ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅の最強プレイヤー〜   作:麒麟@

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かなり話飛びました。
申し訳ないです


6話

 ボス部屋に入ると相変わらずでかいのがいた。それは俺が前に負けたやつでもあり、今回の標的だった。

 

 

「とつげき!」

 

 

 ディアベルがそう叫ぶと全員が言葉につられるように動いていく。そこからはレイド感覚だ。俺たちが周りを押さえてその間に本隊がボスを削る。だんだんHPは減っているが遅い。

 見ててイライラする。こんなんで攻略組なんだから情けねー。

 

 

「おいおいすっごい顔してるけど大丈夫か?」

 

「まぁな」

 

 

 喋りながら倒していく。それにしてもキリトのやつもかなり余裕があるように見える。レベルは俺より低いぐらいだけど一撃が重そう。筋力パラに振りすぎだと思うぐらいに。

 ボスのHPはじわじわだが減っていく。半分を切りラストまで残り少ない。

 

 

「俺が出る。他の奴らはサポートを」

 

 

 そう叫ぶディアベルに対してボスが抜いた武器は刀だった。βの時とは違う。それに突進していくディアベルはおそらくそれが見えていない。

 

 

「「待て!ディアベル」」

 

 

 俺とキリトの声は重なった。おそらく同じことを思ったんだろう。俺たちは阻止しようと飛び出したが間に合わすディアベルはもろにくらってしまった。

 

 

「キリトディアベルを!」

 

「ああ」

 

 

 俺はボスの攻撃を受け流しに徹するとこにした。けど元々のパラメータが違いすぎて受け流してもダメージをくらう。

 

 

「わたしも」

 

「アスナ手伝ってくれ!」

 

「了解!」

 

 

 コハルはディアベルの方に。アスナは俺と切り込んでいく。なんとかHPを減らして行き最後の一撃は2人で決めたがわずかに俺の方が早い判定になりLAは俺の手に入った。

 

 キリトの方を見てみるがディアベルは間に合わずすでに死んだみたいだ。コハルもキリトもショックを受けていて声をかけにくい。これがこの世界を抜け出す方法だとしても。

 

 

「なんでや!なんでディアベルはんが死ななあかんねん」

 

「は?」

 

「だいたいお前がボスの武器の情報を先に言ってたらこんなことにはなってへんねん」

 

「ちょっと待ってよ」

 

「それにそこのやつもや!」

 

 

 指を刺したのはキリトでおそらくさっき俺と同タイミングで言ったことを言われているんだろう。コハルも止めにきたがここで俺を止めるとコハルまで巻き込まれる。

 

 

「何言ってんだトゲトゲやろう」

 

「なんやと!?」

 

「俺の名前はムラクモ。βテスターで最も高い階層まで登り数多くのゲームで一位を取ったって言えばわかるかな」

 

 

 その途端いろんなところでざわめきが起こり1人が口を開いた。

 

 

「そんなのチーターじゃないか」

 

「何言ってんだ?βに当たって今まで一位になったのも周りが弱いからだよ。何をチーター呼ばわりなんだ?」

 

「βのチーターでビーターだ」

 

「あっそう。勝手に言ってれば」

 

 

 俺は階段を登ろうとしたが誰も追って来ようとはしない。コハルは今の状況に頭がついていかないみたいだ。

 すぐにフレンドリストからキリトとアスナに頼みごとを送った。

 

 

 [コハルを頼む]

 

 

 それだけ送って俺は二層に向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ムラクモが行ってしまいわたしは何もできなかった。隣にいてもわたしはムラクモのことを何も知らないままだった。

 

 

「コハル。俺たちとパーティを組まないか?」

 

「キリトさん、すいませんちょっと」

 

「君の言いたいことはわかる。けどムラクモから頼まれてるんだ」

 

「ちょっと待ってください。どういうことですか?」

 

 

 わたしはすぐに話を聞いた。時間的に二層に向かっている最中に送ったんだろうと思われる時間だ。ムラクモのバカ。今やっと全部わかった。ムラクモは私やキリトさんを守ってくれたんだ。

 

 

「俺たちは二層に上がってからムラクモを探す。もちろんコハルもいてくれた方がいいんだけど」

 

「わたしは…………ごめんなさい別で探させてください」

 

「そうか。また何かあったら連絡してくれ」

 

「ええ、いつでも連絡して頂戴」

 

「わかりました」

 

 

 わたしはHPを回復させてからそのまま二層に向かった。ムラクモの行きそうな場所はだいたい予想がついてる。わたしは迷わずその場所に足を運び行ってみるとそこに1人で遠くを見つめるムラクモがいた。

 

 

「コハル」

 

「ムラクモのバカ!」

 

「は、はぁ?」

 

「なんであんな言い方するの!?」

 

「そりゃあれしか方法がないからだろ」

 

「わかってる!わかってるけどそれじゃあムラクモが辛いよ」

 

「汚れ役は1人でいいんだよ。それ以上できてしまうと怒りが分散する。だから1人に絞る必要があった」

 

「むぅ、わかってる、わかってるけど」

 

「ありがとな。それだけで十分だから」

 

 

 ムラクモがそう言い立ち去ろうとしたらわたしは無意識のうちに手を掴んで引き留めていた。

 

 

「ムラクモがそこまで頑固ならわたしも決めた!」

 

「なにを?」

 

「わたしはムラクモとパーティを組む。それもずっと」

 

「は、はぁ──ー???」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こいついったいなに言ってるんだ?俺とパーティを組むまでならまだいい。いや今の俺の立場的にはそれもして欲しくないけど。まだ100歩譲ってそれならいいけどずっとパーティを組む!?

 

 

「いや待て!それはダメだ」

 

「ダメなんて言ってもずっとついていくからね」

 

「お前、今の俺の状況わかっててそれを言ってるのか?」

 

「わかってるよ」

 

「ならもういいや。否定するのも疲れたし」

 

「それじゃあ今日からよろしくね」

 

「はいはい」

 

 

 口ではこう言ってるけどこうなった以上コハルは守らなきゃいけない。けど隣に誰かいることに安心するのも確かなんだよな。俺はそう思って近くのクエストをこなしていった。

 

 

 結局その日はあんまりクエストもモンスターも倒せず俺たちは街に戻る。戻るとやっぱりすごい目で見られるがもう気にしてられない。

 俺はボスのドロップ品を装備して装備の色を赤に変えた。宿に入り寝ようとすると俺のところに一通のメッセージが来たので俺はそこに向かう。

 

 

 そこは町の外れでほとんどライトもないがまだ見えないこともない。行くと3人いてある意味予想通りだった。

 

 

「やぁムー坊。聞いたよすごいことしたんだってな」

 

「アルゴそれをいうなよ。あと用件ならさっさと済ませてくれ俺は眠い」

 

「ごめんね。キリトくんが君に話したいことがあるっていうから」

 

「いやそこまでは言ってないんだけど。それで話って?」

 

「悪かった。あの時擁護してやれなくて」

 

「なんだそのことか。別にもう気にしてないから」

 

「何かあったら言ってくれ。なんでも手伝うから」

 

「わかったよ。その時は頼む」

 

「あとコハルの件はごめんな。まさかすぐにそっちに行くと思ってなくて」

 

「いいよ。俺もくるとは思ってなかったけど」

 

 

 みんなして笑う。ここがデスゲームと忘れるぐらいに話した。ただの友人のように。

 けれどやっぱり別れると感じてしまう。ここがデスゲームの中でいつ死んでしまうかもしれないと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこから俺たちは攻略を進め気づくと五十九層まで進んだ。俺もコハルもトッププレイヤーと呼ばれるようになり、今キリトたちは圏内事件について調べているそうだ。俺たちも手伝うと言ったのだが今回は任せて欲しいと言われてはなんとも言えず今回は任せることにした。

 

 俺とコハルは迷宮区のマッピングを行けるところまで行き街に戻ってきた。

 

 

「ムラクモ!あれ!」

 

「ん?」

 

 

 見てみると空が割れていく。いやこの仮想世界に空が割れるなんて表現であってるのか?

 そんなことより中から人が落ちてくるから俺はすぐに下に行き受け止めた。

 

 

「え?」

 

 

 俺はその姿を見た途端言葉が出なくなった。それは俺の知ってる人間にそっくりだったから。

 

 

「どうしたの?」

 

「い、いやなんでもない。この人のことに関して俺に任せてくれ」

 

「やらしいことしないよね?」

 

「しないわ!」

 

 

 俺は落ちてきたそいつを抱いて宿に戻った。もしこいつが俺の知ってる人物なら本気で怒る。

 

 少ししてそいつは目が覚めた。

 

 

「おい、お前の名前は?」

 

「フェアリーだよ」

 

「リアルの方だ」

 

「それって違反なんじゃないの?」

 

「いいから教えろ!」

 

「村田沙耶香」

 

 

 聞きたくない名前が俺の耳には入った。そしてその途端怒りが沸沸と湧いてきて目の前のやつをどうしようか悩んだ。

 

 

「あなたは?」

 

「ムラクモ」

 

「!!じゃあまさかお兄……ちゃん?」

 

「あぁ、なんでお前がここに」

 

「実はある伝手でナーヴギアを手に入れたんだ」

 

「おい、それどういうことだ?お前が望んできたこと?」

 

「うん」

 

 

 そこから全ての話を聞いた。沙耶香はナーヴギアを探していてそれを見つけたからこっちの世界に来たこと。今現実世界での俺の体のこと。沙耶香がこっちにくる際に詩乃に全てを頼んできたこと。

 

 

「お前は街にずっと待機してろ」

 

「なんで!?あたしはお兄ちゃんのために」

 

「ふざけるなよ。お前がくることなんて望んでなかった」

 

「ふざけるのはどっちよ!あたしの気持ちも知らないで!!」

 

 

 そういい沙耶香は飛び出した。少しして追ってみるがどこにいったか全くわからない。

 アルゴやキリトに連絡してなんとなく場所はわかった。そこにはコハルも向かっていて俺よりも先につきそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 22層迷いの森

 

 俺はこの場に踏み込んだのは沙耶香のためだ。正直にいうと俺はあんまりこういうところが好きじゃない。周りはジメジメしていていかにも虫が出そうなところ。

 

 少し歩いていくと声が聞こえる。遠くだからはっきり聞こえないがそっちのほうに行くと恐ろしいものを見た。

 

 

「離れて!この子はムラクモの大事な人なの」

 

「そーいうわけにはいかないな。と言いたいところだがここからがショータイムだ」

 

 

 そいつは俺の方を見てそう言う。こいつかなりのスキル使いだ。そしてコハルと沙耶香のHPはだんだん減っていく。

 マーカーを見てみるとレッドだった。

 

 

「やめろぉぉぉぉおおお」

 

「It′s show time」

 

 

 そいつは大きいチョッパーを振り下ろした。そんなのをくらえばコハルや沙耶香のHPは消し飛ぶ。するとコハルの口が動いて俺の方をみる。

 

 

「今までありがとう」

 

 

 その言葉ははっきり聞こえなかったが俺にはそう聞こえる。

 

 

 ふざけるな。その途端俺の中の感情が暴れ出した。

 一層で助けてもらってそれ以降も支えてくれたコハルを助けられない?俺を助けるために命まで投げ出した沙耶香を助けることができない?

 ふざけるな!ここで助けられなくて俺はなんのために強くなったんだ。けどここからじゃ回復薬も結晶も届かない。

 

 俺は苦し紛れに短剣を放り投げた。

 

 

「当たるわけねぇだろバァカ!」

 

 

 その言葉は事実だ。しかし次の瞬間奇跡が起こる。俺の体は投げた短剣のところに移動していた。そして偶然にも短剣はそいつとコハルの間に行っていたので俺は間に入ることができた。

 

 

「んだそりゃ」

 

「さぁな?おまえには一生わからないかもな」

 

「ふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるな」

 

「狂ったか?」

 

「俺の邪魔してんじゃねーよ!!」

 

「コハル回復しろ。こいつは俺が抑える」

 

「う、うん」

 

 

 そこからはあっという間だった。俺がそいつを退けるまでに。

 そしてコハルと沙耶香は泣き俺は慰めるのに精一杯だったこと。

 俺のスキルウィンドに新しいスキルが発生していた。

 それは高速移動技「クイックドロウ」新しい装備方法「双剣」だった。




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