戦姫絶唱武闘伝シンフォギアG 作:フリューゲル
これからもよろしくお願いします
「なにを求めて戦うのか。それがなんであれ私の数千年の想いを超えられるものか!」
怒りからか、勢い任せで鞭を振るう。当然ながら全員がこれを回避する。
「父親からの命題。それを解き明かすためにもデビルガンダムはもらう!」
キャロルも再び光を飛ばす。今度はフィーネも横に飛び、かわす。
「たかがそのようなことで、私の邪魔をするな!」
「父親からの命題を『たかが』とそう切って捨てたか!?」
フィーネもエネルギーの塊のような物を飛ばし、キャロルと中央で押し合う。
「かしましい小娘が!」
フィーネとキャロルの戦いに他の者は呆然とする。付け入る隙がないのだ。
「キャロルってこんなに強かったわけ?」
『いけない! キャロルをこれ以上戦わせないで! キャロルは思い出を燃やして力に変えています。このままだとキャロルは、キャロルは!』
通信からエルフナインの言葉が飛ぶ。
「思い出を燃やすだぁ? どういう意味だよ?」
クリスが反応したことで、錬金術師たちもそちらに視線を向ける。
「なるほど。キャロルの力の源はそれか。止めるぞ。カリオストロ、プレラーティ」
サンジェルマンがすぐに反応し、フィーネへ銃を放つ。
「くっ!」
銃弾を鞭を回転させて防ぐが、その隙をカリオストロとプレラーティがつく。
「あーしたちを忘れちゃ」
「困るワケダ」
拳とけん玉によって高く飛ばされるフィーネ。
「ここだね」
アダムが黄金を錬成し、その過程で発生する爆発を火の玉のように集め、フィーネに飛ばす。
「こんなもので!」
【ASGARD】
ネフシュタンの鎧の蔦状のパーツで陣を組みバリアを張る。アダムの攻撃で辺り一面の氷は砕けるが、フィーネは立っていた。
「耐えるのかい。あれを」
アダムだけでなく、サンジェルマンたちも驚きを隠せない。
「局長のあれを防ぐなんて」
「戦ってるのはお前らだけじゃないんだよ」
【RED HOT BLAZE】
クリスがアームドギアが変形したスナイパーライフルによる攻撃を飛ばす。
【凶鎖・スタaa魔忍イイ】
切歌が二つの鎌をクロスさせて、鎖のついた手裏剣に変化させ投擲する。
錬金術師たちの猛攻に、乗っかるように2人もフィーネに攻撃する。とりあえずの目的はフィーネだ。
「どこまでも私を苛つかせてくれる。このままで終わらせてくれると思うてくれるなよ」
フィーネは浮上し、デビルガンダムの肩へ乗る。
「こここらが絶望の始まりだ!」
デビルガンダムの手が、虫を潰すかのように勢いよく降ろされる。
「狙うはソロモンの杖だ!」
デビルガンダムに乗り込むわけではなく、操る姿を見てキャロルが叫ぶ。
「それで必要だったわけか。ソロモンの杖が。いるんだろう? デビルガンダムの中にノイズが」
アダムの言葉にフィーネの顔が歪む。それを事実と認めるかのように。
「こちらもガンダムで迎え撃つ」
キャロルの言葉を合図に全員がガンダムを呼び出す。
クリスがガンダムマックスターを、切歌がドラゴンガンダムを。
サンジェルマンが巨大な銃を装備するジョンブルガンダムを、カリオストロがアックスを装備するランバーガンダムを、プレラーティが足に鋭い爪を装備するネロスガンダムを。
そして、アダムが二本の刀を持つテムジンガンダムを、キャロルが鉄球の繋がった鎖を持つボルトガンダムをそれぞれ。
「貴様、どういうつもりだ?」
呼び出したガンダムを見てキャロルがアダムに叫ぶ。
「なにか問題があるかな? パヴァリア光明結社が発掘したこのガンダムが」
なにが悪いのかと言うアダムに、キャロルは呆れる。自分が渡したガンダムでないことに不服はあるが、アダムの性格を考えて言っても無駄だと悟る。
「君もだろう? 切り札を隠しているのは」
【グラビトンハンマー】
アダムの言葉に少しだけ反応するが、無視するようにデビルガンダムへ鉄球を投げ飛ばす。
「デビルガンダムの前にそのような攻撃など意味を持たん」
かわすでも防ぐでもなく、しかし傷一つ付いていないことを確認して顔をしかめる。
「ならば!」
サンジェルマンが銃へエネルギーを溜め始めたのを見て、慌ててカリオストロとプレラーティが止めに入る。
「ちょっと、それをやったら」
「サンジェルマンは命を燃やすワケダ」
2人の言葉を聞いて、クリスがサンジェルマンの銃を撃ち落とす。
「何故邪魔をする。シンフォギア?」
「あんたが、それをやっちまったら悲しむ奴がいる。それじゃあやっぱダメなんだよ」
2人はクリスの行動を見て安堵している。サンジェルマンもそれを見て悲しそうな表情に変わる。
【ガイアクラッシャー】
両手を大地につけ、エネルギーをぶつけて衝撃波を飛ばす。
【宝華教典・十絶陣 】
投射したフェイロン・フラッグで相手を囲み、その状態で火炎放射を吹き付ける事で炎の渦の攻撃する。
キャロルと切歌が意図せず、同時に技を放つ。大地に振動が走り、灼熱の炎が渦巻いたせいか、戦場となった足場に亀裂が入る。
『いけない! 今、皆さんがいるのは、南極にある大きな湖の上。早くそこから避難してください』
エルフナインから再び通信が飛ぶ。
「なんデスと?」
「ここが湖の上だと?」
亀裂の入った場所から氷の大地が崩れていく。全員上手く飛んでこれを避難するが、湖の中心から異様な光を放ち浮き上がるモノに皆の視線が集まる。
「これが、シェム・ハの腕輪」
1番近くにいたフィーネがそれを手にする。
「参ったね。どうにもこれは。マズい展開だ」
アダムはそれだけ言うとテレポートジャムを取り出す。
「僕はここらで引かせてもらうよ」
瓶を割り、姿を消す。
「チッ。勝手なやつだ。しかし、アレが奪われたならこれ以上は意味がないか。お前たちもここは引くんだな」
キャロルに言われてクリスや切歌は戸惑う。
「アレがなんだって言うんだよ。もうちょっとわかりやすく説明しやがれ」
「どうしてオレがそこまでしてやる必要性がある? 知りたければ勝手に調べろ。アレは最低最悪な聖遺物だ」
キャロルはもう一度フィーネの姿を見て呟く。
「次は必ず倒す。ここは引くぞ?」
サンジェルマンたちに促し、錬金術師たちは全員この場から姿を消した。
「どうするデスか?」
自分たちとフィーネしか残っておらず、不安になる切歌。
「今回は私も機嫌がよい。見逃してやろうシンフォギア」
フィーネも飛び去ったことで、この場にはクリスと切歌のみとなる。
「おい、あれってまさか」
大地に刺さるモノを見つけて驚く。ソロモンの杖がそこに刺さっていたからだ。
「必要なくなったとかデスかね?」
「さぁな? とりあえず持ち帰るぞ」