呪術廻戦外伝 〜共に在りし呪い〜   作:鮫縞 三季壱

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unknown:「四輪駆動車のタイヤを別々にしても、車は進むのかな?」


1話 醜悪孤独・壱

2018年 夏

 

呪術高専 京都校にて

 

 

 

 

 

 

はっ!

 

おらっ!

 

ふっ!

 

 

 

 

 

「だぁぁぁぁぁ!

「あっちぃ!」

「なんでこんなに暑いんだよ!」

「むぅ、うるさいのぅ」

「お前は呪いだから分からないだろうけど!こんな日に試練場にこもってたら、死んじまうぞ!」

「む?そもそもここで鍛錬をしたいと言ったのは名無し、貴様では…?」

「うるせぇ!こんな暑いと思ってなかったんだよ!」

「阿呆だのぅ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

______________________

 

 

 

 

 

1

俺と出入口は平の野郎の一件が終わり、広い京都を歩いていた。金なら少しばかり貯めた分があったし、知り合いもいた。このまま隠居生活で一生を終えようと思っていた。

 

 

でも。

 

 

手当たり次第に知り合いを訪ねていったけれど、俺の名前、彼らとの繋がりは、出入口との"縛り"によって、全て消え去っていた。

 

仕方なく、駅前の安いホテルを見つけて、そこに泊まり続けた。

 

1番安い部屋。

 

ホテル員達は俺を見ると、複雑な顔をしていた。

 

ずっといる客を彼らはよく思っていなかっただろうし、ましてや成人でもない、仕事をしているようにも見えないガキ一人にどこから金が出ているのか。なんて事を思っていたのかもしれない。

 

金が尽きた。

 

1番安いホテル。1番安い部屋。

 

それでも金は有限だった。

 

「出入口。どうしようか?」

「む?知らん。人間のルールは複雑で嫌になる。

「人間はよく素直になれと言うが、そう言っている人間共が素直であったことは一切ない。言葉の全てには裏がある。それが我々呪い。呪霊だ」

「ルール。なぁ…

「待て待て!そんな難しい話の前に、宿をどうするかだよ。ホテル用に分けた金はもう無い。メシ代を削るか?」

「ぬ。食費は存分に使え。私達、呪いは呪力そのもの。今や一心同体の貴様が死ねば、呪力が尽きて、私も死ぬことになる。貴様は、生きねばならん。私のバッテリーのようなものだな」

「最後の一言が余計だな…

「とりあえず、分かった。それなら当分の間野宿だな。京都は山が多いし、木の実くらいならあるだろ」

「飯は食えと言ったが?」

「買い込んどけばいいだろ。」

「冷蔵庫など無いぞ?」

「川の水くらいならあるだろ。そこで冷やしとこう」

「ぬぅ…」

「とりあえず行こう。チェックアウト時間があと10分だ」

 

 

 

 

受付でチェックアウトを終え、今時レアな押し引き戸を出る。

「やっぱ京都の山はタヌキ出るかな?」

「む?捕らえて食うのか?」

「そういう意味じゃねえけど…

「…まぁいいや。俺はな、近年のハリネズミブームに苦言を呈したい!ハリネズミってのは…(以下略)」

「急に話し始めるな…。まぁよい。

「名無し。蝿のように大きな声で喋るのは結構だが。感じぬか?いるぞ。」

「いる。って何が?タヌキ?」

「はぁ…

「貴様の阿呆さには笑いそうになる。

「術師だ。阿呆」

 

 

目の前にいる人だかりをよく見る。みんなスーツを着て、電話を持って、忙しなく歩いている。さすが駅前。人が多い。

 

「名無し。見えたか?」

「へ?」

「術師だよ。あの異様な者がいるだろう?」

「うーん?どれ?」

「ぬぅ。貴様、まだ呪力の概念を理解出来ておらんか。

「私と一体化したことで、傍目から見れば術師としてはそれなりになっただろうが、貴様自身はまだ餓鬼だものなぁ…」

 

「うーん。わからん」

目をしかめて、駅を出入りする人を見る。あっち行ったり、そっち行ったり。止まり続けている人はいない。

いや、いた。

 

「アイツか!」

 

「ぬ?やっとか。遅いのぅ。あやつから漂う呪力が見えるな」

「呪力?むむむぅ」

 

もう一度、止まっている人間を見る。

なんとなく、体からモヤのようなものが見える。

 

「あれが呪力か」

「そうだ。

「ちなみにあやつ、貴様を殺しに来ているぞ。術師がステゴロとな。なにか術式があるのぅ」

 

向かってきた男は、拳にメリケンサックをつけていた。

 

 

「術式関係なくねぇか!?」

 

 

 

 

2

「術式関係ねぇじゃん!ただのケンカ道具じゃねぇか!」

「ふぅむ。最近の呪具にはあんなものがあるのか」

 

出入口は面白そうに男の拳を見ていた。

 

「オラァ!死ね!!」

 

男の拳が俺の身体をぶん殴った。

「いっでぇ!」

流石にメリケンサックで殴られて、無事なやつはいないと思う。

 

頑張って身をひるがえしたけど、肩を殴られた。めっちゃ痛い。

 

アイツさっきまで、やっと見えるかぐらいの所にいたのに、一瞬でここまで?

 

「お前かよ。平様の計画を壊したってやつはよォ!平様に楯突くやつは殺すゥ!」

 

おいおい待て待て。平?あいつは逃げたんじゃ?自ら来ずに術師だけよこすとは…。

てか怖いよコイツ。

 

「死ね死ね死ねェ!」

 

男は拳を駅の壁にぶつけ続けている。

「もっかいいっとくかァ?」

 

やばい!!もう1発くるか?!

 

「オラッ!」

 

男の2発目の拳は、空振りだった。

そのおかげで、男の顔、拳の威力をよく見れた。

 

 

 

少し離れて、出入口と話す。

 

「出入口。アイツの強みは速さだ!拳自体にそんな威力は無い。あのダメージは急加速によるものなんだ…!」

「ふん。いま気づいたか。遅いのぅ。」

「んだと!術師と会うのこれで2回目だぞ!1回目はほぼノーカンだし」

「相手を見ていろ。また来るぞ」

 

また男が構えた。

「ドラァ!」

 

3発目もかわせた。

 

「テメェ!さっきからちょこまか避けやがってェ!」

男は叫んだ。

 

「こうなりゃ言ってやるよ!俺の術式をなァ!

「俺の術式は二兎追一兎不得(さみしがり)

「発動条件は、対象が1人、そして俺に背を向けていないこと。効果は対象との距離を一瞬で詰める!ただし1回使う事に1分のインターバルが必要になる!」

 

男が急に喋りだした。

 

「な、なんでそんな、自分の技をバラすんだ…?」

 

「む。名無し。これは術式の開示と言う。自らの手の内を晒す事だ。呪力は負のエネルギー。デメリットで強化する」

 

「オラァ!!」

男の拳が来た。さっきよりも数段速い!

 

「がっ…!」

腹にくらった。さっきよりも重い!

 

「むぅ。少し危なくないか?しかしな…」

「出入口!やべぇぞコイツ…」

「む。名無し。貴様の術式発動条件は、もう整っているではないか!」

「俺の術式?」

「あぁ。貴様の術式だ。イメージしろ。呪力はイメージだ」

「イメージって…」

 

「私たちにはあやつの動きを捉えられない。こちらの攻撃は当たらんだろうなぁ」

 

「でもアイツは俺達に殴りかかってくる」

 

「おい。発想の転換だ阿呆。

「相手が向かってくる。こちらに攻撃してくれるのだ!

「こちらの攻撃が当たらないのならば、待ち構えろ。自身を盾とし、固めろ」

 

待つ。固める。

 

盾。

 

「出入口。そういやぁ、ハリネズミって何科か知ってる?」

 

「む?急にどうした?」

 

「ハリネズミってさ、ハリ+ネズミだから、ネズミ科だと思うだろ?違ぇんだ。ハリネズミはハリネズミ科なんだよ!似てるようで全く違ぇんだよ!」

 

「はぁ…

「名無し。パニックでおかしくなったか?」

 

「大丈夫だよ!閃いたんだ!

「盾って平面で守るだろ?平面にして威力を分散する。でもさ、攻撃力はねぇよな。」

「む。だからなんだと言うのだ?」

「だからさ、ハリネズミだよ!

「針!棘!身を守るために自分を針とする!」

「ほう。イメージできたか

「ならば私から教えてやろう。貴様の術式は、貴様の残穢を残した地点で、イメージしたものを作り出す。

「私が名を付けよう。貴様の術式の名は、得双牟双(うぞうむぞう)である!」

 

「うぞうむぞう…。そのまんまじゃねぇか!」

 

「うるさいのぅ。

 

「早くあやつを殺れ。お前が死んでは困る」

 

 

 

「っし!いくか」

なんとなく、殺る気になった。

 

男が叫んでいる。

「テメェ!なにブツブツ言ってやがんだ!ぶっ殺すっつったらぶっ殺すゥ!

「もういいや!決めてやるよ!グチャグチャにぶん殴ってやる!」

 

男の呪力が拳に集まっていった。

二兎追一兎不得(さみしがり)』!!

 

男が目に見えないくらいのスピードで動いた!辛うじて、捉えることはできるが、こちらの攻撃は届かないだろう。

 

俺は呟く。

得双牟双(うぞうむぞう)

 

イメージは『針』、発動地点は…

 

「ギャァァァ!」

男が苦い声をあげた。

 

手を開いているのに、男の手からはメリケンサックは落ちない。メリケンサックは形を変え、男の手のひら、腕にまで刺さっている。

 

得双牟双(うぞうむぞう)

発動地点は男のメリケンサック。2度殴られた際に、あれには俺の残穢が残っていた。

 

男は未だ、俺に殴りかかろうとする。

 

「醜いのぅ。焦り、痛みで術式は解け、今や武器もない。負けを認めよ。雑魚術師」

 

「もういいのか?俺の勝ち?」

「うむ。名無し、貴様の勝ちであろうな」

 

男は叫ぶ。

「ふざけんなァ!なんで俺がこんなガキに!平様を蔑んだガキに!負けるはずがねェんだよ!」

 

「うるさいのぅ」

出入口が呆れたように言った。

 

「なぁ、コイツ平の居場所知ってるかな?」

「む?直接聞けばよかろう。ほれ」

 

出入口は男の顔をこちらに向ける。

 

俺は男に問いかける。

「お前、平の居場所、知ってるか?」

「アァン?!うるせェ!知るわけねぇだろ!平様からのご依頼はいつも伝書鳩での依頼だ!場所なんか知るか!」

「で、伝書鳩?今時伝書鳩ってなぁ…

「呪術って古くせぇことが多いな…」

 

男の利用価値は0だ。コイツは平の居場所を知らない。

この男はもう、必要ない。

 

道のコンクリートに触れる。残穢を残す。

得双牟双・孔(うぞうむぞう・こう)

 

コンクリートから俺の胴体ほどの針が生みでた。

 

その針は男の腹をぶち抜いた。

「カハッ…」

 

「くはは…。既に拡張術式(かくちょうじゅつしき)も使いよるか…」

 

男の腹から大量の血液があふれる。

 

「とっとと死ね」

自分の言葉とは思えないくらい冷たい温度で、男に言った。

 

 

 

 

男は死んだ。

 

呪いと違い、術師は死んだら肉体が残るらしい。

 

「出入口、お前、この身体に入ったら?」

 

「残念だが、それは無理だな。貴様との"縛り"によって、私たちは死ぬまで同じだ」

 

「死ぬまで?」

 

「あぁ。死ぬまでだ」

 

 

 

死体は消えない。消えるはずがない。

 

「これ、どうする?」

「腹が減った。食う」

「え?お前、人も食えんの?」

「む?言っていなかったか。

「私の術式は『出入口(どこそこ)』だ。簡単に言えば、なんでも食えるし、なんでも取り込める。吐き出すことも出来るぞ」

「へぇ…。じゃあ、あの血人形も吐けるのか?」

「ぬ。血人形(アレ)は吐けん。あれは術式で作られたものであるからな。術式が解かれたら、私の腹から消えてしまう…」

「術式が、解ける…」

「腹が減った。もう食ってしまうぞ。」

「あ、あぁ」

 

 

 

「いただきます」

パクッ

ゴクン

「ご馳走様」

 

「偉く律儀にするんだな」

「む?我らは人間から生まれたからな。最後の感謝と言うべきか…」

 

男の死体は道からきれいさっぱり無くなった。

 

あとは残った針だけなんだが…

 

「なぁ。この針どうすんだ?」

「ぬ?針?貴様の術式であろう。解けばいいだけだ」

「解く…。崩すイメージか…?」

 

頭で考える。

 

針が崩れていく。

 

あれ?頭が痛てぇ。

眠てぇ。

めっちゃ疲れた。

 

「おい。名無し。貴様、呪力が死ぬほど少ないな。非術師以下だぞ?」

「あ?まじかよ…今もうギリギリってことか」

「まぁよい。私の中で運んでやる」

「は?」

「む?

「私の腹の中は二重構造だ。食ったものを持ち運ぶところ、そして消化するところ」

 

「はぁ…?」

 

「ほれ、入れ」

 

出入口が大きな口を開ける。

 

きっしょ。

 

そう言いながらも、疲れてなんにもできないので、仕方なく、食われた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3

「何だこの有様!討伐対象の呪詛師が出たって連絡があって来たのによ!誰もいねぇじゃねぇか!つうか『(とばり)』すら降りてねぇ!情報処理がめんどくせぇ!ふざけんな!」

 

名無し達が戦った京都の街に、2人の術師が来ていた。

 

「丈札さん。愚痴は程々にしててくださいよ、バレるとまずいですから」

 

「うるせぇよ!わざわざ任務切り上げて、こっち向かったってのに、何にもねぇ!」

 

彼の名は「丈札 智(たけふだ とも)」。

 

 

「ん?いや待てよ。なんかあったわ」

 

「え?なんですか?」

 

「見ろよあれ。呪霊だろ、ありゃ。」

 

「ホントですね。祓います?」

 

「いや。アイツ俺らよりも等級が上だ」

 

「えぇ?流石京都っすね。呪霊が強い」

 

「どこへ歩いていく気なんだ?」

 

「追いますか」

 

「あぁ。呪詛師もいねぇ事だし、追ってみよう」

 

 

丈札達は街で見かけた呪霊を追いかけ始めた。

 

 

 

 

4

「むぅ。よい場所がないなぁ…」

 

出入口は呟きながら街を歩く。

 

夜の光だけだったら、背の高い人という印象を受けるくらい、人間に近い見た目だと思う。

 

「ぬ。つけられておるな

「ひぃ。ふぅ…。2人か。ここで食えるかのぅ?」

 

《ちょ!無関係な人は食うなよ!》

 

俺は出入口の中で叫んだ。

 

「分かっておる。貴様との共存は、貴様側のルールに大きく縛られる。

「無意味な食事はせんよ」

 

《よかった…てかなんでお前がつけられてるんだ?》

 

「知らん。この見た目はバレんと思うたがなぁ…」

 

 

 

 

 

「おい!やっぱり呪霊だ!祓うしかねぇか…?」

 

「丈札さん!さっき等級が上って言ったじゃないすか、勝てます?」

 

「俺らどっちかが生きてりゃ良いんだよ!」

 

「まぁ、そうっすねー」

 

「んじゃ、殺るか!」

 

「は…

 

「ごきげんよう」

 

「!?!?」

 

目の前に現れた呪霊に、一瞬、身が凍る。

 

「んだてめぇ!」

 

丈札は呪力で強化した手刀を呪霊にぶつけるが、効いている素振りはない。

 

「クソ!」

 

「丈札さん!そいつなんか言ってます!」

 

「あぁ?!」

 

攻撃をやめ、目の前の呪霊に向き直す。

 

「はぁ。ようやく私の話を聞いてくれたか。

「貴様よりも、そこの男の方が幾分か賢いようだな」

 

 

息を整え、落ち着くと、この呪霊の異質さに身が震える。

 

「お前、ナニモンだ…?」

 

「む?私は呪霊、『出入口』だ。貴様らから生まれた呪いだぞ?知らんのか?」

 

「『出入口』…。知らねぇな。そんな呪いが俺に何の用だ?」

 

「貴様、まずまずの術師と見える。そんな貴様に私からの願いを聞いてほしい」

 

「呪いからの願い?そんなうさんくせぇもん聞けるか!」

 

「平」

 

「?!

「平様がどうした?」

 

「やはり貴様も知っているか。

出入口は俺を腹から出す。

「こやつと私は、先日、平に襲われ、ギリギリであったが助かった。平はこやつの家族の精神をバラバラにしおってな。父母を治すため、平を探しているというわけだ。」

 

「ほぉ…。作り話にしてはよく出来てんじゃねぇか。まぁ、あの平様が一般人に手を出すとは思えねぇ。嘘はやめておくんだな!」

 

「ふむ。嘘ではないのだがな…

「まぁよい。私の願いは、こやつを貴様らに預かって貰うことだ」

 

「預かる?この坊主を?」

 

「うむ。ここ、京都で活動する術師の大半は、高専に所属しているのであろう?

「こやつは、平のせいで父母、友人との関係を消された。可哀想と思わんか?

「ここは人助けと思って、こやつを助けてやれ」

 

《ほとんどお前のせいだろ!嘘つくな!》

 

俺は頭の中で叫んだ。

 

《うるさいのぅ。嘘は本当のことと混ぜて使うのだ》

 

《んだよそれ!てか、体内にいなくても喋れるんだな》

 

《貴様は私で、私は貴様であるからな》

 

丈札がまた話し出した。

 

「人助けって…。呪いがそんなこと言うのは初めてだ。

「だが、出入口、お前になんの得がある?」

 

「私に得?そんなもの、私を祓うことをちょっぴり躊躇ってくれたらよい」

 

「祓うな。ではなく、躊躇えと?」

 

「そうだ。その方が、貴様らはこやつを救ってくれるであろう?」

 

「この坊主になんの価値がある?ただの餓鬼だぞ?」

 

「こやつには少々特殊な呪力、術式があるようでな。貴様ら高専の研究とやらに協力できるのでは?とな」

 

「特殊な呪力ねぇ…。」

 

丈札と一緒に来ていた術師が喋りだした。

 

「丈札さん!大量の呪霊が畷通りに発生!直ちに迎えとの知らせが!」

 

「あぁぁ?!こんなクソやべぇときにか?!お前だけ先に行っとけ!すぐ追いつく!」

 

「了解です!」

 

もう1人の術師は畷通りへと走り出して行った。

 

《呪霊の大量発生だって》

 

《呪霊のぅ…。どうせ蠅頭程度であろうに…》

 

「おい!出入口!分かった!お前の要望を飲む!坊主は預かるし、極力お前に手は出さん!それでいいな!」

 

 

「あぁ。貴様は最高だ」

 

 

 

 

"縛り"は結ばれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

______________________

 

 

 

2018年 夏

 

呪術高専 京都校にて

 

 

 

 

「し…、無し…、名無し!」

 

誰かに大きな声で呼ばれる。

 

「ん?あぁ。おはようございます」

 

「おはようございますじゃないだろ!呼ばれたから来てやったってのに!」

 

「まぁまぁ、そんな怒らないでくださいよ、丈札さん」

 

「お前…。いつからそんなんになった?」

 

「そんなんって?」

 

「俺はずっとこんなんですよ。俺の、命の恩人さん」

 

 

 

 

 

 

俺はずっと歩いてく。

お前は誰かと聞かれても、伝える名前は持ってないけど。誰かの名前を叫んで、助けられるようになるまで、歩き続けるよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

醜悪孤独・弐へ続く。




どうも。鮫縞です。1話です。
ストーリーについて何か書こうかなーと思いながら、ただ頭の中にあるものをここに吐き出すだけになってしまっています。
僕のイメージですが、人気作は最初に大まかなストーリー、5、6巻目くらいで過去編。ってのがよくあると思うんですよね。まぁ僕の場合初っ端から過去編なので、人気作にはなりません。
部屋を掃除していると、あの時探してたものがあったり、なんでこんなの残してたんだろうって思うものがあったり。前者はもっと早く探しとけばよかったー。と思うし、後者は一生見つけたくなかった。みたいな物が多いですね。
僕達はシュミレーションゲームのCPUとよく言われますが、本当に角を曲がれば、さっきすれ違った人は消えるのかな?なんて思ったり。CPUが主人公。変な違和感がありますよね。
今回でてきたメリケンサックは名前を考えてません。好きにつけてください。意外と強いと思うんだけどなー?メリケンサック。
話変わって、私の主人公の概念は語り手が大きいです。本作における⿴⿻⿸「名無し」のような者のことです。主人公って、めっちゃ強いイメージがあって、作者もどんどん強くしていくじゃないですか。僕もそうしたいんですけど、そうすると、ありふれたストーリーになってしまうんですよね。つまんねーってかんじで。
私は名無しに、1つの話のピリオド役になって欲しいんですよね。主人公が最後にキメる。格好いい展開じゃないですか。本音は楽だから、なんですけどね。
ここまでお読み下さり本当にありがとうございました。
次回もよろしくお願いいたします。 鮫縞

________________________


profile

Name:【丈札 智】(たけふだ とも)

Level:準1級

Operative method:『不明』

Item:呪符

Overview:178cm、32歳、独身、名無しの恩人。
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