ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅の最強プレイヤー〜 作:麒麟@
正式サービス初日
俺はフィールドに出てレベリングをする。βテスターとしての知識は残っているためレベルが8まで上がっていく。そして夕方ぐらいになっていく。鐘の音がなる。こんな鐘今までなってなかったのに。
俺の体がどんどん消えていく。なんだこれ。こんなのあったか?そして目の前が消えて俺は広場にいた。周りを見渡すと他にもこうなっている奴らがいるみたいだ。
というか今この広場にいる奴らほぼログインしている奴ら全員いるんじゃないか?
「あ、ムラクモだ〜」
「げぇ!コハル」
「久しぶり〜これ何か知ってる?」
「知らん、知るわけがないだろう」
少しすると空がだんだん赤くなっていく。少しして巨大な魔導師が空に映る。
「プレイヤー諸君、私の世界へようこそ。」
「は?」
わたしの世界ってなんだ。こいつは一体?
「私の名前は茅場昌彦。今やこの世界をコントロール出来る唯一の人間だ」
「どういうこと?」
「待て。少し話を聞かせてくれ。最後まで」
「うん」
「プレイヤー諸君はメニューからログアウトボタンが消滅している事に気づいてると思う。しかしこれはゲームの不具合ではない。繰り返す。不具合ではなく、ソードアート•オンライン本来の仕様である」
待て待てどういうことだ?ログアウトできない?
俺はすぐにメニュー画面を開く。だが今こいつが言った通りログアウトがない。
「諸君は自発的にログアウトする事は出来ない。また、外部の人間によるナーブギアの停止、あるいは解除もありえない。もしそれが試みられた場合、ナーブギアの信号素子が発する高出力マイクロウエーブが諸君の脳を破壊し、生命活動を停止させる」
「死ぬなんて嘘だよねムラクモ?」
「いや事実だろう。そうじゃないとログアウトを消した理由にもならない」
コハルは動揺も隠せていない。周りはもっとひどく阿鼻叫喚という感じだ。
俺は死ぬなんていつもある感覚だったからそこまでではないが人間死ぬとわかるとこうなるのが普通だろう。
「残念ながら、現時点でプレイヤーの家族及び友人が警告を無視して、ナーブギアを強制的に解除しようとした例が少なからずある。その結果、213名のプレイヤーがアイングラッド及び現実世界からも永久退場している」
「うそだよ……ね」
「いやこれも事実だろう。家族や友人がやるというのもわかる」
それにしてもすでに213人か。これ以上増えることはないとは思うが想像以上に減っている。
これは本当かどうかはわからない。事実は現実世界での出来事なんだ。
「ご覧の通り、多数の死者が出た事を含め、この状況をあらゆるメディアが報道している。よってすでに強制的にナーブギアを解除される危険は低くなってると言っていいだろう。諸君らは安心してゲーム攻略に励んで欲しい。しかし、十分に留意してもらいたい。今後ゲームにおいてあらゆる蘇生手段は機能しない。HPがゼロになった瞬間、諸君らのアバターは永久に消滅し、 同時に、君達の脳をナーブギアが破壊する」
「うそ、いやだいやだよムラクモ」
「慌てんな。これでやることは決まった。あとは最後まで話聞いとけ」
「う、うん」
「諸君らが解放される条件はただ一つ、このゲームをクリアすればいい。現在君がいるのはアイングラッドの最下層、第1層である。各フロアの迷宮区を攻略し、フロアボスを倒せば上に進める。第100層にいる最終ボスを倒せばクリアだ」
おいおい待てよ。俺たちが一番進んだのも15層だぞ。それの数倍だと。今の現状では無理な数字だ。
「それでは最後に、諸君のアイテムストレージに私からのプレゼントを用意してある。確認してくれたまえ」
ストレージを見てみると確かに入っていた。全員が使っていく中で俺も使う。すると本当の姿が映り始めてアバターは本来の姿に戻る。
「もしかしてムラクモ?」
「コハルか?」
コハルの身長は少し伸びて目の色は変わり髪の長さも変わっていた。
俺も見てみると髪の長さと身長がリアルとほぼ同じだった。
「諸君は今、'何故'と思っているだろう?何故ソードアート•オンライン及びナーブギアの開発者、茅場昌彦は何でこんなことをしたのかと。私の目的は既に達せられている。この世界を作り出し、干渉するためにのみ、私はソードアート•オンラインを作った。
そして今、全ては達成せしめられた。以上でソードアート•オンライン正式サービスのチュートリアルを終了する。プレイヤー諸君の健闘を祈る」
「目的は既に達せられている?それにこれがチュートリアルだと?」
そんなことを呟いているうちに魔導師は消えていった。
そんなことより俺は約2日でクリアしないと体がもたない。ほとんどのやつは家族なんかがなにかしらの方法で病院に連れていくだろうが俺は一人暮らしでそうもいかない。
けれど2日なんて正直無理だ。俺たちが15層まで上がったのもほとんど1ヶ月かかったし俺は死ぬのが前提だな。
「どうしようムラクモ」
「いいからこっちこい」
俺はコハルの手を引き広場から出ていく。広場は今も阿鼻叫喚だ。悪いが俺もそこまでお人好しじゃないので全員助けるのも無理だ。
町の片隅に移動して俺は提案した。
「コハル今すぐ街を出るぞ」
「なんで?」
「この街周辺はすぐに狩場を失う。ということはレベリングをできる可能性は極めて低い。ならすぐにでも次の街に移動するべきだ」
「けど……みんなは?」
「コハルひとつだけ言っておく。全員を助けたいっていうお前の気持ちは確かにいいと思うがそんな甘い考え俺とパーティを組むなら捨てろ」
「でも……でも」
「ならここまでだ。じゃあな。死ぬなよ」
俺はコハルを見捨てて始まりの街から出ていく。すでに死と隣り合わせだからか多少の危険はやむ負えない。早く一層をクリアしないといけない。そして全員に希望を持たせて2日、長くても3日以内にはクリアしないと俺が死ぬ。
走って行き俺は出てくる敵をソードスキルで倒していく。始まりの町の付近は弱いからすでにレベル8の俺にはそこまでじゃない。次の街につき俺はクエストをクリアしていく。その合間にレベリングも兼ねて12になったが辺りはすでに真っ暗だ。
みんなは一応宿に行っているだろうけど俺にそんな時間はないので迷宮区に向かう。
迷宮区の中はそこまで変わっておらず俺はどんどん進んでいく。一応回復薬の確認して途中で休憩しながらだが。
そしてボス部屋の前につき体力を満タンしてから中に入る。
相変わらずでかいが今回は前とは違うようで周りに子分みたいなのがいる。
あれがいると厄介だな。どうしようかなと思っているとすでにこっちに向かってきている。
俺はかわしつつ攻撃していくが結局ボスにはほとんどダメージが通っていない。
やばいな。俺このまま死ぬかも。いや死ぬのももともとわかっていた。この部屋に入った時から。βテスターの時とは違う圧力。これが死と隣り合わせということなんだということが分かってからはうまく動けない。そして俺はボスの一撃をもろに喰らい体力を見てみるともう一割もない。もう死んだなと思って目を瞑った。
「ムラクモ掴まって!」
「は?」
俺は手を伸ばすとその手は掴まれてリニアー逆に放って距離を取った。
「転移始まりの街」
俺とコハルは転移して始まりの街に帰ってきていた。