サラをメインにしたつもり
のお話です。
前回長かったぶん、
こんかいは少し短いかもです。
〈Side 三人称〉
「ーーーっていうことがあって、
その時から私は、アリアのことを…って、
清隆?大丈夫?」
リッカが語り終えると、清隆の思考が
停止したようだった。
「…アリア?」
「…何かな、我が弟よ。」
「いろいろ言いたいことはあるんだが…
何やってんの⁉少し怒ったからって、
村ごと全て消す、文字通り存在そのもの
まで消すって、あんた何やってだ⁉」
「あはは、すまんすまん。あの頃の
僕は今みたく落ちついてなくてね。」
「笑いごとか⁉」
「いや、あの時僕が消し去った人の顔は
時間が経った今でも鮮明に覚えてるよ。
これは、僕が墓場まで持っていくから。」
悲しみを限界まで押し殺した笑みを
浮かべるアリアに、清隆は何も言えなく
なる。
すると、清隆の頭の上に手が置かれ、
「お前は考えすぎるなよ?
大丈夫、心配しなくても、僕は受け入れ
てるんだ。
それには、清隆や姫乃のおかげもあるんだ
よ?
家族になってくれて、嬉しかった。」
「兄ちゃん…」
暫くそうしていると、
「はいはい、兄弟なかがいいのは
わかったわ。
それで、アリア、どうして戻ってきた
の?
私に告白される気になった?」
「リッカ…君はまだその気持ちが
薄れてなかったんだね…」
「あたりまえでしょ‼
命を救われて、親友のために世界
すら変えてくれた。
ーーー清隆、そこまでされて惚れない
女の子がいると思う?」
「いないですね。」
即答だった。
「なあ、アリア。」
「何かな清隆。」
「何でリッカさんの告白、受けないんだ?
気持ちは、もう解ってるんだろ?」
「さすが清隆!よく解ってるじゃない。」
「いや、まあそれは…
って、何で本人の前で言わなきゃ
ならないんだよ⁉
確かにリッカは魅力的だよ?
可愛いし、スタイルいいし、
努力家だし。
でも、僕には僕の理由がある‼
だいたい、そんな自分の都合でリッカを
縛っとくことなんてできるわけが…
……ハッ⁉」Σ(゚д゚lll)
思いもよらぬところで脈アリと宣言され、
リッカは顔を真っ赤にしてうつむく。
「…なあ、清隆。」
「…何かな、アリア。」
「僕、どうすればいいのかな?」
「とりあえず、リッカさんの意識を
現実に戻せばいいと思う。」
「それもそうか。
おーい、リッカー、戻ってこーい。」
アリアのデコピンを受けて、リッカは
意識を戻したが、まだ顔は赤いままだ。
「あのね、アリア。
私、待ってるわ。あなたの理由が片付く
まで。
でも、その前に、私があなたのこと
おとしにいくから。
…覚悟しといてね?」
「…わかった。覚悟しとく。」
そんな言葉をのこし、清隆、アリアは
生徒会室を後にするのだった。
〈Side out〉
〈Sideアリア〉
リッカの気持が変わってないことは、
正直予想外だった。
嬉しくもあり、悲しくもある。
まだ、僕はリッカの気持に
答えられない。
まだ、僕自身のことにケリがついていない。
それを片付けたら、真っ先に返事しに
いこう…
「おーい、アリアー?」
「ん?清隆どうした?」
「いや、返事しないけど、大丈夫か
なって。」
「ああ、大丈夫。
それよりも、まだ時間はあるし、
ちょっと図書館島までいってみない?」
「ああ、そうだな。」
僕は清隆を連れて、調べ物
に出かけることにした。
…まではよかった。
それで、僕達は今、船着場に来てる
わけなんだが…
「船がないね。」
「そうだな。」
「どうしよっか。」
「どうしようかな。」
「…いっそのこと、僕が清隆を
お姫様抱っこで運ぶか…」
「嫌だぞ⁉するならまだしも、
男にお姫様抱っこされるとか、
絶対に嫌だからな⁉」
僕たちがくだらない争いを続けていると、
「…どうしたんですか?
少しうるさいんですけど。」
後ろのほうから声がかかった。
「ああ、ごめんね。
僕たちどうやって図書館まで行こうか
悩んでてさ。
君はたしか、同じクラスの…」
「ワタシは、サラ•クリサリスです。
全く、クラスメイトの名前くらい
覚えてください。
アリア•スカイルーラに、葛城清隆。」
「一度では俺は覚えられないな。
あ、それと俺のことは清隆でいいぞ。
葛城は2人いるからな。」
「僕のことも、アリアでいいよ?
えっと、それで、サラちゃんは…」
「ちゃん付けしないでください‼」
「努力する。
それで、サラちゃん、図書館までの
行き方しってたりする?」
「……もう、それでいいです。
と、言うより知らないんですか?」
サラちゃんが、信じられない物を見る
ように僕たちを見てくる。
「…ごめんな、サラ。俺たち、ここに
きたばかりでさ。
よかったら、教えてもらいたいんだけど、
いいかな?」
「しかたありませんね。
あのですね、入学式でもらった、
ブローチ、持ってますか?
そのブローチを、水面に投げると、
一人乗りのボートになります。
それを操ったら、島までいけますよ。」
「そ、そうなのか⁉
知らなかったぜ…」
「同じく…
あ、ありがとうね、サラちゃん。
困ったことがあったら、また
相談するよ。」
「頼む、また助けてくれたら
嬉しい。
ありがとうな、サラ。」
「いっ、いえ、そんな褒められると
照れますね。」
そう言って、サラちゃんは微笑んだ。
「サラは、そうして笑ってた方が
全然可愛いぞ。」
「ふぇっ⁉
へ、変なこと言わないでください‼
それじゃ、ワタシようがあるので、
これで失礼します‼」
…が、清隆のセリフに一気に顔を
赤くして、去っていった。
「なあ、清隆。
僕、恋愛のことに関してお前に
だけは言われたくないって思うんだ。」
「な、いきなりどうしたんだよ?」
「…はあ、この鈍さが今後どうなって
いくのか…サラちゃんに期待しておこう。」
「よくわからんが、とにかく
さっきのサラの笑顔はよかったと思う。」
「こういうとこは素直なんだけどな…
まあ、いいか。
それじゃ、清隆、行こうか。」
その後、無事図書館まで辿り
つけたものの、僕や清隆、予科一年は、
閲覧の権限がないものばかりで、
調べたかったことについては
何も情報を得られなかった。
これでは、リズに閲覧権限を上げて
くれるように頼んだ方がいいのかも
しれない。
盛大なため息をつき、僕たちは寮に
むかっている。
「結局何もわからずじまいか…」
「ま、焦ってもしょうがないよ。
じっくりいこうよ、清隆。」
「ま、そうだなあ…」
そんなことを考えながら、寮に
入っていった。
…修羅が待ち構えているともしらずに。
「で、何か言い訳はありますか、
兄さん達?」
「「すいませんでした、姫乃様、
許してくださいこの通りです‼」
ジャパニーズDOGEZAを決めつつ、
姫乃ちゃんに謝罪する。
僕たちは、姫乃ちゃんのことをすっかり
忘れていた。
よく考えれば、昼にリッカに
連れ出されてから、そのまま
図書館にいったから、
姫乃ちゃんには全く連絡していない。
怒って当然である。
「全く、連絡くらいしてください‼
心配したんですよ⁉」
「ごめんね、姫乃ちゃん。悪気は
なかったんだ。」
「はあ…もういいです。
それで、どこにいってたんですか?」
「あぁ、リッカさんの仕事を手伝った
後に、アリアと図書館までいってたんだ。」
「そうだったんですか…
あ、兄さん達、そろそろ夕食ですから、
着替えてきたらどうですか?」
「おう、そうするな。」
着替えて、清隆達と一緒に、
夕食に向かっていると、
「あ、アリア、あそこに居るのって
サラじゃないか?」
「あ、ほんとだ。清隆、声かけてみたら?」
「ああ。
おーい、サラ〜」
するとサラちゃんは、ビクッと
肩を竦ませ、清隆の方を向いた瞬間、
顔を少し朱く染めた。
「清隆に、アリア。
どうしたんですか?」
「いや、サラはもう夕食はすませた?」
「いえ、まだこれからです。」
「だったら、俺たちと一緒に食わないか?
妹にも、紹介したいし、友達に
なって欲しいんだ。」
「そういうことなら、仕方ない
ですね。
ご一緒させてもらいます。」
「おう‼」
サラちゃんが、夕食のメンバーに加わる
ようだ。
そして、僕たちは清隆に姫乃ちゃん、
サラちゃんに、食堂で会った耕介君と、
四季ちゃんを加えた6人で夕食を
食べている。
夕食は、洋食で、なかなかに美味しい。
「うん、うまいな。
姫乃、ちゃんと好き嫌いせずに
食べるんだぞ?」
「…兄さん、私はもう子どもじゃないん
ですから、それくらい言われなく
てもきちんとできます。
全く、兄さんズはいつまでたっても
過保護なんですから…」
「あれ?僕も巻き込まれた?」
「清隆やアリア達って、なかいいよな〜
オレは兄弟とかいないからわかんない
な〜」
「マスターは兄弟がいたら、1番
下っ端になりそうです。」
…今日も四季ちゃんの毒舌は健在
なようだ。
いや、あれはあれできちんと互いを
思いやってる感じがするから
いいのか?
そんな中、僕はサラちゃんに声をかける。
「サラちゃん、どうしたの?
さっきからあまり話に入ってこない
けど?何かあった?」
「いえ、そういうわけではないんです
けど…
何と言うか、同年代の人とこうして
話すことが初めてなので…」
「どうしたらいいかわからない、
ってとこかな?」
「はい…」
「ふむ…
よし、清隆?ちょっと耳かして?」
そう言って僕は清隆に耳打ちする。
「………よし、わかった。
サラ、そこを動くなよ?」
そう言って清隆がサラちゃんの顔に手を
近づけていく。
サラちゃんが思わず目を瞑った瞬間、
ーーーパチッ
「あうっ」
清隆がデコピンを放った。
「な、何するんですか清隆⁉」
「あぁ、これは魔法だよ。羞恥心が
なくなって、周りと話せるようになる魔法。
これでサラはあと3分だけ、別人の
ように社交的になれる。」
「そんな魔法があるんですか⁉
あの、清隆、それ教えてくれませんか?」
「おう、いいぞ?しっかりメモとれよ?」
「あ、少し待ってください」
そう言ってサラちゃんは、メモを取り出す。
「はい、お願いします‼」
「わかった。
まず最初に、満月の晩に、素っ裸で
自分の部屋を奇声を上げながら一周する。」
「ず、ずいぶんと個性的な魔法なんです
ね…」
「あぁ、俺の家に伝わる魔法の一つ
だからな…」
「い、いいんですか⁉そんな貴重な
ものを⁉」
「頑張るサラのためだと思えば、
何ともないさ。
それで、次の手順なんだが…
俺がさっきやったみたいに、デコピンの
形を両手で作って、それを月に向かって、
『月に変わってお仕置きだ‼』と
言いながら思いっきり突き出す。
すると、さっき部屋を一周したこと
と重なって条件が揃い、
その両手に月の精霊を宿らせることが
できるわけだ。」
サラちゃんは、ふむふむ、と頷きながら
必死にメモっている。
…これ、そろそろ止めた方がいいかな?
清隆には、サラちゃんを乗せて、
みんなと話すきっかけを作ってやれ、
とは言ったが…
悪ノリがすぎるだろ…
サラちゃん、信じてるぞ、これ…
そんな中、姫乃ちゃんが小声で話し
かけてくる。
「あの、アリア兄さん、私たちの家に
あんな魔法、ありましたっけ?
兄さんが新しく作ったのかな?」
…姫乃ちゃんまで信じている、だと⁉
これは…
うん、もう僕知らない。
「〜して、最後に両手を打ち合わせたら、
この魔法の完成だ。」
「ずいぶんと手順がかかる魔法なんです
ね…」
「あぁ、これは儀式魔法の類に
入るからな…」
「そうなんですか…とにかく、
ありがとうございます、清隆‼
4日後が満月ですから、早速やって
みますね‼」
「あぁ、そうするといい。」
「…それで、サラちゃん、清隆の
かけた魔法はよく効いたようだね。
あんなに楽しく笑って会話ができて
たんだからね。」
「あ、ホントです‼
やっぱりこの魔法、効果があるんですね⁉
清隆、本当にありがとうございました‼」
サラちゃんが清隆に礼を言うために
頭を下げたらテーブルに激突した。
サラちゃん一人が涙目のなか、
僕達の周りは華やかな
笑い声で彩られた。
サラちゃんは、これから僕や清隆、
姫乃ちゃん達と話していけるだろう。
さっきのでだいぶ打ち解けたしね。
…これは、妹がもう一人できる可能性
もありそうかな。
僕は、サラちゃんが涙目になっても
清隆と笑っているのを見て、
そう思った。
……サラちゃん、さっきの清隆の
魔法(笑)を真面目にやろうと
したりは…
しない、よね?
〈Side out〉
サラをメインにしたつもり
のお話でした。
最後のは、振り、じゃない
ですよ?
…多分。
ではまた、次の機会に。