ゲームキャスターさくら   作:てんつゆ

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人形列車 月の色5

 使用クラスの選択が終わり、フィールドに降りた瞬間。

 忍さんは銃についているスコープを覗き込み、相手の位置を超速で把握してから一気にトリガーを引いて先制攻撃っ!

 

「もらいっ!」

 

 スナイパーライフルの銃口から炎を纏った銃弾が撃ち出され、はるか遠くにいる相手に向かって直進。

 いきなり不意打ちが決まると思いきや、着弾する直前にステップで避けられてしまいました。

 

 ――――――けど、マジックガンナーの強さはここから。

 避けられた銃弾が地面に着弾した瞬間に爆発し、相手に爆風ダメージを与える事に成功。

 

「やっぱ知ってたか」

 

 マジックガンナーの強さはゲームが開始した直後に先制攻撃出来る事。

 遠距離攻撃に注意していない相手だったら、そのまま攻撃が直撃していきなり大ダメージを与える事だってできちゃうんです。

 それに攻撃に気がついても爆風を避けられずに、少量の爆風ダメージを相手に与えた状況で対戦を始める事も出来ます。

 

 マジックガンナーと対戦する時は、最初の爆風ダメージはほぼ受ける事が前提で対戦を組み立てる必要があり、相手にするとかなり厄介。

 

 ――――――なのですが。

 実は相手も同じクラスを選択していたら、お互いに最初の狙撃が直撃して2人とも瀕死の状態で対戦が始まる事になってしまったり、相手が速度重視の遠距離クラスだったらこっちだけ一方的に攻撃される可能性があります。

 

 それと、一番厄介なのが反射を使われた場合で、撃った銃弾が反射でそのままこっちに戻ってきて逆にこっちだけ壊滅状態になってしまう事も………。

 

 だから最初は様子見する事も選択肢としてはありなんですが、なんと言っても今回はタッグバトル。

 忍さんがスナイプしてから防御力の高い望さんが前に立ってガードする事によって、最悪の状況にだけはしない作戦を取ったようですが、どうやら今回の相手は遠距離攻撃も反射もしてこなかったみたいです。

 

「望。居場所がバレたから移動するわよ!」

「分かったよ!」

 

 忍さんの前でガードをしていた望さんは防御姿勢を解除して、ひとまず忍さんと一緒に近くにある岩陰へと走りました。

 

「遠距離がいるってバレたから、多少のダメージ覚悟で速攻しかけてくるかも」

「も~。ちゃんと当てないと駄目じゃん」

「う、うるさいわね。少し削ったんだから良いでしょ!」

 

 安全を確認した忍さんは、先制攻撃で空になった魔弾を補充し、すぐに次の狙撃に備えます。

 

「望。相手の位置は?」

「さっきの場所からちょい右だよ」

「オッケー!」

 

 すかさずもう一度火炎弾をシュート!

 今回も直撃はしなかったものの、爆風ダメージで体力を削る事には成功です。

 

「よしっ。このまま削り倒すっ!」

 

 そのまま遠距離攻撃だけで敵をやっつようとするのですが、そんな簡単にいくはずも無く―――――。

 

「あっ!? 二手に分かれたよ!」

「まとまってくれてたら楽なのに」

「じゃあ望は右の人の相手してくるから、もう1人は忍ちゃんお願い」

「えっ!? ちょっと待ちなさいよ!?」

「うおおおおおおお! 望、出陣っ!!!!」

 

 望さんは早速相手に向かって駆け出して行きます。

 

「まあ相手が遠距離クラスじゃないからいっか」

 

 と忍ぶさんが安堵した瞬間。

 

「わああああああっ!?」

 

 望さんの元に突然無数の矢が襲い掛かってきたので、望さんは転がるように岩の影に退避しました。

 

「…………相手は中距離か。てか望も一気に近付きすぎでしょ!」

 

 相手の1人は中距離連射型のアーチャー。

 単発高火力型の忍さんとは真逆の、手数で相手を圧倒するクラス。

 

 適当に攻撃をバラ撒いても相手の体力を削ったり足止めしたりも出来るので、初心者にもおすすめのクラスです。

 

 そのアーチャーに隠れている岩の近くを矢の雨が降り注いで、動けなくなっている望さん。

 

「う~ん。あんなインチキ能力使われたら勝てないよぉ…………。よ~し、こうなったら望も能力を使って反撃だーーーー!!!! いでよっ! ホワイトのぞみん!」

「にゃ~ん」

 

 掛け声と共に、白い猫ちゃんが登場。

 望さんの能力は自分の位置と白猫の位置を変える事。

 

 使い方によって強くも弱くもなる中級者向けの能力です。

 

「よぉし! それじゃあ、あっちの岩まで行ってみよ~!」

「にゃ~ん」

 

 猫ちゃんに号令をかけて、とりあえず安全な場所に移動する事にしたのですが――――。

 

「あああーーーーっ!? そっちじゃないよ!?」

 

 そう。

 森の賢人と違って猫ちゃんの行動は基本的に気まぐれ。

 思った場所には移動してくれないのでした。

 

「…………まあ、あっちでもいっか。 ホワイトのぞみん!」

 

 望さんは能力を発動して、ひとまず安全地帯に避難成功と思いきや。

 

「ふぅ。これで大丈夫…………って、また勝手に行っちゃったよ!?」

 

 猫ちゃんはまたお散歩を再開しちゃうのでした。

 

「も~、しょうがないなぁ~。もっかいホワイトのぞみん!」

 

 望さんはその場のノリですぐに能力を発動して、また違う場所へと移動。

 

 

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