ゲームキャスターさくら   作:てんつゆ

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私に投票してください! 生徒会長選挙バトル3

 

 この学校はいろんな種類の部活があるので、部室棟も校舎の半分くらいの大きさのかなり巨大な建物になっています。

 

 部室棟の入り口までやってきた私達は、入り口の横に設置されている端末に要件のある部屋番号を入力して呼び出し用のベルを鳴らしました。

 

 部室棟は生徒なら誰でも入れる校舎と違い、所属している部員しか部室のロックを解除出来ません。

 なので部外者はまず入り口のモニターで部室棟の入り口を解除してもらってから、1回使い切りの部室に入れるパスキーを発行してもらう事になってます。

 

「…………あれ? 反応が無いけど留守じゃない?」

「いえ。多分出るのが面倒なだけだと思います」

 

 私は呼び出しボタンを連打すると、10回くらい押した辺りでモニターが切り替わり対応する人物が出て…………くるはずなのに、誰もいない部屋の様子だけが表示されました。

 

「ああ~もう。望は忙しいんですけど!!!!」

 

 たぶんこれは通話する場所まで移動するのが面倒でリモコンで通話ボタンを押した感じですね。

 

「すみません。ちょっと話があるので、開けてくれませんか?」

「あれ? その声は桜ちゃん? う~ん。ま、いっか。じゃあ開けるから入ってきてよ」

 

 通話が終わりモニターが消えてから部室棟の扉が開き、端末からカードキーが出てきました。

 ちなみにこのカードキーはプラズマで出来ていて、30分以内に使用しないと自然分解されてしまうようになってます。

 

「…………もしかして、望を勧誘するの?」

「はい。絶対助けてくれるはずです!」

 

 私達は部室棟の中を進み目的の部屋の前まで辿り着き、横にあるカードリーダーにカードキーを差し込むと、カードキーはそのまま奥に飲み込まれていき扉のロックを示す赤いランプが緑へと変わり扉が自動で開かれました。

 

「おじゃまします」

「おじゃましま~す」

 

 私達は部屋に入ると、いろんなゲーム機や漫画が散らばった部屋の中にあるバランスボールの上で、寝そべっているような状態で漫画を読んでいる少女が現れました。

 

「桜ちゃんハロー。あっ、忍ちゃんもいるんだ」

「こんにちわ」

「あんたね~。たまには片付けなさいよ」

「じゃあ。今度片付けるよ」

 

 ここは望さんが所属している…………というか望さんしか部員がいない、ぐ~たら部。

 ひたすらぐ~たらする事を活動目的とした、何をするのかよく分からない部活です。

 

 なんでこんな部活が許されているのかと言うと、望さんが学年1位の成績を取っているから。

 この学校は実力を示したら、相応の報酬を与える事を校訓としています。

 

 ちなみに私も前のゲーム大会での優勝が評価されて、次の試験が免除になるみたいです。

 

「望さんは今度の選挙の事知ってますか?」

「選挙? う~ん、望はあんまり興味無いから、別に誰が会長になっても別にいいかな~って思ってるかなぁ~」

「そんな事では駄目です! この学校の生徒だったら誰が会長になるのかに関心を持たないと!」

「…………桜も最初は望と同じ感じだった気がするんだけど」

「あの。話の腰を折らないで欲しいのですが…………」

 

 忍さんの鋭いツッコミで話が一瞬止まりそうになりましたが、私は話を続ける事にします。

 

「という訳で、望さん。私も会長に立候補する事にしたので手伝ってください」

「え~。めんどいからパス~」

「ええっ!? なんでですか」

「だって望、やる事が沢山あるからそんな時間なんて無いし」

 

 望さんはそう言って部屋に散らかってる漫画やゲームの山を見渡しました。

 確かにこれだけの積み本や積みゲーを全部楽しむにはかなりの時間が必要かもしれませんが、望さんにはどうしても手伝って貰わないと私が困るので手段を選んではいられないです。

 

「では、こうしましょう。私が会長になったら水道からエナジーモンスターが出てくるようにします!!!!」

「ホントに!?」

 

 ふぅ。やっぱりエナモンには食いついてくれましたか。

 これはもう一息ですね。

 

「ちょ、ちょっと桜。そんな約束しちゃって大丈夫なの?」

「大丈夫です! 生徒会長になったらそれくらいの権力あって当然なので、絶対に実現出来ます!」

「おお~!? 頼もしいねぇ」

「くふふ。ついでに日替わりでコーラとローテーションにしましょう。そして当たりの日は、うちのラーメンスープが出るようにします!!」

「いや、それ逆に嬉しくないでしょ!」

 

 我ながらナイスアイデアです。

 水道からジュースが出てくるようになるのは皆の夢のはず。

 

「じゃあついでに学食にポテチも追加しようよ」

「そうですね。毎日ポテチとタケノコの村を学食で出してもらいましょう!」

「なんでさり気なく桜の好物を追加しようとしてるのよ! もっと他に無いの!」

「くふふ。忍さんの言いたい事は解ってますよ」

「…………私の言いたい事?」

「安心してください! 忍さんの好きなキノコの森も追加しますから!」

「そういう事じゃ無いでしょ!」

 

 それから少し話し合いが行われ、ジュースが無料でが出てくる自動販売機を設置する事で落ち着きました。

 

「う~ん。水道が全部エナモンになったら、プールの時にエナモンの海で泳げると思ったのに残念だよ…………」

「それは本当に嬉しいわけ…………?」

「まあまあ、忍さん。とりあえずこれで望さんが仲間に加わってくれたので、良しとしましょう」

「なんであたしがゴネたみたいになってるのよ!」

 

 ――――さて。

 人数も集まったので、とりあえずの方針くらいは決めないといけませんね。

 

 

 

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