Dead・in・wonderland   作:ばにらいむ

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遅くなりまして申し訳ございません。
今回は黒江視点です。


partⅥ

~数時間前~

 

 

「嘘でしょ……」

 

目を開くと信じられない光景が広がっていた。

 

目の前には巨大な駅。そして目の前には真っ白な汽車が止まっていたのだ。

 

「これは死者の国の汽車さ。どうやら交通手段はこれだけのようだね」

アニメのタンクトップを着た男・Mr.RD が言う。

 

「ところでRD、アンタの弟子ってどんな人なの?」

「もうすぐ来るよ……あ、おーい!!」

 

RDが東に見える人影に向かってブンブン手を降る。

 

よくよく目を凝らすと、その人影は女の子のようだった。

それも私と同じくらいの。

その小脇には金魚鉢が抱えられていた。

 

 

「もう!師匠、門の前で待ち合わせって言ったじゃないですかぁ~‼」

怒ったように弟子らしき少女がまくしたてる。

「ごめんごめん、出るとこを間違えてしまったみたいだ、えへへ」

 

「もぉ~……あ、そっちの女の子が依頼主ですか?初めまして、私は「白澤」です!」

「く、黒江よ……よろしく……」

 

白澤は私の手をしっかりと握りしめ、ブンブン振り下ろす。

少し美亜と似ていた。

 

「ところで、ずっと気になっていたんだけど」

私はこの世界に来てからの最大の疑問を口にする。

 

 

 

「私の頭、何で兎の耳が付いてるのよ」

 

あー、それはね、とRDが口を開く。

「生きたまま死者の国に来ちゃうとなんかそうなるんだよね、稀に」

 

「……」

 

つまりRDも知らないということだろう。

「師匠、汽車出発しちゃいますよ!」

「おっとまずい、乗ろうか」

 

私たちは慌てて汽車に飛び乗った。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

「次は~、死者の町~、死者の町~」

剣呑なアナウンスが社内に響く。

 

「まずはここから探してみよっか」

 

Mr.RDが我先にと汽車を降りる。それに私たちも続いた。

彼はとことん自由な男のようだ。

 

 

 

 

 

 

「おーい、美亜~」

「みーあちゃーん」

 

早朝の、誰もいない町に私たちの声が響く。

 

私たちは今、美亜を探している。

正直呼ぶだけで美亜が見つかるとも思えないし、アイツのことだ。もう次の町に行ってしまってるかもしれないが。

 

 

 

 

死者の町は「普通の町」だった。

何なら私の住んでいる町とさほど変わらないようにも思う。

 

「いやぁ、いつ来てもいい町だ」

RDが感嘆する。

「師匠、また迷子にならないでくださいね」

白澤さんがRDをとん、と小突いた。

「分かってるよ~」

RDの両腕には大量の紙袋。

美亜を探すついでに買い物をしていやがった。

 

……しつこいようだが本当に自由なオッサンだ。

 

 

2時間後。

 

「ここにはいないみたいだ」

書店から出てきたRDは「フンス」と鼻を膨らませ、満足そうに言った。

 

「師匠買い物したかっただけじゃないですか!!!!」

先程から荷物持ちをさせられている白澤さんが、とうとうキレた。

 

「仕方ない、他のところを探そう。他のところにいなかったらまた来よう」

 

正直私はうんざりしていた。

美亜を探しに来たはずなのに買い物に付き合わされたからだ。

「うんうん、さっさと出よう、僕もこの町は飽きたし」

 

 

 

「「お前来たときいい町だとか言ってただろうが!」」

 

こいつに人探しを任せて本当に大丈夫なのか?

そんな漠然とした不安を抱えながら、私たちは再び汽車に乗るべく駅へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 




次回に続く。
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