投稿不定期!
すいません!!
今回、主人公が少し、過去をあかします。
イアン・セルウェイが禁呪を暴走させ、それをアリア・スカイルーラが鎮圧してから数日が経過した。その際、アリアの見せた実力やリッカ・グリーンウッドの言葉が瞬く間に生徒たちへ伝わり、アリアがカテゴリー5最強の魔法使いだということは、すでに全生徒へ知れることとなった。
その結果、何が起こったか―――――
「アリア様!私と結婚を前提にお付き合いを!」
―――――という、上級生からの連続告白である。
―――――理由を説明しよう。風見鶏本科生は魔法を学び始めてすでに2,3年。それだけの間魔法に触れ尚且つ世界で数人しかいないカテゴリー5のうちの一人が身近にいるのである。魔法使いの世界を誰が取り仕切り、一番強いのは誰か、というのは自然と興味がわいてくるものである。流石に個人名まではリッカがあかしていなかったようだが、ある程度魔法を学んだ者にとっては゛天使゛の名前はある種の憧れだと言っていい。
アリア・スカイルーラの功績については、別の機会に語るとしよう。
つまり、早い話が自分も有名になりたいがためにアリアに告白する者が後をたたなかったのだ。もちろん、そういった気持ちではなく、真摯にアリアを思って告白したものもいた。感情の機微に鋭いアリアはそんな人だけは真面目に――――――振った。
「すいませんが、僕にはまだ答えを出してない女性がいるんです。その人と向き合わないうちは、申し訳ありませんがあなたの気持ちには答えられません。」と。
因みに、それを陰で見て顔を赤く染めた人物が2名。2人は顔を見合わせて上品に笑ったあと、どこかの生徒会室へ姿を消したという。その次の日、ボロボロになった生徒会室で握手を交わす2人に生徒会長のありがた~いおはなしがあったとか、なかったとか。
そして現在、アリアは寮の自室に呼び出した清隆と姫乃を前にどう切り出したらいいか迷っていた。勿論、自分の正体の説明と家族である2人に黙っていたことへの謝罪である。
「で、アリア、どうして姫乃共々呼び出したんだ?」
最初に切り出したのは清隆だ。おそらく、話しづらい空気をさっしてきっかけを作ってくれたのだろう。
「まずは2人とも、ごめん!」
突然のアリアの謝罪にびっくりする2人。
「今まで自分がカテゴリー5だってこと隠してた。家族なんだからはなすべきだったと思ってる。
本当に、ごめん。」
「「え、知ってたけど?」」
「…え?」
「俺はアリアから直接聞いたし。」
「私はお父さんから聞きました。」
「ってことは僕が一人で踊ってただけかぁ。」
「でも、アリア兄さんが家族って言ってくれて私うれしかったです。」
そう言ってにこにこ笑う姫乃の頭を、アリアはクシャリとなでる。
「ありがとう、姫乃ちゃん。清隆も、ありがとう。」
アリアのうれしさを表すかのようにアリアの背中から蒼く優しい光を持つ翼が現れ、清隆と姫乃を包んでいた。
「あ、そうだ、もう一つ言わなきゃならないことがあるんだ。」
アリアが唐突に切り出した。いつの間にか翼もなくなっている。
「2人は魔法協会って知ってる?」
「ああ。魔法使いを取り締まったり、魔法使いのカテゴリーを認定しているところだろ?」
「そうだよ。他にも古い魔法の管理もやってる。」
「その魔法協会がどうかしたんですか?」
「あぁ、実はね、葛城のお父さんのとこで厄介になる前まで僕はそこにいてね、働いてたんだよ。」
「へえ、初耳だな。」
「それで、協会の方が戻ってきてくれないかっていっててね。1週間くらい留守にすることにしたから。もうすぐ生徒会役員の選挙もあるし、そろそろ女王の鐘がなるだろう、ってリッカも言ってたし、正直留守にするのは心配なんだけど、少しの間だけだから。」
「アリア兄さん、何をしに行くかは聞きませんけど、無事に帰ってきてくださいよ?」
「あはは、姫乃ちゃんは心配性だなぁ。大丈夫、すぐに帰ってくるよ。じゃあ、もう僕はいくね?
あぁ、そうだ。清隆、やばいことが起きたらなんでも自分だけで解決しようとしないで、周りを頼ったりしろよ?」
「言われなくても、わかってるって。」
清隆と姫乃は寮の出口までアリアを送って行った。
「じゃあ、いってきます。」
「「いってらっしゃい。」」
地上へと続くエスカレーターの前、金髪の女性が佇んでいた。
彼女の名はリッカ・グリーンウッド。カテゴリー5の魔法使いにして、孤高のカトレアと呼ばれる魔法使いである。
「アリア、協会に行くのね?」
「うん、そうだよ。長いこと管理者の席を空けてしまったからね。」
「もう10年近くなるのかしら?あなたが―――いえ、天使が管理者の席を空けてから。その時は大変だったらしいわよ?」
「まあ、何をしにどこへいくのか、誰にもあかしてなかったからね。まあ僕にもやることがいっぱいあったというわけさ。」
アリアとリッカ、2人をしばらく沈黙が包む。
先に沈黙を破ったのはリッカのほうだった。
「…ねえ、アリア。あなたは前に私に自分の問題が片付くまで待ってほしいって言ってくれたわよね。」
「…うん。」
「その言葉っていつまで有効なのかしら?」
「いつまでも。リッカが待ちきれなくなって見限らないかぎり、ずっと。」
アリアはリッカのほうをまっすぐに向いて断言した。
「そう、なら安心ね。私の気持ちは変わらないから、あとはアリアを待つだけね。」
「…正面から言われると恥ずかしいね。」
「言った私もはずかしいわよぅ…」
2人して頬を朱に染めている。
「と、とにかく!いってらっしゃい、アリア。」
「うん。見送り、ありがとね、リッカ。」
アリアはふわりとリッカに笑いかけ、地上へと昇って行った。
「まったく、あの笑顔はズルいなぁ」
クスリと笑うリッカのつぶやきはアリアを追いかけるかのように、空気に溶けてきえていった。
‹風見鶏での日々› end
普段より文字数少ないかなってことで、一章ラストの
お話でした。
次回からは清隆たちの初任務や、
生徒会選挙と、
アリアのお話が同時進行です。
といっても、話数はすくないですが。
さて、アリアのことについてなんですが、
過去編ってことで3章あたりに書きます。
ので、それまでお待ちいただければ幸いです。
書いてて思ったんですが、アリアからリッカに
対してはっきりしなさすぎですね。
そこらへんは、出会いの物語part2みたいな
感じで早めにやりますね。
では、また次回、早いうちにお会いできる
ことを願って。