宇宙に輝くウルトラの星   作:貴司崎

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超級の合体怪獣

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 超合体怪獣 グランドキング 登場

 

 

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『⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️!!!』

 

 その怨念の篭った唸り声と同時、ブラックスターの上に君臨する【超合体怪獣 グランドキング】の赤い一つ目から最大出力なら惑星をいくつか貫通する程の威力があると言われる『グランレーザー』が合同艦隊に向けて放たれた。

 

『射線上から回避ィ!!!』

『目標グランドキング! 主砲発射ァァ!!!』

『ダメです⁉︎ 効果がありません!』

 

 それに対して艦隊も防ぎきれないグランレーザーは回避する事で被害を減らし、更に数の差を活かして反撃のビームやミサイルをグランドキングに撃ち込んでいくが、ウルトラ兄弟の光線すらも無傷で防ぎきれるその装甲には大した効果も無く弾かれてしまっていた。

 ……だが、そんな状況にあっても艦隊司令官は冷静に各種データを把握した上で指示を出していった。

 

『司令官⁉︎ グランドキングの攻撃によって既に無人艦艇の一割が轟沈しました⁉︎』

『落ち着くんだオペレーター君。……確かにグランドキングの攻撃は脅威的な威力ではあるが単発な上、一度最大威力で放つと次弾まで相応のチャージ時間が掛かる様だ。それに無人艦艇を囮とする戦術は有効な様だし動きも鈍くレーザー以外の攻撃をしてくる様子も無いから十分やりようはある』

 

 司令官は通信越しに堂々とした様子で艦隊にそう言い聞かせて動揺を鎮めると、次に宇宙警備隊隊長ゾフィーに連絡を取り『グランドキング並びにブラックスター攻略の為の作戦』を提案した。

 

『ゾフィー隊長、グランドキングの足止めをそちらの宇宙警備隊に任せても良いでしょうか。我々艦隊はその間にブラックスターを破壊します。……それで今回の作戦目標は達成出来ますし、グランドキング一体になれば光量子波動砲の一斉射撃などで十分打倒可能でしょう』

『良いだろう、グランドキングとは以前に交戦経験があるから足止めなら可能だろうな。……だが、光線技の撃ち合いでは分が悪い以上、ブラックスターに乗り込んでの接近戦に持ち込みたい所だが』

『それなら我々艦隊は残りの無人艦艇を囮にしてグランドキングがいる場所の逆側からブラックスターを攻撃しましょう。そうすればブラックスターが邪魔になってグランドキングの攻撃はこちらには届きませんし』

 

 そうしてグランドキングが次の攻撃の為のエネルギーをチャージしている間に合同艦隊は作戦を立て終えて、相手が動くよりも早く速やかに行動を開始したのだった。

 

 

 ──────◇◇◇──────

 

 

『……そういう訳だ、これより我々宇宙警備隊はグランドキングに攻撃を仕掛ける。直接攻撃を行うのは私と選抜された精鋭で、残りの隊員は残っている戦闘兵器の排除、及び光線などによるグランドキングへの牽制によって選抜メンバーが接近する隙を作ってくれ』

『『『了解です!』』』

 

 そんなゾフィーの指示をテレパシーで受けた宇宙警備隊の精鋭達は、即座にブラックスターの裏側に回り込もうとしている艦隊から分かれてグランドキングへと向かっていった。

 ……まず、グランドキングへの直接攻撃役に選ばれたのは隊長のゾフィーを始めとしてタロウ、レオ、アストラ、80、グレート、パワード、ネオス、セブン21の合計九名であり、彼等は真っ直ぐにグランドキングが座すブラックスターへと猛スピードで飛んで行った。

 

『⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️!!!』

「レーザーが来るぞ! 総員散開!」

 

 無論、再生させられた際にウルトラ兄弟への怨念が根底にあるグランドキングがそれを見逃す筈が無く、チャージを早々に切り上げて向かってくる精鋭達へとグランレーザーを放った……が、チャージ不足のせいで威力は先程のものよりも低く、かつ宇宙警備隊の中でも精鋭と呼ばれている彼等にとって撃つタイミングが分かっている攻撃など早々当たるものでは無く容易く回避された。

 

「手の空いている者は光線技でグランドキングを攻撃するんだ! 隊長達が近づくまでの時間を稼ぐ! スペシウム光線!」

「ウルトラスラッシュ!」

「……ここが使いどころかな、行け! セブンガー! ついでに俺もアークレイショット!」

 

 そこに精鋭部隊以外の、それでも()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()の宇宙警備隊員達による援護射撃がグランドキングへと放たれた……そこには戦闘兵器の相手を呼び出したセブンガーに任せて来たアークも加わっていた。

 ……まあ、距離が離れている事や前方にいる精鋭部隊に当てない様に撃った事もあってグランドキングに当たった光線の数はそこまで多くなく、また当たった光線もその超装甲の前では大したダメージを与えられなかったが、それでも相手を怯ませて精鋭部隊が接近する隙を作る事には成功していた。

 

「行くぞ! アストラ! イヤァァァァァァァァァァッ!!!」

「はい! レオ兄さん! セヤァァァァァァァァァァッ!!!」

『⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️!!!?』

 

 そうして接近した精鋭部隊の中で真っ先にグランドキングへと攻撃を仕掛けたのはレオ兄弟であった……二人は飛行の勢いを殺さないまま飛び蹴りの体勢となって、そのままグランドキングにダブルキックを叩き込んだのだ。

 ……宇宙拳法の達人二人が繰り出したどちらか一つでも並みの怪獣を撃破出来るだけの威力の蹴りを二発も食らったグランドキングだったが、その勢いに押されて後退はしたものの目立ったダメージは無く、更に直ぐ全身から電撃を放ってレオ兄弟を攻撃した。

 

「くっ、アストラ大丈夫か⁉︎」

「大丈夫です! 直撃は避けました!」

『⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️!!!』

 

 その電撃を咄嗟に飛び退いて直撃を避けるレオ兄弟だったが、そこへ間髪入れずにグランドキングの口から広範囲を薙ぎ払う熱戦『グランビーム』が彼等に向けて放たれる……が、その直前に上空からレオ兄弟の前に降り立ったタロウと80が瞬時に展開したバリアによって防がれた。

 

「大丈夫かレオ、アストラ」

「ありがとうございます」

「良くやってくれた、二人とも」

 

 その声と共にゾフィーの始めとする残りの精鋭部隊がグランドキングを囲む様に次々とブラックスターへと降り立ってファイティングポーズを取った。

 

「いいか、グランドキングの意識が艦隊へと向かわない様、個々で我々に釘付けにするんだ!」

「「「了解」」」」

『⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️!!!』

 

 そしてゾフィーのその指示の後で精鋭部隊はグランドキングへと攻撃を仕掛けて行き、それに応える様にグランドキングも怨念に満ちた咆哮を上げながら憎っくきウルトラ戦士達を迎え撃つ態勢になったのだった。

 

 

 ──────◇◇◇──────

 

 

「行くぞタロウ! トリャァッ!!!」

「はい、ゾフィー兄さん! セヤァッ!!!」

 

 まず先陣を切って仕掛けたのは以前にグランドキングとの交戦経験があるゾフィーとタロウだった……彼等はグランドキングの弱点である鈍重さを突く形で素早く動き回りつつ、左右から挟み込む形でそれぞれゾフィーキックとアトミックパンチを繰り出して攻撃を仕掛けた。

 

『⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️!!!』

「くっ⁉︎ やはり硬い!」

「防御力は前に戦った個体とほぼ変わらないか。……気をつけろ! コイツには生半可な攻撃は通じないぞ!」

 

 だが、グランドキングの圧倒的な防御力の前は二人の格闘技を受けても微動だにしないレベルであり、逆にグランドキングは両腕の『スーパーハンド』と使った超高層ビル群も粉々に粉砕すると言われる『スーパーデストロイングパンチ』で反撃を仕掛けてきた。

 ……だが、一度交戦した経験がある二人はその攻撃を見切って躱しつつ距離を取りグランドキングの防御力の硬さを他のメンバーへと正確に伝えて警戒を促した。

 

「次は俺達だ! グレートスライサー!」

「俺も行きます! ウルトラ・ライト・ソード!」

『⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️!!!』

 

 二人が下がると同時に間髪入れずグレートとネオスがそれぞれ自慢の光剣を展開して背後からグランドキングへと斬りかかっていったが、それでも相手の装甲にはかすり傷を付けるのがやっとで、逆に長大な尾を振り回された事で発生した衝撃波で吹き飛ばされてしまった。

 ……とは言え、事前に警戒してていたお陰で二人のダメージは最小限で済んでおり、更に彼等が離れた所で80とセブン21が光線の発射体勢を取っていた。

 

「サクシウム光線!!!」

「アドリウム光線!!!」

『⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️!!?』

 

 二人の放った光線は長大な尾を振り終わって動きが止まっていたグランドキングに直撃こそしたが、体表で僅かな爆発を起こすぐらいでやはりそこまでのダメージにはならなかった。

 だが、ウルトラ戦士からの立て続けの攻撃に対して腹を立てたのかグランドキングも反撃として頭部や尻尾からのビームや全身からの放電、両手からの毒ガスなどで苛烈な攻撃を仕掛けて来た。

 

『⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️!!!』

「チッ! ゼット光線!」

「放電は俺が! ブルーレーザー!」

「毒ガスは私が対処します、ハンドシャットアウト!」

 

 それに対してゾフィーが頭部からのビームをゼット光線で相殺し、タロウが電撃にツノからのエネルギー波を当てる事で威力を殺し、毒ガスに対してはパワードが掌に念力の壁を作ってガスを押し戻す事で対処した。

 

「よし、次は俺達だ。行くぞアストラ!」

「はい、レオ兄さん!」

『⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️!!!』

 

 そうして相手の攻撃が途切れた所で今度はレオ兄弟が得意の宇宙拳法を使っての格闘戦をグランドキングに仕掛けていった……尚、この様に味方が複数で敵が一である場合の戦いにおいては一人か二人のみが戦いを仕掛けて、残りの人員は邪魔にならない様に下がりつつ体力を回復させながらいざという時に援護を行うと言うのがこの世界では一般的である。

 ……余り数が大人数で同時に攻めると味方が格闘戦の邪魔になる事が多く、またウルトラ戦士の場合だと味方を光線技の盾にされる事もあるので波状攻撃で相手の体力を削ってから一斉に放つ合体光線でトドメというのが有効な戦術となっているのだ。

 

『⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️!!!』

「クソッ⁉︎ やはり硬いな!」

「慌てるなレオ、我々の目的はグランドキングを足止めする事だ」

「次は俺とネオスが行くぞ!」

「ああ、行こう21!」

 

 ……だが、そんな精鋭ウルトラ戦士の波状攻撃を持ってしても、かの【エンペラ星人】が手ずから集めた膨大な怨念によるエネルギーと異常なレベルの耐久性を持つグランドキング相手では未だに攻めきれずにいた。

 

『……やはり、かつて戦った時の様にウルトラ兄弟によるウルトラオーバーラッピングを行うかして、ヤツの耐久性を上回るパワーを出しでもしない限り倒せないか』

『このメンバーでは出来ないのか、タロウ』

『あの技は息のあった複数名のウルトラ戦士で行わないと成功率が低いんだグレート。そもそも当時活動していた対ジュダ用の切り札としてウルトラ兄弟で事前に訓練を行っていたから出来た技だからな。ぶっつけ本番でやるにはリスクが高すぎる』

 

 ネオスとセブン21が連携を取りつつ交互にグランドキングへと光線を打ち込んで戦っている横で、その他のメンバーは交戦経験のあるゾフィーとタロウを中心にしてグランドキングの攻略法をテレパシーを使って話し合っていた。

 

『まず防御力が高すぎる。我々の光線や格闘戦でもほぼダメージを与えられないとは』

『加えてここは暗黒宇宙だから我々に取っては不利なフィールドだからな。今は銀河連邦艦隊の特殊環境フィールド発生装置でここら一帯はそれなりに光エネルギーが存在しているから、まだエネルギー切れにはなっていないが』

『まあ、銀河連邦艦隊がブラックスターを破壊するまで足止めが出来れば良いんだが、グランドキング自体は放置しておいて良いレベルの怪獣ではないから出来れば倒してしまいたい所だが』

『……一応、あのグランドキングに対して有効な作戦の心当たりはある』

『『『本当か80⁉︎』』』

 

 だが、話し合っても一向に妙案が浮かばなかった所で80が唐突にそんな事を言ったので、彼等はついテレパシーでハモりつつ80の方へと顔を向けてしまった……とりあえずネオスとセブン21が一旦下がり、代わりにグレートとパワードがグランドキングと戦い始めた間に80は対グランドキング用の作戦について手早く話し始めた。

 

『あのグランドキングはスケールこそ桁違いだが私がかつて地球と戦った()()()()()()()()()()()()()()()()()と同種のモノだ。……だとすれば、通常の攻撃よりもマイナスエネルギーや構成している怪獣の霊魂や怨念を払う浄化技の方が有効かもしれない』

『……成る程な、グランドキングは【タイラント】などと同じ様な『怪獣の怨念』が集まったモノ。ならば通常の攻撃よりも浄化技の方が有効か』

『ヤツの肉体を構成している怨念を浄化すれば、流石に消滅は無理でも能力を下げるぐらいは出来るかもしれないしな』

『確かに怨念を主体とする怪獣は攻撃しても、そのストレスでマイナスエネルギーを増幅する性質があった筈だな。それならあの異常なタフさにも納得がいく』

『前回戦った時の面子には浄化技を使える者がいなかったからな。……だが、今ここにはマイナスエネルギー研究の第一人者で浄化技を使える80がいる』

 

 その80の作戦を聞いて他のウルトラ戦士達も『確かにその方法ならグランドキングにも有効だろう』と納得して、80の浄化技を主体とした攻めに切り換える戦術でグランドキングと戦う事に決めた。

 ……そのタイミングで艦隊司令官からに通信が来たのだ。

 

『こちら銀河連邦艦隊、ブラックスターの裏側に到着したので準備が整い次第攻撃を開始する。その際にブラックスターがかなり揺れるだろうから注意してくれ』

『了解した。……聞いていたな。これから俺達は銀河連邦艦隊の攻撃に合わせてグランドキングへの浄化作戦を試みる。ブラックスターが攻撃されればヤツにも隙が生まれる可能性が高いからな』

『『『了解』』』

 

 ……そのゾフィーの指示と共にウルトラ戦士達は“その時”が来れば直ぐにグランドキングへと挑みかかれる様にそれぞれが集中しながら、向こうに悟られない為にもこれまでと同じ様に波状攻撃を続行するのだった。




あとがき・各種設定解説

艦隊司令官:超優秀
・今まで負け続けだった銀河連邦が絶対に負けられない最重要な反撃作戦の総司令官として選んだだけあって非常に優秀な人で、元は光量子波動砲などの技術を開発した惑星国家の人間らしい。
・その惑星は平和主義になってから銀河連邦の治安維持部隊を立ち上げた勢力の一つとなっており、技術面や人材面でも相当に貢献している。
・巨大組織である分だけ初動が遅くそこをエンペラ軍団に突かれた銀河連邦だったが、宇宙中から優秀に人材を集めているので能力そのものは非常に高いのである。

精鋭ウルトラ戦士達九名:テレビシリーズになるぐらいに精鋭(メタァ)
・言うまでもなく文字通りの精鋭達であり、即興で連携を合わせるぐらいは問題なくやってのける。

グランドキング:そんな九名でも倒しきれないヤベーやつ
・普通に倒す場合にはコスモミラクル光線クラスの威力が必要な超装甲に、圧倒的なパワーと火力を持つ最強怪獣の一角。
・ただ、能力を攻撃力と防御力に全振りしてるので素早さが低く、ウルトラ戦士達の連携波状攻撃によって翻弄されてしまっている。


読了ありがとうございました。
ちなみに集団対一の戦いで波状攻撃が主体と言うのは、特撮の集団戦で味方が戦ってるのを遠巻きに見ている描写から。囲んで殴れば良いんじゃと昔は思ったけど数を増やすと同士討ちの確率も上がるよねって話。
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