Dead・in・wonderland   作:ばにらいむ

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第三話更新です。
いよいよ美亜たちは死者の世界へ……。


partⅢ

 

 

 

 

霧を抜けた私と殺人鬼さんを待っていたのは、珍しい、白い汽車だった。

「なんだあの白い物体は」

「あれは汽車だよ。知らないの?」

 

殺人鬼さんは顎にてを当てる。

「俺が生まれたところにはキシャなんて物はなかったぞ……?」

「あっ……何かごめん」

 

 

 

 

 

「お客さま、駅のホームで屯されては困ります」

駅員らしき風貌の、茶色い髪の毛の少女が話しかけてくる。

「はぁ?たむろってなんだよ、ただちょっとこいつと話してただけじゃねぇか」

 

殺人鬼さんが恐ろしい顔を歪ませる。たぶん怒ってるんだ。

「それを屯というのです。それにこの汽車を逃せば次に来るのは三時間後ですよ。

ここはこの駅とあそこの門以外は何もない場所。暇ですよ」

「ぐっ……」

 

仕方がないといった顔をし、殺人鬼さんは真っ白な汽車に乗り込んだ。

 

 

「それでは出発します」

私たちを乗せた汽車は走り出す。

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~

 

 

汽車に乗り込んだ私たちは、適当な座席に座る。

座席もまた真っ白で、シートはふかふかだった。

窓の外から景色は見えるが、どこもかしこも真っ白でよく分からない。

 

そういえば私はまだこの男に名前を名乗っていなかった。

 

 

「あ、そうそう、私の名前はね……」

 

「知ってる。フジタ・ミアだろ?」

 

殺人鬼さんはどうやら私の名前を知っているようだ。

まあ、出会い系サイトを使っていればそりゃ知ってるか。

つくづく自分の愚かさに嫌気がさす。

 

「汽車は知らないのに出会い系サイトは知ってるなんて変だよ」

「あ?あれ出会い系サイトってのか……知らなかった……あれを使えば効率よく人と出会えると思ったんだよ」

 

どうやら相当頭が悪いらしい。

「携帯はどうしたの?」

 

「殺したやつからパクった。そいつがそのサイト見てたからそれを使ったんだ」

 

「文字はどうやって打ったの?」

 

「えーと……コピペ?ってやつ」

 

「コピペ識知ってるのかよ」

 

「へへっ、まあな、偶然知った」

 

 

顔は恐ろしいが、彼は普通に話すととてもいい人のように思えてくる。

何が彼を恐ろしい殺人鬼にさせたのだろう。

 

 

「次は~、死者の町~、死者の町~」

 

 

 

車内に先程の店員のアナウンスが響く。

 

「ここで降りよっか」

「ああ、そうだな」

 

 

 

 

とりあえず私たちは【死者の町】という駅で降りることにした。

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~

 

 

 

「おっきい門があるね」

 

 

私たちは今、【死者の町】の入り口らしき門の前に立っている。

 

「この門は開かないのかな」

「ああ、どうやら開かないみたいだな」

 

さっきから殺人鬼さんが門を開けようとしているが、びくともしない。

 

 

 

 

「その門は音声認識で開くのですよ」

 

 

 

後からまた声がした。

 

私たちが振り向くと、赤い目に神父風の衣服に身を包んだ青年が立っていた。 

顔に笑みを浮かべているが、どうも胡散臭い。

 

「まあ見ていてください。すみません、開けてくれませんか?」

 

青年の声に反応するかのように門が開く。

「さあ、お入りください」

 

青年に促されるようにして私たちは門の奥へと足を踏み入れた。

 

 

「あ、そうそう、私の名前は【(えん)】と言います……死者の町で神父をやっていましてね、お暇なら気軽にどうぞ」

 

 

焔と名乗る青年に案内された先には驚くべき光景が広がっていた。

 

 

 

 

 

「こ、これは……」

「すげぇな……」

 

 

 

先程までの真っ白な世界とはうってかわって、樹木に覆われた赤レンガの町がそこにはあった。

 

白い壁に色とりどりの屋根の家がたくさん並んでおり、なかにはお菓子屋らしき店や図書館、服屋もある。

その向こうには白い壁の教会がある。

 

普通の町と何らかわりない。

 

「いいところでしょう?この場所こそが【死者の町】ですよ」

焔さんはまた、ニコニコと胡散臭い笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 




次回に続く
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