戦姫絶唱武闘伝シンフォギアG 作:フリューゲル
翼は相変わらず入院中だが、他の装者たちはノイズの撃退をしながらも、コンビネーションを磨いていた。
「うん。いい感じ」
「ビビッとハマる感じデスよ」
手応えも感じているようで笑顔が見える。
「クリスちゃん。これなら大丈夫だね」
「あたしがお前らに合わせてやってるからな。しくじるんじゃねぇぞ?」
談笑していると警戒音が鳴る。慌てるように装者たちは司令室へ集まる。
「何事デスか?」
「またノイズ?」
切歌と調が嫌そうな顔をしているのは、訓練の前にもノイズが出現し、出動していたからだろう。
「いえ、錬金術師です」
エルフナインの言葉にモニターに目を移す装者たち。そこにはキャロルの姿があった。
「こちらを誘っているのか、アルカ・ノイズを出すだけで被害はない。避難ももうじき終わるだろう」
ビルの屋上で目を閉じ、なにかを待つように動かないキャロル。
「罠だとしても行くしかねぇだろ」
クリスは言うと同時に出動しようとする。
「うん。クリスちゃんの言う通りだよね。行こう」
響が答えたことで、クリスの表情が沈む。南極でなにもさせてもらえなかった自分の感情を優先させてしまい、響のことを失念していたのだ。
「今回でどうこうはないはずです。とりあえず行かせてみては?」
ウェルに言われ司令も仕方ないと覚悟を決める。
「わかった。しかし無茶はするなよ」
司令からの許可も出たので、4人は走って出て行く。
「どうしてそんなに迷ったんですか?」
いつもはすぐに出撃させるのに、今回は渋ったことを未来が疑問に感じていた。
「君には話しておいたほうがいいだろうな」
そんな未来に司令も決断する。
「そんな響が……。でもそれならどうして響に行かせたんですか?」
未来の言葉に誰もなにも言えなくなる。響を出撃させたくないのは同じだから。
キャロルの待つ場所に到着する4人。
「待っていたぞ。シンフォギア」
指を鳴らしてアルカ・ノイズを消す。
「ノイズを?」
「今更こんなものが役に立つはずもない。オレが直接倒す」
ダウルダブラを呼び出し纏うキャロル。
「どうしても戦うしかないの?」
ギアを纏わず話しかけるのは響だ。
「ああそうだ。もはや話など不要」
【Balwisyall Nescell gungnir tron】
響の体をガングニールが覆う。
「もう迷わない。キャロルちゃんと戦うのは嫌だけど、わたしが戦わないと大切な陽だまりが守れないんだ」
「お前1人で戦うわけじゃねぇんだ。もっと肩の力を抜けよ」
響の肩に手を置きながら言うクリス。調も切歌もすでにギアを纏っていて、戦闘準備は完了だ。
四方に飛んで別れる装者たち。キャロルの正面からクリスが銃を飛ばし、後方からは調が丸鋸を飛ばす。
「この程度の歌でオレを満たせるなどと!」
ダウルダブラの弦がキャロルの周りに展開し、攻撃を防ぐ。左右から突撃しようとしていた響と切歌も巻き込んで。
お返しとばかりに調へと四大元素(アリストテレス)の攻撃、エネルギーの塊を飛ばす。
「あれはネフシュタンの鎧さえ貫いたデスよ。危ないデス。調!」
弦に絡み取られ動けない切歌が叫ぶ。
【γ式・卍火車】
巨大な2枚の回転鋸を目の前に放ち、盾の代わりにする。が、キャロルの攻撃は簡単にこれを壊し、調を弾き飛ばす。
「調ちゃん!」
「他人の心配をする暇があると思うてくれるな」
弦が更に食い込み、響と切歌のギアを損傷させる。
「だったらあたしが!」
「臍下あたりがむず痒い」
いつのまにかクリスの背後にいたキャロルは、エネルギーの塊をクリスにぶつける。
「この程度か。シンフォギア」
落下していく4人を見つめながらキャロルは呟く。
「ならば一気に終わらせてくれる!」
キャロルはボルトガンダムを呼び出し、乗り込む。
「簡単に勝てるなんて思っちゃいなかったが、ここまであしらわれるのかよ」
「やろう。クリスちゃん」
辛うじて立ち上がる4人は顔を見合わせて頷く。
「出ろ! ガンダーム!!」
クリスがマックスターガンダムに。調がガンダムローズに。切歌がドラゴンガンダムにそれぞれ乗り込む。
「うおぉ!」
そして響はシャイニングガンダムの呼び出しに成功していた。
「この拳も、命も、ガンダムだ!」
ここで響は体に走る痛みを感じる。一瞬で治ったので、勘違いかと思ってしまうほどに。
「おい。なんなんだ?」
「ガンダムが鳴いている?」
ボルトガンダムを含むガンダムから共鳴するかのように音が鳴り響く。
「でも力が湧いてくるみたいだ」
「とても心地いいデス」
淡く金色のオーラに包まれるような5体のガンダム。
「これが同じ時代にシャッフル同盟として共闘した証。この力でオレは世界を壊す!」
「行くぞ。ボルト! ハイパーモードだ!!」