エステル・フォウ・ファイアブランド
Estelle Fou Firebrand
主人公。案内人の悪意によって悲惨な最期を迎えた日本のサラリーマンがホルファート王国の貴族女性として転生させられた存在。
誕生日は四月十日。
・人物
やや癖のあるロングの銀髪とつり目気味の碧眼が特徴の美人。
同年代どころか大人の女性たちと比べても背が高く、学園入学時点で170センチ。以降も少しずつだが伸び続けている。
胸はBカップと控えめだが、鍛えられたヒップと太ももがセクシー。
前世では真面目に生きていた善良な男だったが、元妻や会社の上司をはじめ多くの人間に騙されて搾取され続けた末に命を落とし、更には転生してからも父親によってオフリー伯爵家に売られかけるという苦難を味わう。
これらの経験から、真面目に善良に生きることなど無意味と結論付けており、今世では自分の利益を第一に追求し、力ある悪人として生きようとしている。
傲岸不遜かつ冷めた物言いが目立つが、根は真面目で情に厚い性格。
また、部下たちの待遇にも気を配っている(離反や裏切りを防ぐため)こと、領地に積極的な投資を行い、大いに発展させている(将来税を搾り取るため)こと、優秀な人材は身分関係なく登用している(無能に足を引っ張られることが許せないため)ことから、人望は極めて厚い。
一方で学園においては案内人が流した悪評によって多くの生徒たちに恐れられており、孤立気味。
前世が男性だったためお洒落には疎く、髪のセットや私服のコーディネートなどは殆どティナに丸投げしている。
また、メイクも殆どしていない。
肌を露出することにも抵抗感が強く、私服はほぼ全て長袖のトップスにズボンかロングスカート。
制服のスカートも一般的な膝上丈や膝丈ではなく、ロング丈の特注品。
一人称は基本的に「私」だが、感情が昂った時や気を許した相手の前では「俺」になることもある。
・能力
幼少期から力を求めて鍛錬に明け暮れていたことにより、武芸に極めて優れている。
中でも得意としているのは剣。
基本を極めるというニコラの教えを忠実に守り続けているため、使えるのは基本の型とそのアレンジだけだが、それ故に動きに無駄や隙がなく、莫大な魔力量を活かした肉体強化による強烈なパワーとスピードも相まって凄まじい戦闘能力を誇る。
これに鏡花水月という切り札とセルカのサポートが加わり、無敵に近い強さを得ているが、慢心しないように自戒しており、常に研鑽を怠らない。
鎧の操縦者としても極めて高い技量を有し、並のパイロットではまともに飛ばすことすら難しいアヴァリスを自由自在に操る。
最も得意としているのはアヴァリスのパワー、機動性、防御力を最大限に活かした近距離戦であり、アダマティアス製の大剣を使った剣戟を好んで行う。
また、あまり好んではいないものの、射撃も得意としており、一キロの距離から飛行中の鎧に直撃弾を与えられるほど。これは修行で得た極めて高い認識能力により、未来予知じみた先読みを可能としているため。
*鏡花水月
エステルがニコラの指導と過酷な修行によって身につけた剣術。
その本質はニコラの知る複数の流派の歪なパッチワークであるが、エステル本人の技量とアレンジにより、剣豪クリスと渡り合えるまでに昇華している。
流派と同じ名を冠する奥義はいかなる攻撃も空間ごと捻じ曲げて逸らし、調整次第では相手に向かって打ち返すこともできる最強の魔法。鏡に映る花や水に映る月に触れることができないように、決して攻撃を届かせることができない。
ティナ
Tina
ヒロインの一人。エステルの専属使用人。極めて珍しい女性の専属使用人であり、狐の特徴を持つ獣人。
童顔で十代後半乃至二十代前半くらいに見えるが、実際には二十代後半。
誕生日は一月七日。
・人物
ストレートロングの銀髪と所々黒が混じった白い狐の耳と尻尾、翡翠色の瞳が特徴的な美女。
身長は耳まで含めれば174センチとエステルより少し高い。
Eカップの美巨乳と肉感的な美尻、スラリとした美脚を兼ね備えた魅惑の肢体の持ち主。
若干幼さの残る可愛らしい顔立ちであり、切長だが優しげなタレ目が印象的。
母親は成人前に他界しており、父親は行方不明。そのため、故郷では長らく一人暮らしをしており、生活のために忙しく働いていたせいで遊ぶ時間もなく、周囲の同年代の子供たちと馴染めずに肩身の狭い思いをしていた。
成人後、ある事件を機に故郷を出て王国本土で新しい暮らしを始めようとするが、知識も技術も財産も頼れる伝手もなかったためにろくな仕事にありつけず、結局奴隷商館に自分で身売りしている。
基本的には明るく前向きな性格であるが、人の好き嫌いが激しく、思っていることが顔や口に出やすい。
心を開いた相手にはとても優しく、甲斐甲斐しく世話を焼く一方で、嫌いな相手や敵対者には普段の雰囲気からは想像できない攻撃的な一面を見せることもある。
これは幼少期から周囲の人間関係に恵まれずに苦労してきたため。
行く先々で何度も虐げられてきたことで簡単に他人を信用しなくなっており、特に大人の男性には殊更強い警戒心を持っている。
この性格ゆえに奴隷に向いているとは言い難く、なかなか買い手がつかなかったことで他の奴隷たちからも蔑まれ、いじめられていた。
人間不信でありながら、心の底では信じられる相手を求めているエステルに自分と似たものを感じており、何があっても彼女の味方でいようとしている。
エステルがティナを心の支えにしているのと同時に、ティナ自身もエステルに求められ、頼られることに生き甲斐を感じており、主人と奴隷という域を超えて一種の共依存関係になっている。
・能力
細身の体型に見合わず身体能力は高く、屋敷の二階から地上に飛び降りる、地上から屋敷の屋根に飛び上がるなどといった動きを容易くやってのける。
また、聴覚がかなり鋭く、夜目も利く。
簡単な護身術を身につけているほか、刃物や銃火器も一通り扱える。
奴隷商館で専属使用人になるために家事労働や礼儀作法の修練を積んでおり、普通のメイドとしてもやっていけるほどの技術を身につけている。
ファッションセンスや手先の器用さもあり、エステルから髪型のセットや私服のコーデを任されている。
どちらもエステル本人の意思もあって清楚ながら垢抜けたものになることが多い。
セルカ
SELCA
ヒロインの一人。魔装の一種であり、機動要塞アルカディアの能力の秘密を解明するために旧人類勢力によってアルカディアの破片から作り出された、いわばアルカディアのクローン。
名前は「試製対アルカディア合成生命体」を意味する“Experimental Synthetic Life-form Counter ARCADIA“のアクロニムに由来する。
・人物
本来の姿はバスケットボール(七号)サイズの白い球体に血のような赤い瞳の一つ目を持った姿。
オフリー家との戦争が終結し、オフリー家が取り潰された後は人間の姿を取ることもできるようになり、普段は人間の姿で過ごすようになった。
人間の姿の時はストレートロングの金髪に赤い瞳の少女。
誕生してから殆どの時間を特別製の水槽に収容されたまま過ごしてきたため、好奇心が旺盛でかなりの知識欲を持つ。
自分を解放してくれたエステルには感謝しており、彼女の安全と幸福のために行動する。
後述の能力と頭脳を活かして戦闘から領地経営まで幅広くエステルをサポートする一方で、ツッコミを入れたり、無計画な出費を窘めるなど、保護者と化しつつある。
・能力
アルカディアの持つ強力な主砲や魔法障壁、魔装に対する干渉能力を再現することを期待されていたが、単体では機体も武装も生成できず、使えるのは限定的な魔法のみ、そして威力も手数もアルカディアはおろか通常の魔装にすら遠く及ばない失敗作とされていた。
しかし、実際には融合合体という特異な能力を持っており、通常の魔装とはまた違った強みを発揮できる。
*融合合体
フレームになるものに分子レベルで一体化して、強度や耐久性などの各種性能を劇的に向上させることが可能。
イスマ曰く、その本質は「最高品質のエンジン」。
アヴァリスに融合合体した際は防御力、推力を大幅に向上させるほか、Gや被弾による衝撃からパイロットをほぼ完全に保護する。
ちなみにフレームになるものには殆ど制限がなく、それこそ人間の身体に融合合体することも可能である。
普段使っている人間の姿は元オフリー家令嬢、ステファニー・フォウ・オフリーを殺害し、その遺体に融合合体したもの。
なお、一旦死んだことでステファニーの人格はなくなっているが、身体はセルカによって修復されて生命活動を維持しており、事実上生きた人間と変わりない。
*魔力供給
触れた相手に自身の魔力を供給する能力。
エステルが戦う際にはこの能力を活かして消耗した彼女の魔力を補充する役割も担う。
*サイコメトリー
触れた物体の記憶や思念を読み取る。
対象にもよるが、数千年前もの過去にあった出来事すら視ることができる。
アーヴリル・ランス
Avril Lance
ヒロインの一人。エステル直属の騎士であり、彼女の身辺警護を任務とする。
誕生日は六月十八日。
・人物
ショートの金髪に薄い水色の瞳を持つ美女。
全体的に大人びた顔立ちであり、つり目も相まってキツい印象を与えるが、親しい相手の前で見せる柔らかい表情には艶がある。
身長が178センチと高く、肩幅が広いこともあって、全体的にがっちりした印象であり、後ろ姿は男性と見分けが付きにくい。
胸はDカップあるが、邪魔になることも多いため、度々小さくしようと試みている。
妹のシェリルを辱めた主犯であるリック・フォウ・ノックスに何らの処罰もせずに事件を隠蔽したノックス家に激しい怒りを燃やし、自らの手でリックを裁くべく旅に出るなど、理不尽を憎む真っ直ぐな性質と後先考えない向こう見ずさが同居した激情家。
リックを追って辿り着いた先でエステルと出会い、それ以降冒険を共にし、さらには空賊やオフリー家との戦争に巻き込まれるなど波瀾万丈の運命を辿った末、エステルの誘いでファイアブランド家の騎士になった。
これらの経緯を経てエステルに深く心酔しており、極めて高い忠誠心を抱いている。
・能力
元々鍛えており、武芸や魔法に秀でている。
剣術と射撃の腕前はなかなかのものであり、学園にいた頃から男子にも引けを取らなかった。特に剣術はファイアブランド家仕官後にティレットから手解きを受け、更なる磨きをかけている。
魔法に関しては風魔法を得意としており、風の刃による攻撃を好んで行う。
サイラス
Silas
老執事。
先々代当主ヴィンセントの時代からファイアブランド家に仕えており、ヴィンセントの従者から執事にまで昇進した叩き上げ。出身は平民であるが、今や彼がいなければ屋敷が維持できないとも言われ、大きな影響力を持つ。
・人物
老いてなお精悍な顔立ちの好々爺。
自身の子や孫は男ばかりで女はいなかったため、エステルを幼少期から可愛がり、その将来に期待を寄せていた。
一方で彼女の女性らしからぬ粗野で奔放な振る舞いを憂えてもおり、領主に即位してからはその破天荒ぶりに度々苦言を呈している。
涙脆く、エステルに慶事があるとすぐに泣く。
・能力
武芸や魔法に特筆すべき才はないものの、長年に渡る財政難にあってなお屋敷を維持し続け、使用人の質も比較的高く保ち続けるなど、その管理能力は非凡なもの。
また、紅茶を淹れるのが上手い。ちなみに紅茶に入れる生姜や蜂蜜は自家製。
ニコラ
Nikola
エステルの剣の師匠。
案内人の悪意により送り込まれた三流剣士であり、エステルを騙してデタラメな指導を行うが、それによって彼女が鏡花水月を完成させてしまう。
みるみる強くなっていくエステルに恐怖し、彼女が十二歳になった春に免許皆伝を与えて逃げ出した。
・人物
日焼けと所々に傷跡のある精悍な顔立ちと180センチを超える大柄な体格をしており、黙っていれば強そうに見える。
だが実際は気が小さく飽きっぽい性分で、何をやっても長続きせず中途半端な小物。
・能力
若い頃に冒険者稼業をやっていたことがあり、剣、槍、短剣、銃などの武器は一通り使える他、基本的な体術も心得ている。
ただしその技量は低く、まともにできるのは基本技だけである。
唯一、絶体絶命の状況をハッタリで切り抜ける演技力は飛び抜けており、王都で再会したエステルを上手く言いくるめて逃走に成功している。
テレンス・フォウ・ファイアブランド
Terence Fou Firebrand
ファイアブランド家の七代目当主。
エステルの父親だが、カタリナに瓜二つのエステルに愛情を抱けず、また彼女の力を恐れて距離を置いている。
・人物
ファイアブランド家に代々受け継がれてきた炎のような赤い髪と瞳を持つ。
昔は色白の美丈夫だったらしいが、現在ではその面影はなく、くたびれた中年である。
また、長らく実戦を経験しておらず、鍛錬も怠っていたため、身体能力も昔とは比べ物にならないほど衰えている。
かつて学園時代に出会ったカタリナに一目惚れし、猛アタックの末に結婚に漕ぎ着けたが、彼女はその時典型的なホルファート王国貴族の増長した性悪女へと変貌を遂げており、すぐに愛情は冷めて憎悪に変わってしまう。
カタリナとの間に生まれたエステルのことは、当初から自分の実子ではないのではないかと疑っており、また容姿がカタリナに瓜二つなことから彼女が自分にかけた呪いのように感じて忌避していた。
案内人の悪意によりエステルをオフリー伯爵家に売り飛ばそうとするが、脱走され失敗。
その後空賊の襲来とオフリー家からの脅迫的な催促に直面していたところ、戻ってきたエステルに軍の指揮権を委譲するよう迫られ、これを承諾。
本人としては自暴自棄からエステルを苦しめるために行ったことではあったものの、結果的にファイアブランド領は救われ、エステルとも一応は和解している。
・能力
学園時代はカタリナとの交際費を工面するためにダンジョンに挑み続けたため、全般的な戦闘能力は高かった。
剣術や格闘技といった近接戦は不得手としていた一方で槍やグレイブなどの長柄武器の扱いに長けており、学園時代カタリナとのデート権を巡る決闘を槍一本で制したこともあった。
ただし、前述の通り長年のブランクにより衰えており、十二歳時のエステルに手も足も出ずに完敗している。
マドライン・フォウ・ファイアブランド
Madeline Fou Firebrand
テレンスの妾。正妻だったカタリナの死により事実上の後妻となっている。
エステルの継母であり、クライドの母。
・人物
金髪にオレンジ色の瞳を持ち、優しげな顔立ち。
ふくよかで男好きのする体型だが、昔は痩せており、そのことがコンプレックスだった。
元はファイアブランド家の寄子であるホプキンス準男爵家の長女。
幼少期に姉たちからいじめられていたテレンスに遊び相手として当てがわれ、実の兄妹のように育てられた幼馴染。
気が弱くも努力家だったテレンスを幼少期から一途に想っており、彼の助けになりたいという気持ちが強い。
エステルのことはテレンスの娘として愛しているが、転生者である彼女の異質さ故に長年どう接したらいいか分からずにいる。
また、血の繋がりがないエステルと実の息子であるクライドとではどうしても扱いに差が出てしまい、そのことを自覚して苦悩していた。
オフリー伯爵家の派遣した艦隊との戦いが終わった後、エステルの無事に安堵し、初めてはっきりと愛情を示したことで彼女と和解する。
・能力
学園では普通クラスであり、ダンジョンに挑むことも殆どなかったため、戦闘能力は皆無に近い。
ただし地頭は良い方で、領主の事実上の妻としてテレンスをよくサポートしている。
また、カタリナが死んだ後精神に異常をきたし、度々自殺衝動に駆られていたテレンスに寄り添い、完治に導く精神力の強さも持つ。
クライド・フォウ・ファイアブランド
Clyde Fou Firebrand
ファイアブランド家の長男。
テレンスとマドラインの間に生まれた庶子であり、エステルの異母弟。エステルとは五歳差。
・人物
テレンスに似て赤い髪と瞳を持ち、顔立ちはマドラインに似て中性的な美少年。
臆病な所があるが、心優しく真っ直ぐな性格。
幼少期に世話を焼いてくれたティナを本物の姉のように慕っている。
実の姉であるエステルに対しては当初その容姿と交流の無さから恐怖心を抱いていたが、ティナを通じて彼女の素顔を知ることで憧憬を深めていった。
五歳の時にティナに連れられてエステルの修行を見に行ったことで、エステルと剣を通じて交流したいと思うようになり、自身も剣術を習い始める。
元々身体が丈夫な方ではなく、病気がちだったが、剣術を習い始めてからは改善しつつある。
・能力
エステルのせいで目立たないが、地頭は良い方であり、特に計算に素質がある。
エステルの影響で剣術にも真剣に打ち込んでいるが、生来の優しさ故に攻撃的な動きを苦手としており、技量は伸び悩んでいる。
総じて発展途上であり、今後の成長が待たれる。
カタリナ・フォウ・ファイアブランド
Katarina Fou Firebrand
エステルの実母にしてテレンスの元正妻。故人。
その存在は長らく秘匿されており、エステルはテレンスによって暴露されるまで知らなかった。
・人物
エステルにそっくりな銀髪碧眼に長身の美人。学園入学時にはスレンダーな身体つきだったが、学園時代終盤には肉感的なスタイルを持ち、魔性と呼ぶに相応しい女性に成長していた。
出身は辺境のクライヴ男爵家の庶子であり、末っ子にして長女だったため、貧しいながらものびのびと育った。
その育ちもあって天真爛漫で嫌味な所のない性格であり、テレンスを含めた多くの男子生徒から猛アプローチを受けることとなった。
しかし、その人気に嫉妬した一部の女子生徒に夜遊びを教え込まれたことで性格が歪んでいき、二年生の頃には男子生徒を見下し、搾取する立派な性悪女へと変貌する。
三年生時には多数の男子生徒や専属使用人を従え、自分に夜遊びを教えた女子たちすら下に置き、不良の女王のごとく君臨していた。
学園卒業時にテレンスを結婚相手に選んだが、王都に屋敷を用意し、跡取りを産んだ後は愛人を認めるという屈辱的な条件を呑ませた。
テレンスと結婚したのは自分に一番尽くしていて、他の女子にアプローチしていなかったことを評価したためだが、それに対する感謝や愛情は全く抱いておらず、結婚後は学園時代にも増しての浪費でただでさえ緊縮財政中のファイアブランド家を更に追い詰めた。
エステルを出産してから約一年後、第二子を流産し、直後に病死した。
死因は長年の不摂生と薬物の乱用による多臓器不全とされる。
・能力
非常に聡明であり、成績優秀かつ運動も得意という才媛だった。
その才能は悪い方向にも極めて有用に働き、学園では男爵家の庶子という出自でありながら上級クラスのカースト上位に上り詰めている。
容姿と共にその才能もエステルに受け継がれており、ファイアブランド家の家臣にはエステルに彼女の幻影を見る者も多い。
ライナス・アスカルト
Linus Ascart
ファイアブランド軍の艦隊指揮官。
基本に忠実だが、必要とあらば敢えて危険を冒すこともできる有能な人物。
・人物
坊主に近い短髪の上に常に三角帽子を被った壮年の男性。
代々ファイアブランド軍の要職に就いてきた古参の陪臣騎士家の出身で、若くして艦隊を預かる立場になっていた。
規律を重んじる厳格さと穏やかで理性的な人格を併せ持ち、血の気の多い部下たちからも厚い信頼を得ている。
屋敷に頻繁に出入りしていた関係でエステルとは長い付き合いで、彼女が幼かった頃から敬意を持っていた。
そのため、空賊及びオフリー家と戦うと主張したエステルに真っ先に賛同し、部下たちや寄子の騎士家を説得して軍をまとめ上げて彼女の勝利を支えた。
その後も艦隊指揮官を続けており、学園に通うエステルの留守を守っている。
・能力
基本に忠実に手堅く戦うタイプで、意表を突く奇策などは殆ど使わない。
ただし、咄嗟の判断力も鈍いわけではなく、乱戦の最中でも機を見て柔軟に動き、時には危険を冒してでも勝ち筋を拾いに行く臨機応変さも持つ。
軍人としての最大の強みは戦術眼よりも管理及び調整能力にあり、ファイアブランド軍がエステルの下に団結して対オフリー戦を戦い抜けたのは彼の功績が大きい。
トリスタン・オーブリー
Tristan Aubrey
ファイアブランド軍鎧部隊の大隊長。
四十の坂を越えており、パイロットとしての盛りは過ぎているが、部隊を指揮しての集団戦では無類の強さを発揮する。
・人物
白髪混じりの黒髪に黒目の中年だが、歴戦の貫禄があり、若手からは畏怖されている。
過去にテレンスと対立したことで部隊長を解任され、教職に回されていたが、エステル直々の要請を受けて前線に復帰。
エステルのことは当初「やる気がある分厄介な無能」と考えていたが、彼女が空賊相手に上げた戦果を見て考えを改め、心からの敬意を抱く。
その後の対オフリー戦では、エステルの動きに合わせて援護に徹することで部隊の犠牲を最小限に抑えながらオフリー軍に大打撃を与えることに成功する。
乗機を白く塗装して頭部に梟の顔をペイントしており、『白梟』の二つ名で呼ばれている。
・能力
いかなる状況でも冷静に戦場全体を俯瞰して迅速に判断を下すことができる優秀な指揮官。
個人の技量よりも数の力、戦果よりも味方の生存を優先する考えを持っており、部隊単位での連携に重きを置いた戦い方をする。
本人の技量も決して低くはなく、対オフリー戦では精鋭のみに支給されるアダマティアス製の大剣を与えられている。
ただし接近戦を最後の手段と捉えており、常に銃器で戦うために殆ど出番はなく、後に返上している。
ダリル・グリーブス
Daryl Gleaves
ファイアブランド軍の若手騎士。
陪臣騎士であるグリーブス家の跡取りで、若くしてエースパイロットの称号を得ている一族期待の俊英。
・人物
伸ばしっ放しの茶髪に青い瞳が特徴の二枚目。
背も高く、女性人気が高い。
同年代の中で抜きん出た高い実力故にプライドも高く、それを守るのに固執したり、相手を見くびったりといった悪癖があったが、エステルの指揮の下空賊やオフリー軍と戦ったことで精神的に大きく成長を遂げる。
後に中隊長となり、乗機を黄色く塗装するようになる。これは自分に対する警告色であり、慢心しないようにとの自戒を込めてのもの。
また、威厳を保ち、部下たちを安心させるために髭を伸ばしている。
・能力
極めて高い剣術と鎧の操縦技術の持ち主。
機動力で敵の攻撃を回避しつつ懐に飛び込む戦法を得意とする斬り込み隊長。
その戦い方と乗機の塗装から『雀蜂』の二つ名で呼ばれる。
鎧で戦う時は基本的に銃器を用いるが、乱戦時には剣に切り替える。
エステルからアダマティアス製の大剣を支給されており、切り札として鎧の背に常備している。
アンガス・ティレット
Angus Tillett
ファイアブランド家の屋敷を守る番兵部隊の隊長。ファイアブランド家の陪臣騎士の中で最も腕の立つ剣の名手。
・人物
白髭を蓄えた禿頭の老人。
その容姿と眼光の鋭さから厳格に見えるが、実際には優しく、融通の利く人物である。
サイラスと同年代で共にヴィンセントの従者を務めていたことがあり、その縁で身分を超えた友情を結んでいる。
エステルの稽古相手を務めていたことがあり、彼女の剣術修行を大いに助けた。
また、クライドにも剣術を教えている。
・能力
アークライト流の免許皆伝を持つ一流の剣士。
戦うことはもちろんのこと、教えることにも才能があり、ダリルをはじめとした若手の騎士たちの育成に大きく貢献してきた。
エステルとの稽古を経て、脱力して重力によって落ちながら動くことで初動を見せずに刺突や斬撃を繰り出す無拍子の剣技を会得しており、これらの技を使ってオフリー家の潜入部隊を屠っている。
イリヤ・カルティアイネン
Erja Kaltiainen
ファイアブランド家の陪臣騎士家であるカルティアイネン家の現当主の長女。
エステルにスカウトされ、騎士の道を歩む。
・人物
オールバックにした赤毛と深緑の瞳が特徴的な少女。
身長は148センチと小柄で実年齢よりも二、三歳ほど下に見られることが多い。またどこがとは言わないが絶壁。
極めて自立心の強いお転婆で、射撃と狩猟が大好き。
幼少期から騎士になることを夢見ており、その情熱を狩猟に向けていた。
狩りの師匠である祖父を尊敬していたが、その祖父を人喰い熊によって殺され、激しい怒りを燃やす。
エステルと共に人喰い熊を討ち取った後、彼女から直属の騎士に勧誘され、これを受諾。
訓練を受けるため、故郷を離れる。
当初は自分の力への過信故に向こう見ずなところがあり、また激しやすいという欠点があったが、祖父の死と自分で作戦を立てて熊を討ち取ったこと、その熊を狩人の伝統に則って弔ったことで精神的成長を遂げた。
・能力
幼い見た目に反して極めてパワフルでタフ。
これに山で鍛えた足腰と隠密能力、射撃の才能が合わさり、優秀な狩人に育っている。
特に射撃能力はファイアブランド家家臣団の中でも一二を争う高さであり、エステルから体格のハンデを差し引いても優秀な騎士になれると評されている。
ヒューゴ・フォウ・ホプキンス
Hugo Fou Hopkins
ファイアブランド軍の若手騎士。
寄子であるホプキンス準男爵家の次男で、マドラインの甥。
・人物
マドラインに似た金髪にオレンジ色の瞳を持つ。
童顔で身長はイリヤとほぼ同程度とかなり低い。そのせいで軍の入隊基準を満たせず、ホプキンス領で燻っていたが、対オフリー戦後に優秀な人材を欲していたエステルによってパイロットに採用された。
自身の顔立ちや体型は根深いコンプレックスになっており、その裏返しで虚栄心が強く、服装や鎧、武器には装飾が多い。
特に金色を好み、エステルからは同好の士として親近感を持たれている。
叔母と従弟を不安定な立場に追いやったエステルに含むものがある一方で、取り立ててもらったことに恩義を感じてもおり、複雑な感情を抱えている。
・能力
長柄武器の名手であり、テレンスからもその腕前を絶賛されている。
また、地元で燻っていた頃も鎧の操縦訓練は積んでおり、模擬空戦でダリルと互角の勝負を繰り広げるほどの技量を得ている。
鎧で戦う際は長大なパイクを得物にしており、敵機を次々に串刺しにする戦いぶりから「百舌鳥」という二つ名がある。
本人も気に入っており、愛機の頭部に百舌鳥のような黒いラインをペイントしている。
コーネリアス・フレッカー
Cornelius Flecker
エステルのお抱えの発明家。
ファイアブランド軍技巧部門の顧問として装備開発に携わる。
・人物
モノクルをかけた銀髪の中年男性。
元商人だったが、空賊の襲撃で身ぐるみ剥ぎ取られ、外国に人身売買されかけた過去がある。
その経験から射撃精度を高めて遠距離から砲撃できれば有利に戦えるようになるのではないかと考え、統制射撃システムを作った。
生産に向けて出資者を探し求め、オフリー家を倒したファイアブランド家に目を付けてエステルに売り込みを掛ける。
これが空賊対策に腐心していたエステルの興味を惹き、多額の出資と研究設備の提供を受けたことで、一年足らずで方位盤を、二年で射撃盤を完成させることに成功した。
個人の資質に大きく依存する魔法と違って、誰でも恩恵に与れるとして科学技術を信奉している。
・能力
元商人だけあって計算能力に極めて優れる。また、機械工学や電気工学の知識も豊富。
後述の統制射撃システムを考案し、独力で試作にまで漕ぎ着けるなど、先進的な頭脳と行動力の持ち主。
*統制射撃システム
コーネリアスが構想・開発した射撃システム。
既存の測距装置・照準器の機能を統合し、ジャイロを組み込んで艦の動揺まで計算できる【方位盤】及び、その情報を元に大砲の発砲諸元を算出する【射撃盤】で構成される。
各砲の砲手が照準・発射を行う従来の射撃方法よりも遥かに正確な射撃を行うことが可能。
イスマエル・フォウ・ガルブレイス
Ismael Fou Galbraith
王都の鎧製造工場に務める鎧職人。アヴァリスの製作において重要な役割を果たした生みの親とも言える存在。
周囲からは【イスマ】と呼ばれる。
・人物
黒髪黒目のモブ顔青年。
元は裕福な男爵家の庶子で四男。
鎧に並々ならぬ情熱を注ぎ、貴族でありながら鎧職人になった変わり者。
口下手で思ったことをすぐに口に出すなど、コミュニケーション能力にやや難がある。
一方、鎧に関することに対しては異常な行動力と饒舌さを見せ、無茶振りをされても却って闘志を漲らせるなど、熱き技術者魂の持ち主。
鎧職人になることを巡って実家と深刻な対立状態にあり、学園卒業後に家出同然の形で王都に残留し、現在の職場に就職した経緯がある。
そのため、自身の家族に関することは現在でも続く地雷となっており、姓を名乗らず【イスマ】で通している。
鎧を作るのにかかる手間と労力を理解せず、あまつさえ貶してくることから貴族や女性を嫌っているが、エステルやシェリルには好意的に接している。
・能力
学生の頃から既に部品を自作して鎧を組み立てて本職の職人に認められるほどの高い技術力を持つ。
アヴァリスの本格的な分解整備や改修は彼なくしては行えず、ファイアブランド家にとって最も重要な人物の一人となっている。
また、積極的にする度胸がないだけで喧嘩も実は弱くはなく、学生時代に自作の鎧を汚そうとした女子生徒の専属使用人を一撃でノックアウトしたことがある。
バズ
Buzz
エステル直属のコマンド部隊【ウルフパック】の隊長。
元は同名の傭兵団を率いるリーダーであり、エステルによって傭兵団ごとスカウトされる形で仕官した経緯を持つ。
・人物
癖のある濃緑の髪を伸ばして後ろで括った壮年の男性。瞳はカーキ色。
どこか色気のある渋い佇まいをしており、気さくで茶目っ気のある振る舞いをするため、男女共に人気がある。
ただし、荒事で食ってきただけあって、その本性は冷酷非情。
報酬が仕事に見合わないと判断すれば、不足分を掠奪で補い、敵兵はおろか民間人すら必要とあらば拷問するなど、傭兵らしい荒くれ者である。
一方で契約には忠実であり、雇い主を裏切ったことは一度もない。
実は元貴族であり、辺境の貧乏領主貴族の庶子。
かつて想い合っていた女性がいたが、軍人として戦場に出ていた間に彼女を嫡男に奪われた上、その母である父の正妻によって高慢ちきな未亡人の後夫にされた過去を持つ。
その後、苦痛に満ちた結婚生活から逃れるため戦場で死を装って軍を無許可離隊し、傭兵となった。
その出自故にイスマに親近感を持っており、自分やレオの鎧のメンテナンスを依頼したり、部品や素材を融通したりしている。
・能力
【早撃ちのバズ】と呼ばれるほどの拳銃の名手で、決闘では負け知らず。
また、格闘技術も高く、ウルフパック一の怪力を誇るウォルが手も足も出ずに組み伏せられるほど。
咄嗟の判断力にも優れ、毎回少人数での潜入や奇襲、暗殺、破壊工作といった過酷な仕事を請け負いながら、戦死者を一人も出していない。
また、相手の人柄や実力を見抜いていいように操ることにも長けており、自分よりも強い曲者ばかりのウルフパックを見事に率いている。
ライザ
Ryza
ウルフパックの紅一点にして索敵・誘導役。
兎の特徴を持つ獣人。視力は失われており、常に瞼を閉じている。
・人物
所々白い筋が混じった茶髪に、垂れた兎耳と尻尾を持つ珍しい種族の獣人。瞳の色は黄色。
小柄で童顔だが、出るところは出たトランジスタグラマー。
一見無力に見えるが、杖に仕込まれたエストックと拳銃を得物として使いこなす腕利きの刺客である。
ただし、ウルフパックにおいては基本的に後方からサポートする役目のため、武器を使用する機会は多くなく、特に拳銃は発砲音で聴音の精度が低下するため、使いたがらない。
軽率に口説いてきた相手に即座にエストックを突き付けるなど、傭兵らしく粗暴な振る舞いが目立つが、ウルフパックの中では最も良識的な人物。
元は冒険者で、ダンジョンの隠し部屋を発見するなどの功績を上げていたが、仲間からは盲目であることに付け込まれて都合良く利用されていた。
たまたま冒険者ギルドを訪れていたジェセとの遭遇がきっかけで冒険者を辞め、ウルフパックに加わった。
・能力
盲目であるが、それ故に種族特有の聴力に磨きがかかっており、エコーロケーションで完全に周囲を把握している。
このため、新月の夜でも何ら問題なく活動可能で、音だけでターゲットを捕捉して銃撃を命中させたり、エストックで急所を突くことすら容易くやってのける。
また、地面から感じ取る振動で離れた場所の状況も正確に把握することができる。
ただし、入り組んだ地形では走ることができない、大きな音に弱いなどの弱点にもなっている。
ジェセ
Jese
ウルフパックの魔法使い。
褐色の肌を持つダークエルフ。
・人物
一般的なエルフと異なり、褐色の肌に黒い髪と赤黒い瞳を持つ。
十代後半くらいの年齢に見えるが、実際には三十歳を越えている。
ウルフパックの金庫番を務めており、金にがめつい性格。
また、騙そうとしてくる相手を経験不足の若者を演じて上手く騙し返し、後から種明かしをして満面の笑みで相手を嘲るという悪辣な趣味を持つ。
なお、騙す気がない相手でも態度や物言いが気に食わなければ自分から積極的に騙しにかかる。
一方で弱みに付け込まれて理不尽な扱いを受けている者には助けの手を差し伸べることもあり、冒険者時代のライザを酷いパーティーから連れ出してウルフパックに迎え入れている。
・能力
エルフ特有の高い魔法能力を持ち、特に土魔法を得意とする。
潜入や突破時の穴掘りは彼の専売特許であり、ウルフパックの任務達成率の高さに大いに貢献している。
棒術の心得もあり、隠密行動時など魔法が使えない状況では魔法杖を使った接近戦もこなす。
口が上手く演技力も高いため、交渉などで相対する者は知らず知らずのうちに油断し、煙に巻かれ、彼の有利になるように誘導されてしまう。
しかもどんなに詭弁を弄しても明確な嘘は吐かないため、余計に騙されやすい。
ドス
Doss
ウルフパックのメカニック兼拷問係。
・人物
常に顔全体を覆うマスクを着用した大柄な男性。
その素顔は誰も知らず、見せることも頑なに拒んでいる。
普段は礼儀正しく、誰に対しても敬語で話すが、いつもどこか間違っている。
趣味は拷問。
真性のドSにしてドMでもあり、拷問によって相手が上げる悲鳴と、自身に対する罵倒や呪詛の両方に激しく興奮する性癖の持ち主。
そのため、ウォル曰く彼が言うと祝いの言葉すら脅迫に聞こえるとのこと。
・能力
手先が器用で刃物や機械の扱いに長けている。
自作の特殊なクロスボウを得物にしており、鏃に毒や爆発物を仕込むことで音もなく遠距離から敵を仕留められる。
解錠技術にも優れ、扉から金庫までたちどころに突破する。
ただし、時間がかかるとウォルに力づくで先を越されることも。
また、持ち前の拷問技術は人体に関する知識の豊富さによるものであり、メンバーが負傷した際は手当ても担当する。
ウォル
Wol
ウルフパックの力役。
爬虫類型の獣人で、口内にある特殊な感覚器官を活かした索敵にも優れる。
・人物
所々に暗緑色の鱗を持つ爬虫類型の獣人。頭部には角がある。
口数が少なく、黙々と仕事に徹する仕事人タイプに見えるが、その実脳筋。
力任せに暴れ回るか、爆発物で派手に吹っ飛ばすことに取り憑かれており、何かと破壊しようとする。
後述の能力故、ライザとは互いの能力の欠点を補い合うことができる。
そのため共に行動していることが多く、彼女が走れない地形では背負って運ぶことも。
ただしその扱いは雑でしょっちゅう文句を言われている。
・能力
種族特有の怪力を誇る。
更に鱗のある部分は防御力が高いため、殴打や蹴り、体当たりが極めて強力。
その威力は、銃弾を通さないほど分厚い扉を容易く破り、ドスが手こずるほど強固な錠前を一撃で破壊するほど。
舌と連動した特殊な感覚器官を持ち、嗅覚に非常に優れる。
このため匂いで敵や貴重品の存在に気付くことができ、方角も正確に分かる。
正確な距離までは掴めないが、音を発せず隠れている相手や巧妙に隠された物も見つけられるため、追跡や捜索に向いている。
レオ
Leo
ウルフパックの便利屋。
戦闘から料理や装備品の修繕まで何でもござれな縁の下の力持ち。
・人物
一見傭兵らしからぬ爽やかな好青年だが、無類の女好きで行く先々で女性を口説き、飽きたらすぐに捨てるクズ。
戦場でも掠奪ついでに女漁りをしており、好みの女性がいれば家を襲わないことと引き換えに身体を差し出させていた。
元はファンオース公国の軍人だったが、よりにもよって将軍の娘を口説き落とした挙句に捨ててしまい、追っ手をかけられてホルファート王国へ逃亡した。
エステルに雇われてからはそうした性質は落ち着いており、今のところファイアブランド領の民に被害者はいないようだが──?
・能力
筋肉質な体格をしているが、真っ向勝負での強さは下から数えた方が早い。
しかし、直接的な戦闘能力の不利を巧妙かつ大規模な幻術で補っており、自身のデコイを生成して相手を幻惑しての奇襲を得意とする。
その完成度は極めて高く、初見で見破れたのはエステルだけである。
意外に家庭的なところもあり、料理や裁縫が上手い。