛期の時代に作られた物なので銀河連邦に加盟して得た機械技術で作られた兵器なら普通に倒せたのだとか。
街の被害はそれなりで出たが厳戒態勢が敷かれていたから住民の避難がスムーズに進んだ事と、ノーバの凶暴化ガス対策の結界が避難所に展開されていた事によって一般市民の犠牲はゼロに抑えられたのも良かったな。軍や政府の人にも感謝されたし。
……捕縛されたテロリスト達はエルフィ軍に任せるとして、俺も任務が終わった以上は宇宙警備隊に戻らねばな。とりあえずお世話になったシャルルさんとアスフィさんに礼を行ってから帰ろうか。
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△月○日
とりあえずエルフィ星での任務を終えて支部に帰還、それからいつも通り報告書の提出コースをこなし終えたらまた任務を言い渡された……と言っても宇宙保安庁の通常業務であるパトロールなんだが。
……ちなみにわざわざ通常業務を任務にしたのは、現在宇宙保安庁が超絶ブラック労働の全力営業中で優先度の低い通常業務であるパトロールを任せる人材がおらず、それを補う為に新人の俺にかなりの広域パトロールをさせたいかららしい。パトロールのやり方は先輩に教えてもらったし周る場所も教えてもらったからどうにかなるだろう。
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△月◉日
そう言うわけで早速パトロールに出掛けよう! ……と思ったんだが、その直前に親父に声を掛けられた。何でも地球にいるヒカリさんが後をメビウスに任せて宇宙に行くらしいので、前にも言っていた通り宇宙警備隊に勧誘(就職根回し済み)するから付いてきてほしいそうだ。
……何でも以前ヒカリさんと戦ったりしてから俺はそのまま地球を離れたし、一度キチンと話しておいた方が良いだろうって親父が提案して来たんだよな。
まあ、彼の性格からして結構気に病んでそうだし一度話しておいた方が良さそうではあるな。この日記を書き終わったら出発だ。
あとがき・各種設定解説
アーク:仕事仕事仕事
・尚、本人はあっさりと倒しているがツルク星人三体とノーバはレオ本編に出てきたのと同じぐらいの実力。
エルフィ星:モチーフは安直にファンタジーお約束の『エルフ』
・文明的にはなろう的魔法系ファンタジー世界が宇宙進出可能なぐらいに発展した感じで、住民の殆どが魔法を使えたり魔法ベースの機械が発展していたりと結構なもの。
・……だが、そもそも40メートル級の怪獣や宇宙人が跋扈するこのM78スペースでは個人戦力的には下の方なので、今は銀河連邦に加盟しながら独自技術である魔法関係の物品を輸出したりしている。
・今回の一件でテロリストは一掃出来たので今後はより銀河連邦との繋がりや加盟国との交流を重視する予定で、アークと宇宙警備隊にも感謝状とか出した。
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