△月□日
とりあえずヒカリさんは宇宙警備隊に無事入隊する事が出来たぞ! ……何故か地球を離れたヒカリさんにいきなり【宇宙大怪獣 ベムスター】が襲い掛かったりしたけど、親父とヒカリさんのタッグに無事倒されたから特に問題はなかった。
……しかし、ベムスターの『吸引アトラクタースパウト』に対して許容量以上のエネルギーを撃ち込んで破裂させるとか、本当にヒカリさんは科学技術局出身とは思えない戦闘能力してるよね。
ちなみに俺はもう一体いた別のベムスターを相手にして、アークブレードやウルトラスパークなどの吸収されない攻撃でどうにか撃破した……のだが、そこへ更に三体目のベムスターが現れて俺達を無視して地球圏へと行ってしまったのだ。
……まあ、残り一体はメビウスとCREW GUYSに任せようと親父とヒカリさんが言ったので追撃はしなかったが。本来地球圏に入ったヤツの相手は彼等の仕事だしな。
後、ヒカリさんと再会した時には†ハンターナイトツルギ†時代に俺を攻撃した事についてしこたま謝られた……なんかこう土下座する勢いでめっちゃ頭を下げられたので、逆に申し訳なくなるぐらいだったな。
……とりあえず俺は特に気にしていないという事の熱弁しつつ、ヒカリさんに攻撃された事でトレギアさんが凹んでたのでそっちにも謝っておいてほしいと言っておいた。
それを聞いたヒカリさんも『彼にも謝らねば』と言っていたし、親父が気を利かせて宇宙警備隊入りの登録や科学技術局との引き継ぎ関連の処理の為にヒカリさんを光の国へと一旦向かわせてくれたしこれで大丈夫だろう……多分。
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△月△日
今日はパトロール中に道に迷っていたザンドリアスを我が子を探していたマザーザンドリアスの下へと送っていった……のだが、更にその弟のベビーザンドリアスまで居なくなったと聞いて一緒に探す事になってしまった。
まあ、マザーには自分の子供を探知する能力もあるみたいで普通に見つかったのだが、運悪く遭遇したのか【昆虫怪獣 ノコギリン】に追い回されていたのだ!
……最も成長途中の小さい個体だったので俺とマザーが近づいて来た時点であっさりと逃げてしまったけどな。とりあえず親子を再会させる事には成功したので、彼等は俺にお礼を言ってから去っていったとさ。
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△月▽日
今日は先日遭遇した【昆虫怪獣 ノコギリン】が宇宙の一角で大繁殖して近くの惑星の生物を食い尽くして生態系を滅茶苦茶にしようとしている! ……という報告がパトロールルート内の他の宇宙警備隊員から寄せられたので、そちらの援軍に行く事になった。
……その惑星は宇宙でも希少な生物が多く住んでいる事もあって銀河連邦から保護惑星に指定されており、その生態系が全滅する事は宇宙警備隊的にも見過ごせないので近くにいた隊員に緊急招集を掛けた感じだな。
それでその保護惑星『イリーネ星』へとやって来た俺が見たものは……数千に達する数のノコギリンが惑星を覆い尽くそうとしている光景だった。流石に思わず絶句してしまったよ。
……幸いその殆どが小型のままだったので俺を含む複数の宇宙警備隊員の光線を掃射する事によって倒せたのだが、中には怪獣サイズにまで成長した個体も何匹かいた為かなり苦戦してしまった。
とりあえず俺と援軍に来てくれたジャックさんとマックスさんが成体のノコギリンを相手にしながら、他の隊員達や援軍に来てくれた銀河連邦の戦力で早急に小型ノコギリンを掃討して、それが終わった後に残った成体を総掛かりで倒すという戦術でどうにか対処する事が出来たのだが。正直マックスさんが十人ぐらいに分身してくれなかったら危なかった。
それで、その後の事後処理やノコギリン大量発生の原因究明とかはマックスさん達文明監視員の人達や銀河連邦の環境保護組織の人達がやってくれるそうなので俺はそのまま帰る事になった。
……この事件が今現在宇宙を騒がしてる『エンペラ軍団』に関わりがあるかは分からないな。このぐらいの事件ならこの宇宙だと割と良くある事だし。
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△月▼日
今日はパトロールの合間を縫って先日見たマックスさんの分身能力を練習してみる事にした……理屈に関しては自身の体内の光エネルギーをベースに存在情報を複製する感じらしいのは分かってるし、分身出来れば人海戦術で仕事も少しは楽になるのではという考えもあった。
……まあちょっと試してみた所、思った以上にエネルギー消費が激しい上に分身の制御にまで意識を割かねばならないので難易度が高く、仕事を楽にする為には使えない事が分かったが。そこまで都合のいい技ならマックスさんももっと使ってるよなという話である。
結局は任務の合間で習得出来る様な技ではないと分かったので、いずれ暇が出来た時に思い出せば練習するのも悪くないだろう……そんな日が来るかは知らないが(現在のブラック労働を眺めつつ)
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△月▶︎日
今日はパトロール途中でハーシー大彗星に乗ったピッコラ星雲の王子と遭遇して、何故かめっちゃしつこく声を掛けられた……何でも旅の途中で暇だったので偶々見かけた俺に声を掛けてきただけらしい。
……流石に他の星の王族相手に無礼な事は出来ないので丁重に扱ったが、正直言って小市民の俺にはどうやって王族をもてなせばいいかよく分からなくて少し困ってしまった。
幸いピッコロ王子は多少しつこい所はあっても普通に善良な性格であり、更に昔地球でタロウ教官と出会った事があるらしかったのでその辺りの話をして結構盛り上がった……特に光の国で俺がタロウ教官に教えを受けていた事に凄く食い付いて来たな。
……うん、でも光線技の実演ぐらいはいいんだけど『宇宙でも話題になっているタロウの必殺技のウルトラダイナマイトを見せてくれ!』はちょっと……アレ寿命も減るしエネルギー消費も激しいからあんまり使いたくないんだけど。自爆戦術とかあんまりやりたくないし。
最終的にはハーシー大彗星さんが取りなしてくれた(彼? は意思を持つ彗星でテレパシーで会話も可能)ので自爆する事は無かったし、王子さまの方も事情を説明したら『無茶振りしてごめんね!』と謝られたので別にいいんだけど。
……だが、そうしたら『じゃあ宇宙に名だたる宇宙警備隊の仕事を見学したい!』と言われてしまった。悪意とかは一切無く『立派な王子になる為の社会勉強がしたいんだ!』と言われてしまうと断りにくくてねぇ。
最終的にはハーシー大彗星さんを含めたすったもんだの話し合いの末に『決して仕事の邪魔にならない範囲で付いていく。自分の身は自分で守る。危なくなったらすぐに逃げる』という事を王子に約束させて、彼はしばらくの間だけ俺のパトロールに付いて来る事になった。
……一応、支部にはウルトラサインで報告しておいたけどホントどうなる事か……。
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△月◁日
支部からは『任務に支障が出ない範囲なら』と許可を得たので、とりあえずハーシー大彗星さんに乗ったピッコロ王子を連れてパトロールをしていたのだが、幸いと言うか何というか今日は特に何事も無く宇宙を見回るだけで終わった。
王子は何もなくてつまらないと愚痴っていたが、俺とハーシー大彗星さんが『宇宙警備隊の任務がなくて暇なのは宇宙が平和な証拠』と言って聞かせたので、ちゃんと不謹慎な事を言ってごめんねと謝られた。
……彼は他の人間の意見を素直に聞いて謝る事も出来ているので、将来はいい王様になれるんじゃないかなと思った。
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△月◇日
今日も王子を連れたパトロールハーシー何事も無く終わった……のなら良かったんだけど、王子を誘拐しようとしてその身柄を確保しようとした【バルキー星人】【カタン星人】【バイブ星人】で構成された(自称)エンペラ軍団の一派が襲い掛かって来たのだ。
連中はまずカタン星人の目潰し閃光『アイ・アタッカー』で俺の目を潰した隙に透明化したバイブ星人の手で王子を確保しようとしたのだが、何故かあっさりと透明化を見破った(後で聞いたら彼は悪意を感知出来るらしい)王子のハンマーでバイブ星人はぶっ飛ばされたのだ。
……ただ、不覚にも俺はカタン星人の目潰しを完全には防ぎきれなかったので視覚が余り効かない状態で戦わざるを得ず、とりあえず“困った時のセブンガー”を出してどうにか凌いでいる状態だったのだ。
加えて残っていたバルキー星人が【円盤生物 ブラックドーム】を繰り出して、更に吹っ飛ばされたバイブ星人も復帰したので戦局は不利な状態となったので、俺はヒーリングによって急いで視界を回復させつつ王子に逃げる様に言った……のだが、彼は『君を見捨てては行けないよ!』と言って戦う姿勢を見せたのだ。
……なので、ハーシー大彗星さんに『俺単独なら四対一でもどうにかなる(本音)ので行ってください』と言って、何か騒ぐ王子を無理矢理戦線離脱させる事に成功したのだ。
そうして王子が離脱すると同時に俺の視界も回復したので、ハーシー大彗星さんを追おうとした連中を足止めしつつ戦う事になった……まあ、所詮はチンピラに毛が生えた連中と直接戦闘能力が高くない円盤生物なので、護衛対象がおらずセブンガーとタッグを組めば戦えない程でもなかったが。
……具体的には性懲りもなく再び目潰しを仕掛けてカタン星人に対してウルトラディフェンダーで光を防ぎながら殴り飛ばし、透明化してきたバイブ星人は光線を変形させた無数の極小光球を周囲に撒き散らして対処し、普通に手に持った刃で斬りかかって来たバルキー星人には普通にカウンターを食らわせ、ブラックドームはセブンガーに任せると言った具合に互角の勝負を繰り広げたのだ。
そんな風に比較的有利に戦いを進めていた俺だったが、その戦いの趨勢を決定付けたのは何故か戻ってきたハーシー大彗星&ピッコロ王子……そして彼らに連れられてやって来たタロウ教官だった。
……後で聞いた話だと最近宇宙が物騒になっているからピッコラ星雲の王様が安全の為に旅をしている息子を連れ戻せと命令が下されたのだが、母星からハーシー大彗星まで通信が届かなかったので手の者を派遣して探していたらしい。
その過程で宇宙警備隊にも問い合わせていたのだが、そこに俺の出したウルトラサインによって王子が俺と一緒にいる事が伝わったので面識のあるタロウ教官が派遣され、その途中で逃した王子と遭遇して事情を聞いたタロウ教官がこちらに来たという訳な様だ。
そうして合流したタロウ教官と俺は改めて誘拐未遂犯共と戦った訳だが……そもそも俺一人に互角程度の連中相手にウルトラ兄弟の一角であるタロウ教官が参戦した以上は戦いの趨勢は決まったも同然であり、三人の宇宙人はボコボコにされた上で逮捕、ブラックドームも教官のストリウム光線で粉々に吹き飛ばされた事によって戦いは終了したのだった。
そうして連中を片付けた後は報告を受けて援軍に来てくれた警備隊員に誘拐未遂犯を引き渡してから、俺と教官でピッコロ王子とハーシー大彗星さんをピッコロ星雲へと送り届ける事になった……その時にちょっと王子がゴネたがハーシー大彗星さんとタロウ教官が説得した事で渋々ではあるが納得してくれたな。
それで手早くトゥウィンクルウェイを開いてピッコラ星雲まで王子を送り届けた事で今回の一件は無事に解決したのだった……別れ際に王子から『今度暇があったらウチの星に来てくれ! 歓迎するよ!』と言われたので、タロウ教官と一緒に機会があれば是非と答えておいた。
……機会があるかは分からないが、今後機会を作る為に今は任務を頑張ろうか。
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▲月◉日
今日も今日とて宇宙をパトロールする日々……だったのだが、いきなりタロウ教官から『惑星ジャルマで違法な兵器売買をしている【ドルズ星人】の一派の動きを掴んだので、連中を捕らえるのに協力してほしい』という援軍の要請が来た。
……ドルズ星人は宇宙警備隊でもその“所業”から凶悪犯罪者としてマークされており、どうもタロウ教官は個人的にも因縁があるからこの機会に是非とも捕まえたい様だ。
更に捕まえたエンペラ軍団を尋問したら何人かが『ドルズ星人から兵器や円盤生物の供給を受けた』と証言しており、おそらく連中はエンペラ軍団の補給役を担っていると推測されており、おそらく黒幕に近い位置にいる者とも繋がりがあるのではないかと推測されている様だ。
……最近は宇宙警備隊や銀河連邦の活動で宇宙で起きている事件もどうにか小康状態になっている様だし、ここらで事件の黒幕に迫っておきたいと親父を始めとした上層部は考えたみたいだな。
そうして、これまでの調査で黒幕に繋がっている可能性が高い案件に復帰したウルトラ兄弟を中心とした大戦力を向かわせて連中の尻尾を掴もうとしているみたいだな。
……でも、俺は新人なんだけどなとも思ったが、動かせる戦力に限りがあるから仕方ないんだろうと思い直してタロウ教官と合流する為に惑星ジャルマまで向かったのだった。黒幕に繋がる情報が得られればいいんだが……。
あとがき・各種設定解説
アーク:メビウス本舗の裏側で色々な事件に遭遇してる
・尚、普通だと一人の宇宙警備隊員が短時間でここまでの事件に遭遇するのは稀なのだが、今回は宇宙中で事件が起きているので遭遇率も上がっている。
・また、他の警備隊員がそちらに掛り切りなので、それら関係ない案件が広域パトロールをしているアークにぶち当たっている感じでもある。
ピッコロ王子:アークの新しい友達
・以前まではワガママな旅好き放蕩王子だったが、地球での経験とタロウとの出会いによって今では大分素直になって宇宙を巡って見聞を広める事も含めて旅をしている。
・まあ、それはそれとして大した護衛も付けずに宇宙中を旅するフリーダムっぷりは相変わらずなので、王様は頭を痛めていたり。
ヒカリ:この後ちゃんとトレギアに攻撃した事を謝った
・ただ、トレギアが気に病んでいるのは『ヒカリから攻撃された事』では無く『ヒカリ程の者でも闇に堕ちてしまう事』であり、『そんなウルトラ族が宇宙の番人を気取っていていいのか』という事なので……。
読了ありがとうございました。
実のところトレギアはヒカリに攻撃された事自体は大して気にしていないのです。正史ではヒカリが闇堕ちしたという事実を聞いただけで出奔してますし。それ自体が以前から思っていた“悩み”を確信に変えてしまったのが最大の問題なのです。