戦姫絶唱武闘伝シンフォギアG 作:フリューゲル
気になる人はそこだけ読み返してもらえると助かります。細かい設定とか気にならないなら大丈夫かも?
数日後のことだった。学校から下校する響と未来の前に1人のオートスコアラーが現れたのは。
「走って。未来」
未来の手を引いて走る響。相変わらず胸の歌は聞こえず、ギアを纏うことが出来ないでいた。
(どうして? マリアさんに言われたように向き合っているつもりなのに)
『近くに翼ちゃんがいるわ。そっちに誘導するから避難して』
友里から通信が入り、その指示通り避難する。
【Imyuteus amenohabakiri tron】
公園にたどり着いたときには、翼が『アメノハバキリ』を纏って待機していてくれた。
「ここは私が貰い受ける。立花たちは避難を」
「あらあら。今日はあなたの歌を聞きに来たわけではなくてよ」
響を追いかけていたオートスコアラー、ファラを目の前に翼は冷静さを失う。
「私を相手に、前回のようになると思うてくれるな」
「ええ。ですから今回はこれで」
ファラがガンダム、シャッフル・スペードを呼び出したことで、翼もこれに対抗する。
「ガンダムシュピーゲル。推して参る」
剣で攻撃を仕掛ける翼。しかし、ガンダムに乗っていてもファラのソードブレイカーの力は健在で、剣が砕かれるばかりだった。
【蒼ノ一閃】
アームドギアに溜め込んだエネルギーを斬撃に乗せて飛ばす。
「同じこと」
これもやはり通用しない。
「そんな。翼さんの攻撃が簡単に」
その光景に驚愕する響。
「あっ! がっ! どうして? どうして聖詠が浮かんでこないの? このままじゃ翼さんが!」
無理矢理歌おうとするが声が出ず、歌えない響。
その様子を見ていた翼は、1つ覚悟を決める。
【千ノ落涙】
上空から多数の刃を雨のように降らす。
「何度やっても通用しません!」
「ああそうだな。お前本体には通用しないだろう」
翼の言葉にファラは驚く。自分の体が動かなくなっていることに。
【影縫い】
影に小太刀を打ち込み動きを封じる技。さっきの千ノ落涙に混ぜてこれを放っていた。
「立花! 防人の生き様、覚悟を見せてあげる。あなたの胸に焼き付けなさい!」
【Gatrandis babel ziggurat edenal】
かつて奏が最後に歌った歌と同じく、嵐の前のように辺りがざわめく。
【Emustolronzen fine el baral zizzl】
響はその歌に覚えがあった。薄れゆく意識の中で聞いた歌。
【Gatrandis babel ziggurat edenal】
それの意味がわかったとき、響は全力で翼に向かって走り出していた。最後の歌詞が紡ぐ直前、響の胸に歌が溢れ出す。
【Emustolronzen fine el zizzl】
【Balwisyall Nescell gungnir tron】
最後の歌詞と同時、響も聖詠を唱える。
ファラを巻き込んだ大きな衝撃が辺りに飛び散る。ギアを纏えた響は辛うじて踏ん張り、未来に被害が出ないように立ち塞ぐ。
「こんなことが」
ガンダムから崩れ落ちるファラと翼。翼はあの時の奏と同じく、目や鼻、耳や口から血を流している。
「翼さん!」
響が倒れ込む翼を支える。
「よかった。立花が無事で。こんなことで私の罪が償えるとは思わないが」
「喋らないでください。わたしは大丈夫ですから」
翼の手を握り訴える。
「奏がその身に代えて守った命だ。私が命をかけぬ理由などありはしない」
そこで翼の意識は途絶えた。
「翼さん……? 翼さん! 翼さん!!!」
響は涙しながら懸命に叫び続ける。
「これが風鳴翼の歌」
ファラの声がして、響は慌ててそちらを振り向く。
が、すでに事切れているようで、そこから全く動きはなかった。
響と翼がファラと交戦中、同じく下校途中の切歌と調の前にもオートスコアラーの姿があった。
「ん? なんだお前たちのほうか。つまらないんだゾ」
ミカだ。
「この前のようにはいかないデス」
「うん。やろう、切ちゃん」
前回は翼もいたから互角にやれた相手に、今日は2人で挑む。2人に不安がないわけではないが、翼も交戦中と連絡もあり、やるしかないのだ。
【Zeios igalima raizen tron】
【Various shul shagana tron】
『イガリマ』と『シュルシャガナ』を纏う2人。
「アタシたちが相手デス」
「面倒だから早く終わらせるゾ」
ミカは前回と同じくシャッフル・クラブを呼び出す。
「ならこっちも」
調の言葉に切歌も頷き、それぞれガンダムローズとドラゴンガンダムを呼び出す。
【ローゼスビット】
薔薇の花弁をイメージしたビット兵器が、左肩部全てを覆っているシールドから発射される。
「こんなの効かないゾ」
ミカが棍棒のような武器を体ごと回転させ、これを弾く。
【ドラゴンクロー】
ならば今度はと切歌が龍頭を模した腕部に装備されている牙状の武器で攻撃する。
「やっぱり全然なんだゾ」
これも軽くいなされてしまう。
「なんデスか? このとんでもは」
「やっぱりわたしたちじゃ勝てない」
お互いの攻撃が効かず、焦る2人。
『なに寝ぼけたこと言ってやがる! お前らがやってきた特訓はこんなもんか? 違うだろ?』
今日は本部にいるクリスから激が飛ぶ。
『あたしは先輩のほうへ行かなくちゃならねぇ。だから、そっちはお前らでどうにかするしかないんだ』
クリスが来れないことに少しだけ弱気になりそうになる。
『あたしは信じてる。お前らならやれるって』
その言葉で2人に迷いは消える。やるしかないと。
「わかっていたつもりデスけど、覚悟が足りなかったデス」
「そうだね。どこかであの人たちを頼る自分がいた。でも」
「「守ってもらってばかりじゃいられない(デス)」」
『『♪♪♪』』
2人の歌う歌が共鳴するように、旋律を奏でる。
【β式 獄糸乱舞】
アームドギアのヨーヨーの糸でミカを包囲する。
「今デス、調」
【双斬・死nデRぇラ】
2本の鎌を合わせ高枝切りばさみのような形状にして、ミカを挟み切る。
「1人で勝てないなら」
「アタシたちの力を合わせるデス」
調が動きを封じて、切歌が攻撃を直撃させる。
「あはは。面白かったゾ」
その言葉を残し、ミカはガンダムごと爆散する。
「みんな、派手に散ったようだ」
「ワタシに地味は似合わない。派手に行くとしよう」
その光景を眺めていたレイアは1人呟く。