ソラに響く天使の唄   作:Snow-G.Y

3 / 10
前回のタイトルが

エピローグになってました…


修正しましたので、すんません。



では、プロローグ最後となります。


どうぞ。


プロローグ Last

 

 

〈Side清隆〉

 

 

ベッドに寝転んで、考え事をしばし。

 

 

あの夢の様な出来事から、すでに3日が

経過している。

 

天上アリア。俺たちが探していた天使

であって、俺たち六人全員のことを

知っているらしい。

 

 

彼が何者であって、俺たちとどういう

関係なのか。

 

そして、さくら、とは誰か。

 

立夏さんはあの日以来、必死になって

調べているが、まだ何も解らないらしい。

 

 

いっそ、あの時のことが、全て夢だった

と言われた方が、よほど信じられる。

 

 

何故なら、住民記録に、

天上アリアという人物は存在しない

からだ。知り合いに頼んで

調べてもらった。

 

 

それでも夢だと言い切れないのは…

 

「この羽のせいなんだよなぁ…

ホントこれ、何で出来てるんだ?」

 

あいつが去り際に俺と姫乃、

るる姉、さら、葵ちゃんを、輝く翼

で包んだあと、手の中に落ちてきた

一枚の羽。

 

青く光り輝くその羽が、あの日が

夢ではないと証明している。

 

 

何はともあれ、さくらという人物

に会うしかない、か…

 

と考え事に更けっているとーーーー

 

 

「タカ君、もう寝ちゃった?」

 

二段あるベッドの二段めに寝ている

るる姉がヒョコっと顔をのぞかせた。

 

 

「いや、起きてるよ、るる姉。

 

…るる姉はさ、この前に会った

天上アリアって人のこと、どう思った?」

 

「わたし?うーん、なんだかよくわから

ないんだけど、絶対にどこかで

会ったことがあるって思う。

 

じゃないと、あの時感じた懐かしさの

説明がつかないもん。

リッカほどじゃないけど、わたしも

少し泣きたくなっちゃったし。」

 

「るる姉も、か。

 

俺もあの時、絶対にこいつとはどこかで

会ってるって思った。

 

すごく懐かしい感じがしたし。

 

 

…はあ、解らないことだらけだな。

 

とにかく、さくらって人が現れるまで、

まつしかないよな…」

 

「そだね。

 

じゃ、そろそろ寝ようか。

 

おやすみ、タカ君。」

 

「あぁ、おやすみ、るる姉。」

 

 

〈Side out〉

 

 

〈Side立夏〉

 

 

ーーダメだ。

 

 

やっぱり思い出せない。

 

 

 

この3日、私はあらゆる手を尽くして

天上アリアのことを

調べようとした。

 

しかし、そもそも存在すらしてなかった。

 

 

何度昔の記憶を振り返ってみても、

 

彼と一緒に過ごしたことは、

 

なにひとつ覚えてなかった。

 

 

でも、彼は存在する。

 

 

彼が別れ際にくれた大きな羽は、

まだここにあるのだから。

 

 

そう思い、自分を奮い立たせようと

するのだが、

 

 

やはり思い出せない。

 

 

 

その度に私は涙を流した。

 

 

彼、アルのことを思い出そうとすれば

するほど、胸の桜の花弁が

熱くなって、

悲しいほど胸がいっぱいになる。

 

 

 

もう一度、会いたい。

 

 

 

会って話がしたい。

 

 

 

あなたは私の何なのか、私は

あなたの何なのか。

 

知りたい。

 

だから、はやく、会いにいかないと。

 

 

〈Side out〉

 

 

 

〈Side 清隆〉

 

 

最近、立夏さんの元気がない。

 

 

どこか、無理して笑ってるような気がする。

 

きっと、あの日以来、何の進展もないの

が原因なんだろうかーー

 

 

などと考え事をしながら学園の

廊下を歩いていた時、

 

俺は後ろからやってきた誰かに

 

拉致られた。

 

 

 

 

 

 

「ーーで、何のようですか、

杉並先輩?」

 

「ハッ!何のようですか、だと⁉

同志芳乃よ!!

貴様はもうわかっているはずだ!!」

 

「いや、わからないから聞いて

るんですよ…」

 

 

この人は杉並先輩。

公式新聞部のライバルと言える

非公式新聞部の部長をやっていて、

イベントでことあるごとに騒ぎを起こし

ている、悪い意味での有名人だ。

 

で、そんな人から同志と言われている

俺だが…

 

 

貴様とは同じ匂いがする。

オレのパートナーになれ、同志芳乃よ!!

オレは貴様が欲しいのだッッ!!!

 

 

ーーと宣言されてしまい、今に至る。

 

 

えぇ、初対面で言われた時はどう

しようかこまりましたよ。

 

本気でそっちの人かと思ったりもしたが。

 

 

 

「フンッ!隠しても無駄だ。

貴様ら公式新聞部は最近、

枯れない桜と天使の伝説を

調べていただろう。

 

そして最近、森園嬢に元気がないように

思うのだが、

それが関係しているのだろう?」

 

「…杉並先輩、どこまで知ってるん

ですか?」

「フハッ!我々非公式新聞部の

情報網を舐めないことだ!

 

が、全て知っているとは言わん。

 

それでも、同志芳乃よ、

貴様に餞別をくれてやることくらい

できるさ。」

 

 

そう言って杉並先輩が俺に手渡したのは、

 

 

「天枷探偵事務所、ですか?」

 

 

地図と番号が書かれた一枚の紙だった。

 

 

「そうだ。ここで、杉並からの紹介で

来たといえば、必ず力になってくれる。

そこの所長とは、長い付き合いでな。」

 

「どうして、それを俺に?」

 

「なに、いずれは同志として迎える

者に餞別を、と思ってな。

 

ではまたな、同志芳乃よ。」

 

 

そう言って杉並先輩は、颯爽と

去っていった。

 

 

ーーとりあえず、ここに言ってみると

するか。

 

 

 

 

 

 

翌日の休日を利用して、俺は

天枷探偵事務所へと足を運んでいた。

 

 

 

「ごめんくださーい」

 

ドアを開けて入ると、

 

「ん?よく来たな、私が天枷探偵事務所

の所長を務めている、天枷深夏だ!」

 

どう見たって中学生くらいの可愛らしい

女の子が堂々とそんなことを言っていた。

 

「失礼な、深夏の外見が子供なのは、

深夏がロボットだからだぞ⁉」

 

「えぇー…こんな人間みたいな

ロボットいるわけないでしょ…」

 

「なにィ⁉ならば見せてやる、くらえ、

ロケットパn「ついてないですよ、所長」

何故つけん⁉」

 

「付けたらいろいろと大変だからな。」

 

 

事務所の奥からさらに2人の

女性がでてきた。

 

 

「えっと、あなた方は…?」

 

 

 

「ゆずは、小日向ゆずっていうんだ。」

 

金髪ショートカットのハツラツとした

人が言った。

 

 

 

「私は、小鳥遊夕陽です。小鳥が

遊ぶって書いて小鳥遊に、夕陽で、

小鳥遊夕陽です!!」

 

 

「えっと、芳乃清隆です。

あの、本当に

 

天枷さんはロボットなんですか?」

 

 

「ええ、本当ですよ?

 

と言っても、所長はかなり特別な

ロボットなんですけどね。」

 

「ゆずたちがここで助手をやってるのは、

所長の世話もかねてるからな。」

 

 

「そうだ、深夏は特別なんだ!

選ばれしロボッt「はいはい、わかり

ましたから、早く中にはいりましょうよ。

お客さん、待ってますよ?」…

 

あぁ、すまない、芳乃クン。

 

では、奥へどうぞ。」

 

 

 

〈Side out〉

 

 

〈Side三人称〉

 

 

「それで、今日はどういった依頼で

きたのだ?」

 

「えっと、杉並先輩からの紹介で

きたんですけど…」

 

「ほほぅ、杉並から。となると、依頼

はそっちの方面ということか。では、

詳しく話してもらおう。」

 

 

清隆は、4月30日に枯れない桜が

咲いたときに自分達がその場にいたこと、

公式新聞部のメンバー全員に同じ内容の

メールが届いたこと、

そして、天上アリアという人物と

出会ったこと、その時に渡された羽、

芳乃さくらという人物に会えと言われた

ことなど、全てを話した。

 

 

「…どう、ですか?何かわかること

はありませんか?」

 

「んー…天使の伝説の件については、

残念ながら力になってやれない。

ただ、芳乃さくらという人物なら、

知っているよ。

 

というか、深夏が風見学園に通っていた

時の学園長だったぞ?

 

もう20年くらい前になるが、突然居なく

なったとおもえば、ふらっと帰ってきたり

するような人だったからなぁ。

 

帰ってきていてもおかしくはないな。

 

見かけたら、是非優しくしてあげると

いい、芳乃クン。」

 

「はあ、わかりました。

 

枯れない桜の件については、なにか

わかるんですか?」

 

 

「それについてだが、

 

芳乃クン、君は多世界解釈という言葉を

知っているか?」

 

深夏の問いかけに清隆は首を横にふる。

 

「多世界解釈とは、簡単に言ってしまえば、

この世界は最初からあらゆる可能性を

内包し、その可能性が重なり合って

存在しているという考え方だ。」

 

「はあ、つまり、どういうことですか?」

 

 

「つまり、だ。

 

君たち新聞部に届いたそのメールは、

君たちとは別の世界の君たちが、

枯れない桜を通して送ってきたのでは

ないかということだ。

 

まぁ、あくまで仮説に過ぎないがな。」

 

 

深夏の言葉を聞いた清隆はーーーー

 

 

ーーーー立夏さん、ただのイタイ先輩

じゃなかったのか…

 

 

などと考え事をしていたりするのだが。

 

 

「今、深夏からあらゆる話せることは

これくらいだな。

 

こっちでもいろいろと調べておくから、

またなにかあったら、連絡してくると

いい。」

 

「いつでも遊びに来いよ?

ゆずたちは、基本暇してるからな。」

 

「次来る時は、差し入れお願いしますね。」

 

 

天枷探偵事務所の面々に見送られて、

清隆は事務所を後にした。

 

 

 

 

そして、数日後、新聞部部室ーーーー

 

 

「ーー以上が、俺からの報告になります。

天使の件については

わかりませんでしたが、枯れない桜と

メールの件については、立夏さんが

正しい可能性が出てきました。」

「ちょっと清隆?」

「「「「…な、なんだって!!」」」」

 

「みんなも!どういう意味よ、全く。」

 

「だってリッカだもん、ねぇ?」

 

「「「「はい、立夏さん(森園センパイ)

ですから。」」」」

 

「グッ…はぁ、もういいわよ。」

 

「立夏さん、やっと調子戻ってきたみた

いですね。」

 

「えぇ、いつまでもくよくよしてたら

もったいないしね。

 

こんなにも私たちの周りで不思議なこと

が起こっているんだから、

 

これはもう、魔法以外にないじゃない!

 

この機会に調べないでどうするのよ⁉

 

私はカテゴリー5の魔法使い、

 

孤高のカトレア、

 

リッカ・グリーンウッドなのよ⁉」

 

「っていう設定なんですよね?」

「おいこら陽ノ下一年生?少し向こうで

おはなし(物理)しようか?」

 

「リッカさんリッカさん字がおかしいです

ごめんなさい許してください。」

 

速攻で葵が立夏にあやまる。

 

部室を、和やかな笑い声が包んだ。

 

 

〈Side out〉

 

 

〈Side 清隆〉

 

立夏さんも復活し、部室でみんなで

お茶を飲みながら

ゆっくりとした時間を過ごしていた

とき、

 

 

あの時とおなじように、

 

みんなの携帯にメールの着信をしらせる

電子音が、

 

全く同時に鳴った。

 

 

 

ーーーー桜のところで、

待ってるから。

 

 

俺たち六人に届いたメールは、やはり、

というか、全く同じ内容だった。

 

「立夏さん、これは…」

 

「どうやら、招待状、みたいね。

 

ーーみんな、真実を知る覚悟はでき

てるかしら?

 

多分、さくらが、待ってるはずよ。」

 

「「「「「もちろんです!」」」」

さあ、行きましょう、立夏さん。」

 

俺たちは、部室を飛び出し、枯れない桜

の木へと急いだ。

 

 

 

 

 

そして、俺たちを待っていたのはーー

 

 

 

フワリとした金髪。

 

優しげな瞳。

 

 

柔らかな微笑をたたえ、

 

 

その女性は枯れない桜と一緒にそこに

立っていた。

 

 

 

「あなたは、さくらさん、ですね?」

 

俺が尋ねると金髪の女性、さくらさん

は嬉しそうに微笑み、

 

「そうだよ、清隆。

 

ボクはさくら。芳乃さくら。」

 

 

「あなたがさくらなのね?

 

私たち、あなたに大切なものを預けてる

らしいんだけど。」

 

立夏さんが問いかける。

 

「うん、預かってるよ。

 

リッカ、

 

清隆、

 

姫乃、

 

シャルル、

 

サラ、

 

葵。

 

みんなの大切なものを。

 

ーーってあれ?

 

アリアはいないの?」

 

さくらが不思議そうに首をかしげる。

 

「私たち、そのアリアにこの間会ってね。

 

アリアからあなた、さくらのことを

きかされたのよ。」

 

「あっ、そうだったのか〜。

 

にゃはは、じゃあ私はちょっと遅れ

ちゃったみたいだね。

 

う〜ん…

 

あ、そうだ、アリアから

何か預かってない?」

 

さくらにそう言われて俺、姫乃、

るる姉、さら、葵ちゃんが青く輝く

羽を差し出す。

 

さくらがその羽をひとつに重ね合わせた

と思った、次の瞬間ーーーー

 

 

目を覆うほどの青い光が閃き、

 

目を開けたときには、

 

 

 

つい先日会ったはずなのに、

 

その姿をみると泣きたくなるほど

 

懐かしさがこみ上げるーーーー

 

 

 

天上アリアが、優しげな微笑みを浮かべて

俺たちの目の前に立っていた。

 

 

〈Side out〉

 

 

〈Side 三人称〉

 

 

天上アリアは、その澄んだ瞳で全員を

見渡したあと、

 

 

「やぁ、久しぶりだね。みんな。

 

それと、さくら。」

 

「にゃはは、本当に久しぶりだね、アリア」

 

「全く、僕はもう何日も前に来てたっていう

のに、君はのんびりだなぁ。

 

 

…それで、リッカたちは、もうさくらに

返してもらったのかい?」

 

 

「いえ、まだよ。アリア…いえ、アル。

 

私たちはまだ、あなたたち2人が本当に誰か

わかっていないわ。

 

でも、アル、私はあなたと

一緒にすごしていた。

 

あなたのことを考えると、

体の奥のほうから、暖かくなるの。

 

ねぇ、おしえて、アル。

 

あなたは誰なの?」

 

 

「ッッ‼…あはは、やっぱりリッカだ。

 

その真っ直ぐで澄んだ瞳。

 

変わってなくてよかったよ。

 

 

ーーーー僕はね、リッカ。

 

君に会いにきたんだよ。

 

ずっと君を待ってた。

 

 

天使の伝説のひとつに、誰かを待って

いる、ってあるでしょ?

 

僕が待ってた人は、君だよ、リッカ。

 

約束を果たしにきたんだ。

 

 

 

っと、その前に、君たちはさくらに

大切な物、記憶を返してもらわないとね。」

 

六人全員が息をのむ。

 

 

「にゃはは、わかったよ。

 

 

リッカに清隆、姫乃、サラ、

シャルル、葵、

 

それからアリアとボクはね、

 

ずうっと前に、会っているんだよ。」

 

 

「「「「「「ッッ‼」」」」」」

 

六人は、再び息をのむ。

 

 

「記憶を返すなんていったけど、

そんな大それたことをするわけではないよ。

だから安心して?

 

 

ーーーー少し長くなっちゃうけど、

 

ボクたちの、昔話をしようか。

 

アリアも手伝ってね?」

 

「うん、もちろん!」

 

 

「それでは、聴いていただきましょうか。

 

一本の桜の木と、ひとつの約束。

 

「誰かを大切に想う気持ちが、時を

 

超えた記憶」、何十年、「何百年経っても」

 

変わらない想いがある。

 

「そう、まるでダカーポの様に繰り返す」

 

夢のような、ゆめのはなし。

 

そんな、「「始まりの物語を」」

 

 

〈Side out〉

 

Prologue End

 

 





はい、ようやく前置きが終わりました。


次からは、風見鶏

に移っていきます。


ようやく登場し始めた主人公、
天上アリア君に、暖かい声援と
ご支援のほどを。


だいぶオリジナル展開が続く
おもいますが、
よければ応援してください。


感想も待ってます。


では、またの機会に。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。