今回は、USJ編の導入です。
では、どうぞ。ごゆっくり!
マスコミの雄英侵入から数日経ったある日。
昼終わりのA組
「えぇ、今日の戦闘訓練は俺とオールマイトあともう一人の三人態勢で見る事になった」
「はい、今日は何をやるんですか?」
相澤の言葉に誰かが質問した。
「火事に水難なんでもござれの救助レスキュー訓練だ!」
そう言いながら『RESCUE』と書かれたカードを取り出す。
「レスキュー…今回も大変そうだな」
「ねえ」
「バカおめえ。これこそヒーローの本分だぜ!鳴るぜ腕が!」
「水難なら私の独壇場。ケロケロッ!」
「おいまだ途中!」
クラスメイト達がざわつく中、相澤先生の怒りの籠った声で一気に収まった。
「今回コスチュームの着用は各自の判断で構わない。中には活動を限定したりする物もあったりするからな訓練場は少し離れた場所にあるからバスに乗っていく。以上、準備開始!」
要点だけ説明し終えると皆一斉に動き出した。
全員でバスに移動したが生憎、バスの定員が20人だった。
A組のメンバーは、全部で21人のためどうしても一人余ってしまう。
余った一人をどうすべきか考えていると零華が手を挙げた。
「私が走る…」
その言葉に誰もが疑問に思いどういう事か聞こうとした直後、地面が凍り着いた。
『ブルルル!』
氷の中から一頭の白馬が現れた。
その馬が零華を見ると頭を垂れた。
「大丈夫です…」
「そうか…」
零華の言葉に相澤先生が微妙な顔で返した。
そのままA組の面々がバスに乗り、零華も召喚した馬に乗ろうとした。
「…」
だが身長150センチ弱の女性が2メートル近い馬の背に乗るのは至難の業だった。
「誰か来て…」
零華は自分を馬の背に乗せてくれる氷の騎士を召喚するつもりで個性を発動した。
誰でも良かった。本当に誰でも良かった。
でも…
『お呼びでしょうか?我が主』
なぜお前が来た?3万体以上存在するはずの氷の騎士。その中で最強の騎士団長を務めるお前がどうして来たんだ?
今日は、エネルギーを限界値まで回復させた。
だがお前の召喚時エネルギー消費量は…7500。召喚できる全ての騎士の中で最高値だ。
そんな奴が勝手に出てきたら私のデメリットが強制発動してしまうに決まっている。
「ち、縮む~!」
案の定、デメリットが強制発動してしまった。
『あの…我が主?どう言ったご用件で?』
片膝を着いてキョトンとした顔で聞いてくるアイナの顔を一発殴ろうと思ったがどうせ簡単に止められるのでやめた。
「馬に乗せて…あとバスを追いかけて」
『ふむ…』
要件を言うと顎に手を当てて考え込む仕草をしだした。
「…」
『…』
少し待っているとやがて口を開いた。
『しかし我が主。馬で走るよりも私が貴女様を抱えて走った方が早いですよ?』
「……………は?」
何を言ってるんだこいつは?
走った方が早いって?そりゃそうだろう。本気で走ればリニアモーターカー顔負けの速度で走れるこいつが私を担いで走れば確かに馬より早く着くだろう。
しかし目的地が何処か分からないし仮に分かったとしても先に着いても意味が無いではないか。
冗談は性格だけにして欲しい。
「早くして…」
バスが動きだしているから早くして欲しい。
『承知しました。では…』
アイナはそう言って両手を脇の下に入れて担いだ。
「…」
この際、子供を担ぐように持ち上げた事には目を瞑ろう。
だが
『さぁ、行きましょう!我が主!』
何故お前も乗った?走れば良いだろう?この馬よりも早いから走れば良いだろう。
『行くぞ、氷輪丸!』
『ヒヒーン!!』
何故斬魄刀の名前でこの馬を呼ぶの?確かに飛べるよ?正確には『空気中の水分を凍らせてその上を駆ける』けどさ。なぜその名前にしたの?ねぇ、なんでこっち見ないの?あんたもどうしてその名に応じるの?
色々と問い質したい気持ちを抑えながら私の後ろに座ったアイナの腹にもたれかかる。
「硬い…」
アイナの鍛え抜かれた腹筋に少し悪態を吐きながら目的地まで揺られる事になった。
~数分後~
『いやー!楽しいですな!我が主!!』
「……っ!!」
目的地まで揺られると言ったな?アレは嘘だ。
実際最初の方は馬に揺られていた。頭の上に乗っかる双丘の感触を堪能しながら目的地まで行くと思っていた。
だが何を思ったのかアイナが急に道を外れて氷輪丸と一緒に空中を走り始めたのだ。
しかも飽きさせないためか時折、空気中の水分を凍らせる事を止めて急降下してから氷輪丸が背中から生やした双翼で空を飛びながら急上昇するとか言う無駄に凝った演出までして来やがった。
本人達は、楽しんでいるつもりだろうが私からしたら拷問に等しい。
ただでさえ絶叫マシーンが苦手なのにこんな事をされたら溜まった物じゃない。
「貴女達…いい加減に『気をつけて下さい我が主!舌噛みますよ!』は?」
突如警告を発して来た直後、また急降下を始めた。
「ぃいいいいいいやぁああああああああああああ!!!!?」
『アッハハハハハハハハハ!!楽しいですな我が主!!』
久し振りに本気の悲鳴を上げる私に対し、アイナは気持ちいいくらいに笑っていた。
この後も散々弄ばれた。
◆
バスが目的の場所に着き全員が降りると宇宙服を着た一人の人影があった。
「皆さん!待ってましたよ!」
「スペースヒーロー13号だ!災害救助で目覚ましい活躍をしている紳士的なヒーロー!」
「私好きなのー!13号!」
どうやら13号は全員に人気のあるヒーローのようだった。
『ハハハハハハハ!!到着しましたぞ我が主!』
「くきゅ~…」
13号がA組の面々を迎えていた時、高笑いを上げながら見事に白馬を乗りこなし純白の鎧を身に纏った一人の女性騎士が小脇に気絶寸前で口から白い何か(冷気)を吐き出している零華を抱えながら颯爽と登場した。
『よいせっと』
『いやー!お待たせしました。騎士団長アイナ!予定通り、我が主をお連れしました』
馬から降りたアイナは、零華の首の後ろ側を掴んだ状態でまるで荷物か何かのようにA組の面々に向けて差し出す。
全員が若干引きながらも13号先生に案内されて全員でドーム状の建物の中に入った。
建物の中には巨大な湖、岩山、崩れたビル、土の山、赤いドームに緑のドーム等があった。
「うおー、すっげー!USJかよ!」
「水難事故、火災、土砂災害、暴風、etc…ここはあらゆる災害を想定して僕が作った演習場!その名もウソのU災害やS事故ルームJ!略してUSJ!」
(((((本当にUSJだった…)))))
どうやら本当にUSJだったようだ。
(いろいろとアウトじゃないの?)
気絶から目覚めた零華が心の中で呟いているとなぜか相澤先生がため息を吐いた。
「はぁ…不合理の極みだな、おい」
「まあ仕方ない。じゃあ始めるか?」
「ええ、では。始める前にお小言を1つ…2つ…3つ…4つ…5つ…」
(((((増える)))))
13号が指をどんどん上げて行く。
やがて説明を始める
「皆さんご存じだとは思いますが僕の個性は『ブラックホール』。どんな物でも吸い込んで塵にすることが出来ます」
「その個性でどんな災害からも人々を救助出来るんですよね!」
緑谷の言葉に肯定するがしかしと続ける。
「しかし、それと同時に人を簡単に殺せる個性でもあります。みんなの中にもそんな個性の持ち主がいるでしょ?」
13号がそう言うと全員が一斉に零華の方を向く。
「…?」
零華は疑問に思った。
「コホン!超人社会は個性の使用を視覚性にし一見に成り立っているように見えます…しかし一歩間違えば人を容易に殺せる行き過ぎた個性を個々が持っている事を忘れないでください。相澤さんの体力テストで自身の力が秘めている可能性を知りオールマイトの対人戦闘訓練でそれを人に向ける危うさを体験して貰ったかと思います。この授業では心機一転!人命のために個性をどう活用して行くか学んで行きましょう。君達の力は人を傷つけるためにあるのではない助けるためにあるのだと心得て帰って下さいな!以上ご静聴ありがとうございました」
13号はそう言いながら紳士的な例をして話を終わらせた。
「素敵ー!」
「ブラボー!ブラボー!」
それに対し皆拍手していた。
「よし、じゃあまずは…」
バチバチッ!
相澤が口を開くと同時に照明部分に電気が走り広間に黒い靄が現れる。
ズズ…
「全員一塊になって動くな!13号生徒達を守れ!」
『ハハハハハ!困りましたね、我が主!』
それを見た相澤が全員に指示を出し首に掛けていたゴーグルを装着しアイナが礼零華の背中に手を当てて
「なんだよ?」
「まーた入試みたいなもう始まってるぞパターン?」
「動くな!」
切島が疑問の声を上げるがすぐに相澤が叫んだ。
「あれは…ヴィランだ!」
「イレイザーヘッドに13号ですか…先日頂いた教師側のカリキュラムではオールマイトがここにいるはずなのですが…」
黒い靄を発生させているヴィランが不思議そうに呟く。
「やはり先日のはクソ共ヴィラン共の仕業だったわけか?」
その声を聞いたイレイザーはマスコミ侵入の日の出来事を思い出す。
「どこだよ?せっかく大衆引き連れて来たのにさぁ…オールマイト…平和の象徴…居ないなんてな?」
主犯格の男が凶悪な笑みを浮かべてそう呟いた。
ヴィラン連合USJ襲撃事件が…
「子供を殺せば来るのかな?」
いよいよ始まろうとしていた。
◆
「ヴィラン~!バカだろヒーローの学校に入り込んで来るなんてアホすぎるぞ!」
「先生!侵入者用センサーは?」
「もちろんありますが…」
「現れたのはここだけか学校全体か…なんにせよセンサーが反応しねえなら向こうにそういう事が出来る奴が居るって事だ。校舎と離れた隔離空間そこにクラスが入る時間割。バカだがあほじゃねえ。これは何らかの目的があって用意周到に画策された奇襲だ」
轟のその言葉にクラスに戦慄が走る。
「13号避難開始。学校に電話飛ばせ!センサーの対策も頭にあるヴィランだ。電波系の奴が妨害している可能性もある…上鳴!お前も個性で連絡試せ!それで貴女も戦うんですか?」
『お任せを!』
13号と生徒達に指示を出した相澤先生がアイナに視線を向けると同時にヴィランの大群に一人で突っ込み戦国無双のように剣一本で暴れ始めた。
「チィ!一人で行きやがって!冷気!あとで話がある!」
勝手に飛び出したアイナに悪態を吐きながら首元に巻いている捕縛布に手を掛けた。
「待って下さい!あの数を相手じゃいくら個性を消すって言ってもイレイザーヘッドの戦闘スタイルは敵の個性を消してからの捕縛!正面戦闘は得意じゃないはず!」
「大丈夫だ。一芸だけじゃ…ヒーローは務まらない!」
緑谷の言葉に短く返して器用に立ち回りながら次々とヴィランを圧倒していく。
「すごい…多対一こそ先生の得意分野だったんだ」
「分析してる場合じゃない!早く避難を!」
A組の面々が出口に向かっているとまた黒い靄が現れ行く手を阻む。
「させませんよ」
「初めまして我々はヴィラン連合。僭越ながらこの度ヒーローの巣窟雄英高校に入らせて頂いたのは…平和の象徴オールマイトに息絶えて頂きたいと思いましての事でして」
その言葉に誰もがあっけに取られた。
「は?」
「本来ならここにオールマイトがいらっしゃる筈ですが何か変更があったのでしょうか?まあそれとは関係なく私の役目はこれ…」
そう言いながら腕を広げるように黒い靄が広がって行く。
「その前に俺たちにやられる事を考えなかったか?!」
と同時に爆豪と切島が同時に攻撃を仕掛けた。
「待て!それじゃあ意味がない!」
「ふう…危ない危ない。そう生徒と言えど優秀な金の卵」
「駄目だ!退きなさい二人共!」
効果が無い事に気づいた13号はすぐに退くように言ったがそれよりも黒い靄が広がるのが早かった。
「私の役目はあなた達を散らして嬲り殺す!」
そう言うと同時に靄が一気に広がりA組を包んで行く。
スゥーッ…
何人か黒い靄に包まれず何とか逃げ出す事に成功した直後、靄の中から零華の声が響き渡る。
「アイナァァ!!!!」
突如響き渡った零華の声にアイナが攻撃の手を止め視線を向ける。
「命令だ!絶対負けるな!!」
その命令を最後に零華は黒い靄に完全に吸い込まれた。
『了解しました!我が主!』
その命令を受けたアイナは、原初の氷剣を握り直しヴィランに剣先を向けた。
『我が主の命令だ。勝たせて貰うぞ!!』
兜の下で獰猛な笑みを浮かべながら一気に駆け出す。
キャラ解説.
氷の騎士団騎士団長.アイナ。
召喚時消費エネルギー量.7500
(この消費エネルギーは、全ての氷の騎士の中で最高値)
説明.
零華の体内で勝手に建国された国の騎士団長を務める女性騎士。
本気の未来火を相手に10分以上互角の勝負を繰り広げるガチの化け物。
今のオールマイトより強く、本気の零華に(相性の関係で)負ける。
氷輪丸.
零華が召喚した氷製の馬。
アイナが勝手に命名した。
最高速度は時速300㎞(自称)。
次回は…いつかな…?(遠い目)
では、また次回!
USJ編にて零華がヴィラン相手に言って欲しい煽り台詞は?
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ざぁこ♡(嘲笑)
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ほら、頑張れ頑張れ(煽り)
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その少なめの脳味噌で良〜く考えなさい!
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優しく蹴散らしてあげましょう…
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理解に苦しむわ…なんでそんなに弱いの?
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はい、駄目ー!
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鬼さんこちら、手の鳴る方へ!
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もしかして…今のが本気?
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ほらほらぁ、どうしたどうした?
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ざんねーん!効いてませーん!www
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まさか…ハンデ足りなかった?
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カモーン、ポルポルくぅーん
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あなた、なんのために生きてるの?