スーパーロボット大戦//サイコドライバーズ:Re   作:かぜのこ

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αll-2「ダブル・スラッシュ」

 

 

 新西暦188年 △月◇日

 地球圏、衛星軌道上 《ナデシコB》

 

 宇宙での戦いが一段落し、αナンバーズは混乱の続く地上へと向かうことが決定した。

 

 合流したイングは、一文字號やカミーユ・ビダンらから手厚い歓迎を受けていた。やはり、旧SDF艦隊及びプリペンターのメンバーからの信頼は篤いらしい。

 ブルックリンが見あたらないことに目敏く気がつき、「またさらわれたのか、アイツ」と見も蓋もないことを言い放ち、クスハを困らせていた。相変わらず場をひっかき回している。

 

 その後、イージス事件での宣言通り、イングはゼンガー少佐に雪辱戦を挑んだ。生身でな。

 結果はさすがゼンガー少佐と言ったところだったが、本人は満足そうだった。

私と違って社交的なイングだから、新入りともすぐに打ち解けている。やはり、ドラグナーチームの三人とはさっそく意気投合していた。

 だがイング、私の目の前で飛鷹葵や館華くららにコナをかけるとはいい度胸じゃないか。何が「麗しいお姉さま方」だ。

 

 落ち着いたところで、私たちはお互いの近況を報告し合った。

 私が語る様々な組織との接触の記憶に、「やっぱりかぁ……」などとなにやら複雑そうな表情をしていたイング。やはり、何か独自に掴んでいたらしい。

 一方、イルムガルド・カザハラ中尉、リョウトやリオとともに戦っていたヤツの話だと、月は酷いことになっているようだ。

 身も蓋もない言い方をすれば、ギガノス帝国、ギシン星間連合先見隊、ガルファ帝国の前線基地「螺旋城」の三つ巴だ。確かに酷い。

 ギガノスが本格的に地球を制圧しにかからない理由はこれか。異星人勢力との攻防にリソースを削がれているのだな。

 バーム星人との交渉失敗を理由に、「腐敗した連邦政府に地球を任せてはおけない」として決起したギガノスには皮肉な結果だ。

 結果的にはこちらに有利に働いているとは言え、連邦軍基地や月面都市が攻撃されているのも事実。なるだけ早く、連中を地球圏から叩き出してやらねば。

 

 強化改造された《エクスバイン・アッシュ》。ただ、TーLINKフレームを以てしてもイングの念に追従するのが精一杯のようだ。

 なお、見た目上はわからないが、ゾル・オリハリコニウム製の装甲を皮きりに各部を新設計のもの――というか、リョウトが基本コンセプトを打ち出し、建造途中だった新型《ヒュッケバイン》、“MkーX”のものに換装されているらしい。

 もともとリョウトはイングが扱うことを前提に《アッシュ》のアッパーバージョンとして設計していたため、互換性があったのだとか。もっとも、未だ完成していないパーツが大半で、無理を押しての実戦投入らしいがな。

 こんな無茶な処置に至ったのはひとえに、イングの《アッシュ》に対する愛着故だろう。梁山泊にある自室には、《アッシュ》の自作プラモデルが大量に飾ってあるくらいだし。

 

 なお、今回の戦乱を受け、イングはエーテル通信機でラ・ギアスにいるマサキに来援を要請したようだ。

 確かに《サイバスター》は心強い援軍になるだろうが、大丈夫なのか?

 

 

 

 新西暦188年 △月■日

 地球、極東地区近海

 

 現在、地球に降りたαナンバーズは移動中だ。

 《ダイモス》の基地、ダイモビックで物資の補給を受ける予定である。また、諸事情で地上に残っていた神大佐、車弁慶氏と《ゲッタードラゴン》が合流することになっている。

 

 で、主にアラドのために、今日は小隊戦闘をメインとした訓練を行った。ゼオラの方は技量に関しては特に問題ないしな。

 元ティターンズでPTパイロットという共通項もあり、面倒を見ていたアラドらがイングの参入を受けて正式に部下に収まったためだ。

 国際警察機構からの出向という扱いでαナンバーズに参加している私たちは、それなりの権利を有している。どちらも少尉相当官だ。

 もっともヤツは自分が正式に軍事訓練を受けていないことを理解しているから、だいたい私が指揮しているがな。

 

 しかし、改めてみるとアラドの操縦は酷かった。目も当てられん。

 感覚派と言えば聞こえがいいが、ようは行き当たりばったりで場当たり的に動いているということだ。落ちこぼれというのも宜なるかな。

 イング曰わく「アイツはヒュッケバインよりゲシュペンストの方が向いてる」とのこと。私もそう思う。あと、光学兵器が苦手なのだろうな、そこも頭を悩ませる問題だ。

 《ゲシュペンストMkーII改》をマオ社に置きっぱなしにしていたことが悔やまれるな。あれば、貸してやれたのだが。

 無い物ねだりしても仕方がないし、私たちがアラドをビシビシと鍛えてやればいいだけだ。

 

 とりあえず、イングに心当たりがあるというのでアラドとついでにゼオラの《Mk-2》用の武装をテスラ研から取り寄せることになった。

 

 なお、アラドたちはラトゥーニとは会えていない(連絡そのものは取れている)。理由は、ラトゥーニが長期の休暇を取っていたためだ。

 ジャーダとガーネットは現在浅草に住んでいるそうで、彼女も今はそちらに滞在しているとのこと。要は育休、ということだな。

 今は難しい時勢だが、元部下夫婦と幼いラトゥーニを慮ったカイ少佐の親心と言ったところか。

 

 

 

 新西暦188年 △月◎日

 地球、極東地区日本 ダイモビック周辺

 

 バーム星人軍にちょっかいを出されつつ、αナンバーズは極東地区を中心に転戦している。

 バーム人と言えば、クスハやファ、ルーなどは竜崎とエリカの関係にやきもきしているようだが、私に話題を振らないでほしいものだ。他人の恋愛などには興味はないのでな。

 

 さておき、またぞろやってきたギシン星間連合からの刺客を撃退した。

 まあ、倒れた敵の詳細などどうでもいい。ましてや、明神、ツワブキサンシローとともに対決したイング曰わく「木っ端超能力者」のことなど。

 その部隊には、《レイズナー》と同じSPTと呼ばれる星間連合軍の機動兵器部隊も参戦していた。

 部隊の指揮官はゴステロとか言ったか?嫌な気を放つ男だったが、我々αナンバーズの敵ではないな。

 

 で、その戦闘の際にアイビスが民間人の少女を救助した。

 名前はイルイ。記憶喪失らしい。

 しかしイルイは、イングと顔を合わせてすぐ「お兄ちゃん……?」と呟き、それを受けたアイビスから「ホントに兄弟なの?」と訊ねられた奴はやや困惑していた。

 ただ、子供は嫌いではないというか、兄貴風を吹かしたいらしいイングは、それからというものイルイによくかまっている。向こうも存外懐いている様子だ。

 私は某かの刺客かと密かに警戒していたのだが、どうやら杞憂だったようだな。

 

 あと、今回の出来事を通じて明神が《ゴッドマーズ》の構成機を自在に操れるようになった。今回の敵部隊の指揮官で、敵の目を欺いて接触してきた実の兄から授けられたのだとか。

 また、《ゴッドマーズ》がギシン星の神話に伝わる「遙か宇宙の彼方からやってきて、皇帝を痛めつけた最古の大邪神」の姿を模したものだと判明した。モチーフが邪神なのはギシン星の支配者、ズール皇帝に対する当てつけなのだろう。

 ともかくこれで、反陽子爆弾の危険性が薄れたわけだ。

 

 

 

 新西暦188年 △月¥日

 地球、極東地区日本 Gアイランドシティ

 

 Extra-Intelligence (エクストラインテリジェンス)こと「ゾンダー」及び機械帝国ガルファの機獣と、奴らに回収されたDG細胞による「再生デビルガンダム軍団」、さらに謎の巨大戦艦――「ガイゾック」の「メカブースト」が入り乱れた「粒子加速機イゾルデ」での戦いが明けて翌日。

 私たちαナンバーズは、東京市臨海を埋め立てGアイランドシティに滞在している。

 

 ここに来て、さらにメンバーが増えてきた。

 ざっとおさらいしてみよう。

 

 新たにαナンバーズと協力関係を結んだ「GGG」から正式参入したのは、GBRー1《ガオガイガー》と獅子王凱ら「勇者ロボ」。そして特別隊員天海護少年だ。

 サイボーグ同士、凱と宙はさっそく意気投合していた。

 なお、GGGはGアイランドシティに偽装されたベイタワー基地をαナンバーズの拠点として提供してくれるという。どこぞの防衛長官とは大違いだな。

 

 余談だが、実はこのGGG、国際警察機構とも協力関係にあるらしい。私は大河幸太郎長官から聞くまで知らなかったが。「オレは知ってたぞ」とドヤ顔した馬鹿(イング)には一発お見舞いしておいた。

 現在、梁山泊で秘密裏に建造された「GSライド」を用いた勇者ロボが調整中だそうだ。

 

 こちらも合流を決めたGEARからは、ベガ副指令を引率に《GEAR戦士電童》のパイロット、草薙北斗少年と出雲銀河少年。それに《セルファイター》のパイロット、吉良国進、天才少女エリス・ウィラメットらがαナンバーズにやってきた。

 銀河は武術をたしなむようで、やや慢心が気になるものの、さっそく竜崎に手ほどきを受けていた。一方、北斗はイングの同好の種らしく、αナンバーズの機体

に目を輝かせていたな。

 エリス・ウィラメット、大学卒業レベルの頭脳を持つ天才少女とのことだが、中身は憧れのホシノ・ルリを前に興奮する普通の娘のようだ。イング曰わく「どこぞの赤毛ザルとは大違いだ」。よくわからんが、後でどうなっても知らないならな。

 風貌は怪しさ満点なベガ副指令だが中身はマトモらしく、さっそくアムロ大尉らと部隊編成について打ち合わせしていた。

 最後に吉良国だが、あれはヤマダと同類だな。

 

 なお、イゾルデではガルファに対抗する手段となり得る「データウェポン」、《レオ・サークル》なる存在を確保したとか。

 

 謎の特機と戦艦――《ザンボット3》と《キングビアル》とそれに搭乗する神一族もまた、αナンバーズに協力を表明した。やはり予想通りだったな。

 彼ら神一族は「ガイゾック」に滅ぼされた「ビアル星人」の末裔であり、怨敵が地球に来襲することを予期して対抗戦力を整えていたという。

 

 なお、彼らの先祖が地球にたどり着いた理由だが、「機械の女神の導き」と代々伝わっているそうだ。

 正直、αナンバーズ各艦の格納庫は酷いことになっていたので、《キングビアル》の参入は有り難い。

 《ザンボット3》のメインパイロット、神勝平の名前を聞いたとき、思わずイングを二度見してしまった。部屋を家捜ししたことは言えないから、問いつめることはできなかったが。

 

 そういえば、イングがやけにガイゾックの旗艦に突っかかっていたな。

 「トラウマイベントは御免だぞ」などと言って猛攻をかけ、瞬く間に致命傷を与えて追い返していた。あれはなんだったんだ?

 

 「竹尾ゼネラルカンパニー」の《トライダーG7》。

 こちらは零細とは言え民間企業所有の特機(それもどうかと思うが)なのだが、今回は万丈が多額のポケットマネーで長期契約を結んだのだとか。さすがだな、破嵐万丈。

 パイロットにして社長の竹尾ワッ太は11歳、前記の銀河たちや勝平とは同級生。子供だ。

 ただ、バルマー戦役時にも《トライダーG7》で地球防衛の一翼を担っていたようで、戦闘に対する心構えは図らずも出来ている模様である。

 

 そして、私には馴染みのあるドモン・カッシュとそのパートナー、レイン・ミカムラ。再生デビルガンダム軍団として現れた《ドラゴンガンダム》、《ガンダムマックスター》、《ガンダムローズ》、《ボルトガンダム》の四機を一蹴する鮮烈な登場をして我々に合流した。今さら旧型機を持ち出しても仕方ないとも思うのだが、連中には古いデータしかないと見える。

 さてそのドモンだが、さすがは「ガンダム・ザ・ガンダム」、銀河や北斗、ケン太や護ら年少組に控えめに言って大人気だった。まあ、出会い頭に「あっ!恥ずかしい告白した人!」とコメントされていたのは御愁傷様と言わざるを得ないが。

 武道を嗜むもの同士、竜崎とは意気投合して手合わせをしたようだ。

 

 そうしたバラエティー豊かな新入メンバーを迎え、ベイタワー基地の「ビッグオーダールーム」でささやかな歓迎パーティーが開かれた。

 改めて感じたのは戦闘員非戦闘員に関わらず、子供が増えたこと。交流会だったので同じ年代のもので固まっていたのだが、その様がまるでジュニア・スクールのような光景だった。

 まさか、少年兵である私やイングが年長の部類に入ることになろうとは夢にも思わなかった。イングなどは「賑やかになっていいじゃないか」と呑気にしていたが、そういう問題ではない。

 大河長官やシナプス艦長、神大佐、アムロ大尉、バニング大尉、ベガ副指令などの良識ある大人たちは、彼らになるだけ有人機と戦わせぬようにとコンセンサスを取っている。

 脱出装置が優秀とは言え、未来ある子供たちを殺人者にするわけにはなるまい。まあ、地球圏の状況を見れば、戦う意志と力があるなら立ち向かうべきだというイングの意見も筋が通ってはいるがな。

 

 さておき、多種多様の特機の参入に、イングの悪癖が久々に爆発した。

 《電童》《トライダーG7》は元より、《氷竜》、《炎竜》、《ボルフォッグ》の写真を撮りまくって彼らに迷惑をかけたり。合体形態の《ガオガイガー》、《超竜神》、《ザンボット3》などは《アッシュ》のカメラデータから画像を抽出する手の入れよう。

 やはりと言うかなんと言うか、コレクションにした上で、自作プラモデルの資料にするつもりらしい。あとで私にも回せよ。

 

 なお、この歓迎パーティーにおいて、クスハが“例のアレ”を披露して被害者を増加させていたことを記しておく。

 

 そういえば、猿渡ゴオがブライトキャプテンやアムロ大尉、流竜馬氏らに囲まれていたがあれはいったいなんだったんだろう。近くにいた兜博士は苦笑いを浮かべて「あれは当然の報いだよ」などと言っていたが、もしかして杏奈のことかな。

 

 

 

 新西暦188年 △月※日

 地球、極東地区日本

 

 先日の戦闘で現れたガルファのGEAR、《騎士GEAR凰牙》に敗北を喫した銀河も立ち直ったようだ。星見町を襲う恐竜帝国の軍勢と、ガリレイ長官の《メカザウルス・ゲラ》を見事撃破した。

 気がかりなのは、ベガ副指令が《凰牙》の登場に酷く動揺していたことか。イングには理由に心当たりがあるらしく、「よくあること」と述べていたな。

 

 さておき、αナンバーズに新光子力研究所及び新早乙女研究所が開発した、新たな特機が届くという知らせが入った。

 聞いた話によるとリサ用のマシンも含まれているらしく、リサがあからさまにそわそわしていた。よほど楽しみなのだな。

 

 

 

 新西暦188年 △月§日

 地球、極東地区日本

 

 先日連絡があった新型機《ミネルバX》が輸送中、恐竜帝国により奪取されてしまった。しかし、同時に輸送されていたが難を逃れた《ゲッターQ》のパイロット、早乙女ケイ(早乙女博士の次女だ)と《ドラグナー3型》の活躍で無事取り戻すことができた。

 またその戦闘中、《凰牙》との戦いにおいても交戦した鉄甲龍の八卦ロボ、《火のブライスト》《水のガロウィン》が現れる。αナンバーズの戦力を削ぐためだろう。同モチーフの《氷竜》《炎竜》が対抗心を燃やしていたな。

 さらにラスト・ガーディアンの白い特機――《天のゼオライマー》が再び乱入し、恐るべき力で八卦ロボを撃破、次いで現れた《月のローズセラヴィー》とほどほどにやり合い、両機は撤退していった。いったいなんだったんだ。

 

 無事、奪還された《ミネルバX》は予定通りリサが運用することになる。この《ミネルバX》は故兜十蔵博士が残した設計図を元に弓さやか所長自らが再設計し、《INFINITY》のインターフェースを解析したものを搭載しているそうだ。

 そのリサだが、待望していた《マジンガーZ》のパートナーロボを任されてとても喜んでいた。

 

 とまあ、ここまではいいのだが。

 《ミネルバX》と《ゲッターQ》の女性型ロボを見たイングの一言。

「《ファルケン》におっぱいつけたら、お前も少しは女の子らしくなるんじゃねーの?」

 余計なお世話だ、バカっ!

 だいたいアイツは(以下、イングに対するグチが続く)

 

 

 

 新西暦188年 △月◆日

 地球、極東地区日本

 

 リリーナ・ドーリアン外務次官がガイゾックとの交渉に乗り出したとの知らせが入り、現場に急行した。

 この前の邪魔大王国に続き無茶なことをと思ったが、実際無茶なことだった。何せ、ガイゾックの指揮官、キラー・ザ・ブッチャーに《バンゾック》から突き落とされそうになったのだから。

 ヒイロ・ユイの駆る《ウイングガンダムゼロ》に間一髪で救われ、事なきを得たが。まったく無茶をする。

 ドーリアン外務次官救出の際、イングはお得意のテレポーテーションで《バンゾック》の内部に進入し、散々に暴れ回って手ひどい一撃を与えた。

 さらに、改修された《ウイングガンダムゼロ》の新武装「メッサーツバーク」と、「バスターライフル」を組み合わせたドライツバークバスターがとどめを刺す。シールドも持っていたが、あれは新造か?

 あれだけのダメージを受けたら、しばらくはまともに行動できないだろう。

 

 その戦闘後、ふと思い立って「星間連合はともかく、ネオ・ジオンやギガノス帝国ならテレポートで潰せるんじゃないか?」とイングに尋ねてみた。

 ヤツの返答は「やって出来ないことじゃないが、暗殺はαナンバーズ的じゃないからやらない」だそうだ。相変わらずいちいち手段を選ぶヤツだ。

 あれか、シャアやギガノス、木星帝国を馬鹿にしているんだな。まあ、実際のところ超能力には限りがあるらしいから出来る限り温存しているのだろう。

 

 

 

 新西暦188年 △月▼日

 地球、極東地区日本 富士樹海

 

 ラスト・ガーディアンから緊急事態の一報を受け、急行するαナンバーズ。

 恐竜帝国の軍勢に劣勢に立たされていた《ゼオライマー》を保護した。

 どうやらまたぞろ八卦ロボ、《月のローズセラヴィー》を倒したらしいがそのあとがお粗末で、ネオフランスのガンダムファイター、“ジャック・イン・ダイヤ”ジョルジュ・ド・サンドの《ガンタムヴェルサイユ》が助けに入らなければ《》にバット将軍操る《メカザウルス・ボア》にたという。イングが「名ゼリフ聞きそびれた!」とアホなことを叫んでいたが、さておき。

 戦闘後、ラスト・ガーディアンからGEARを通じてαナンバーズに協力要請が入った。有り体に言えば、《天のゼオライマー》が参入した。

 元は鉄甲龍により建造された八卦ロボの一体であり、「次元連結システム」という超科学で稼働している。あの《メイオウ攻撃》とやらの破壊力はおぞましいものがあるな。

 

 鉄甲龍は《ゼオライマー》の奪取を目的としているようで、体のいい厄介払いをされた感もある。

 パイロットは秋津マサトと氷室美久。

 美久はともかく、秋津の方は戦闘中の残虐な所行が響いているのだろう、甘ちゃん揃いなαナンバーズのメンバーからもやや遠巻きにされている。また、破嵐万丈は二人について何か知っているらしい。

 さらに珍しく、イングは《天のゼオライマー》ともども秋津マサトを警戒しているようである。どちらにしろ、私には軟弱な民間人の男にしか見えなかったな。

 

 

 

 新西暦188年 △月†日

 地球、極東地区日本 Gアイランドシティ

 

 テスラ研に要請していPT用の武装が届いた。

 アラド機には、《R-1》ベースの量産試作機《アルブレード》の固有武装「ブレード・トンファー」。ゼオラ機には、同じく《R-1》が使用していたこともある「ブーステッド・ライフル」をそれぞれ与えた。

 どちらも両名の適正に合わせた武装だったからだろう、機体のOSなどのセッティングを行えばすぐさま扱って見せた。特にアラドの動きは見違えるようだった。

 しかしイングのヤツ、ライフルはともかく、《アルブレード》なんてマイナーな試作機をよく知っていたな。相変わらず、よくわからん情報網だ。

 

 

 

 新西暦188年 △月〇日

 地球、極東地区日本 

 

 かねてから準備していたデータウェポンたちが好む物質、「メテオキューブ」を用いて残るデータウェポンを一挙に集める作戦が発動した。

 発案者のエリスは天才少女の面目躍如と言ったところか。

 

 だが、結果から言えば成功したとは言い難い。ガルファに嗅ぎつけられ、一体奪われてしまったからだ。

 新たに銀河が《ガトリングボア》を、北斗が《ドラゴンフレア》を。そして《凰牙》が《ブルホーン》を得た。

 聞くところによるとデータウェポンとは心の形質により契約者を選ぶらしく、

その差によるものだろう。

 《凰牙》に新しい能力が追加されたのは痛いが、どちらにしろ警戒すべき「ファイナルアタック」は一発しか撃てないのだ、与し易い相手であることに変わりはない。

は痛いが、どちらにしろ警戒すべき「ファイナルアタック」は一発しか撃てないのだ、与し易い相手であることに変わりはない。

 実際、《ブルホーン》によるファイナルアタックは、例によってDG細胞の撲滅のために隊に合流したネオロシアのガンダムファイター、“ブラック・ジョーカー”アルゴ・ガルスキーの《ガンダムボルトクラッシュ》が「ガイアクラッシャー」で相殺して、エネルギー切れに追い込んだからな。

 

 データウェポンが増えて、艦内はますます騒がしくなった。しかし、イルイを筆頭に、チビたち(その中にリサが混じっているのは見なかったことにして)が戯れている様子は見ていて和やかな気分になれた。

 

 

 

 新西暦188年 △月⊿日

 地球、極東地区日本 Gアイランド・シティ

 

 最近にしては珍しく、戦闘のない退屈な一日だった。

 なので、作りかけのプラモデルにゆっくりと熱中できた。フルスクラッチの《ビルトファルケン・タイプL》、まだまだ完成にはほど遠い。

 

 気分転換に部屋を出て基地内をぶらついていたら、談話室に年少組が屯していたのを見つけた。のはいいのだが、そこにイングが違和感なく混じっていたのが問題だな。いちおう、保護者役のつもりではあったんだろうが馴染みすぎだ。

 

 どんな話の流れだったかは忘れたが、銀河のアイドル好きという一面が発覚した。ちょっと意外だ。

 なお、じゃりん子たちに混じっていたイングはエイーダ・ロッサという最近売り出し中のアイドルが気になるとか。「中の人的にレアだから」とか「ぽんこつだし」とか「出演できるか心配」などともらしていた。

 

 その後、シャワー上がりにイングに呼び止められた。

 どこから聞きつけたのか、《ビルトファルケン》とその兄弟機によるパターンアタック「TBS」に対抗して、《アッシュ改》とのコンビネーションアタックを作ろうと提案されたのだ。

 私は当初、「機体のパワーが釣り合わないだろう」と難色を示したのだが、「Rー1でできたんだからファルケンとでもできるだろ。アーマラ、お前とじゃないと駄目なんだ」と熱心に要求されて、思わず折れてしまった。

 今、冷静になって思い返せば我ながら単純である。

 とはいえうんと頷いてしまったのだし、とりあえず両機の性能と、頻発するモーションデータの比較から始めてみるかな。

 

 

 

 新西暦188年 △月▲日

 地球、極東地区日本 大阪

 

 哨戒任務中、突如として機械獣の大軍の襲撃を受けた。

 混成軍ならいざ知らず、今さら機械獣のみかと思ったが連中はやけに手強かった。戦闘後、残骸を調べた兜博士曰く「こいつら、明らかにアップデートされている」とのこと。

 それにしても、イングの思案するような顔がやけに印象に残ったな。

 

 

 

 新西暦188年 ◎月∥日

 地球、極東地区日本

 

 昨今、世界中を騒がせていた機械獣軍団の首魁がわかった。Dr.ヘルだ。

 かつて“巨神戦争”で「ホワイトベース隊」と戦い死亡したはずのDr.ヘルは、マウント富士にある「光子力プラント」を占拠したことを全世界に向けて表明。巨大魔神《INFINITE》起動のために、光子力エネルギーを全世界に要求した。

 《INFINITE》の制御ユニットに、行方不明になっていた剣大佐ごと《グレートマジンガー》が囚われ、さらに施設の職員や見学に訪れていた一般市民が人質になっていた。また、その中にはおり悪く視察に来ていた新光子力研の弓さやか所長、兜シロー少尉、それから剣大佐の妻、剣ジュンの姿もある。彼ら彼女らはDr.ヘル一派と因縁深い人物だ、命の危険は高いと言わざるを得ないだろう。

 

 こちらはすぐにでも「光子力プラント」を攻略したいところだが、その前に世界各地の主要都市に出現した機械獣・メカザウルス混成軍団を処理しなければならない。

 また、連邦軍は討伐のために極東地区の《イチナナ式》、北米支部の《ステルバー》など特機を主力にした大部隊を差し向けることを決定した。

 そこで我々αナンバーズは陽動と各主要都市の解放を目的として、地球各地に散ることになる。

 なお、連邦軍からの要望で、兜博士はオブザーバー(戦意高揚を目論むわりに、《マジンガー》での直接介入は嫌らしい)として攻略に同行することになっている。

 

 しかし驚いた。私とイングはDr.ヘルの反抗声明をベイタワー基地の談話室で聴いていたのだが、そこに居合わせた兜博士、アムロ大尉、流竜馬氏の三人が「野郎、ふざけやがって!」と揃って声を荒げたのだ。

 流竜馬氏はともかく、普段温厚な兜博士やアムロ大尉まで激するとは。談話室の空気が一瞬、凍り付いたように感じたぞ。

 近くにいたツグミが、「アムロ大尉がギレン・ザビの演説にキレて、モニターを素手で叩き割ったというウワサは本当なのね」と溢していたな。

 

 

 

 新西暦188年 ◎月&日

 地球、極東地区日本

 

 私たちのチーム(私、イング、アラド、ゼオラだ)は日本の関東周辺を掃討していたわけだが。

 その中で第一東京市で戦闘に巻き込まれたジャーダ、ガーネットら夫妻とラトゥーニを保護し、到着したカイ少佐の部隊とこの事件を機にダンナーベースへ戻った杏奈が乗る《ゴーオクサー》と協力して、機械獣を撃破した。

 

 杏奈は葵博士の薦めで、αナンバーズに合流することになった。後は猿渡との家庭の問題ということだな。

 あの二人のことはいいとして、カイ少佐と大河長官の計らいでラトゥーニがαナンバーズに転属することになった。どうも内々に話を進めていたらしい。三輪のヤツから逃れさせるためだろう。

 ラトゥーニの乗機は《ビルドラプター・シュナーベル》。彼女がバルマー戦役時に使っていた《ビルドラプター》の改修機だ。

 

 アラドとゼオラはさっそくラトゥーニとを旧交を深めていた。彼女は年少だが、アラドとゼオラよりはしっかりしてしているので私としても少しは楽ができるかもな。

 

 さて、マウント富士攻略作戦はどうなったか。気になるところだな。

 

 

 

 新西暦188年 ◎月★日

 地球、太平洋 極東地区日本近海

 

 結論から言うと、連邦軍によるマウント富士攻略戦は失敗に終わった。

 ここに経緯をかいつまんで記することにする。

 

 《イチナナ式》、《ステルバー》を主力にした軍団は当初、機械獣相手に戦闘を有利に進めていた。いくら相手が大きく強化されていたとしても最新鋭の軍用特機を駆る連邦軍のトップ・ガン、危なげなく戦っていたようだ。

 しかし、突如起動した《INFINITY》の胸部熱線が放たれて、連邦軍の討伐部隊は壊滅的打撃を受けてしまう。

 各地の鎮圧を終えて駆けつけた私たちが見たのは、孤軍奮闘していた連邦軍北米地区所属、シュワルツ少佐の《ステルバー》とスーパーロボット《テキサスマック》のキング兄妹、ネオアメリカのガンダムファイター、チボデー・クロケットの《ガンダムマックスリボルバー》。そして《イチナナ式》に乗った兜博士だった。北米地区の者らは、剣大佐が囚われた襲撃事件の場にも居合わせたらしく、少佐の救出のために今回の作戦に自ら志願したという。助っ人に現れたチボデーは本人曰く「同郷のよしみ」。

 彼らと協力して数えるのもバカらしくなるほどの多数の機械獣を迎え撃ったが、再び動き出した《INFINITE》のサイズに見合った強大なパワーに苦戦を強いられる。さらに人質の身の安全を持ち出されては手の出しようもなく、私たちは後退を余儀なくされた。

 兜博士と初代ゲッターチーム、私とイングが殿を務め、αナンバーズは討伐軍の生存者を救助して撤退した。去り際にはあしゅら男爵、ブロッケン伯爵などは勝ち誇っていた。過去の遺物どもめ、私たちαナンバーズを甘くみたツケは大きいぞ。

 

 

 

 新西暦188年 ◎月*日

 地球、極東地区日本 マウント富士「光子力プラント」

 

 私とイングは、獅子王凱を除いた生身の戦闘を得意とするメンバーを率いて、敵Dr.ヘル軍団に対しテレポーテーションによる奇襲を仕掛けた。

 奴ら、αナンバーズを撃退したと高をくくっていたのだろう、全く警戒していなかった。無論、本隊による陽動もあったが無様なことだ。

 馬鹿め、国際警察機構のエキスパートを舐めるなよ。十傑集や北辰集とやり合うより、ブロッケン伯爵のカカシ共を撃ち殺す方が何百倍も簡単だった。

 さらに、《ガオガイガー》の空間湾曲デバイス《ディバイディングドライバー》により、《INFINITY》と機械獣を光子力プラントと空間的に分断、結果人質は解放された。また、作戦通り光子力の供給は物理的に途絶えたことでDr.ヘルの目論見は阻止された。

 しかし、兜博士とリサによる《INFINITE》の奪還は失敗。再び動き出した《INFINITY》のブレストファイヤーに相当する武装が放たれた。

 あれは凄まじい威力だった。

 壊滅的な被害を受けるαナンバーズ。そのとき、決死の覚悟で肉薄した《ガオガイガー》がヘル・アンド・ヘブンで《INFINITY》から《グレート》を力付くで引きずり出した。

 動きを止めた《INFINITY》に我々は、持てる全力の火力を叩き付けて破壊?した。疑問系なのは、破片等を確認できないことだ。

 Dr.ヘルと因縁深い兜博士も戦闘後、「あれで奴を倒せたとは思えない」と溢していた。イングやクスハ、アムロ大尉らニュータイプ勢も同様の意見だし、私も念動力者の端くれ、嫌な予感は拭えない。奴らに対しても、警戒を怠ることは出来ないようだ。

 

 

 

 新西暦188年 ◎月☆日

 地球、極東地区日本 阿蘇

 

 邪魔大王国の拠点を強襲し、指導者ヒミカを討ち取った。

 ただ、ククルや幹部たちは逃してしまったことが少し気がかりだな。

 未だ本格的な動きを見せない恐竜帝国やDr.ヘル一派の同行が気になるが、まずはひと安心と言ったところだ。

 

 成り行きで攻略戦に協力してくれたキング兄妹とシュワルツ少佐は、北米地区に戻るとのこと。

 “巨神戦争”でのニューヨーク壊滅のこともあり、ゲッターチーム、特に號とは折り合いが悪かった彼らだが、別れる頃にはそれなりに打ち解けていたように見えたな。

 また、チボデーは残留、剣大佐はシロー少尉とともに今作戦からαナンバーズに合流した。囚われの身で衰弱していたはずだが、さっそく復帰とはさすが歴戦の英雄である。

 

 

 

 新西暦188年 ◎月□日

 地球、極東地区上海 梁山泊

 

 オルファン封じ込め作戦「バイタル・ネット作戦」及び北米、アリゾナ基地から核燃料と核弾頭を奪ったネオ・ジオンを追撃するため、αナンバーズは部隊を分割した。

 また、アラドとゼオラが新型PT受領のためにネオ・ジオン追撃部隊に同行して宇宙に上がる。正直、心配ではあるがラトゥーニも付き添うし、何よりアムロ大尉に任せる他ないだろう。

 

 ということで私とイングは、《ナデシコB》に同乗してギガノス帝国やその他の敵性勢力に対応するために地球を奔走することになった。他のメンバーは、《ナデシコB》の正規メンバーとドラグナーチーム、ダンナーチーム、秋津マサトと氷室美久、エイジ、GEARのメンバー、明神タケルとコスモクラッシャー隊、ドモンらシャッフル同盟のメンバーなどだ。

 まずは量産型へのフィードバックのため、《ドラグナー》を重慶基地への移送だ。《ナデシコB》には、イングが保護者をすることになったイルイも一緒に同乗している。

 そのイルイだが、別れる間際、イルイはアイビスに自分のつけていたネックレスを渡していた。いつの間にそんなに打ち解けたんだ。イングが「百合百合な関係なんて、お兄ちゃん許しませんよ!」と馬鹿を言っていたので黙らせた。

 まったく、何を言っているやら、だ。

 

 その道すがら、ガルファとDG細胞に犯されたMS(ガルファとゾンダーは繋がっている?)の襲撃を受けていた梁山泊に立ち寄り、調整の終了した《風龍》《雷龍》と共闘、合流して私たちの指揮下に入った。

 だが、どちらも《氷竜》《炎竜》兄弟に比べるとAIの発達が未熟なように思える。まあ、そこは追々学んでいけばいいだろう。イングに妙なことを吹き込まれないように、目を光らせなければ。

 

 艦内では、ケーンらが「これで軍隊生活ともおさらばだ」と浮かれている。

 騒がしい奴らだったが、いざいなくなるとなると少し寂しい気もするな。

 

 

 

 新西暦188年 ◎月∧日

 地球、極東地区中国 地球連邦軍重慶基地

 

 意外なことになった。

 重慶に到着した《ナデシコB》。現地に先乗りしていたプラート博士との遭遇で一悶着あったものの、無事《ドラグナー》各機を引き渡した。

 《ナデシコB》は無事認証を解除したケーンたちを降ろし、ギガノスの部隊の掃討に向かったのだが、その裏をかかれた形で重慶基地はギガノス帝国の「グン・ジェム隊」に襲撃を受ける。

 急ぎとって返す《ナデシコB》。そこでは、三機の《ドラグナーカスタム》が、助っ人に入ったネオチャイナのガンダムファイター、“クラブ・エース”サイ・サイシーの《ガンダムダブルドラゴン》と協力してギガノスのメタルアーマーと激闘を繰り広げていた。

 ケーンたち三人は、プラート博士により強化改造を施された三機の竜騎兵に乗り込んでギガノスと戦っていたのだ。

 結局、元サヤというわけだ。奴らも、なんだかんだ言って地球圏の現状には思うところがあったのだろう。

 イングとイルイがうれしそうに三人を迎えていたのが、また騒がしくなるだけだろうに。何がうれしいのやら、だ。

 

 

 

 新西暦188年 ◎月ℓ日

 地球、極東地区日本 京都

 

 日本地区に戻った《ナデシコB》にギガノスの蒼き鷹から秘密会談の要請が舞い込んだ。

 明らかな罠であり、実際罠だった。

 そこに待ち受けていたのは仕掛け人の北辰集だけではなく、BF団のエージェント、呼炎灼(コ・エンシャク)。BF団との決戦で私とイングが倒したはずの強敵だった。

 ベガ副司令と協力してなんとか撃退したが、恐るべき相手だった。助っ人に現れたネオネパールのガンダムファイター、キラル・メキレルがいなければ危うかっただろう。

 やはり、BF団は壊滅してはいないのだな。いつか近いうちに、奴らとは雌雄出を決さねばなるまい。

 

 

 

 新西暦188年 ◎月Å日

 地球、極東地区日本 沿岸地帯

 

 ドラグナーチームが哨戒任務中、グラドスの地上部隊と遭遇、本隊到着の後そのまま本格的な戦闘に突入した。無論、返り討ちにしてやった。

 連中は「ギガノスの汚物」と呼ばれているらしく、下品な奴らだった。いつぞやのグラドス人といい勝負だな。

 

 

 

 新西暦188年 ◎月∑日

 地球、極東地区日本 沿岸地帯

 

 引き続き、日本周辺の哨戒任務で今度は星間連合のSPT部隊と交戦した。指揮官はエイジの知り合いだったらしい。

 後に聞いたところによると、実の姉の婚約者だとか。ドロドロだな。

 

 その指揮官、ゲイルとか言ったか、はなかなかの実力者でSPTのサイズと相まってかなりてこずらされた。音に聞くオーラ・バトラーもこのように厄介なのだろう。

 もっとも、ゲイルは発動した《レイズナー》の《VーMAX》で海の藻屑と消えたがな。

 

 

 

 新西暦188年 ◎月#日

 地球圏、衛星軌道上 L4宙域

 

 連邦軍の防衛網をすり抜けてくる異星人勢力を迎撃するため、宇宙に上がった《ナデシコB》。

 かつてバイオハザードを起こして封鎖されたというとあるコロニーのほど近く、そこには星間連合の大部隊が待ちかまえていた。

 その指揮官の名はマーグ。明神の実の兄だ。

 以前、敵の目を欺いて接触を試みてき

た時とは打って変わり、明神=マーズに対して明確な敵意をもってこちらに攻撃してきた。

 

 まともに戦えない明神を守りつつ、私たちはなんとか奴らを撃退した。

 兄弟だけあって、マーグはイングに匹敵するほどの超能力者だ。私としては敵になったのなら討てばいいと思うのだが、そうもいかないようだ。

 実の兄の豹変に明神はかなり動揺していたが、イングによると「念が濁っていたから洗脳されてるな」。曰わく、機械的にしろ医学的にしろ超常的にしろ、マインドコントロールを施された人間の念には決まって歪みがあるのだという。

 なお、イングは例として《凰牙》のパイロットを上げており、さらっと「あれが典型例」と述べていた。なんというか、いろいろと台無しな気がするのは気のせいか。

 だがあのとき、一瞬私に気遣わしげな視線を向けたのはどういうことだ?

 

 

 

 新西暦188年 ◎月♬日

 地球、極東地区日本 Gアイランド・シティ

 

 バイタルネット作戦及び北米ネオ・ジオン追撃作戦を完遂し、αナンバーズが再び集結した。

 《ナデシコB》隊が言えたことではないが、両隊ともに激戦をくぐり抜けてきたようだ。

 

 北米を経由し、宇宙に向かった部隊に参加していたアラドとゼオラは、予定通り新型PT《ビルトビルガー・タイプR》及び《ビルトファルケン・タイプR》を受領していた。

 どうやら宇宙でオウカ・ナギサと再び交戦したようで、《ビルガー》がなければゼオラが危うく拐われるところだったとのこと。報告を聞いたときには背筋がヒヤリとしたぞ。

 

 反省も含めて、かいつまんで状況を書き残すことにする。

 アラド、ゼオラ、ラトゥーニの三人は哨戒任務中、運悪くネオ・ジオンの部隊と遭遇してしまう。そこに、オウカ・ナギサがいたわけだ。

 向こうの新型《ラピエサージュ》になすすべなく破壊されるアラドの《Mk-2》。あいつが死んだと勘違いしたゼオラが戦意を喪失、ネオ・ジオンに拿捕された。

 ラトゥーニは必死に取り戻そうとするが多勢に無勢、《Mk-ll》ごとゼオラが連れ浚われようとしていたとき。そこに黒い《ヒュッケバインMk-lll》が現れ、ネオ・ジオン機を蹴散らした。

 さらにヤザン・ゲープル、イングリッドO(「Zガンダム三号機P2型」通称《レッド・ゼータ》に乗り換えていたらしい)ら再編成された「ナイトシーカー隊」と、《ビルガー》に乗ったヴィレッタ大尉が到着した。

 

 悪運の強いアラドはヴィレッタ大尉により助けられ、そのまま《ビルガー》を託された。《ビルトビルガー》を得たアラドは、八面六臂の活躍でネオ・ジオンと《ラピエサージュ》を退けたようだ。本当に土壇場に強い男だな。

 

 《ビルガー》及び《ファルケン》の輸送をしてくてたヴィレッタ大尉は、そのまま《ビルトビルガー・タイプL》でαナンバーズに参加してくれた。心強い味方だ。

 なお、SRXチームの他のメンバーは別の任務に就いているらしい。

 

 それと、レーツェル・ファインシュメッカーを名乗るPTパイロットが参入した。アラドらを救った《ヒュッケバイン》のパイロットだ。

 怪しい。極めて怪しい風体だ。

 あの黒い《ヒュッケバインMk-lll》はかつてリョウトが乗っていた機体とのことで、動力炉をプラズマ・ジェネレーターに、背部バインダーをミサイル・サイロからテスラ・ドライブに換装している。おそらく、パーソナル・ファイター自体を交換したのだな。

 また、機体をパーソナルカラーらしい黒・赤・金に塗って「トロンベ」と呼ぶ変人である。

 大体なんだ、「謎の食通」ってネーミング。偽名がバレバレで隠す気がないのか。ゼンガー少佐とはずいぶんと親しい仲のようだが、余計に怪しいと思ってしまった私は悪くない。

 後にイングからSRXチームのライディースの兄であると教えられた。とりあえず、お前は何でそんなことまで知ってるんだと言いたい。

 ちなみに、ナイトシーカー隊の面々は宇宙に残って対ネオ・ジオンの作戦に戻ったようだ。噂のイングリッドOとは少し手合わせして見たかったのだが、残念だ。

 

 いくつかアラドたちに聞き取りしたいことがあったのだが、地上に帰って来たばかりだ。

 聴取は明日にするとしよう。

 

 

 

 新西暦188年 ◎月〒日

 地球、極東地区日本 Gアイランド・シティ

 

 

 さきほど、アラドたちの聴取が終わったのでこちらにも書き記すことにする。

 

 私とイングが知りたかったのは、「何故、オウカ・ナギサがネオ・ジオンに与しているのか」ということである。

 流されやすそうなアラドとゼオラならともかく、オウカ・ナギサは聞くところによると。元はティターンズとして教育を受けていたのだ、自ら望んでネオ・ジオンにいるとは考えづらい。

 そんな私たちの疑問には、実際に相対して対話を行ったラトゥーニが答えてくれた。

 どうもオウカ・ナギサは“スクール”解体後、ネオ・ジオンの前身となる集まり(おそらくオーガスタやムラサメなど、ニタ研関連の組織だろう)に接収されたようだ。そして、自分と同じくネオ・ジオンにいる弟妹のために戦っていると予測される。

 また、心身を患ったラトゥーニの身柄をネオ・ジオンが確保、治療していると思わされていたらしく、戦場で本人と相対した際には激しく動揺(どうやら、何らかの強化措置を受けているようだ)、それが原因でアラドを撃墜したのだという。まあ、それから開き直ってゼオラとラトゥーニを拿捕しようとしたようだから、それほど強いマインドコントロールを受けているわけではないのかもしれない。

 ラトゥーニ、アラド、ゼオラの三人はオウカ・ナギサを何とかして説得したいという。ネオ・ジオンの一員として、少なからず連邦軍の軍人を殺めている立場でそれは難しいのではと思うが、私個人としては応援したいところだな。

 

 ところでイング曰く、《ラピエサージュ》は「アサルト・ドラグーン(A.D)」というPTとは違う種類の人型機動兵器らしい。

 国際警察機構のデータベースによると航空戦闘機関連企業「フレモント・インダストリー社」が開発した試作機シリーズで、《ソルデファー》、《ノウルーズ》の二機が確認されており、マオ社の《ヒュッケバインMk-ll》、DC社の《グルンガスト弐式》、Z&R社の《スヴァンヒルド》と次期量産機制式採用トライアルを争った。結果は《ヒュッケバインMk-ll》の勝利だったわけだが、さておき。

 《ソルデファー》は所在が割れている(バルマー戦役時、《スヴァンヒルド》とともにカラバで運用され、現在は連邦軍で管理されている)ので、《ラピエサージュ》のベース機は《ノウルーズ》ではないかと推測される。

 《ノウルーズ》は、OZのスペシャルズで運用試験が行われていたが、バルマー戦役とイージス事件後の混乱で行方不明になっているらしい。《ビルゴlll》がネオ・ジオンで運用されていることからもわかるように、OZの残党が流れているみたいだからそのルートで持ち込まれたのだろうか。

 それからこれは憶測だが、《ノウルーズ》の兄弟機、《ソルデファー》には特殊な補助操作システムが搭載されていたらしい。ようはサイコミュのようなものだが、これが《ラピエサージュ》にも採用されている疑いがある。

 また、アラドたちの持ち帰った戦闘記録を見たが、《ラピエサージュ》にはどうやら《アルトアイゼン》、《ヴァイスリッター》及び《ビルトビルガー》、《ビルトファルケン》のデータが用いられているようだ。まさしく“継ぎ接ぎ”だ。

 《アルト》と《ヴァイス》、奪われかけた《ファルケン》はともかく、ロールアウトしたばかりの《ビルガー》のデータまでネオ・ジオンに流れているとはどういうことか。

 マオ社内の企業スパイ(アナハイムならやりかねまい)か、あるいは連邦軍内のシャアのシンパか。BF団の暗躍という線もあるな。頭の痛い問題だ。

 

 さておき、ここG・アイランドシティではついに浮上してしまったオルファンの対策会議が行われることになっている。

 我々αナンバーズは、その警備に駆り出された。

 こういう任務は私とイングにはお誂え向きだ。ここは一つ、超一流のエキスパートがどういうものか見せてやろう。

 

 

   †  †  †

 

 

 復活したメガノイドの策略により、アーマラとイングは万丈、そして故郷を滅ぼした宿敵を討つため、ボソンジャンプで現れたアキトとともに亜空間に閉じ込められてしまった。

 ボソンジャンプやイングの強力な超能力も通じない完全な閉鎖空間で、彼らは援軍もないままの戦いを強いられる。

 《無敵戦車ニーベルング》を駆るメガノイドの司令官、コロス。《メガボーグ・サンドレイク》、《メガボーグ・ベンメル》、《メガボーグ・ミレーヌ》の三人のメガノイドに、ソルジャーの大軍勢が押し寄せる。

 万丈の旧友、コマンダー・キドガーこと木戸川が旧友の危機に反旗を翻して助太刀に入るも、コロスによって粛正されてしまう。

 メガノイドの猛攻に追い詰められたイングは、起死回生の切り札を切った。

 

『アーマラ、こうなったらあれをやるぞ!』

「! テストも無しにかっ?」

『オレの相方、“レディ・マグナム”なら出来るだろ?』

「……フッ、いいだろう、やってやる。言い出したからにはしくじるなよ、イング!」

『あたぼうよッ!』

 

 二人のやりとりに、メガボーグと化したコマンダー・サンドレイクが嘲笑を浮かべる。

 

『何をするのか知らないが、ヒトの分際で超人間たる我々に楯突くとは、身の程知らずめ』

『勝手にほざけ!』

「メガノイドの分際で、私たちを舐めるなよ」

『っ! 小娘、貴様ぁ!』

『黙れ! 貴様の邪念、オレたちが断ち斬る!』

 

 檄するサンドレイクを征し、イングはお決まりの口上とともに念を解き放つ。

 《アッシュ改》のコクピット周囲に設置されたTーLINKフレームが剛念を関知して、超常的な力を発揮し始めた。

 

『TーLINK、ダブルコンタクト! シーケンス、SDE!』

「テスラ・ドライブ、出力最大! オーバー・ブーストッ!」

 

 《アッシュ改》から伝播した念動波が《ビルトファルケン》に伝わり、背部の翼が最大可動形態に変形する。

 テスラ・ドライブの真骨頂、慣性制御による急加速で飛び出した《ファルケン》を見送り、《アッシュ改》は眼前に重力による穴隙(けつげき)を生み出した。

 

『まずはオレからだ! グラビトン・ライフル、ランダム・シュート!』

 

 格納空間から呼び寄せられた《グラビトン・ライフル》から、文字通りランダムに放たれる幾条もの重力波の合間を縫うように、紅い荒鷹が最大戦速で飛翔する。

 同士討ちを恐れない大胆な機動は、二人の信頼の証と言えた。

 

「影すら踏まさん! パターンセレクト、S・D・E……エンゲージ!」

 

 テスラ・ドライブの軌跡を残し、《ビルトファルケン》が猛烈なスピードでメガボーグの背後を奪う。

 左手の《バスタックス・ガン》を掲げ、速度を乗せて突撃する。

 

「ストレイト・アタック! 撃ち抜く!」

 

 先端部の突起を突き刺し、最大出力のテスラ・ドライブの推進力により《ダイターン3》と比する巨体ごと跳躍する。

 ゼロ距離砲撃を繰り返し、メガボーグの分厚い装甲に傷を刻んでいく。

 

「そちらに送るぞ、イング! マキシマム・シューートッ!」

 

 最大限までチャージした《バスタックス・マッシャー》が、巨体を上方へと一気に押し出した。

 その先には、オレンジの外套をはためかす手負いの騎士。翠緑の念動光を迸らせた《アッシュ改》が攻撃モーションを取って待ち受けていた。

 

『ハァァァァッ、セイヤーーッ!』

 

 強靭な念動フィールドを右足のつま先、その一点に収束集中させた跳び蹴りをメガボーグにお見舞いした《アッシュ改》は、そのまま敵の巨体を足場にして跳躍。ひらりと宙返りをした後、テスラ・ドライブで慣性制御、再び肉薄する。

 両腰の《ロシュダガー》をマニュピレータの間に挟んで引き抜き、起動させた。

 

『ロシュダガー! 六爪流だ!』

 

 展開させた六本の光刃を突き刺し、そのまま振り抜いて前面の装甲をズタズタに切り刻む。

 そして《ロシュダガー》を脇に投げ捨てつつ、《アッシュ改》は左腕の《ストライク・シールド》から伸びた柄を握りしめた。

 

『セイバー、アクティブ! 剣風一陣ッ、瞬殺百閃ッ!』

 

 引き抜いた《TーLINKセイバー》による超高速斬撃。パーソナルトルーパーの限界を超越したデタラメな機動で、刃が縦横無尽に繰り出される。

 斬撃の檻、惨殺空間に囚われた哀れな獲物にもはや逃れる術はない。

 

『凶鳥は、無明の闇を斬り裂いて飛ぶ! アーマラ!』

「まだ終わらんッ! 翔ろッ、ファルケン!」

 

 一旦モーションを終了し、イングが合図する。するとアーマラは《ビルトファルケン》を急速接近させ、《バスタックス・ガン》の紅黒い砲撃を次々に放り込む。

 再び光速斬撃の嵐を刻む《アッシュ改》の間隙を縫い、縦横無尽に飛び回る《ファルケン》。そんな複雑な機動の中でも、アーマラは狙いを違わず、正確な射撃でサンドレイクを追い詰める。

 剣撃と砲撃で散々に痛めつけた後、両機は同時に攻撃を停止、メガボーグを挟み、ちょうど対角線上に距離を取った。

 

「さあ! とどめだ!」

『TーLINK、フルコンタクトッ! 灰は灰に、塵は塵に! 貴様のエゴを、その邪念ごと断ち斬ってやる!』

 

 ラスト・アタックを決めるべく、更なる念を解き放つアーマラとイング。コーティング・クロークを翻す《アッシュ改》、そして一対のテスラ・ドライブユニット羽撃かす《ビルトファルケン》。

 《バスタックス・ガン》と《TーLINKセイバー》を念動フィールドが覆う。二人の念動力が共鳴し合い、両機に強力な相乗効果をもたらしていた。

 

『ダブル・デッド・エンドォォォッ――』

 

 前後からの完全な挟み撃ち。テスラ・ドライブが唸りを上げる。

 斧と剣、“凶鳥(ヒュッケバイン)の眷族”たちが邪念を断つべく武器を振りかぶる。

 

「『スラァァァァッシュッッ!!!」』

 

 すれ違いざまの一閃が重なり合う。

 《ビルトファルケン・タイプL》と《エクスバイン・アッシュ改》の合体攻撃――《ストライク・デッド・エンド》が炸裂した。

 

『が、がああああ! ば、馬鹿な!? この私がっ、メガノイドが人間などにぃぃぃ!?』

「貴様はお呼びじゃないんだよ、三下」

『一番大事なヒトの心を忘れたお前らに、この技はちと勿体なかったか。あばよ、あの世でお前の罪でも数えてな』

 

 意味にならない断末魔を叫び、《メガボーグ・サンドレイク》は爆発四散する。《ダイターン3》、《ブラックサレナ》と交戦していたほかのメガノイドたちはあまりの一方的な展開に絶句していた。

 そんな中、イングがあっけらかんという。

 

『悪いな万丈さん、宿敵の一人を倒しちまって。あんまりふざけたこと抜かすから、思わずぶっ飛ばしちまった』

『いや、いいんだイング、僕も目が覚めた思いだよ。大事なのはヒトの心と、仲間との絆なんだってね』

 

 どこか憑き物が落ちたような表情で万丈はイングに応じた。

『くっ!』コロスが悔しげに呻く。しかし、自身の優位な状況は揺るがないと見て笑みを浮かべる。

 

『たかがコマンダー一人を討ち取ったところで、あなた達がこの空間に囚われているという事実は変わらないのですよ』

『フッ、そうでもないみたいだぜ?』

『何?』

「ッ! なんだこの念……空間に、亀裂が……?」

 

 不意に、亜空間に亀裂が入る。

 外界の光とともに現れた白い巨鳥に導かれ、《ナデシコB》、《大空魔竜》、《アルビオン》、《マザー・バンガード》、《キング・ビアル》が姿を現した。

 

『ご無事ですか、皆さん』

 

 心配するルリの第一声を皮切りに、万丈の事情を知る仲間たちが声を上げる。

 皆、水くさい、自分たちを頼れと口々に言う様は万丈が持つ抜群の人望の現れだろう。特に、勝兵やワッ太は万丈に懐いているとあって感情的になっていた。

 

『あと、やっぱりいましたね、アキトさん。ユリカさんが急にいなくなったって、心配してましたよ』

『ルリちゃん……ユリカに会ったのか』

『ええ。「ルリちゃ~んっ、アキトがいなくなっちゃった~!」ってボソンジャンプで現れまして。相変わらずですね』

『ユリカ……、いろいろ台無しだよ』

 

 一部では揉めているが、さておき。

 

「どうやら形勢逆転のようだな、メガノイド」

『役者も揃ったところで。万丈さん、いつものをひとつ頼むぜ』

『すまない……みんなの力、今一度貸してもらうよ』

 

 万丈は感動を押し隠すように、わずかに瞼を伏せる。

 拓かれた眼差しが、メガノイドを射抜いた。日輪のような闘志を宿して。

 

『いくぞ、コロス! 世のため人のため、メガノイドの野望を打ち砕くダイターン3! この日輪の輝きを恐れぬならば、かかってこい!!』

 

 

   †  †  †

 

 

 新西暦188年 ◎月∇日

 地球、極東地区日本 Gアイランド・シティ

 

 ついさきほどまで、万丈主催のパーティーに出ていていささか疲れた。イルイも同じようで、ベッドで夢の世界に旅立っている。

 コマンダー・キドガーもとい木戸川め、存外しぶとかったようだ。あのとき、死んだと思ったんだが。

 

 しかし、今回は久々に窮地に陥った気分だ。

 滅びたかに思われたメガノイドが再び姿を現し、破嵐万丈の抹殺に暗躍した。私とイングはその罠に巻き込まれたというわけだ。さすがに、今回ばかりは死を覚悟したぞ。

 

 宿敵の復活を受け、万丈は破嵐財閥を解体して身辺の整理をし、さらにはαナンバーズからも離れて独自に対抗するつもりだったらしい。もっとも、今回の一件で思い直したようだ。

 身軽になるという判断は間違ってはいないし立派だとも思うが、破嵐財閥の財政的な後押しというのは密かに重要だったわけで。今後に影響がなければいいが。

 

 それにしても、あの白い鳥型ロボは何だったんだ? 外にいた連中によると、突然飛来して不可思議な光(イングに匹敵するほどの強力な念を放っていたとはクスハ談)により、亜空間への活路を拓いてくれたそうだが。

 敵か味方か、だな。

 





 エタらなかった!
 カリブで海賊兼海賊やったり黒龍討伐してたら遅れました。
 本当は書き下ろしの小説パートをINFINITE戦かビルガー乗り換えイベントで入れたかったのですが、筆が進まなかったのでボツ。
 書き下ろしをやるにはカロリーとかモチベーションが
ががが
 ウルトラマンZネタをしゃべってるのに、INFINITEのことを知らないのは不自然なので過去話を修正してます。

 余談ですが、作者の初スパロボは64でアークとソルデファーがイチオシ。なお、クリアしたことはない模様。


 今回のアンケは二つです。
 ふと「鋼鉄ジーグの枠、鋼鉄神に差し替えられるのでは?」と思い付いたのですが、元祖スーパーロボットがマジンガーにならなくなるのでやめました。第二次αって凱と宙の交遊もわりと重要な要素だしなぁ。
 鋼鉄神勢が捏造設定で三次に登場する場合、つばきはミッチーの従姉妹、鏡はほぼそのまま、剣児のジーグは後継機扱いになる予定。
 平行世界設定は決まりが悪い(宙とミッチーが二人になったりする)ので今のところ無し。


 次回も一月を目処に投稿できればと思ってます。
 どうぞよしなに(・ω・)

ハマーン様は最後に何に乗る?

  • キュベレイ
  • ハマーン専用クィン・マンサ
  • サザビー(専用カラー
  • クシャトリア(専用カラー
  • タイタニア

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