ゲームキャスターさくら   作:てんつゆ

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きのこVSタケノコ 頂上決戦5

 

 

「じゃあ俺から行かせてもらうぜ!」

 

 社長さんが手に持ったミサイルランチャーの様な武器からキノコミサイルを大量に撃ってきました。

 ミサイルは山なりに飛んでくるので、壁の向こう側からでも隠れながら攻撃出来るステージと相性のいい武器です。

 

 それに単発のダメージはそんなに高くはないですが広範囲に攻撃できるので、避けるのはちょっと難しいかもしれません。

 

 

「望さん、防御しましょう!」

「わかったよ!」

 

 私達はタケノコスピアを横にくるくると回してミサイルを弾き飛ばす事にしました。

 スピアは結構長いので前方のほとんどをガード出来る優秀な武器なのですが―――――。

 

「止まっちゃっていいのかな~? それっ! 狙い撃ちぃ!!」

 

 忍さんが壁の隙間から顔を出してキノコの形をしたスナイパーライフルで狙撃してきました。

 

 ――――バシュン。

 

 

「痛っ!?」

 

 忍さんの撃った弾は私のスピアでのガードが届いてない足元に直撃し、体力を大きく削られてしまいました。

 

 

 普段は一緒にゲームしているので気にした事は無かったのですが、忍さんの無駄に高いエイムぢからは敵に回すとかなり鬱陶しいかもしれません。

 

「うわあああああ。このままだと狙い撃ちされちゃうじゃん!!!!」

「た、退避ですっ!」

 

 

 このままだと体力が全部無くなるまで狙い撃ちされちゃうので、私達は多少のダメージは覚悟して忍さんの射程の死角になる壁に避難しました。

 

「桜ちゃん~。大丈夫~?」

「はい、なんとか大丈夫です」

 

 ――――けど、先制攻撃で体力を持ってかれたのは厳しいですね。

 不意打ちに成功した忍さん達は安定行動に切り替えたのか、少しづつ距離を詰めて着ている様子。

 

 早く対策を考えないと―――――。

 

 ボリボリ――――――ピロリ~ン。

 ボリボリ――――――ピロリ~ン。

 

 と、突然隣から何かを食べている音とライフが回復している音が聞こえてきました。

 

「…………あの。さっきから望さんは何をボリボリしてるんですか?」

 

 私は隣を見ると、どうやら望さんはタケノコを食べてライフを回復しているみたいです。

 

「ほえ? なんか美味しそうだったから食べてるんだよっ」

「美味しそうって…………。というか、そんな回復アイテムどこにあったんですか?」

「ここにあったじゃん」

 

 そう言って望さんはタケノコスピアを掲げると、なんと先端のタケノコ部分が無くなっていました。

 改めて望さんの食べているタケノコを見ると程よく焼けていて、ほくほくと湯気が出ています。

 

「もぐもぐ。これは攻撃を防いでいる時に、いい感じに焼けたみたいだねぇ~」

 

 私も自分の武器を確認してみると、こっちのタケノコもいい感じに焼けているようでした。

 そう言えば攻略ガイドに武器に付いてるタケノコを食べて回復する事が可能で、炎攻撃で焼いたりお湯で茹でたりしたら回復量があがるとか書いてあったような―――――。

 

 タケノコスピアからタケノコを取ってしまったらただの棒になってしまう気もしますが、ライフが0になるよりかはマシなので私もタケノコで体力を回復する事にします。

 

 当たり前と言えば当たり前なのですが、タケノコを食べて回復している時は無防備になるから、相手の攻撃範囲内では使えないので体力管理には注意しておかないといけません。

 

 ――――私はタケノコを食べ終わってから体力を確認すると、ほぼ全快状態になってました。

 意外と回復量は多いみたいです。

 

 けどタケノコを食べてしまったので、武器が心もとなくなってしまいま―――――。

 

 ポコン。

 

「おや? 今なにか音がしたような?」

 

 私は音のした方向を向くと。

 

「お~、流石タケノコ。食べてもすぐ生えてくるみたいだねぇ」

 

 どうやら望さんの武器からタケノコが生えてきたみたいです。

 そして、それからタイミングを少し置いて――――――。

 

 ポコン。

 と、なんと私の武器からもタケノコが生えてきたのです。

 

「どうやら基礎ステータスが低かったのは、回復が出来るからみたいですね。このスキルは結構使えそうです」

「う~ん。望は体力回復よりモンエナが出てくるスキルが欲しかったなぁ~」

「それはどんな効果なんですか?」

「凄く美味しいドリンクが出てくるよ!」

「それだったら私はタケノコの村が出てくるスキルが欲しいです」

「おお~。2つのスキルを組み合わせたら、ゲーム中にお菓子とドリンクで宴が出来るねぇ~」

 

 少しまったりした所で忍さん達の足音が大きくなってきたので、私達は急きょ臨戦態勢に切り替えました。

 

「あ~。なんか急に喉が乾いてきちゃったな~」

「切り替えてください!!!!」

 

 

 ふぅ。望さんのまったり空間はどんな時でも緊張感をほぐしてくれて助かるのですが、ずっとまったり状態になってしまう可能性もあるのが難点です。

 

「さくら~。隠れてないで、出てきなさ~い!」

 

 壁越しに悪役オーラ全開の忍さんの声が聞こえてきました。

 精神的優位に立っているので、余裕があるのかもしれません。

 

 近距離まで近付くことが出来たらこっちの方に分があるのですが、どうやって近付くのか

が問題です。

 

 

 様子をうかがっていると、バコンと私の隠れている場所の近くに社長さんの撃ったミサイルが降ってきました。

 

 やっぱりここは、こっちから攻めないと。

 

「望さん、二手に分かれて左右から攻撃しましょう」

「そだね。固まってたら範囲攻撃で同時にやっつけられちゃうよ」

 

 私達は壁に隠れて攻撃をしのぎながら左右に散っていくことにしました。

 忍さん達がこっちを無視してターゲットに向かっていったら後ろから強襲するといった手も考えたのですが、どうやら各個撃破で対応してくるみたいです。

 

 

「勝負よ、桜!」

 

 私の前に忍さんが立ちふさがりました。

 ――――けれど、これは逆にチャンスかもしれません。

 忍さんの癖はある程度わかっていますし。

 

 それに私が忍さんを何とか出来たら短時間ではありますが、望さんと一緒に社長さんと2VS1で戦えるのですから。

 

 こっちが攻撃するタイミングは忍さんが弾を撃ち尽くしてリロードする一瞬。

 その一瞬で一気に距離を詰めてこっちが有利な近距離戦でやっつけます!

 

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