戦姫絶唱武闘伝シンフォギアG   作:フリューゲル

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エピソード26《先史文明の巫女》

「南極基地を制圧し、通信をこちらが握るのは成功だと言える。が、人選は間違えたのじゃないか? あの2人では見破ってくれと言っているようなものだ」

 

 

キャロルやサンジェルマンに内緒で、S.O.N.Gとの通信を行ったアダムとプレラーティを見てキャロルが言う。

 

 

「問題だったかい? 僕が受け答えたことが」

 

 

「当たり前だ。お前の言い回しは独特すぎる。向こうにはエルフナインがいることを忘れたか?」

 

 

悪びれる様子にないアダムにキャロルが怒りを露わにする。

 

 

 

「まぁ気にしないほうがいいワケダ。心配しなくてもシンフォギアは来るワケダ」

 

 

「お前が言うか、プレラーティ!」

 

 

 

プレラーティが場を和ませようとするが、キャロルの怒りが爆発する。

 

 

「まぁ、キャロルの目撃情報も流してあるんだ。当初の目的は達成されている。だから、その」

 

 

サンジェルマンが必死にフォローする姿にキャロルも怒りを鎮める。

 

 

「どうやら、お目当ての登場よ?」

 

 

錬金術師たちが外を見上げると、デビルガンダムが浮かんでおり、その肩には人らしきものが乗っている。

 

 

「あれが先史文明の巫女。フィーネか」

 

 

その後は誰からともなく全員が外へ出る。

 

 

「これはぞろぞろと。たいそうな出迎えだな。錬金術師」

 

 

デビルガンダムを大地に降し、見下ろすように言うフィーネ。その身にはネフシュタンの鎧を纏っていた。

 

 

「やはり持っていたね。ネフシュタンの鎧を」

 

 

「それだけじゃない。手をよく見ろ。ソロモンの杖だ」

 

 

キャロルの言葉に全員の視線がフィーネの右手に握られたソロモンの杖に向かう。

 

 

「ノイズを操る杖ね。まぁノイズを出されたところであーしたちには意味がないけどね」

 

 

「お前たちを相手にそんな無駄なことなどするわけがあるまい。私自らこの場で沈めてみせよう」

 

 

デビルガンダムの肩からゆっくりとフィーネが大地へ降り立つ。

 

 

「ガンダムもなしで戦うつもりか?」

 

 

「完全聖遺物に勝てると思うてくれるなよ」

 

 

フィーネの言うように錬金術師たちは誰も、完全聖遺物を所持していない。

 

 

「それがどうした? たかが完全聖遺物ごときでオレに勝てるなどと思いあがるな!」

 

 

キャロルは右手を横に伸ばし、なにもない空間から竪琴を呼び出す。

 

 

琴を弾き、キャロルの身体をダウルダブラが包む。

 

 

「ほう。ならば貴様から血祭りにしてくれる」

 

 

ネフシュタンの肩辺りから伸びる、鞭のようなものをキャロルへ放つ。

 

 

「先史文明の巫女。この程度か?」

 

 

キャロルの目の前には竪琴の弦が張り巡らせ、フィーネの攻撃はキャロルまで届かない。

 

 

「刮目せよ。オレの攻撃を」

 

 

四大元素(アリストテレス)を使ったレーザーのような光を飛ばす。

 

 

「こんなもので」

 

 

ネフシュタンの肩を貫く。しかし、貫かれた場所がすぐに再生される。

 

 

「まさかデビルガンダムの力を取り込んだ?」

 

 

「違う。それこそが、ネフシュタンの持つ力だ」

 

 

サンジェルマンが驚いた声を上げるが、キャロルがすぐにそれを否定する。

 

 

「こいつがそんな愚かなことなど、するはずがない。しかし、その再生もいつまでも続くか!」

 

 

 

先程フィーネの攻撃を防いだ弦を、フィーネの周りに出現させ、フィーネの体を締めつける。

 

 

「私の悲願を邪魔する禍根は、ここで纏めて叩いて砕く!」

 

 

ボロボロの姿になりながら、フィーネが弦から抜け出す。

 

 

「何度やっても無駄なこと」

 

 

すでにネフシュタンの再生は終わっているようで、キャロルが舌打ちする。

 

 

「悲願、それはバラルの呪詛のことを言っているのかい?」

 

 

キャロルへ鞭が届くがアダムが展開したバリアがそれを弾く。

 

 

「これで」

 

 

更にファウストローブを纏った3人がそれぞれの武器をフィーネへ向ける。

 

 

フリントロック式の銃をサンジェルマンが。大きな爪のついたグローブをカリオストロが。巨大なけん玉をプレラーティが。

 

 

「ちぃ。かしましい。黙らせてくれる!」

 

 

キャロルに届かなかった鞭を自分の周りに飛ばし、3人を弾き飛ばす。

 

 

 

【Killter Ichaival tron】

 

 

 

空からシンフォギアを纏った少女が2人降りてくる。

 

 

「見たことないやつばかり。だけどあたしたちも混ぜてもらうぜ」

 

 

錬金術師たちもフィーネもお構いなしに銃を乱射するクリス。しかし、フィーネは微動だにせず。錬金術師たちはバリアを展開しこれを防ぐ。

 

 

「ようやく現れたか。シンフォギア」

 

 

「響さんを痛めつけた錬金術師デスか」

 

 

キャロルに切りかかる切歌。

 

 

「今はお前たちと遊んでいる暇はない。シンフォギア、手を貸せ。アレはオレたちにもお前たちにも邪魔な存在だ」

 

 

キャロルが指差す方向。デビルガンダムを見てクリスも切歌も言葉を失う。

 

 

「オレの推測が正しければ、オレたちだけではアレには勝てん。しかし、オートスコアラーとの戦いから得たお前たちの力を合わせれば勝てる筈だ」

 

 

キャロルの言葉にアダム以外の全員が驚く。

 

 

「私たちだけでは勝てないだと?」

 

 

「どういうワケダ?」

 

 

サンジェルマンたちは納得がいかないようで、キャロルに問い詰める。

 

 

「どうにか出来ると思うよ。ネフシュタンの鎧だけならね。でもさ、アレ。デビルガンダムまでは無理なのさ。僕たちだけではね」

 

 

キャロルの代わりにアダムが答える。

 

 

「納得してねえのは、こっちもだ。だが、アレがヤバいのはわかる。気に入らないけどな」

 

 

「いいデスか? クリス先輩。アイツは響さんを痛めつけた人デスよ?」

 

 

クリスがキャロルの提案を飲もうとしたので慌てて切歌が聞く。

 

 

「私としてもシンフォギアの登場は歓迎しよう。お前たちもそれが狙いだろう? シンフォギアの奏でるフォニックゲインが」

 

 

「確かに必要なのさ。ここに眠ると思われる聖遺物。シェム・ハの腕輪を呼び出すためにね。彼女たちの歌は」

 

 

フィーネの言葉にアダムが返す。そう、サンジェルマンたちもこの部分だけは知っていて、シンフォギアの参入が必須だと思っていた。

 

 

「私はここに眠る聖遺物とデビルガンダムを使って月を撃つ」

 

 

「月を?」

 

 

フィーネの言葉に驚いたのは誰の声だったか。呟かれたそれに答えるようにフィーネは語る。

 

 

「私はただ、あのお方と並びたかった。そのために、あのお方へと届く塔を、シナルの野に建てようとした。だがあのお方は、人の身が同じ高みに至ることを赦しはしなかった。」

 

 

「あのお方の怒りを買い、雷騁に塔が砕かれたばかりか、人類は交わす言葉まで砕かれる……。果てしなき罰……。バラルの呪詛をかけられてしまったのだ!」

 

 

誰もが聞き入るようにフィーネの言葉に耳を傾ける。

 

 

「月が何故古代より不和の象徴と伝えられてきたか。それは! 月こそがバラルの呪詛の源だからだ!」

 

 

「人類の相互理解を妨げるこの呪いを、月を破壊する事で解いてくれる! そして再び、世界を一つに束ねる!!」

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