宇宙に輝くウルトラの星   作:貴司崎

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宇宙警備隊員アークの日記:大魔王との決着

 ○月△日

 

 今日も今日とてアンドロメダ支部で事務作業の手伝いを頑張った……いつ俺を目当てにジャッカル大魔王が攻めてくるか分からないので此処に強制待機でござる。加えて大魔王を探して多くの宇宙警備隊員が出払っているので事務作業が増えてるから働きっぱなしでござる。

 ……アーマードダークネスを奪ったジャッカル大魔王は現在精鋭の宇宙警備隊員達が追跡中、エネルギー反応は追えているらしいから補足するのも時間の問題らしいのだが、それでも昔の敗北からこの広い宇宙で潜伏し続けて来た連中なので見つけ出すには多少手間が掛かる様だ。

 

 自分でも出現したい気持ちも無くは無いが、俺が待機するのも作戦の内だからしょうがないんだけどな。散々挑発してやったお陰で大魔王が狙うのは俺がいる此処か親父が詰めてる光の国の二択になるだろうし、この二地点間を結ぶトゥウィンクルウェイは継続中。こちらにはメロスさんやセブン21先輩やヒカリさんも詰めてるから迎撃態勢は万全なのが現状だしわがままを言う訳にも行かん。

 まあ、前回の戦闘の際に負傷したメロスさんも復帰し、以前までは微妙にギクシャクして雰囲気だったアウラとの関係もこの前の襲撃で庇われたからか大分改善されてるから居心地自体は悪くないか。

 

 後、この二人から『ジャッカル大魔王に狙われているとなると今のままでの実力では不安だな……よし、自分の中の秘めた領域にタップする感じの訓練で力を付けるか!』とか『あの大魔王を倒す為にもっと強くならないと!』とかで訓練に付き合わせられていたりするのがちとキツイ。

 事務仕事ばかりだから気分転換にはなるけど、そんなあっさり潜在能力が解放されて超パワーアップとか出来る訳がないじゃん。こういうのは積み重ねが重要なんだよ……え? お前は積み重ねが十分だから、後はきっかけさえあれば劇的に強くなれる感じがする? うーむ、『銀の鍵』とか持ってるしそう言われると否定しづらい。

 ……まあ、その後訓練しても覚醒とかはしなかった訳だが。親父並みに強いメロスさんにボコられつつ格闘や光線について指導して貰ったり、姿を消しながら高速移動して全方位から光の矢を撃ち込んでくるアウラの動きと攻撃を『銀の鍵』の応用により空間把握で見切ってカウンターを入れたりと得られるものはあったが。

 

 

 ──────◇◇◇──────

 

 

 ○月▽日

 

 朗報と言って良いのか分からんがアーマードダークネスのマイナスエネルギーの反応からジャッカル軍団がいる地点を突き止めたそうだ。宇宙の中でも辺境、銀河連邦や宇宙警備隊の目が届かない場所に隠れ家を作っていたみたいだが、垂れ流しになっていた鎧のマイナスエネルギーは隠しきれなかったらしい。光の国でも完全に封印する事が未だ出来ないぐらいだからな。

 ちなみに連邦と警備隊の目が届かない辺境は相応に治安も悪い事が多い……つまりそこの住民から出るマイナスエネルギーも多いからアーマードダークネスにとっては最適な環境でもあるからな。出来れば早く攻め込みたい所だが実は結構難しいらしい。

 

 そもそも、そういう所は『宇宙警備隊や銀河連邦でも諸々の理由で迂闊に手が出せない』から目が届かない様になってる訳だし。具体的に言うと下手に手を出した方がそのまま放置するよりも遥かに被害がデカくなるらしい。

 宇宙保安庁のベテランでその辺りに詳しいセブン21先輩曰く『連邦や警備隊の管理下では生きられない“ワケあり”の者達を住まわせる受け皿としてそう言う場所はどうしても必要になる。更にそう言った者達は自分の居場所がそこしか無いと分かっているから我々の様な者達の介入を嫌っているし、迂闊に手を出せば暴発しかねない』との事。まあ必要悪ってヤツ? 

 

 逆に言うと自分達の居場所がそこにしか無いと分かっている故に、治安は悪いが無秩序って訳でも無くキチンとその場所を維持するルールを定めているらしい。むしろ自分達で決めたルールはかなりしっかりと守っている……というか守れなければ居場所を失うから、やらかした連中は即座に村八分からの囲んで棒で叩くルートになるとか。

 ……なのでアーマードダークネスなんて言う最高レベルの厄ネタをそこに持ち込んだジャッカル軍団は、それが知られた時点で確実にそこに住む連中を敵に回すだろうともセブン21先輩は言っていた。それにジャッカル大魔王がアーマードダークネスを装備して暴れる事の方がそう言う場所に手を出して騒ぎになるリスクを遥かに上回るだろうし、ある程度の情報をリークして住民達には見て見ぬ振りをさせつつ精鋭を早期に突入させるのが一番効率の良い方法だろうからそういう策を取るだろうとの事。

 実に不本意ではあるが俺は大魔王のヘイトを稼いでしまってるし、アイツが使うブラックホールノヴァ(笑)を防げるから突入部隊に選ばれる事になるだろう。俺としても大魔王サマとは決着を付けておきたい所だし頑張る気だが。

 

 

 ──────◇◇◇──────

 

 

 ○月▲日

 

 そういう訳でジャッカル大魔王+アーマードダークネスを倒して来た! ……いやまあ、メチャクチャ大変な一大決戦だったんですがね。漫画にしたら単行本3巻ぐらい使うかもしれないぐらいの激戦でしたよ。

 とりあえずセブン21さんを始めとする宇宙保安庁の中でも管理範囲外の巡回も担当しているベテラン達──余計な騒ぎを起こさない様に変装しつつその地域の話が分かる顔役との繋がりのある面々の意見によって、その伝手を使ってジャッカル大魔王とアーマードダークネスの情報をリークしつつ宇宙警備隊が“本気”で早期に攻撃を仕掛けると通告したのだ。

 ……そうすれば宇宙警備隊を絶対に敵に回したくない──必要悪と許容されている現状を維持したい『顔役達』なら躊躇なくジャッカル軍団を見捨てて不干渉を決め込むとの考えであり、予想通り宇宙警備隊が地域内に進軍しても一切の妨害は入らなかった。

 

 だが、それを察知したジャッカル大魔王がアーマードダークネスの一部を身に付けた上、それを構成していたマイナスエネルギーを自らに取り込んだ状態で出張って来たのだ。ついでに残りのジャッカル軍団も死兵と化して向かって来たのでもう大変。

 ……まあ流石は大魔王と言うべきかヤツは少しばかり持て余し気味だとしてもアーマードダークネスとそのマイナスエネルギーを己のモノとして自身の能力を大幅に強化する事に成功しており、ただでさえ強かったのがちょっと洒落にならないぐらい強化されててヤバかった。具体的には親父含むウルトラ兄弟全員揃って戦って尚不利になるぐらい。

 

 なので止む終えず俺も援護に回って連射までして来たブラックホールノヴァを『銀の鍵』で相殺(エネルギーは改良型ウルトラコンバーターで確保)しつつ、その隙を突いてウルトラ兄弟11人がかりで一斉攻撃する事でどうにか持ち堪える始末だった。

 加えて他の精鋭達は死を覚悟して向かって来るジャッカル軍団を相手にするので手一杯……後で聞いた所によると以前の光の国への襲撃で大敗北した上に前回の強奪作戦で兵力の大半を失ったが故、最早ここで勝たなければジャッカル軍団は終わりだと言えるぐらいに勢力が縮小していたからこその死兵状態だったのだろうとの事。

 

 まあ、それでも今回はこちらが準備万端で攻め入っていた事、そして大魔王がアーマードダークネスの力を完全には制御出来ていなかった事でどうにか犠牲を出さずに戦い続けるぐらいは出来た。まあ全員かなりのダメージを負ったけど。

 それでもどうにかジャッカル軍団の方を精鋭達が倒すまでの時間をウルトラ兄弟は稼ぎ切り、余裕が出来た事で援軍に来れる様になったメロスさんやセブン21先輩などもジャッカル大魔王との戦いに参加した事によって戦況は徐々にこちら側の優位へと傾いていったのだ。

 幸いにもレゾリューム光線の様な光属性特効効果は使って来なかった(鎧が破損していたから?)ので、とにかく常に最低でも十人程度で戦いを挑みつつそれ以外はエネルギーを回復させる感じのローテーションを組んでの持久戦に持ち込む事で少しずつ大魔王に傷を与えていった……俺はエネルギーを供給されてずっと出ずっぱりだっだけどね! 大魔王のブラックホールを安定して相殺出来るのが俺一人しかいないから仕方がなかったんだけど。

 

 最終的には装着されているアーマードダークネスを精鋭達が可能な限り削り、そこにウルトラ兄弟11人が融合した『ウルトラマンメビウス インフィニティーブレイブ』がジャッカル大魔王へと最終決戦を挑む感じになったが。俺も『銀の鍵』による空間切断で大魔王の片手を落としたりと頑張ったぞ、すぐに鎧のマイナスエネルギーによって義手を構築されて殴り飛ばされたが。

 ……だが、そんな考えうる限り最強レベルのスーパーウルトラマンを相手にしても尚ジャッカル大魔王は互角以上に戦ってみせた。おそらく戦闘を経てアーマードダークネスの力を掌握していったと思われ、ただでさえ融合は時間制限があるのに向こうが徐々にパワーアップするので完全に不利な戦況となりちょっともうダメかと思った……その時、突如として宇宙に厳かな鐘の音が響き渡りジャッカル大魔王が纏っていたアーマードダークネスのマイナスエネルギーを浄化したのだ。

 

 その正体は光の国の秘宝たる『ウルトラベル』とそれを持ってきた宇宙警備隊大隊長である『ウルトラの父』だったのだ……後から聞いた所によるとウルトラマンキング(ひいじいちゃん)の助言によりウルトラベルが必要だと聞いた大隊長が、キングの加護があったとは言え一人でセキュリティが可笑しいウルトラタワーに潜って取ってきたらしい。やっぱ大隊長も大概やばいわ。

 ……それはともかく、あらゆる闇を払う奇跡を齎すウルトラベルの力は絶大でありアーマードダークネスのマイナスエネルギーの大半を消滅させてみせた。更に現状のジャッカル大魔王の力をエンペラ星人に匹敵する脅威と思った大隊長は、光の国に伝わるもう一つの秘宝たる聖剣『ウルティメイトブレード』を持ってきており、それをメビウスインフィニティーに渡してジャッカル大魔王との戦いに決着をつける様に言ったのだ。

 

 その後は力が急激に弱まったジャッカル大魔王に対して、メビウスインフィニティーがウルティメイトブレードによる『コスモミラクルスラッシュ』を叩き込んで致命傷を与えた……が、それでもジャッカル大魔王は身につけていたアーマードダークネスを囮として破壊させる事で生き残り、尚も諦めずにメビウスへと組み付いて直接至近距離にブラックホールを発生させて共にその中へと引きずり込もうとしたのだ。

 ……まあ、それを見逃す俺では無いので残されたエネルギーを全て使って『銀の鍵』でブラックホールを閉じ、そうして出来た隙にメビウスインフィニティーは大魔王へと逆に組み付いて『スーパーウルトラダイナマイト』を炸裂させる事でようやくジャッカル大魔王を倒す事が出来たのだ。

 

 うん、今思っても本当にジャッカル大魔王は強かったよ。宇宙警備隊のほぼ総戦力に加えて光の国の秘宝を二つも持ち出してどうにか倒せたんだからな。こっちも無茶したウルトラ兄弟達を始めとしてボロボロだし。

 俺も結構無茶した結果エネルギー切れになったから、しばらくはアンドロメダ支部で休養を取れとのお達し。他の宇宙警備隊員のダメージも甚大なので出来ればしばらくの間は大事件が起こらない様に祈るしかなさそうだ。

 

 

 ──────◇◇◇──────

 

 

 ○月▼日

 

 先日の戦いについての追加報告。あの時破壊されたアーマードダークネスの回収は不可能だった……と言うか、ウルトラベルで浄化されたウルティメイトブレードの攻撃の身代わりにされて完全に破壊されて実体を失って霧散したから存在を感知する事も出来ずどうしようもない模様。

 だが、技術局の調べによるとここまでやっても『アーマードダークネス』と言う存在は完全には消滅していないらしい。アレ自体が一種の“概念”みたいな感じになってるから、単なる浄化・破壊・消滅程度ならこの世界にマイナスエネルギーが存在する限り時間を掛ければ修復されるのだとか。

 

 なんかどっかのヤプールみたいだなとも思ったが考えてみればエンペラ軍団にはヤプールもいたし、そもそも概念に近い高位存在なら消滅しても時間をかければ復活するってのはまれにある話だしな。

 ……とは言え、流石にあそこまでやられれば次に復活するのは数千年後ぐらいになるだろうとの見立てだからしばらくは大丈夫だろうが。数千年後にどっかで復活した時はその時にどうにかするしかないだろう。こう言う事になるから下手に破壊せず封印処理が安定なんだよな。

 

 それと流石に俺やウルトラ兄弟辺りはそろそろ働き過ぎ+ダメージを癒す目的で交代に休暇を取る事になった。ジャッカル大魔王も倒されて大戦争の戦後処理もようやくひと段落した(終わったとは言ってない)から余裕が出来たらしい。

 まあ、流石にエンペラ星人からアーマードダークネスからジャッカル大魔王からと働き過ぎだしな。俺は順番的に最初の休暇組だし久しぶりに光の国に戻ってゆっくりするかな。

 

 

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 ○月□日

 

 …………トレギアさんが行方不明になってるって……マ?




あとがき・各種設定解説

ウルトラマンメビウス インフィニティーブレイブ:ウルトラ兄弟11人合体
・メビウスインフィニティーにレオ兄弟・80・ヒカリを融合に追加した超戦士で、見た目はインフィニティーの左手をナイトメビウスブレスにしてメビウスブレイブの様に金の装飾を追加した感じ。
・メビウスインフィニティーを超える戦闘能力に加えて融合しているウルトラ兄弟の技を全て使う事が可能だが、融合補助の力があるナイトブレスの力を最大限に使って無理矢理融合しているので長時間の使用は出来ず負担や反動も大きい。

ジャッカル大魔王+アーマードダークネス:超強い
・見た目はジャッカル大魔王の手足にアーマードダークネスの手甲と足甲が追加されただけだが、その力は十分に取り込めているので戦闘能力は上記のインフィニティーブレイブを上回るレベルで高い。
・ただ、アーマードダークネスの破損状態が酷かったのでレゾリューム光線を始めとする特殊能力は使えず、また力の制御にも難があるので単にジャッカル大魔王の戦闘能力を引き上げるだけになっている。
・ぞれでも元となるジャッカル大魔王(2代目)が非常に強いのでウルトラシリーズのラスボスとして十分過ぎる戦闘能力を誇っており、ウルトラベルやウルティメイトブレードを持ち出してようやく倒す事が出来るレベル。
・尚、死兵達がやられた時点でジャッカル軍団の残存戦力に逃亡の指示を出しており、ジャッカル大魔王との戦いで宇宙警備隊に追撃の余力が無かった事で無事に逃げ出している。

トレギア:知ってた
・実を言うと大戦争中には既に出奔してたが、アーク・タロウ・ヒカリの付き合いのあった全員が大戦争からアーマードダークネスからジャッカル大魔王の一通りの事件のせいで光の国に帰れないレベルの激務だったので気付くのが遅れた。


読了ありがとうございます。
インフィニティーブレイブの元ネタは超闘士激伝・新章のラストでメビウスがウルトラ兄弟全員と融合したメビウスインフィニティー。更にヒカリを追加して豪華にしてみた。
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