ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅の最強プレイヤー〜 作:麒麟@
街に入ってすぐにムラクモの意識がなくなり倒れた。そのまま引きずりベンチに寝かせると次々に倒れていく人たちがいた。この世界で病気なんてありえないしわたしも聞いたことがない。
そんなふうに油断しているとムラクモが帰ってくるまでにわたしも意識を手放した。
意識が戻り俺の今の状況はというと目の前にコハルの顔がある。俺は寝転んでいるからなんとなく状況はわかってきたが俺今膝枕されてる状態だ。ゲームの中とは言え恥ずかしいがコハルも同様に俺と同じ現象が起こっていて手が動かしにくい。加えてこの体勢のせいで力が入りにくい。
こんなところまでリアルにしなくていいのに。
そこからコハルが目覚めるまで2時間近くかかり、その間は俺は他のプレイヤーに見られながら恥ずかしい思いをした。
「ごめんね。ついあんな状態で」
「いやいいけど、それよりなんで俺もコハルも落ちたんだ?」
「わからないよ。ただ可能性としては一度接続が切れたとかかな?」
「んん?それってもしかして」
「そうそのまさかだよ」
俺の頭の中には一つの予想がついた。まさかそんなことはないけど俺の体を病院に移送して何かしたのか?それなら納得がいく。病院に行った時間。それからそのほかの検査なんかにかかった時間なんかも合わせるとそれぐらいかかるのかもしれない。
まぁどっちにしても明日になったら全てわかるからいいんだけど。
俺たちはもうそれ以上レベリングする気も起きず街で装備を見て回った。それにしてもコハルのやつβでは短剣だったのに細剣に変わってるから最初はびっくりした。
「そろそろご飯行かない?」
周りを見てみるとすでにいい時間だ。俺たちは飯に行くか自分たちで買って食べるかで悩んで結局自分たちで買って食べることにした。上のほうに行くならまだしも一層ではそこまで美味しいところはないのでパンでも買ってバターをつけたほうがマシだ。
「んーおいしいね。なんでこのクエストを?」
「特に理由はないけどこの層ではバターっていうのは貴重だからな」
「まぁ確かに」
俺たちは軽く食べてそこからしばらくして宿に入った。いよいよ明日になると全てがわかる。俺の体が終わっているのかそれとも誰かが助けてくれたのか。
さてあの家から金を奪い取る算段をしないとね。両親揃って弁護士をしていて事務所まで持っているから金は山ほどある。それに雇用契約もあるらしいから金の心配はしなくていいよね。
「沙耶香ちゃん?顔怖いけど」
「あ、詩乃さんきてたんですか?声変えてくださいよー」
「かけにくかったのよ。すごい顔してたから」
「あたし一回向こう戻ります。その間お兄ちゃんをお願いします」
「わかったわ。任せておいて」
あたしは部屋を出てすぐに新幹線の予約をとる。そして家に帰ったらもう夜だったのでちょうどよかった。この家の奴らが全員揃うのは夜しかない。
「話あるんだけど」
「なんだ?」
「あたしも向こうに行く」
「なんだと!!?」
「そしてあたしから出す条件は3つ。向こうでのあたしとお兄ちゃんが払うお金や生活費は全部あんたらが負担すること。向こうでお兄ちゃんと一緒に暮らすことを認めること。そしてあたしを向こうに行くことを認めること」
「そんなことが通ると思っているのかしら?」
「なら縁は切らしてもらうことにする。あんたらは継ぐ人もいない寂しい事務所でいいんじゃない?」
2人とも苦い顔をしている。おそらく金を出すことにそこまで抵抗はないはず。悩んでる理由はあたしが向こうで済むって言ったからだろう。それを悩んで即決できていないはず。それに脅しとして継ぐ人がいないっていうのも聞いている。昔からこの2人はあたしにあの事務所を継がせようとしてきたからもしそれが途絶えるようなことがあるとまた話がややこしくなる。
「その条件を飲む。ただお前は事務所を継ぐことを約束しろ」
「それはまだ約束できないかなぁ〜。だってあんたたち今ここで約束したら契約の抜け道を探して払わない気でしょ」
「グッ!」
「あんたらが本当に約束を守ったらこっちも約束してあげる。今はまだ無理」
そこからは紙に契約書を作り2人の名前を書かせた。その後あたしはすぐに引越し業者を呼んで荷物をまとめて住所を言ってそこに持っていってもらった。
あたしの出発は夜からは少ししんどいので明日の朝にすることにして家出の最後の日を迎えた。
3日目も同じようにしていたが体は倒れることはなかった。
「これはなんでだ?」
「よかったよムラクモ。倒れないと思ってたけど」
そこからは毎日のようにレベリングとクエストをこなしていきしばらくすると第一層のボス部屋が見つかったから攻略したいと連絡が一層中に響き渡った。
というか知りたかったら俺が道全部教えたのに。トールバーナという街ですでに何人か来ているみたいだった。
顔を隠してる人やβで見た人なんかもいる。俺たちは端に座り会議が始まるのを待った。
会議は少しのゴタゴタと話し合いが済んで終わった。
「なぁよかったら俺たちとパーティ組まないか?」
「お前は?」
「俺の名前はキリト」
「構わないよ」
「わたしも。私はコハル、こっちはムラクモ」
「ムラクモ!?ってあのムラクモか?」
「違うよ」
「そうか。てっきりあのムラクモかと思ったんだけど違ったか」
俺たちは3人で話しているがフードを被った女の人は一言も話さない。一応俺たちはフレンド登録を済ませてそれぞれの宿に帰っていった。
俺たちも帰る前に食事だけ済ませて宿に帰っていく。
「なんで嘘ついたの?」
「そんなに自慢することでもないしな。それじゃあまた明日」
「そっか。それならいいけど。うんまた明日ね」
俺たちは別れた。俺たちの役割は周りの取り巻きを抑えておくらしい。こんなのって思うけどとりあえずクリアしないといけないことは確かなので俺たちは了承した。
この一層だけでもクリアすると死ぬ人が減る。俺たちがクリアできると証明できる。だからこそクリアする必要がある。
なんだか寝付けず俺は外に出て軽く体を動かすことにした。
軽くモンスターを狩っていると近くで狩っている音がする。誰かと思い見に行ってみると同じパーティのアスナだった。
「アスナか」
「あなたはたしかムラクモだったわね」
「そうだよ」
「何か用かしら?」
「いやなんでも。ただ音が聞こえたからこっちにきただけ」
「そう」
そうしてリポップしてきた敵を倒していく。元々ゲーマーなのかβなのかわからないぐらいその細剣の使い方はとても鋭く速い。攻撃力は少し足りない気もするけどそれを補うほどの速さと正確性。
「なに?」
「そう嫌悪にしないでくれよ。ただ見てるだけだから」
「そう」
「あんた早くこの世界から出て行きたいって顔だな」
「っ!」
「何か現実で焦ってることがあるとか」
すると目の前まで細剣が来たので俺はそれを上に弾いた。
すると驚いたのか顔に出ている。
「なにしてんだ?」
「あなた一体」
「ただのゲーマーだよ」
これ以上話すと本気で噛み付かれそうなので俺はその場から離れて街に戻った。
街に戻ると自然と眠気が来て俺は眠ることにした。
次の日の迷宮区
その日は何事もなく進んでいく。流石にここに志願しただけあってパーティごとで統率が取れている。
それに比べてうちは
「スイッチを知らない!?」
「ええ」
「アスナさんそれ今までどうやってきたんですか?」
「こうやって」
言葉とは裏腹にすごいスピードで敵を倒した。キリトはともかくコハルは呆気にとられていて少し元に戻るのに時間がかかりそう。
しばらく引きずって行き俺たちは全員ボス部屋の前につきリーダー格のディアベルが一言
「勝とうぜ」
その一言に全員の士気が上がって俺たちはボス部屋に入った。こういう時って大概何かあるんだよ。誰かが空回りしてやらかすとかが。
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