今話もアイナさんの戦闘シーンです。
結構頑張りました。
では、どうぞ。ごゆっくり!
アイナが脳無に斬り掛かったと同時に脳無もアイナに向かって駆け出していた。
「チッ!」
右腕を失い僅かにバランス感覚を失ったアイナが舌打ちをして脳無の攻撃を間一髪で躱すと同時に右腹を斬る。
「セイッ!」
振り向きざまに背中と両脚の腱も切り裂き数歩後ろに跳ぶ。
「再生…?」
アイナが呟くと脳無の体の切り口がまるで逆再生を行うように治り始めていた。
人体の弱点を狙った攻撃を行ったのに、ほとんどダメージが無く傷口を瞬く間に再生させてしまった脳無にアイナは、もう一度剣を構える。
「どうなってる?なんで再生した?それがお前の個性か?」
「……」
脳無に問いかけるが自我を持たない脳無は、それに答えず虚ろな目で返す。
「効く訳ねぇだろ?その脳無は対オールマイト用の兵器なんだぜ?」
「…なに?」
睨み合っていた二体に死柄木が自慢するように声を掛けた。
その言葉にアイナが視線だけで続きを促す。
「
「……っ!」
まるでお気に入りのおもちゃを自慢するように脳無の能力を紹介し終えた死柄木に対し、いつの間にか隣まで移動していた
「…」
死柄木の話を全て聞き終えたアイナが苦虫を嚙み潰したような表情を浮かべ頭の中で倒し方を模索したいた。
(打撃が効かず生半可な攻撃では即座に再生される。それに加えてあのスピードとパワーに耐久性…なるほど、対オールマイト用とは良く言った物だ。まるで天敵じゃないか…エネルギーが切れかけている今の状態ならまだしも片腕だけの状態では
「どうしたものか…」
一瞬で個人では討伐不可能と判断し、どうしたものかと呟きながら持ち主のエネルギーを吸収する原初の氷剣を構える。
「今の私では自分を再生出来ない…残された活動限界時間は、約3分…我が主が到着するまでは、およそ5分。2分足りないけどイレイザーヘッドなら2分くらい大丈夫だろう…それに加えてここに幾つかの生体反応が近づいて来ている…そこから導き出せる結論は…勝利!」
一人で長々と考察したアイナが勝利を確信して脳無に突っ込んだ。
「先手必勝!」
「グルァッ!」
アイナが剣を勢い良く振り下ろすと同時に脳無が本能的にバックステップで避ける。
パキィィィィン!!
すると脳無が先程まで立っていた場所に巨大な氷の柱が剣山のように出現し脳無を突き刺そうと動いたが一秒も掛らず止まった。
「チッ!躱したか…」
殺す事が出来ずとも動きを封じる為に放った一撃をまるで何も無かったかのように躱された事にアイナが悪態を吐きながら下から剣を一気に振り上げる。
「グルゥ…」
その攻撃も間一髪で躱した脳無が両腕を振り上げ
「グルァアアア!!」
「グゥッ!?」
アイナに向かって一気に振り下ろした。
だがアイナもその一撃を片腕だけで受け止めた。
バキンッ!!
受け止めた衝撃で地面が陥没するが、それでも脳無の一撃を受け止めた腕を動かさず脳無の次の動きに全神経を集中させる。
「クッ…!グゥ…」
「グルルルルル…」
自分の本気の一撃を片腕で受け切った目の前の存在に脳無の本能が警戒信号を発令していた。
この相手は危険だ。
己の全てを持って殺さなくては。
全て、文字通り全て。
自分に与えられたパワー、スピード、個性、その全てを使って目の前の相手を殺す。
徹底的に殺さなくてはならない。
脳無の本能がそう叫び、本来失われた思考能力とはまた別のナニカを用いてその判断を下した脳無は、肩腕を引いて殴る構えを取った。
「グルァ!!」
「おっと!」
音をも置き去りにした脳無のパンチをまるで自分に飛んで来るボールを避けるように簡単に上に跳んで躱したアイナが剣を軸にして脳無の頭部に回し蹴りをクリティカルヒットさせる。
「……!?」
予想だにしなかった一撃に脳無が混乱を隠しきれず次の一撃を繰り出すタイミングが一瞬遅れた。
「セイッ!」
当然それを見逃す
脳無が混乱している隙を突き脳無の六つに割れた腹筋と逞しい大胸筋に連続で蹴りを打ち込む。
「ハァッ!ヤァッ!」
当然ショック吸収持ちの脳無に蹴り技が通じる訳もない。
それを分かっているアイナは剣を逆手に持ち脳無の左足を切断。振り向きざまに右腕を斬り飛ばし原初の氷剣を空中に放り投げ脳無の後頭部を掴む。
「おりゃあ!!」
ドゴンッ!!
とてつもない衝撃音と共にアイナが脳無の顔面に本気の膝蹴りを食らわせ脳無の嘴が折れ曲がった。
「……」ギョロ!
しかし脳無も黙ってやられるほど弱くは無い。
すぐさまアイナの足を掴み持ち上げて振り上げ一気に地面に叩き付ける。
「ガフッ!!」
コンクリートの地面に叩き付けられたアイナが口から血を吐き身体の至る所に罅が入り始める。
「グルァアアア!!」
「取った!って、うおっ!?」
もう一度地面に叩き付けようとアイナの体を持ち上げ振り被るとちょうど降って来た原初の氷剣をアイナが掴む。
だが一手早く脳無がアイナを叩き付けようと腕を振り下ろした。
ガクンッ!
「…っ!?」
アイナを叩き付けようと腕を振り下ろした脳無が首を引っ張られバランスを崩した。
「……グルゥ」
「へへん…ビックリした?じゃあ、離せ!」
首に違和感を感じそちらを見るとアイナが掴んでいるのとは逆の足を首に掛け叩き付けられる事を防いでいた。
それに気を取られている隙に足を掴んでいる脳無の腕を斬り飛ばし再生を終わらせた方の腕を一瞬で切り刻む。
「そ~れ!」
そのまま両腕を失った状態の脳無にミサイルキックを食らわせてかなりの距離を吹っ飛ばしてから後ろに跳んだ。
「ふぅ…ぺっ!」
(駄目だ…どうしても決定打に欠ける。何か大技を撃たなければ…)
綺麗に着地し口に溜まった血を吐き捨てたアイナが心の中で焦りながら呟く。
「はぁ…はぁ…」
「イレイザーヘッド…」
複数人のヴィランを相手に一人で互角に渡り合っているイレイザーヘッドを見たアイナに妙案が思い浮かぶ。
「イレイザーヘッド。少しの間、あの筋肉ダルマを任せます。その間に私は一撃必殺の準備をします」
「貴女…
イレイザーヘッドの所まで移動し背中合わせで話し掛けたアイナに対し相澤が目線を向けずに言葉を返した。
「はい、あります。一撃必殺…否、一撃確殺の大技が一つだけあります。ただ、これを使うには溜めに1分ほどの時間が必要で使った後にエネルギー切れで私が消滅してしまいます。しかし、当たれば死ぬ系の技に分類されているのでご心配無く」
「まったく安心出来ないが他に手も無い。生徒達を危険に晒す訳にもいかないしそれで行きましょう」
アイナの作戦を聞き終えた相澤が了承する。
(やはり我が主の言う通り、生徒思いの良い先生ですね。我が主は声だけでなく中身にも惚れた訳ですか…)
「では、お任せします。くれぐれも無茶しないでください」
「任されました。無茶は…多少しないとだな」
言葉を交わし終えた相澤が拘束布に手を掛け脳無に向かって走り出した。
「あちらは大丈夫でしょうか?少し心配ですが仕方無いですね…」
小さく呟きながら引き千切った自分の折れた右腕を回収し切断面を無理矢理くっつけた。
「多少不格好だけど、まあ良いか」
折れたままの右腕と正常な左腕で原初の氷剣を胸の前で握り詠唱を開始…
「オラァ!」
「させるか!」
しようとした直前に周りに居たヴィラン達が攻撃を仕掛けた。
「チィッ!邪魔よ!」
それらの攻撃を避けて反撃しながら詠唱を口遊む。
『氷獄最強の剣にして我が主の武器たる原初の氷剣よ。本来の所有者たる我が名の下に命ずる』
アイナが詠唱を始めたと同時に両手で握った原初の氷剣の剣身が発光し始めた。
「させるか!」
「おい!誰かあいつを止めろ!」
周りのヴィラン達が詠唱中のアイナを攻撃するがその悉くを避けて足技だけでカウンターを食らわせ対処して行く。
『我が主への忠誠を示すのであれば我が呼び声に応えよ。示さぬのであれば我が眼前の敵を打ち払う力を解放したまえ』
詠唱の第二節を口遊むとアイナの中にあったエネルギーが全て原初の氷剣の剣身に集中していく。
「おいおいおいおい!さっさと止めろ!!」
「遠距離の奴は居ねぇのか!?」
「さっきイレイザーヘッドに全員やられた!今はもう誰も残っちゃ居ねぇ!」
剣身へと集中していくエネルギーにヴィラン達がパニックになって行くがアイナの詠唱は続く。
『汝の力、我の力。我が主への絶対の忠誠。その全てを持って我が眼前の敵を打ち払え!!』
第三節を唱え終えると原初の氷剣の剣身の発光が抑えられ一気に色を失った。
「くっ!おい、まだか!?」
「グルァアア!!」
脳無を相手に上手く立ち回っている相澤がアイナに向かって叫び脳無が雄叫びを上げる。
「あれは…不味いな」
「ええ、当たれば終わるでしょう…まぁ、
「ああ、そうだな…」
アイナが放とうとしている一撃を見て死柄木と黒霧が焦らずに話始める。
ヴィラン達がアイナを攻撃しアイナが反撃する。
相澤が脳無を相手にギリギリで攻撃を躱し何とか持ち応えている。
死柄木が焦らずに作戦を立て黒霧が移動を開始する。
アイナに命令を下した零華が可能な限り急いでUSJの広場に向かって来ている。
それぞれの陣営がそれぞれの動きを行っていると、
『さぁさぁ!ご覧あれ!我が全力!私の全て!受け止められるもんなら受け止めてみな!決まれば勝ち!外れたら負け!一世一代の大技!喰らってみるか?遠慮するな!全て!全部!全部全部ぜ~んぶ!!持ってけ泥棒!!』
アイナがついに最終節を唱え終えた。
足を一歩引いて剣を持ち上げ、脳無に向かって一気に振り下ろした。
アイナの放った一撃は、巨大で鋭利な氷の塊となって脳無に迫る。
それは、山を裂き、大地を砕き、海を割り、煉獄の女王であろうと防御に徹せる程の威力を誇る一撃。
それだけの一撃を相澤が既に脳無から離れていたため他者への被害を気にする事無く技を撃つ事が出来た。
この一手で決着が着いたと誰もが思った。
実際アイナもそう思って全てを出し尽くしたのだ。既に技を撃った反動で体が崩壊し始めている。
だが…ヴィラン連合には、アイナの天敵とも言える個性を持つ者がもう一人存在していた。
その者の名は、
「黒霧ィ!」
黒霧。
その個性はあらゆる物を転移させるワープゲート。
「させませんよ!」
発動条件は、黒い靄で転移させたい対象を包む事。
今回は、その能力が大いに役立った。
アイナの放った大技を脳無に当たる直前で靄の範囲を拡大する事で全て包み込み転移させた。
そしてあろうことか包み込んだ一撃をアイナの後方からこの広場へと走って来ている
「そんな…馬鹿な…」
「ああ…申し訳…ありません…我が…主…」
アイナは、主たる零華に『絶対に負けるな』と命令されたにも関わらず己の全てを込めた一撃を防がれ、剰えこれ以上戦えなくなり敗北してしまう自分の弱さに悔しそうに歯噛みする。
そして相澤もあの強大な一撃を防がれる事など夢にも思わず呆然と立ち竦していた。
「はっ、ハハッ…!ハハハハハッ!アーッハハハハハハハハハハハ!!見たか黒霧!?あの女が自信満々で撃った一撃を見事に防いでやったぞ!見ろよあの女!自分の持てる最高の一手を完璧に防がれて、もう打つ手がないあの女の絶望顔を見ろよ!なぁ?どんな気分だ?自分の全てを投げ打って放った一撃を防がれた気分はよぉ!!?」
一方で膝を突いて今にも倒れそうなアイナを死柄木が嘲笑っていた。
それはもう楽しそうに。心の底から愉快そうに笑っていた。
「あー、笑ったなぁ…よし。脳無、あの女を殺せ」
一頻り笑い終えた後、脳無に既に戦闘不能のアイナを殺すよう命令を下した。
「グルルルル…」
脳無が命令通りアイナを殺すため一歩踏み出した。
その直後。
「アイナ…良く頑張ったね」
妙に透き通る女性の声が聞こえて来た。
「わ、我が主…」
「冷気…!」
膝立ち状態のアイナの隣に青髪の女子生徒、冷気 零華が立っていた。
「我が主…私は…貴女様に『絶対負けるな』と命令されたのに敗北してしまいました。この首一つで償えない事は重々承知しておりますが…それでも…どうか!私にこの罪を償わせて下さい…!」
弱った声で自分の主に縋るように話しかけるアイナに対し零華が頭に疑問符を浮かべ口を開く。
「何を言ってるの?勝負はまだ続いてるでしょ?貴女のターンが終わり私のターンになっただけ。つまり決着はまだ着いて無いのよ」
「我が主…」
「ほら、ゆっくり休んで。ちゃんと回復しなさい」
「はい…ありがとうございます。どうか…お気を付けて」
零華がまるで子供を安心させるように優しく声を掛け、それに安堵したアイナが目を閉じて凍った地面から零華の体内へと吸収された。
「お前…誰だ?ただのヒーロー気取りなら今すぐ「うるさい…」あん?」
突然現れた零華に対し死柄木が声を掛けるが零華に遮られる。
「良くも…良くも……私の部下を…あそこまで追い込んだな…!」
自分の部下にして仲間を傷付けられた事に対し零華の怒りが頂点に達していた。
「喜べ!貴様らは、特別に…『
怒りの表情のままにハーフフェイスカバーを外して、怒りの一歩を踏み出す。
零華が一歩踏み出すと同時に地面が凍り付いた。
さて次回は、いよいよ零華の戦闘シーンです。
本気の零華の戦闘シーン…書けるかなぁ?
アンケートで選ばれたヴィラン相手に言って欲しい台詞を盛り込みます。
とにかく頑張ります!
では、また次回!
USJ編にて零華がヴィラン相手に言って欲しい煽り台詞は?
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ざぁこ♡(嘲笑)
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ほら、頑張れ頑張れ(煽り)
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その少なめの脳味噌で良〜く考えなさい!
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優しく蹴散らしてあげましょう…
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理解に苦しむわ…なんでそんなに弱いの?
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はい、駄目ー!
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鬼さんこちら、手の鳴る方へ!
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もしかして…今のが本気?
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ほらほらぁ、どうしたどうした?
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ざんねーん!効いてませーん!www
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まさか…ハンデ足りなかった?
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カモーン、ポルポルくぅーん
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あなた、なんのために生きてるの?