美亜たちはいよいよ死者の国へ……
ちなみに今回はあの人がいよいよ登場します‼
「うわぁ……死者の国にもホテルってあるんだね」
死者の街に案内された私たちは、あちこち案内されたあとホテルに通された。
「明日は住人たちを紹介してあげますよ」
焔さんはそう言って去っていった。
「殺人鬼さんは死んだあとの世界がこんなだって思ってた?」
「そんなわけないだろ、俺もこんな世界だとは思わなかった」
「そうだよね……普通絵本に出てきた天使が出てくると思うよね……」
さっぱり訳がわからない。
「しっかしあちこち連れ回されて疲れたなぁ……俺はもう寝るぞ」
殺人鬼さんはすぐに大きなイビキをかきはじめた。
(そういえば黒江は今ごろどうしてるんだろう……喧嘩しちゃったし、こんな死に方だし、きっと悲しんではないかもなぁ)
◆side黒江◆
葬式場。
お坊さんのお経の声だけが響く。
「うっ……ううう……」
隣には美亜のお母さん。
大切な娘を失ってボロボロと泣いている。
さっきまで冷静に私に挨拶をしていたのに。
私もあいつの死を知り、かなり悲しんだ。
あのとき私がもっと真剣に止めていれば良かったんだと責任まで感じた。
あいつはまだ死ぬべき人間ではなかったのに。
家に帰った私はベッドに顔を埋めた。
お母さんはまだ帰ってこない。美亜のお母さんを送ってから帰るらしい。
いじめだって美亜がいてくれたからこそ平気でいられたんだ。
美亜のいない私はもう生きていけないかもしれない。
「きみ、随分と悲しい顔をしているね」
頭の上から声が聞こえる。
私は声のする方を向いた。
「やあ」
いかにもオタクが着そうな、知らないアニメの柄がプリントされたタンクトップ、度のキツそうな眼鏡。
無精髭を生やしたのんきそうな顔をした男がそこにいた。
「ギャァァァァァァァァァァァア!!!!!!!!!!!!!!!!!」
絶叫した。当然だ。部屋に知らない男がいれば絶叫のひとつもする。
「しーっ、静かに」
男は私の口を手で塞いだ。
「むぐ……」
私の顔から動揺が消えたのを確認すると、その手を離す。
「僕は君に協力したいだけさ」
「きょ、協力?」
「そう。協力。」
「君がその気なら、君を友達のところに連れていってあげることができる。それも生きたままね」
「………………お帰りください」
「えっ、何でっ?!」
こんなうさんくさい話、受け入れられるわけがない。
「どうしても協力してほしいと言うのなら私を信用させなさいよ」
「うーん……仕方ないなぁ」
彼は私の部屋の隅に行くと、私のペットのハムスターを取り出した。
そして、そのハムスターをぺしゃんこにしてしまった
殺したのだ。
「は?えっちょっと」
またも動揺する私を制止させ、手をモゴモゴする男。
そして手を開く。
そこには元気なハムスターがいた。
「マジかよ……」
「まあ、一種の魔術みたいなものさ」
すごい。すごい能力だ。
確かにこれなら生きたまま美亜のところにいくなんてあり得ないこともできるかもしれない。
「いいわ、あんたに協力する」
「そう言ってくれて嬉しいよ」
「ところで協力といっても何をすればいいの?」
私はずっと疑問に思っていたことを口に出す。
「死者の世界に迷いこんだ【大罪人】を探すのを手伝ってほしいのさ」
【大罪人】が誰のことかはよくわからないが、美亜に会えるのなら何でもいい。
私はこれも承諾した。
「いいだろう。その代わり、僕の弟子も連れていくからね」
「弟子?」
「それは死者の世界に着いてからのお楽しみさ。君もびっくりするよ」
そして男は私の額に手をあて、呪文を唱え始める。
私の意識はどんどん薄れていった。
次回へ続く