戦姫絶唱武闘伝シンフォギアG   作:フリューゲル

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エピソード3《ガンダムレディゴー》

「それじゃあ、最終確認を始める。緒川、報告を頼む」

 

 

国連直属の超災害対策機動タスクフォース、通称『S.O.N.G.(Squad of Nexus Guardians)』の司令である風鳴弦十郎に言われ、諜報員の緒川慎次が現状の報告を始める。

 

 

「まず、現在完全聖遺物である『ネフシュタン』はここより遥か地下で起動実験の準備完了している状況です。後は翼さんと奏さんのライブで引き起こされるであろうフォニックゲインが集まるようになっています」

 

 

「それを起動させるために盛り上がるのがあたしたちの役目ってわけだ」

 

 

奏の隣で翼も頷いているのを確認し、緒川は報告を続ける。

 

 

「マリアさんには『ネフシュタン』のある扉の前で待機して頂くことになります」

 

 

「客人である君に頼むのは我々としても心苦しいのだが」

 

 

緒川の言葉に風鳴司令が続ける。

 

 

「わかっているわ。翼と奏がステージに立つ以上、ここには適合者は私しかいないのだから」

 

 

その後もそれぞれの持ち場の確認を済ませ、ライブの開始を待つだけとなる。

 

 

「各自無茶のないように頼む」

 

 

司令の言葉を合図にそれぞれの役割のために動きだす。

 

 

 

ライブ会場ではツヴァイウイングの登場の待ちわびているファンで溢れていた。

 

 

♪♪♪♪

 

 

定刻通りにステージが暗転し、イントロが流れ始めると会場のボルテージは一気に沸き上がる。

ステージにツヴァイウイングの2人が姿を見せたときには地鳴りがするほどの歓声が上がる。ツヴァイウイングの代表曲の1つである『逆光のフリューゲル』が歌われているのも理由の1つだろう。

 

 

「さすが日本有数のトップアーティストですね。たった1曲でこれほどのフォニックゲインが計測されるとは驚かされましたよ」

 

 

ステージの裏でライブを見守る風鳴司令の横に白衣を着た男が歩み寄る。

 

 

「ウェル博士。どうしてこちらへ?」

 

 

アメリカの聖遺物研究者のジョン・ウェイン・ウェルキンゲトリクスだ。

 

 

「先程も言った通り、フォニックゲインが順調に注がれていい感じなんですよ」

 

 

「聖遺物研究の第一人者であるあなたが、今回協力していただいているので我々としても失敗は出来ませんからね」

 

 

しかし、風鳴司令の表情はどこか険しい。嫌な雰囲気が漂っていた。

 

「誰が残したかわからない『シンフォギア理論』。ミカムラ教授が残した『ガンダム』。僕は未だ解明の進んでいないこれらを解き明かしてみせる」

 

 

ウェルの言葉は独り言のように小さく隣にいた風鳴司令の耳には届いていない。

 

歌が終わる頃には会場の盛り上がりは最高潮へ達していた。

 

 

「フォニックゲインの高まりを検知。『ネフシュタン』起動します」

 

 

会場近くに作られた施設でアラームが鳴り続ける。

 

 

そんなこととは関係なくライブは次の曲のイントロが流れ始める。しかし、事態は急変する。招かれざる来客。ノイズの出現によって。

 

 

突然のことで戸惑う観客たち。運悪くノイズの近くにいた者から炭へと変えられていく。その光景で会場は一気にパニックとなっていた。

 

 

「落ち着いてください。ゆっくりこちらへ」

 

 

スタッフが懸命に避難誘導するが、パニックになった観客に届くことはなく、次々と炭とされていく。

 

 

「どうしてノイズが」

 

 

突然のことに動揺しているのは観客だけではない。ただただ観客たちがノイズに襲われる光景に翼もまた動けなくなっていた。

 

 

「ここで戦えるのはあたしたちだけだ。行くよ翼」

 

 

ステージを飛び降り、ノイズに向かっていく奏。

 

 

【Croitzal ronzell gungnir zizzl】

 

 

奏の体を鎧のような物。『ガングニール』の『シンフォギア』が包む。

 

 

『♪♪♪』

 

 

歌いながら、両手を重ねて取り出した槍でノイズを蹴散らして行く。

 

 

奏の戦う姿を見て、ようやく翼も動きだす。奏と似たような、『アメノハバキリ』の『シンフォギア』を纏って。

 

 

観客の避難もある程度終わり、遠慮なく戦う奏の目に1人の少女の姿が映る。そこにノイズの攻撃が飛ぶ。

 

 

逃げ遅れた少女、立花響が死を覚悟したとき。目の前で奏がノイズを斬り伏せていた。

 

 

「早く逃げろ」

 

 

ノイズの襲撃、炭へとされてしまった多くの人、死の恐怖、奏や翼の姿。響の脳は完全に停止しておりその場から動くことが出来ずにいた。

 

 

「ここに逃げ遅れた観客がまだいる。確保してくれ」

 

 

無線で応援を呼んだことが裏目に出たのか、一瞬の隙をつかれ強力な攻撃が襲いかかる。これをなんとか槍で受け止めるが、先端が砕ける。その欠片が後ろで虚になっていた響の胸を貫く。

 

 

「おい、死ぬな! 目を開けてくれ、生きるのを諦めるな!」

 

 

慌てて響のところへ駆けつける。出血はかなり酷く、反応は見えない。

 

 

(この言葉………。お母さん?)

 

 

「出し惜しみはしてられないな。出ろ! ガンダム!!!!!」

 

 

白を基調とした大型のロボ『シャイニングガンダム』を呼び出しそのコックピットに乗り込む。手には先程の槍が大きくなって握られている。

 

 

「あたしのハートが光って唸る!! あんたを貫けと輝き叫ぶ!!!!!」

 

 

【STARDUST∞FOTON】

 

 

槍の雨がノイズをどんどん殲滅していく。

 

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