ゲームキャスターさくら   作:てんつゆ

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きのこVSタケノコ 頂上決戦 完

 私は壁に隠れながら少しづつ距離を詰め、壁の無い場所に差し掛かったら。

 

「当たりなさい!」

「当たりません!」

 

 ローリング前転の出始めの一瞬の無敵時間を利用して、別の壁へと移動していきました。

 

「――――ふぅ。そろそろ残弾も少なくなってきてるはず」

 

 カチャリ。

 と薬莢を入れ替える音が壁の向こうから聞こえてきました。

 

 チャンスは今ですっ!!

 

 私は壁から飛び出して突撃していくと、目の前にリロード中の忍さんの姿が現れました。

 そのまま隙だらけの忍さんに攻撃を繰り出すと。

 

「させるか!」

 

 社長さんの迎撃が飛んできたのでした。

 

「くッ!?」

 

 私は直撃を避けるため忍さんへの攻撃を中断して防御に切り替えると、その間に忍さんのリロードは終わってしまいました。

 

「ええっ!? 望さんは!?」

「ふははは。あの煩いやつか? あいつならすでに俺が倒した」

 

 忍さんをやっつけて救援に向かう計画が崩れてしまいました。 

 

「形勢逆転ってわけね。さあ覚悟しなさい!」

 

 今の私の状況は薄い壁を横に前に忍さん、後ろには社長さんがいて挟み撃ちされているような感じになってしまいました。

 

 忍さん達は私の前後から同時に銃弾による攻撃を繰り出してきたので、片方をガードで防いでもガードしてない後ろから直撃を受けてしまいそうです。

 

 絶体絶命のピンチに陥った瞬間、私は手に持ったタケノコスピアの先端をドリルのように回転させ壁に押し当て、そのまま壁に穴を開けて向こう側へと避難する事に成功しました。

 

 けど壁をくぐり抜けた瞬間、忍さんと社長さんの撃った弾がさっきまで私がいた場所でぶつかり合って大爆発を起こし、爆風で私は少しだけ後ろに押し戻されライフに小ダメージをうけてしまいましたが、直撃する事に比べたら全然許容範囲です。

 

「くぅ~。小賢しい事を」 

 

 壁の向こうから悔しがる忍さんの声が聞こえてきました。

 こういう時に忍さんが取る行動と言えば――――――。

 

「ちょっと、まちなさいよ!」

「えいっ!」

「――――わっ!?」

  

 予想通り忍さんは私の開けた穴から追いかけて来ようとしたので、私は待ち伏せして忍さんが現れた瞬間スピアで攻撃したのですが、どうやら野生の勘で危険を察知され避けられちゃいました。

 

「ふっふ~。そう簡単にやられてあげないんだから!」  

「こうなったら望さんが到着するまで退避です」

 

 私はそのままドリルで壁を開けながら急いで逃げる事にしました。

 

「社長、追いかけるわよ!」

「フハハ。追い詰めて粉砕してくれる!」

 

 私はそのまま画面端まで真っ直ぐに逃げて行き、目の前にある壁にドリルをつきたてると―――――。

 

 ピーッ。

 と、これ以上はエリア外なので進めないという警告が画面に表示されちゃいました。

 

「どうやらこれ以上、逃げられないようね!」

 

 私を追い詰めた忍さんは勝ち誇っているようですが。

 

「ん? そういや俺が倒したあいつはどうしたんだ?」

 

 どうやら社長さんは気が付いたようですが、もう遅いです。

 望さんにはやられた場合、復活したら一直線にターゲットに向かうようお願いしておきました。

 

 このステージは壁だらけでターゲットまで到着するのに大回りが必要なのですが、ドリルで壁を壊していけばすぐにターゲットまで辿り着くことが可能です。

 

 そして、壁を壊したら崩れる音でバレてしまうのですが、私が2人を画面端まで誘導した事でここまで音は聞こえません。

 

 

 ――――――私達からかなり離れた場所で望さんがターゲットに向かって爆進していました。

 

「とりゃああああ。ぎゅいいいいいいん! 全速ぜんし~~~ん」

 

 そして、ターゲットの前まで辿り着いた望さんは大きく武器を振りかぶって。

 

「うおおおおおおお。のぞみ・いんぱくとぉ!!!!!」

 

 一撃の元に粉砕しました。

 

「勝者、タケノコチーム!」

 

 ジャッジ杉田さんが勝利チームの名を叫び、私達の勝ちで今回のゲームは終わりを告げました。

 

 

 ――――――と、いうわけで。

 

「くふふ。これでコンビニのお菓子は全部タケノコの村です」

「くっ、仕方ない。俺も命をかけてキノコの為に戦ったんだ。約束は守ってやる」

  

 どうやら社長さんも観念してくれたようです。

 まあeスポーツで決めた事なので、そう簡単に覆す事は出来ませけどね。

 

 

 そういう訳で、私が勝利に浸っていると。

 

「あ~あ。これでキノコのロイヤルミルク味も無くなるのかぁ~」

 

 と、忍さんが呟いた声に反応した望さんが声をかけてきました。

 

「ねえ、桜ちゃん。ロイヤルミルク味のキノコだけは―――――」

「ダメです! どんなに美味しくてもタケノコ派とキノコ派は相容れない存在。なのでキノコは絶対に無しですっ!!」

 

 望さんはちょっとだけ悩んだ後。

 

「じゃあ望は今から両方派になるっ!」

「ええっ!?」

 

 まさかの反乱を企てて来ました。

 

「そんじゃあ。今からキノコ復活を賭けた対戦を桜ちゃんに申し込むっ!」

「だったら私も望に加勢するわ!」

 

 最後の最後にまさかの忍さん望さん連合が誕生してしまいました。

 こうなったら徹底的にやっつけて、わからせるしか無いみたいですね。

 

「くふふ。2人の弱点を完璧に把握してる私に勝てると思ってるのですか? さあ! 勝てるものならかかって来てください!」

 

 と、いうわけで。

 最後に急きょもう1回バトルをやる事が決定したのでした。

 チーム分けは。

 

 

 

 タケノコ派    私

 

 VS

 両方派      望さん

 キノコ派     忍さん

 どっちでもいい派 ロベルト

 

 と、なりまし―――――――。

 

 

「って。ちょ、ちょっと待って下さい。ロベルトって誰ですか!?」

「誰って。さっきそこで友達になったんだよ!」

 

 望さんはいつの間にか友達になっていた謎の外国人とハイタッチをして友情を深めていました。

 3対1はちょっと厳しいかもしれませんが、もう後には引けない状況になってます。

 ここまで来たら勢いで押すしかないっ!!!!

 

「…………ま、まあいいです。主人公の私がぽっと出のキャラなんかに負けるわけないので、3人まとめて勝負です!!!!」

 

 

 

 

 

 ―――――数分後。

 

「勝者。キノコ・タケノコ連合!」

 

 私は地面に倒れ伏していました。

 

「そ、そんな馬鹿な……………」

「…………いや、3人に勝てるわけ無いでしょ」

 

 耳元からシャンティの無慈悲な声が聞こえてきましたが、今の私にはそれに軽口で返す余裕はありません。

 

 忍さんと望さんにはそれぞれの弱点を付いた戦法で優位に戦えたのですが、ロベルトは見たこともないアメリカンなプレイで私を翻弄してきたのです。

 

 その事に戸惑ってる間に私は負けてしまいました。

 

 

 

 ―――――後日。

 コンビニにはキノコとタケノコが仲良く並び、お菓子コーナーに平和が戻ったのでした。

 

 

 

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