【対魔忍RPG】――殲血の紅姫――心願寺紅 作:unko☆star
8年前、大嶺は東京の地下300m地点に存在する闇の無法都市“ヨミハラ”で潜入任務にあたっていた。
目的はそこで勢力を伸ばしていたとあるマフィアの調査。
当時、東京の繁華街で流行していた違法薬物の売買に関わっているという疑いがかけられており、政府から五車に調査依頼がかけられていた。
調査が進むにつれ、そのマフィアは独自に
大嶺をはじめとする調査チームは五車にこれを報告し、大規模な殲滅作戦が行われることになった。
マフィアをはじめとする闇の組織は、必ず一度の作戦で殲滅させなければならないとされている。
それができなければ、残党が寄り集まって新しい組織を立ち上げてしまうためだ。
その場合、“統率の取れたひとつの組織”が“統率されていない、制御不能ないくつもの組織”に分散してしまうことになり、かえって状況を悪化させてしまうことになりかねない。
調査チームはなおも極秘調査を続け、ようやくマフィアの幹部が集結するパーティーの日を突き止めた。
あとはその日に総攻撃をかけ、一網打尽にすればすべて終わるはずであった。
――しかし、作戦決行の日、五車の部隊が総攻撃を仕掛けるよりも前に、大嶺が単身マフィアたちのパーティーが行われていた会場に乗り込んでしまった。
大嶺は6歳になるマフィアのボスの息子を人質にとって会場に押し入るや否や、ボスの目の前で息子を両断し、激昂したボスと幹部たちを相手に大立ち回りを演じたという。
本隊が駆けつけてきたとき、現場にはすでに46人の死体が転がっていた。
マフィアのボスと幹部、その部下たちの亡骸もあったが、大半は事件とは関わりのない、民間の従業員たちであった。
さらにまずいことに、一網打尽にするはずだった幹部たちの相当数が逃亡してしまっていた。
民間人の犠牲、幹部らの脱出――。
五車が避けようとしていたすべての事態が、大嶺一人の凶行によって引き起こされてしまった。
懸念したとおり、逃亡した幹部たちはそれぞれが新しい組織を立ち上げ、ヨミハラにはさらなる混乱の渦がまきおこった。
さらに幹部らは、「ボスの仇を討ち、新たなボスとして箔をつける」と息巻いて、我先に大嶺の首を取るべく追手をかけた。
既に大嶺は行方をくらましていたが、こうなっては五車も大嶺を追放処分とせざるを得ず、事件は「発狂した抜け忍が単独で襲撃をかけた」という形で処理されることとなった。
――――――
――――
――
「その…紅さんは、大嶺さんをご存じなんですか?」
「いや…そういうわけではないが…。少し、名前を聞く機会があってな…」
とっさに嘘が口をついて出た。
作戦を無視した無謀な突入…。幼い子供を巻き込んだうえでの惨殺…。
対魔忍として、いや、人として許される所業ではない。
しかし――。
(どうにも、腑に落ちない…)
先日、礼儀正しく去っていった大嶺の姿と、資料に記されている大嶺の姿とが、どうしてもひとつにならない。
無論、紅が大嶺と会ったのはわずかな時間のみであり、それだけで彼が誠実な人間だと結論づけることはできない。
(だが、そもそもなぜ大嶺が凶行に走ったのか、動機がいまだに謎のままではないか…)
それについて五車がほとんど調査をしていないどころか、大嶺を探し出そうとすらしていないことも不自然だ。
「資料によれば、事件以前の大嶺はとくに問題を起こしたことのない、優秀な対魔忍だったようだが…」
「はい。そんな人がなぜ暴走してしまったのか、私も気になったんですが…。なぜか早々に調査が打ち切られてしまって、それっきりになっているようです」
「うむ…」
紅はファイルを閉じ、テーブルに置かれていた茶を静かに啜った。
先ほどまで湯気をたてていたはずのそれは、いつの間にか生ぬるくなっていた。
――――――
――――
――
それからひと月の間、紅は任務に忙殺される日々を送った。
このところセンザキでは怪しげな武装組織による犯罪が多発しており、街を仕切る顔役たちが血眼になって黒幕を探し回っていた。
顔役のひとり、“
最終的に黒幕を突き止めることはできなかったものの、組織の拠点を叩き、一応は解決の形を見ることとなった。
そして、紅の手が空くのを待ち構えていたかのように、天心から夕食の誘いが来た。
恐らくは、厄介な任務につきっきりになっている紅の様子を聞き、陰ながら見守っていたのだろう――。
――――――
――――
――
紅は以前と同じように、河原崎邸への田舎道を進んでいた。
季節はすっかり梅雨へと移り変わっており、昼過ぎまで降り注いでいた雨に濡らされた地面から湿気が立ち上っていた。
じっとりと重い空気が肌にまとわりつき、夕暮れ時だというのに歩いているだけで汗ばんでくる。
この道を通ると否が応でも大嶺のことが思い出されるが、本人の行方も知れず、裏の情報網を使って探ってみても、まりから教えられた以上のことはなにも掴めなかった。
紅は、
(これ以上探ってみたところで、、私にはどうすることもできないかもしれない)
と思う一方で、完全には大嶺のことを忘れることができないでいた。
過去の非道な行いを知ってなお、それに対する五車の対応のほうに疑問が湧く。
なにより、自分と同じく故郷を追放されたものとして、大嶺に親近感のようなものを抱いていたのかもしれない。
やがて紅は大嶺と出会った墓地の近くに差し掛かった。
(………なにっ?)
あの日と同じように、その足がぴたりと止まる。
しかし、今回は剣撃の音を察知したのではなかった。
それは、普通の人間であれば気づかない程度の痕跡であったが、紅の鼻は戦場で幾度となく
嗅いだ、甘ったるく、不快なにおい――
――血の匂いを、はっきりと感じ取っていた。
考えるよりも先に、紅の足は階段を駆け上っていた。
うあああああ き…キン肉マンがプレイ・ボーイ本誌を練り歩いてる!
ってなるらしいスけど、別にタフが代わりにWEB送りになるなんてことにはならないんじゃないスかね
仮になったとしても、今のタフならむしろネットに移ったほうが盛り上がりそうな気もするんだ
猿先生は不死身なんだ