戦姫絶唱武闘伝シンフォギアG   作:フリューゲル

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エピソード10《星堕ちるとき》

「その格好どういうことなの?」

 

 

「未来」

 

 

真剣な表情で問い詰める未来に響はなにも言えない。未来にどうやって説明したらいいのか、切歌や調を助けに行かないといけない。その2つの感情から、一歩も動けなくなっている。

 

 

遠くで聞こえる爆発音で我に変える響。

 

 

「ごめん。後でちゃんと説明するから。わたし行かなきゃ」

 

 

未来の呼び止める声を背中に走り出す。ビルより大きいはずのガンダムの姿が見当たらないのだ。

 

 

「切歌ちゃん! 調ちゃん!」

 

 

響が戻ったときにはガンダムどころか、シンフォギアも纏えず、普段の姿に戻っている2人が逃げ回っていた。

 

 

「させるかぁ!!!」

 

 

2人に襲いかかるノイズを蹴り飛ばす。

 

 

「助かったデス」

 

 

「危機一髪」

 

 

それでもまだ残るデスアーミーに絶望感が残る。

 

 

『今、翼とクリスくんをそちらに向かわせている。それまでなんとか持ち堪えるんだ』

 

 

司令から通信が入るが、響の耳には届かない。

 

 

(なんだろう。さっきから胸が焼けるように熱い。なにかがわたしに叫んでいるみたいだ)

 

 

胸を抑えて蹲る響に調と切歌も心配になる。 

 

 

「うぉぉぉ! 出ろ。ガンダーム!」

 

 

現れたガンダムに本部も装者たちも言葉を失う。

 

 

白を基調とした機体。1度壊れて修復され保管されていたはずのガンダム。『シャイニングガンダム』の登場に。

 

 

「わたしの拳が光って唸る! みんなを救うと輝き叫ぶ!!」

 

 

胸から湧き上がる想いをぶつける。

 

 

「必殺! シャーイニングー!!!!!  フィンガァァァァァア!!!!!」

 

 

デスアーミーの頭を掴む。どんどん力を加えていきながら。

 

 

「いっけぇー!!!!!」

 

 

握り潰し、デスアーミーを爆破させる。

 

 

「まだまだァァァ」

 

 

残るデスアーミーをどんどん撃破していく。

 

 

「なんと驚き」

 

 

「本当に響さんデスか?」

 

 

いつもと違う動きをする響に驚きを隠せない。

 

 

(不思議な気分だ。ガンダムがわたしに戦い方を教えてくれているみたい。これならいける)

 

 

翼とクリスが到着した頃にはデスアーミーもノイズも残っていなかった。

 

 

ガンダムから降り、切歌と調の元へ走る響。

 

 

「2人とも大丈夫?」

 

 

すでにクリスやS.O.N.G職員が2人をヘリへと運ぼうとしている。

 

 

「心配すんな。気を失ってるだけだ」

 

 

意識のない2人に代わってクリスが答える。

 

 

(ガングニールだけでなく、シャイニングまで。どこまでも私の神経を逆撫でしてくれる)

 

 

1人佇む翼はギアを解除することも忘れ、先程までのことを思い出していた。

 

 

「わたしまだ足手まといだと思います。でも奏さんの代わりになれるように頑張るので、一緒に戦ってください。翼さん」

 

 

「あっ、おい。バカ」

 

 

響の言葉で空気が変わる。咄嗟にクリスが庇おうとするほどに。

 

 

「そうね。あなたと私、戦いましょうか」

 

 

響へ『アメノハバキリ』のアームドギアである刀を向ける。

 

 

「わたしが言ってるのはそういう意味ではなくてですね」

 

 

問答無用。そう言わんかのように刀で攻撃を開始する。

 

 

「ちょっと待ってください。わたしたちが戦う必要なんて」

 

 

そこまで言って響は目を見開く。

 

 

【天ノ逆鱗】

 

 

空中で投擲したアームドギアを巨大化させ、それを蹴り貫く体制に入っていたからだ。

 

 

「邪魔だ!」

 

 

翼の攻撃が響に当たる直前。クリスが間に入る。

 

 

「クリスちゃん!」

 

 

「雪音!?」

 

 

ギアを纏っていたとは言え、咄嗟の行動だったため受け身も取れず吹き飛ばされる。

 

 

「らしくねぇんだよ。こんな先輩は」

 

 

そこでクリスは気付く。翼の目から涙が溢れていることに。

 

 

「泣いてんのか?」

 

 

「私は剣だ。剣に涙など不要だ」

 

 

そう言うも泣き続ける翼に響もクリスも言葉を失う。

 

 

その後、未来も無事に保護されたことを聞き、1度本部へ全員が戻る。

 

 

「未来は大丈夫なんですか?」

 

 

「君の友人だ。悪いようにはしないさ。機密保持のため少しは制限させてもらうがね。今別の職員が説明をしている。それが終われば帰れるだろうよ」

 

 

風鳴司令の言葉でとりあえず響は安堵する。

 

 

「まぁ今回のことでわかっただろ? お前みたいな素人がでしゃばっていいようなところじゃねぇ。たまたまの偶然なんて続くわけねぇんだ」

 

 

一歩間違えば、今回出動した3人は死んでいてもおかしくない。

 

 

「だいたいな。今までだってあたしと先輩だけでやってきてたんだ。今更お前の力を借りる必要なんてあるもんか!」

 

 

現在、風鳴司令とマリア。クリスと響の4人だけがこの司令室にいる。他の切歌と調は治療中だし、翼は1人で何処かへ行ってしまった。

 

 

「お前がいなければ先輩だって普通にしてられた。後輩らも危ない目に合わせずに済んだんだ」

 

 

パン!

 

 

そこでクリスの頬をマリアが叩く。

 

 

「言い過ぎよ。冷静になりなさい」

 

 

「そうだぞ。それに今回のことは俺の責任だ」

 

 

マリアと司令の言葉にクリスの我慢は限界を超える。

 

 

「はん。あんたらはこいつを庇うのか。あたしは事実を言っただけだ。なんにも悪くねぇ! 仲良しごっこで守れるほど世界は安いのかよ!!」

 

 

「付き合いきれねぇ。ここはやっぱりあたしの居場所じゃないんだな」

 

 

司令室を飛び出すクリス。突然のことに誰も反応出来ないでいた。

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