宇宙警備隊員アークの日記:大戦争の後
α月β日
エンペラ星人がメビウスとCREW GUYSメンバー達を始めとした地球人に倒されたお陰で第二次
直ぐにエンペラ星人打倒の報告を全宇宙に知らせたので、その威光に付き従っていただけの勢力は即降伏して戦局は完全に銀河連邦と宇宙警備隊側に傾いたのは良いんだが、本当の意味でエンペラ星人に忠誠を誓っている『真のエンペラ軍団』と言える者達は軍勢と共にその行方をくらませたのだ。
当然銀河連邦と宇宙警備隊は後の災いの芽を潰すためにも彼等の捜索を行うのだが、期間こそ比較的短かったものの宇宙規模の大戦争の余波は思っていた以上に大きかったのだ。
……ぶっちゃけると大戦争の余波で各惑星の治安が大幅に悪化してるんだよね。それに加えてエンペラ軍団に入っていたチンピラレベルの兵隊が脱走兵やら賊軍やらになっているから更にドン。
他にも被害にあった各惑星や施設への救援とかも銀河連邦はやらねばならない。ボスのエンペラ星人が倒されて大戦争にほぼ決着が付いたが故に治安維持や各惑星の再建を優先しないとならなくなったのだ。ここで拒否したら連邦への反感が凄いしね。
当然ながら宇宙警備隊員も姿をくらました腹心達よりも現在暴れて被害を出している野盗達の対処を優先しなければならない訳で……まあ宇宙警備隊の本来のお仕事はそういうものだからしょうがないんだけど。戦争での被害も回復してないし、しばらく動きは鈍くなるだろうね。
俺もしばらくは各地を回って治安維持活動をやる事になったし。エンペラ星人倒したんだから当然だけども、光の国で暫く休養扱いになったメビウスが羨ましい。
──────◇◇◇──────
β月ω日
今日も今日とて治安維持に東奔西走……元エンペラ軍団を名乗るチンピラやら大戦争の影響で目覚めた怪獣やら各地の復興支援やらで仕事が全く終わらない日々。戦争は終わってからも続いてるんだなって身に染みて思いました(小並感)
一応宇宙保安庁としてエンペラ軍団の残党とかの情報も探っているんだけど、自称『エンペラ軍団の残党』が宇宙中に湧いて出てるからさっぱり当たりを引けない。行ってみたら只のチンピラだったって言うのがもう十数回……。
まあ、エンペラ軍団残党の調査に関しては他のベテラン宇宙保安庁隊員や宇宙情報局が動いているし、そこは彼らに任せて俺は普通かつ地道に治安維持活動をしていくしかないかな。問題は一つずつ片付けて行かないとね。
──────◇◇◇──────
γ月σ日
今日は妙な噂を聞いた。なんでもエンペラ星人の居城である『ダークプラネット』に皇帝が残した宇宙を統べる絶大な力を持つ鎧が眠っているという話だ……すごく胡散臭いが。
そもそもこの噂は何故か“いきなり宇宙中に流れた”様で、現在宇宙警備隊が真偽を探っているのだが、どうにも作為的な感じがする。加えてそれに応える様に宇宙中の多くのチンピラがダークプラネットを探し始めたのもなんか怪しい。
まあ確かにこの宇宙には古のトンデモなく強い連中──エンペラ星人とかレイブラッド星人とかジュダとかジャッカル大魔王とか──が残した秘宝やら兵器やらの噂話は色々とあるし、それらを追い求める者達も普通にいるのだけれども。
それでもここまで大規模にチンピラが動くのはなんか怪しい気がする。エンペラ星人はつい先日まで活躍していたから信憑性が高いとは言え……或いは本当にエンペラ星人がヤベー物を作っていて、その情報が軍団の方に漏れてたとか、漏らされてたとか。
……やっぱもうちょっと調べてみるかな。先輩達にも話を聞いてこよう。
──────◇◇◇──────
γ月θ日
とりあえずダークプラネット目指してるとか言って銀河連邦所属の惑星から宇宙船をパクろうとしていたチンピラバルキー星人をフルボッコ、その後ペットだったサメクジラの身柄の安全を保障する条件と引き換えにするという穏便()な交渉術によって情報を聞き出すことに成功した。
そのバルキー星人曰く『自分は元エンペラ軍団の1人でその頃から“皇帝はこの戦争で絶対に勝てる切り札がある”という噂を聞いていた。そして最近軍にいた時の知り合いからダークプラネットの座標とそこに安置されている“装着すれば全宇宙を支配出来る程の力を得られる鎧”──“アーマードダークネス”の情報を聞いたので向かう事にした』との事。
……実の所、このダークプラネットやアーマードダークネスの情報については他の警備隊員達も宇宙各地で手に入れており、その情報もこのバルキー星人が語ったのと大体同じだったから目新しさは無いのだが、逆に言えば『宇宙各地の元エンペラ軍団にその情報を流した者がいる』って事なんだよなぁ。
まあ、バルキー星人を銀河連邦に送り届けた後は引き続き治安維持活動せねばならない俺には出来る事が余り無いが。ベテラン隊員がダークプラネットとアーマードダークネスの捜索に割り振られている以上、治安維持側の人材をこれ以上減らす訳にはいかないとのお達しだしね。
……今後も何か情報を見つけたら報告って事になるだろうな。しかしあのエンペラ星人が切り札として用意していた鎧なんて生半可な宇宙人では使いこなせず、逆に使い手を死なせるぐらいは普通にやりそうな気もするんだがどうだろうか。
──────◇◇◇──────
σ月γ日
どうやらエンペラ星人の拠点である『ダークプラネット』を宇宙警備隊が発見したらしい……とは言え、早速調査に赴こうにも超高純度のマイナスエネルギーが惑星全土を覆っている上、同じく座標を特定した元エンペラ軍団のチンピラ達が集まってきて、そちらの相手もしなければならないので調査は中々進んでいない様だがな。
それとダークプラネット周辺にはマイナスエネルギーを起点にしてウルトラ族みたいな光エネルギーを運用する者達を弱体化させるフィールドが形成されているのも手間取ってる原因らしい。何でも光線技の威力が大体七割ぐらいまで下がるそうだ。
そういう訳でマイナスエネルギーに詳しかったり浄化系の技が使える隊員に急遽ダークプラネット捜索を手伝う司令が下されており、俺も浄化技やマイナスエネルギーそのものに対する干渉も出来る事から呼び出された訳だ。
……21先輩からの紹介もあったみたいだし、元よりそう言った特殊環境での活動は得意分野だから頑張ろうか。
──────◇◇◇──────
σ月θ日
そんな感じでダークプラネットをマイナスエネルギーとか闇の力とかの影響を受け難いリバーススタイルで1人探索していたのだが、流石になかなか目的の『アーマードダークネス』とやらは見つからない。
……まあ、マイナスエネルギーに溢れたダークプラネットの奥地にある神殿をまともに探索出来るのはリバーススタイル状態の俺しかいないのが問題なんだけどな。正直言ってそこそこでかい惑星を捜索するには人手が足り無さすぎる。
一応マイナスエネルギーの中で行動するぐらいなら精鋭の宇宙警備隊員なら何とかなるんだが、このダークプラネットにはデバフ効果の闇の結界を始めとしてウルトラ族を始めとする光エネルギー運用種族に対する迎撃装置が多数配置されているのが問題なんだよな。
ダークプラネットの奥に入れば入る程に光属性デバフは強くなって迎撃機構も強化されるし、更にその迎撃機構はウルトラ族みたいな光属性持ちしか狙わず同じくやって来たチンピラは素通しなせいで、集められた精鋭宇宙警備隊員達が只のチンピラに毛が生えたレベルの元エンペラ軍団に遅れをとる羽目になっているのだ。
リバーススタイルになれば光エネルギーを完全に消せる俺なら迎撃機構もすり抜けられるんだが、流石に一人で戦闘能力が低くなる姿だと遭遇するチンピラ相手でも手間取るから中々捜索が上手く行かない状況である……もうこの星に住んでたエンペラ星人が如何にウルトラ族を敵視していたのがよく分かるぐらいの徹底的な光属性メタの設備の数々なんだよね。
引き続き調査は続行するけどどこまで上手くいくか……。
──────◇◇◇──────
σ月ω日
はい駄目でした! 流石に人手がチンピラ達と俺で100対1とかの比率じゃあ先に見つけるのは無理! ……まあ、肝心のアーマードダークネスを見つけたのはババルウ星人だったのだが、鎧を付けて暫く暴れ回って他のチンピラを皆殺しにしたり、宇宙警備隊員達と派手にやりあった後その力に耐えきれずに死んだんだが。
以前にした予想通りエンペラ星人の鎧をそこらのチンピラに使いこなせる訳が無かったという事らしい。そもそもあのアーマードダークネスは凄まじいヤプールすらも比ではないレベルのマイナスエネルギーを内包していた事が感じ取れたから、ウルトラ兄弟レベルの一流の戦士が装着しても徐々に命が削られていずれ死ぬだろうな。
……装着出来るとすればエンペラ星人レベルでマイナスエネルギーや闇の力を自在に扱える者ぐらいだろうが、そんな者この宇宙でもおいそれとは存在しないだろう(居ないとは言ってない)
それよりも問題は装着者を殺したアーマードダークネスが自立行動しだした事なんだよな。ぶっちゃけてババルウ星人が扱っていた時よりも遥かに強く、偶々相対した俺と親父とメビウス(休養が終わったら真面目に戦線復帰)の三人がかりでも止め切れ無かったのだ……なんだよ光エネルギーを分解するレゾリューム光線とか。リバーススタイルで受けてなければ死んでたぞ。
更には内包している膨大なマイナスエネルギーから新たに怪獣──後に名前を【宇宙苦無獣 ザラボン】と付けられた──を生み出して、そいつと俺達が戦っている隙に逃走して行方を眩ましてしまった。
この事態を受けた宇宙警備隊は逃亡したアーマードダークネスの捜索を決断。銀河連邦などと協力して宇宙中を探す事となった……戦った感触だとあの鎧は単純な戦闘能力もかなりヤバいヤツだったし、怪獣を生み出す能力や装着者の命を奪う代わりに力を与える能力とかエンペラ星人とは別種の厄介な力もあるから放置しておくと不味いだろうな。
──────◇◇◇──────
θ月σ日
ダークプラネットから逃亡したアーマードダークネスはそれから宇宙の各地に出没して災厄を振りまいていた……ある所ではエンペラ星人残党(チンピラ)と惑星の防衛部隊が小競り合いを繰り広げていた所に突如現れて、そのまま両軍を殲滅。
またある所ではエンペラ軍団の基地を調べていた銀河連邦軍の前に現れてこれを壊滅、ついでに基地も跡形もなく粉砕したとか。別の所では余り治安の良くない(婉曲表現)惑星でその政府に不満を持っていた人物に使われて、その政府を壊滅させた後に使用者の命を吸い尽くしそのまま惑星を半壊させて消えていったとか……とにかく好き勝手暴れていた。
宇宙警備隊も対処に動いているんだが単純にアーマードダークネスが強すぎる上、ウルトラ族なら当たったら確殺出来るレゾリューム光線まで持ち合わせているので相性が悪くこちら側の犠牲が増えるばかりで止められない状況になっている。
一応、地球でエンペラ星人と戦ったメビウスとヒカリさんからの情報だと人間などのウルトラ族以外の生命と融合した場合にはレゾリューム光線の効果は大きく落ちるみたいだが、そもそも他の生物との融合なんて緊急時以外は使えないしな。
……俺のリバーススタイルなら光属性じゃなくなるので当たっても即死はしないのだが、単純にスペックと戦闘能力の差で押し切られるから余り意味がないんだよな。
そんな訳でアーマードダークネスに少数で挑んでもどうにもならないので、どうにか相手が次に出現する場所を読んでそこに精鋭部隊をぶつける作戦をとる事になった。アイツ転移も使えるからそうでもしないとなぁ。
それにこれまでのアーマードダークネスの行動から、その目的は『戦闘が起きている・治安が悪い所に行ってマイナスエネルギーを集める』『エンペラ星人由来の施設や場所などを訪れる』『自分を装着して使いこなせる者を探す』と言った辺りであろうと推測されているしな。
実際ただ暴れているだけでは無くアーマードダークネス自体を求めたチンピラにあっさりと自分を使わせているという目撃情報があるからな。アーマードダークネスはあくまでも『鎧』であるから、装備として自身の強化と自分の装着者であるエンペラ星人の捜索、或いは装着出来る実力の持ち主を探していると言うのがヒカリさんを初めとする科学技術局の予想である。
……とにかくアーマードダークネスの捜索と討伐部隊編成は引き続き進められるし、エンペラ星人の置き土産と言う事もあって銀河連邦軍も協力してくれるからきっとどうにかなるだろう……なるといいなぁ。
あとがき・各種設定解説
アーク:現在ブラック労働中
・大戦争が終わった後も戦後処理やらダークプラネット捜索で忙しいので光の国には戻っていない、ウルトラ的時間感覚を持つ宇宙警備隊では良くある事(笑)
・闇属性耐性のあるリバーススタイルならレゾリューム光線を受けても即死しないが、光線が当たれば普通にダメージは受ける。
アーマードダークネス:エンペラ星人の置き土産
・元々意識などは無かったが大戦争で人々の負の感情から発生したマイナスエネルギーを集めて作られた物であるので、装着したババルウ星人を取り込んだ事がきっかけで自我が芽生えた。
・それでもあくまで『鎧』なのでエンペラ星人が残していた自動開発プログラムに従ってマイナスエネルギーを集めての自己強化と、自分を使う事が出来るエンペラ星人かそれと同格の存在を探し回っている。
・また『本来の主人が居なくなってしまった鎧』であるからか自らを使いたいと思った者がいた場合にはそれが誰であれ積極的に自分を纏わせる傾向があるが、自身の身に宿す膨大なマイナスエネルギーに耐えられない者は所有者に相応しくないと考えているので装着者の命を容赦なく吸い尽くす模様。
読了ありがとうございました。
とりあえず間章スタート。と言っても日記形式でダイジェストな感じになると思いますが、今後不定期にボチボチ更新していく事になるかと。次の章はトリガーが終わって情報が出揃ってからかなぁ。