戦姫絶唱武闘伝シンフォギアG   作:フリューゲル

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エピソード19《シャッフル》

「やはり、私は別行動を取らせてもらいたい。今はまだ、気持ちの整理が追いつかないんだ」

 

 

エルフナインやウェルが合流して、しばらくは大人しくしていたが、やはり辛そうな翼の言葉に響は悲しそうな表情を見せる。

 

 

「わかった。許可しよう。ただし、いつでも連絡が取れるようにはしていてくれよ」

 

 

「承知しております」

 

 

司令が許可したため、他のメンバーは口出しが出来ないでいた。

 

 

「翼さん。1人で行動されるなら、気をつけてください。キャロルはきっとまた狙ってくるはずです」

 

 

エルフナインが翼に声をかける。

 

 

「そもそも、そのキャロルってやつはあたしらをつけ狙うんだ?」

 

 

クリスの疑問は翼も思っていたらしく、部屋を出ようとしていた足を止めている。

 

 

「現在、キャロル一派とは別の組織は数個確認されています。その中でもキャロルにとって未知の力、『シンフォギア』を警戒しているのだと思われます。ボクもここ数日で関わりましたけど、わからないことばかりでしたので」

 

 

「なるほど。確かに未知なものほど興味も惹かれますし、驚異にも感じるものでしょうからね」

 

 

エルフナインやウェルの説明で理解する。キャロルたち錬金術からすれば、シンフォギアは未知の力であると。

 

 

そのとき、本部に大きな警報が鳴る。

 

 

「ノイズの反応と正体不明の反応を感知。場所は港とスカイタワー」

 

 

「2カ所同時だと? 翼と調くん、切歌くんは港を。響くんとクリスくんはスカイタワーを頼む」

 

 

装者たちは頷くと、走って現場へと急行する。

 

 

「くっ! 私にはどうして力がない」

 

 

司令室を出て、通路で壁を殴りながら悔しがるマリアに近付く者がいた。

 

 

「これはちょうどいい。ナスターシャから伝言です。『例のギア』の修復に目処がついた」

 

 

驚いた顔でウェルを見つめるマリア。

 

 

「1度米国へ戻ってみては? それとこれは僕が改良してみたモノです。使うかどうかは貴方に任せますけどね」

 

 

「黒いギア?」

 

 

渡すだけ渡してウェルはさっさといなくなる。残されたモノを強く握るマリアを置いて。

 

 

「マリアさん」

 

 

戻ってこないマリアを心配して未来が探しに来た。

 

 

「どうしたの?」

 

 

咄嗟にウェルから渡されたモノを隠す。

 

 

「なかなか戻ってこないから心配で」

 

 

「そうね。戻りましょう」

 

 

マリアの表情が少し強張っていたので、未来は話し出す。

 

 

「本当はすごく嫌なんです。響が、みんなが戦っているのに、わたしにはなにも出来ないんだなって」

 

 

未来の言葉にマリアは優しく微笑む。

 

 

「そうね。そのもどかしさは私も感じるわ。でも、貴女はそのままでいいのよ。立花響の、みんなの帰る場所で。だって戻ってきて、おかえりって言ってくれる存在はとても大切だから」

 

 

そう言いながら未来の頭を撫でるマリア。

 

 

「マリアさんは、強いんですね。わたしもマリアさんみたいに、強くみんなを信じないと」

 

 

(違う。私は決して強くない。いつも不安でたまらない。セレナが、奏が戻ってこなかったみたいに。そう思ってしまう自分がいるのよ)

 

 

切ない表情を見せるマリアだが、未来は前を向いていて気付いていなかった。

 

 

港についた装者3人は驚く。

 

 

「これはノイズを操っているのか?」

 

 

ノイズの群れの中心に立つ赤毛の少女をノイズが襲う様子もないからだ。

 

 

『おそらくそれは、ノイズを真似して錬金術師によって作られた『アルカ・ノイズ』だと思われます。錬金術の指示で動きます』

 

 

エルフナインからの通信で納得する。

 

 

「つまりはノイズと同じデスよ。チョチョイとやるデス」

 

 

「うん。それにあの中心にいるオートスコアラーを倒せば。行こう」

 

 

【Imyuteus amenohabakiri tron】

 

 

『シンフォギア』を纏った3人が勢いよくアルカ・ノイズを蹴散らしていく。

 

 

「さすがシンフォギアなんだゾ。これは楽しみなんだゾ」

 

 

中心にいたオートスコアラー、ミカ・ジャウカーンが調へ襲いかかる。

 

 

「この中で1番弱そうなんだゾ」

 

 

持っていた棍棒のようなものをフルスイングし、調を吹き飛ばす。

 

 

「月読!」

 

 

壁にぶつかる前に翼が受け止める。

 

 

「3人同時に来るがいいゾ」

 

 

ミカの楽しそうな表情が曇る。デスアーミーが現れたからだ。

 

 

「こんなのが出てくるなんて聞いてないんだゾ。ガンダムを使うしかないんだゾ」

 

 

ミカの言葉に装者たちは驚く。敵もガンダムを持っていることに。

 

 

「来るんだゾ。シャッフル・クラブ」

 

 

先にミカがガンダムを出現させる。

 

 

『旧時代の機体。なかなか面白いモノを出してくるぅ! 奪われたと思われていた! あの、旧時代シャッフル同盟の機体なんて!!!』

 

 

通信先でウェルが興奮しているのがよくわかる。

 

 

「こちらもガンダムで迎え撃つ。暁、月読、よいな?」

 

 

翼の言葉に切歌と調も頷く。

 

 

「ガンダムシュピーゲル、推して参る」

 

 

翼に続くように2人もドラゴンガンダムとガンダムローズに乗り込んだ。

 

 

 

 

スカイタワーに到着した響とクリスを待ち構えていたのは、オートスコアラーのガリィだった。

 

 

「ようやく現れたか。シンフォギア」

 

 

【Balwisyall Nescell gungnir tron】

 

 

こちらにも同じくアルカ・ノイズが出現していたため、2人も『シンフォギア』を纏う。

 

 

「今更ノイズごときで」

 

 

あっさりと倒して行く2人を静かに見つめるガリィ。

 

 

「あらまぁ。これは想像以上に厄介かもしれませんねぇ」

 

 

港にデスアーミーが現れたのと同時にこちらにも現れる。

 

 

「こんなの聞いてませんよー。マスター」

 

 

ガリィも同じく旧時代シャッフル同盟の機体、シャッフル・ハートを呼び出す。クリスもガンダムマックスターを呼び出して戦おうとするが、響の様子がおかしかった。

 

 

「どうしよう、クリスちゃん。ガンダムが応えてくれないんだ」

 

 

ガンダムを呼べないでいた。

 

 

「どうして、応えてよ。ガンダム!!!」

 

 

ガンダムが呼べないどころか、響の体から『ガングニール』も消えていた。

 

 

「いったい、なにがどうなってやがる」

 

 

響の姿を見てクリスが焦る。

 

 

「チッ。ガンダムのデータは1つだけ。これはよくない展開」

 

 

響の姿にガリィは舌打ちする。

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