戦姫絶唱武闘伝シンフォギアG   作:フリューゲル

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エピソード18《バラル》

「戻っていたか」

 

 

後から戻ってきたキャロルが台座で人形のように動きを止めている3人を見つめ、オートスコアラーが戻っていたことを確認する。

 

 

「2人とも活動エネルギーが足りなくて眠っちゃいましたけどね」

 

 

メイド服のような格好をした少女が床を滑るようにしながら近づく。

 

 

「ガリィか。思い出集めのほうはどうなっている?」

 

 

「もちろん順調ですよ。今すぐ動けるくらいには」

 

 

ガリィ・トゥーマーンの言葉を聞いてキャロルは満足そうに玉座に座す。

 

 

「ところでマスター。マスターが出かけている間にお客さんですよ」

 

 

その言葉でキャロルの表情は歪む。

 

 

「またあの能天気な男が来たのか?」

 

 

来客をアダムだと思ったのだろう。

 

 

「いえいえ、マスターの旧友ですよ」

 

 

「久しぶりね。キャロル」

 

 

ガリィの言葉と同時くらいに部屋へと入ってきた女性たちにキャロルは驚く。

 

 

「サンジェルマンにカリオストロ、プレラーティ。パヴァリア光明結社から離脱したと聞いたが?」

 

 

「そういうワケダ。そして、それはお前たちにも無関係ではないワケダ」

 

 

プララーティの言葉でキャロルの視線が鋭くなる。

 

 

「どういう意味だ?」

 

 

「あーしたちもはっきりとはわかっていないんだけどね」

 

 

カリオストロはサンジェルマンへと視線を移す。

 

 

「わかっているのは多くない。あいつにはバラルの呪詛を解き放つつもりがないこと。デビルガンダムを完全覚醒させる方法を知っていること。そして、それを入手したらしいことくらいだ」

 

 

カリオストロとプレラーティの表情を見て、キャロルは察する。

 

 

「100年振りにやってきたと思えば、そんなことか。相変わらずお前たち2人はサンジェルマンの行く道なら、理由を聞くこともなくついて行くのだな」

 

 

キャロルの言葉に噛みつきそうなカリオストロとプレラーティを睨みつけ、続ける。

 

 

「そもそも、オレとお前たちはバラルの呪詛を解き放つかどうかで相反したはずだ。100年前も言ったが、あれは解き放っていいものではない。そして、デビルガンダム。コレの完全覚醒はコアとなるモノが必要不可欠。それは生態コアが有効とされていることは求める者たちの間では有名な話だ」

 

 

しかし、キャロルはこれで1つだけ理解した。なぜあの時アダムが簡単に取り引きに応じたのかを。

 

 

(ティキが生態コアとして適任だと? そんなわけあるか。見誤ったな、アダム)

 

 

「1つ聞きたい。どうしてバラルの呪詛を解き放つことが悪いことかのように言う? あれがあるから人類は統一言語を奪われ、相互理解出来ないと言うのに」

 

 

サンジェルマンの問いにキャロルは小さく溜め息をつく。

 

 

「アレにはお前が望んでいるような結果はついてこない。諦めろ」

 

 

「そうやって今回もはぐらかすワケダ」

 

 

「あーしたちには理解出来ない内容だとでも言うのかしら?」

 

 

すぐに食ってかかる2人を静かに見つめるキャロル。

 

 

「よい。私たちには言えないなにかがあるのだろう」

 

 

「それでここに来た理由はなんだ? 今更共に戦いたいなどと言ってくれるなよ?」

 

 

キャロルが本題と言わんばかりに話題を変える。

 

 

「そのつもりはないワケダ」

 

 

「フィーネ。知ってるでしょ? こいつはアダムなんかよりヤバいらしいのよね」

 

 

フィーネの名に少しだけ反応する。

 

 

「先史文明の巫女、何年も遥か昔から何度も蘇っては歴史の道標となったとされる存在。目的は不明だが」

 

 

サンジェルマンの説明にキャロルは考えこむ。

 

 

「錬金術も遥か昔のフィーネが作り出した技術との噂もあったな。なるほど、現在謎の理論とされている、『シンフォギアシステム』、『モビールトーレスシステム』、『錬金術』これらはフィーネの遺産とでも言うことか」

 

 

キャロルの言葉にはサンジェルマンも驚く。

 

 

「錬金術もフィーネが作り出した?」

 

 

「あぁ、そう考えれば説明がつく。どうしてオレたち錬金術師の扱う『ファウストローブ』が『ガンダム』とリンクするのかがな」

 

 

1呼吸置いてキャロルが核心へと続ける。

 

 

「聖遺物を使ってガンダムを起動させる。これは『シンフォギア』も同じだが、聖遺物を使って起動させただけでは聖遺物の力まではガンダムに宿らない。例外は、『シンフォギア』と『ファウストローブ』だけだ」

 

 

キャロルの説明に3人も納得してしまう。ソレらがフィーネの遺産であることに。

 

 

「フィーネはなんのために、『錬金術』と『シンフォギア』それらを残し、『ガンダム』とリンクさせたのかしらね」

 

 

カリオストロの疑問は誰もが思うが、その答えはここにいるメンバーにはわからない。

 

 

「それで、そのフィーネがどうかしたのか?」

 

 

「私たちは今、米国『F.I.S』に匿われているワケダ。そこで、私たちと協力してフィーネを撃つワケダ」

 

 

サンジェルマンたちの現状を聞いてキャロルは少し安心する。行き場がないままでないことに。

 

 

「掴んだ情報によれば、『ネフシュタンの鎧』、『ソロモンの杖』、『デビルガンダム』と完全聖遺物を3つ所持している可能性が高い。これは私たちの目的にも、キャロルの目的にも1番邪魔な存在だろう? それにデビルガンダムを手に入れることは共通の目的でもあるはずだ」

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