ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅の最強プレイヤー〜 作:麒麟@
小さい頃よく遊んでいた子がいた。その子はよく笑って一緒に遊んでいた。けれどあることをきっかけに会うことはなくなり、俺は親に聞いたが教えてはくれない。
俺にも1人の妹がいる。3つ離れた
「お兄ちゃんまたゲーム?」
「うるさいなぁ」
「詩乃さんのことまだ引きずってるの?」
「っ!」
「危な」
俺はその名前を出されてついカッとなりものを投げてしまった。中学に入って今は3年だ。それであの時のいろんな情報をかき集めてその時のことを調べた。俺は当時のことがわかった。同時に俺は俺が許せなかった。何故そんなにも辛い時に助けてやれなかったんだろう。
「詩乃さんのこと好きだったの?」
「そんなんじゃないよ。ただ助けてやれない不甲斐なさを許せないだけだよ」
「そういうのは偽善だよ。結局何も手助けできてない」
「そうなんだ」
「もう出て行けよ」
「わかったよ」
沙耶香は出て行き俺は前々から進めていたことをする。毎日秘密でしていた新聞配り。本来なら雇ってはくれないがこの辺りなら雇ってくれた。そして俺は集めた情報をもとに志願書を出しに行った。うちの親は俺には興味はない。沙耶香はなんでもできるし勉強もできる。俺には何もなかったから気に入られることもない。
唯一ゲームだけは得意だった。それで優勝した賞金なんかもある。
夜になり俺は両親に話だけしようと思い食卓に並んだ。基本俺はこの家で同じ時間帯に飯を食うことを許されていない。
沙耶香の才能が目覚めるまでは一緒に食べていたと思う。
「何故お前がいる?」
「今日は話がある」
「何かしら?」
「俺高校東京のとこ行くから」
「そうか」
「勝手になさい」
「それじゃあ」
本当に俺はこの家ではお荷物なんだなとひしひしと思う。俺は飯は食べないで部屋に戻る。こんな俺でも一応部屋はあるんだからまだマシだと思う。
ちなみに飯はどうしてるのかって?俺はあんまり食べてない。どうしても腹減った時は仕方なくお金を出して食うか家の残りを食べる。
少しすると部屋のドアが鳴って入ってきたのは沙耶香だ。
「どうした?」
「東京行くなんて聞いてないよ」
「そりゃさっき言ったからな」
「なんで?」
「お前は嬉しいだろ。厄介者がいなくなるんだから。それにこれからは彼氏も呼べるんだぞ」
「わかったよ」
沙耶香は出て行き俺は1人になった。けれどその時に見た沙耶香の顔が忘れられないまま入試の日が来た。
お兄ちゃんが東京行くって聞いて驚いた。てっきりこっちで受験するものと思っていたから。それにお兄ちゃんには意地で彼氏がいるって言ったけどそれは嘘だ。私が好きなのはお兄ちゃんだから。
気持ち悪いっていう人もいると思うけど私自身この気持ちは収まりそうにない。
「はぁ、私も向こうに受験しに行こうかな」
誰にも聞こえない独り言を呟いてみたが誰も聞いていない。それに万が一受けに行くとしてもお兄ちゃんが受けた高校を知るすべがない。どうしよう。今の私が聞いても教えてくれるわけがないし、私が知ってるお兄ちゃんのアカウントって言えば連絡用のアプリのやつしか知らない。
こんな時になると思ってしまう。私がもっとお兄ちゃんに寄り添っていたならいろんなことを教えてくれていたかもしれない。私は結局何もいい案が出ないまま眠った。
受験の1週間前から次の家に滞在していた。古いマンションだが特に文句はない。パソコンも繋げるしLAMケーブルもちゃんとあるから問題という問題がない。本来なら近所に挨拶行くところだけど隣だけにしようと思いお菓子を持って家を出る。
「失礼します。隣に引っ越してきたんですけど」
「あ、はい。今行きます」
インターホンでやりとりをしてその人の部屋は静かに開かれていった。そして
「し……の?」
「え?えっとまさか
「うそだろ」
「なんでこっちにいるの?」
「一言お前に謝りたくてな。あの時助けてやれなくて済まなかった」
「〜〜〜〜放っておいて!口にも出さないで!」
「わかった。これ渡しとくよ。それじゃあ」
これ以上刺激するのは良くないと思い渡して俺は家に帰る。その間ずっと背中に視線を感じていたが俺は振り返ることなく家に入る。そしてβテスト版が当たっているか気になり調べると当たっていて1ヶ月後ぐらいには届くそうだ。
競争率は何倍だったんだろうな。まさか当たるとは思っておらず心底喜んだ。
そのまま届くまでの学校生活を楽しむ。詩乃と同じ学校だったため行き道に会うこともたまにあった。
そしてβテスターとしてのものが届く1週間前
家を出ると詩乃がそこにいた。今までなかったからなに事かと思う。
「どうしたこんなところで」
「一緒に学校行こうと思っただけよ」
「そう。それじゃあ行くか」
「ええ」
そこからは2人並んで歩き出す。けれど2人とも気まずいのを察知して何も話さない。少し歩いていくと後ろから声がした。
「朝田さんそいつ誰?」
「幼なじみの紫雲」
「どうも」
「なんでそんな奴に?」
「なんでって家が隣だからだよ」
「なんでなんでなんでなんでなんでなんで」
小声でぶつぶつ言っていて聞いていてムカつく。あんまりにもイライラしてきたので俺は目の前の地面を思いっきり踏む。その音にびびったのか腰を抜かしている。
まぁ確かにあんなに音が出るとも思ってなかったし、ものすんごい足が痛い。とっても。
その間何も話さなくなった。まあ雰囲気も悪いしこの間のことを悩んでいるのかもしれない。
「あ、そうだ詩乃。俺SAOのβテスター当たったんだよ」
「何それ?」
「新しいゲームだよ。楽しみなんだなぁ」
「ふふ、相変わらずね。楽しいことを話す時こっちまで嬉しくなるわ」
「そっか」
この時はまだ感じてもなかった。あんなことに巻き込まれて俺の人生変わっていくなんて。