宇宙に輝くウルトラの星   作:貴司崎

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怪獣戦艦の脅威

 ──────◇◇◇──────

 

 

 怪獣戦艦 グレイテストキング 登場

 

 

 ──────◇◇◇──────

 

 

『⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️!!!』

『なッ⁉︎ ……一体なんなんだアレは!!?』

『超大型のグランドキング……?』

『……エンペラ星人め、まだ切り札を隠していたか⁉︎ 全軍警戒!!!』

 

 ようやくブラックスターとグランドキングを撃破出来たと思っていた銀河連邦合同艦隊は、その二つが融合する事で現れた全長5000メートル超にも達する【怪獣戦艦 グレイテストキング】を見た事で混乱に包まれていた。

 流石にあと少しで目的を達成出来るタイミングで超大型怪獣が現れたのなら無理も無いが、それでも総司令官や一部の動揺が少なかった隊長格は部下を落ち着かせようと指示を出していく。

 ……そしてその中には『怪獣戦艦』と言う物に見覚えのあった宇宙警備隊隊長であるゾフィーと、同じく見覚えのあったタロウの姿もあった。

 

「あ、あんな巨大なグランドキングが……⁉︎」

「落ち着け、アレはかつて【グア軍団】が使用していた『怪獣戦艦』と同型の物だろう。おそらくエンペラ星人はブラックスターとグランドキングを融合させて怪獣戦艦になる様に仕込んでいたんだろう」

「それよりもあの怪獣戦艦がいつ攻撃を仕掛けてくるか分からん、注意しろ!」

 

 そのタロウの言葉通り躯体の構成を大幅に変更する融合直後だった事と、元となったブラックスターが半壊していた事によってグレイテストキングは駆動がかなり鈍くなっていたのだが、それも徐々に馴染んでいったのか全身に着いた砲門から禍々しい赤黒いエネルギーが充填され始めていったのだ。

 

「不味い⁉︎ 全員攻撃が来るぞ! 避けろ!!!」

『全艦艇バリア最大展開!!!」

『⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️!!!』

 

 異常に気が付いたゾフィーと総司令官が全軍に指示を飛ばした直後、グレイテストキングの全身に備わった砲門からグランレーザーに酷似した赤黒いビームが一斉に放たれた

 ……その一発一発がグランドキングのグランレーザークラスの威力がある全方位斉射は周辺に配置されていた艦隊やウルトラ戦士達を襲うが、ギリギリで混乱から立ち直っていた事もありバリアによる防御や回避が間に合ったお陰で被害は最小限で済んだ。

 

「負傷した者は後方に下がらせろ! 残った者達は私と共にあの怪獣戦艦に攻撃を仕掛けるぞ! 次に攻撃されればこの程度では済まん、何としてもアレを止めるのだ!!!」

『今の攻撃で艦隊の二割が撃沈または行動不能に!』

『残った艦艇を再編成してあの怪獣戦艦を攻撃するんだ! アレを倒さなければ撤退も出来ん!!!』

 

 だがそれでも合同艦隊への被害はかなりの物であり、ゾフィーと総司令官はグレイテストキングにこれ以上の攻撃をさせない為にも残存部隊による総攻撃を指示するのだった。

 ……まず先にゾフィー達精鋭部隊を中心とした宇宙警備隊員が攻撃直後で動けないグレイテストキングへと飛翔して一斉に攻撃を仕掛けた。

 

「M87光線Bタイプ!!!」

「サクシウム光線!!!」

「マグニウム光線!!!」

「アドリウム光線!!!」

「ネオストリウム光線!!!」

 

 そうして宇宙警備隊員達による色とりどりの光線がグレイテストキングへと突き刺さって行き体表に備わっている無数の砲門を次々と破壊していった……が、ウルトラ戦士達と比べても尚百倍近い大きさを誇り、更には素体となったグランドキングの『装甲強度』とブラックスターの『再生機能』をある程度引き継いでいるグレイテストキング相手では必殺の光線でも砲門周囲の表皮を吹き飛ばすぐらいしか出来ていなかった。

 そのまま宇宙警備隊員達は他の動ける遊撃戦力と共に、現在態勢を立て直している銀河連邦艦隊へと攻撃の目を向かせない為にもグレイテストキングへの攻撃を続けていく。

 

「装甲の強度は光線が全く効かなかったグランドキング程では無いが、そこに単純な質量と再生能力が加わるから中々ダメージは与えられないか。……引き続き可能な限り解析してデータを艦隊へと送るんだ」

「幸いなのは動きが鈍い事ですか。ヤツはさっきのレーザーから殆ど動いていませんし」

「透視などで見たところ未だに全身の構成が変化し続けているので、おそらく無理な融合と変異の所為で肉体が動かし難くなっているのでは……ッ⁉︎ 肉体の素性が一部変化して……アレは()()()()⁉︎ ま、マズイ! 攻撃が来ます!!!」

 

 そしてゾフィーを中心として解析能力に長けたメンバーは未だに不明点の多いグレイテストキングの情報を集めていたのだが、その中でも透視能力でグレイテストキング内部を探っていた隊員が体表付近にミサイルが生成されている事に気付いて警告を飛ばした。

 ……この【グレイテストキング】はブラックスターが変異して生み出されたモノであり、元の【ブラックスター】並びに円盤生物という種族自体が()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()で構成されているので、それを応用して新たに武器を作り上げたり高い再生能力を発揮したりしているのだ。

 

『⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️!!!』

 

 ……その直後、グレイテストキングは咆哮を上げながら、周りの宇宙警備隊員達を排除する為に全身から無数の誘導ミサイルを発射したのだ。

 それらのミサイル群は回避しようとしている宇宙警備隊員へとまるで猟犬の様に殺到して行き次々と着弾、爆発して彼等にダメージを与えていった。

 

「ぐわぁぁぁっ⁉︎」

「危ない! トライアングル・シールド!」

「くっ⁉︎ アークスラッシュ! ウルトラシールド! 大丈夫ですか⁉︎」

「マクシウムソード! ……チッ、数が多いな。落としきれん!」

「ゼノニウムカノン! ……一発一発の威力は低い様だが……!」

 

 しかし、その中でもある程度のレベルの者達は誘導ミサイル群に対して普通にシールドで防ぐ、散弾状にした光弾でまとめて撃ち落とす、呼び出した盾を念力で操って味方を庇う、宇宙ブーメランを高速で飛翔させて斬り落とす、拡散させた光線によって薙ぎ払うと言った手法で味方を庇いながら対処していた為、被害は比較的少なかった。

 ……だが、そうしている間は当然宇宙警備隊員の攻撃は途切れる事となり、その隙にグレイテストキングは無理矢理な融合で肉体に出来た不具合をドンドン修正しながら、自身の躯体を全力で戦える様に調整していった。

 

『⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️…………』

「アレは……隊長! 怪獣戦艦の肉体組成がどんどん変化しています! おそらく戦闘用に最適化されている物と思われます!」

「……まだ銀河連邦艦隊の態勢は整っていない、負傷者や損傷した艦艇を後方に下がらせる必要があるからな。やはりその為の時間を稼ぎ出さねばならんか……引き続き攻撃を続行する。まずは頭部に当たる箇所へ攻撃を集中させるぞ! 私も出る!」

 

 そのグレイテストキングの変容を知覚した解析班からの報告を受けたゾフィーは相手の主要機関と思われる頭部への攻撃を指示して、自身も先程からの戦闘で消費したエネルギーがある程度回復したと判断して前線へと出た。

 ……これにはグランドキング最大の能力である頭部からのビーム『グランレーザー』をグレイテストキングの規模で行われた場合を警戒した為でもあった。

 

「了解した隊長! ……生半可な攻撃では倒せん以上は合体光線で行くぞ! スペシウム光線!!!」

「「「「「スペシウム光線!!!」」」」」

『⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️!!!』

 

 その指示を受けた複数名の宇宙警備隊員がグレイテストキングの頭部へと向けて一斉にスペシウム光線を撃ち、それらは途中で混ざり合って威力を大幅に増しながら頭部の一つ目に突き刺さって吹き飛ばした。

 だが、そもそもグレイテストキングの頭部は大出力ビームの発射と主要センサーが取り付けられているものの、それ自体は“破壊されて終わり”の急所という訳では無い……というか、細胞の変容を制御する中枢機関はブラックスターに残っていた複数個の物を、肉体の各部に分散配置されているので頭部を潰すだけでは機能停止しないのだ。

 

『⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️!!!』

「ぐわあっ⁉︎ これは電撃⁉︎」

「グランドキングも使っていた能力だが、巨体なだけあって範囲が桁違いだな!」

 

 故に頭部の一部を破壊されても肉体の調整と最適化が止まる事は無く、反撃に躯体の機能として再現し終わった『グランドキングの全方位雷撃』を放って周囲の宇宙警備隊員達を攻撃したのだ。

 更に肉体の調整が進んだ事によって上昇して武器の生産速度によって、間髪入れずに全身から再度の誘導ミサイルが放たれて宇宙警備隊員達を襲う。

 

「またミサイルか⁉︎」

「落ち着け! 先程と同じでこちらに向かってくるだけなら対処出来る! ウルトラディフェンサー!」

「一度見た攻撃なら! エナジースプラッシャー!!!」

 

 しかしながら、流石に一度見た攻撃に対処出来ない程ここに集まった宇宙警備隊員は愚鈍ではなく、自分に向かってくるミサイルをシールドや拡散させた光弾で撃ち落とすなどして対応していった。

 ……だが、当然の事ながらミサイルに対処すると本体への攻撃が疎かになり、更に躯体の戦闘形態としての最適化が進んだグレイテストキングはミサイルだけでなく全身からの電撃や再生された砲門から断続的に放たれるレーザーを組み合わせた波状攻撃によって宇宙警備隊員達を攻め立て始めたのである。

 

『⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️!!!』

「コイツ、どんどん攻撃が激しく……⁉︎」

「これまでは本調子じゃなかったのか⁉︎」

「おそらく肉体変異が完成形に近づいているものと思われます!」

「げっ⁉︎ 腕が伸びた⁉︎ 回避!」

 

 躯体の最適化が進んだ事でグランドキングの両腕『スーパーハンド』の再現が終わり、円盤生物細胞の変容能力と合わせての腕部を伸縮させての鍵爪攻撃まで繰り出して来た……最も巨体故に威力は高いが速度は遅く、何より狙われたのがアークだったので普通に回避されたが。

 それでも圧倒的な質量から繰り出される打撃は例え遅くても凄まじく、更にはもう片方の手や背後の尾まで伸縮し出したのでその圧力は宇宙警備隊員達の接近を妨害するには十分な効果を発揮していた。

 

『⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️!!!』

「……攻撃が激し過ぎて攻め切れないな。これ以上に強化される可能性も考えると一気に攻め落としたい所だが……」

「グランドキング譲りの光線を受けても破壊しきれない装甲、高い再生能力に圧倒的な質量、全身全方位から放たれる攻撃……ここまで揃っていると攻め落とすには手数が足りませんね」

 

 そんなゾフィーとタロウの会話通り宇宙警備隊員達だけではグレイテストキング相手に一進一退の攻防を続けるのが限界であり、躯体の最適化によって徐々に戦闘能力が上がっている事も考えるとこのままではジリ貧になる事は目に見えていた。

 

「ここはもう一発ブラックストリームM87を……」

「流石にそれはやめておいた方が良い。……光子フィールドで光エネルギーが供給されているとは言えここは暗黒宇宙、実宇宙よりも回復は遅い上に連戦の所為でゾフィー兄さんのエネルギーは完全には回復しきっていないでしょう」

 

 ちなみに『光子フィールド』とは暗黒宇宙で特記戦力である宇宙警備隊員を運用する為に銀河連邦艦隊が用意した周囲の空間への光エネルギー投射システムであり、これのおかげでウルトラ戦士達は暗黒宇宙でも問題なく戦えるのだが流石に『暗黒の雲』の破壊、グランドキングとの激戦という連戦を行ったゾフィーのエネルギーを完全に回復させるには足りなかったのである。

 ……まあ、そんな状況でも彼等がそこまで慌てていないのは、この戦場で戦っているのは()()()()()()()()()()()()()()()()事を忘れていないからなのだが。

 

『ゾフィー隊長、負傷者と戦闘続行不可能な艦艇の避難、そして艦隊の再編成は終了した。これより我々も怪獣戦艦への攻撃へと移る』

「了解した。……総員! これより復帰した艦隊と共に怪獣戦艦へと攻撃を仕掛ける。艦隊の攻撃を通す様に援護するんだ!」

「やっと来たか。艦隊の火力があれば怪獣戦艦にも十分な打撃が与えられるだろうからな」

 

 そのタイミングで銀河連邦艦隊から戦線復帰の報せが届いたので、ゾフィーは宇宙警備隊員達にそんな指示を出しつつ自身もタロウと共に艦艇の邪魔にならない様気を付けながらグレイテストキングの注意を引きつける目的で攻撃を仕掛けていった。

 平均全長数百メートルはある艦艇数十隻による砲撃であれば、先程の『暗黒の雲』の様な反則的防御能力が無い限りは十分グレイテストキングにダメージを与えられるだろうと考えての指示である。

 ……だが、それを座して見ている程グレイテストキングは、その元となったグランドキングとブラックスターを作ったエンペラ星人や暗黒四天王達は愚鈍ではなく、むしろその行動(プログラム)には明確な戦術と悪意が存在していたのだ。

 

『⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️…………!』

「アレは頭部の再生が終わって……エネルギーがチャージされている!」

「ビームが来るぞ! 頭部の射線から離れろ……いや待て」

「あの方向は……不味いぞ司令官! ヤツは()退()()()()()()()()()()()()()()()()()⁉︎」

『何ッ⁉︎』

 

 なんと、グレイテストキングは自身の武装の中で最大の威力を持つ『超大型グランレーザー』を周りの宇宙警備隊員達や銀河連邦艦隊ではなく後退している負傷者を乗せた艦艇に狙いを定めて撃とうとしていたのだ。

 ……確かに超大型グランレーザーは非常に高い威力を持つが近距離ではその巨体故に射線を読まれて回避される可能性が高いとグレイテストキングの頭脳は判断し、敵の士気を挫く事と自身の残りの稼働時間の中で少しでも多くの損害を銀河連邦と宇宙警備隊に与える事を目的としてこの様な行動に出たのだ。

 

『後退する艦隊は今すぐ回避! 他の全艦隊はヤツの頭部に攻撃を集中させよ!!!』

『ダメです⁉︎ エネルギーのチャージが予想以上に早くて間に合いません!!!』

「まさかワザと再生を遅らせながらエネルギーをチャージして……⁉︎」

『⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️!!!』

 

 そうして今まで“再生に回す分のエネルギーもレーザーの為のエネルギーに回していた”グレイテストキングは、再生とほぼ同時にチャージを終えた超大型グランレーザーを後退する艦隊に向けて解き放ったのだった……。




あとがき・各種設定解説

アーク:今回の作戦では基本的に一兵卒
・勝手な行動を取って部隊の連携を乱す程未熟では無いが、それ故に小説内では主人公なのに一切目立たない(笑)

ゾフィー&タロウ:宇宙警備隊の指揮官ポジ
・疲労した宇宙警備隊だけではグレイテストキングを倒し切れない事は分かっていたので、時間稼ぎと情報収集を優先していた感じ。
・総司令官との話し合いで艦隊が復帰次第、宇宙警備隊の総攻撃と残りの光量子波動砲でグレイテストキングを打倒する予定だった。

グレイテストキング:単純な性能だけでなく戦術的な行動も可能
・具体的には最適化が終わっていない間は徹底して時間稼ぎに徹したり、銀河連邦の戦力を低下させる戦略的な目的の為に策を講じることも可能。
・円盤生物細胞に関しては原典では大きさを自由に変えていた事と、培養によって多量に増やせる設定から考えた独自設定。


読了ありがとうございました。
生産拠点攻略編もそろそろ大詰め。多分次回かその次辺りで終わりで、そこからは『ウルトラマンメビウス』最終話に入って行くと思います。
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