「ヒメー」
「ワレラニ」
「オマカセー」
よくみると額に小さなツノが生えている。
これは…妖精さん?
「「「ヒメー」」」
「わっ!?」
3人?が飛びついてきた。
そしてまた肩に登ったり頭の上に登ったりしている。
「もしかして…妖精さんなの?」
「ソダヨー。」
本当に妖精さんだった。
工廠にいた妖精さんにはツノなんか生えていなかったので、恐らくこれは深海棲艦の妖精なのだろう。
「姉さん…。」
ふと隣を見てみるとドラム缶風呂に入っている霞の顔が真っ赤だった。
明らかにのぼせ始めている。
「一旦上がりましょうか。」
そしてドラム缶風呂から上がって霞に服を着ようと思い周囲を探すが服が見当たらない。
すると1人の妖精さんが霞の制服を持ってきた。
「ドウゾ。」
「あっ、ありがとう…。」
制服からは潮の匂いや汗ばんだ匂いがしないので洗濯していたのだろうか…?
「チガウ。」
「ツクッタ。」
「ガンバッタ。」
あっ…。作ったの…。そう…。
「えーと……姉さんは着ないの…?」
そういえば私はまだ服を着ていなかった。
サッと艤装を出し入れするときのように服を出現させる。
「ほんと凄いわね…。」
「霞、確か妖精さんは不思議な力でなんでもできるんだったよね?」
「基本的にはそうね。でも報酬があったほうがもっと頑張るって明石さんが言ってたわ。」
報酬…報酬か…。
やっぱりここは本人達に聞くのが一番よね。
「報酬は何がいいの?」
「ヒメノ」
「ソバニ」
「イサセテー」
私のそばにいることが報酬?
「そんなものでいいの…?」
「「「ソレガイイノ!」」」
「そのぐらいならいいわよ。」
「「「ワーイ!」」」
「なんか…私の知る妖精さんじゃない…。」
「まぁ、本人達がいいって言ってるんだからいいんじゃない?」
「姉さんは軽く考えすぎよ…。」
そうなのだろうか?
………深くは考えないようにしよう…。
「それじゃあ妖精さん、雨風をしのげる場所を作って欲しいの。できる…?」
「「「オマカセー」」」
ピューっと森の奥へと行ってしまった。
どこまで行ったんだろう…?
それから数分後、妖精さん達が戻ってきた。
「「「デキター!」」」
えぇ…?できたって…。
「姉さん、とりあえず行ってみましょう?」
「……そうね…。」
それから森を歩くこと数分、見事な一軒家ができていた。
ソコソコの広さでしかも庭もあり、畑もある。
「「えぇ…?」」
たった数分で家ってできるものだったっけ…?
とりあえず中に入ってみることにした。
まず玄関には下駄箱が備えてあり奥へ続く廊下がある。
さらに廊下の途中にはお手洗いがあり原理はわからないが鎮守府にあったものと一緒のものだった。
水はどこから流れているのだろうか?
廊下の突き当たりにあるドアを開けると左側にキッチンが、右側にリビングが広がっていた。
「わぁ…!凄いわね!」
「凄すぎるわよ…。」
さらにリビングから通じる扉があり扉を開けるとベッドが2つとタンスが設置されていた。
「妖精さんの技術恐るべし!ね。」
とにかく雨風をしのげる場所が手に入った。
これでなんとか生きていけると思う。
「次は外へ行ってみましょうか。」
さっきチラッと見えた範囲には小さいながらも畑があった。
私達の大切な食糧源になると思うからしっかりみておかないと。
外に出て畑の確認をしてみると既に芽が出ていた。
「ええと…妖精さん?」
妖精さんの方を見ると親指を立ててサムズアップしていた。
これも妖精さんの仕業か…。
「何が採れるの?」
「ヤサイー」
「イッシュウカンデ」
「シュウカクカノウ」
1週間…。
まぁ、畑は妖精さんが面倒見てくれてるみたいだしお任せしておこう。
あら?霞は大丈夫かしら?
「えぇ…。大丈夫よ…。流石にこれは予想外だったけど…。」
それはそうよね。
私も予想外だった。
この後妖精さんがとってきた魚を焼いて食べて眠りについたのだった。
なんか無理矢理終わらせてしまった感がある…。