善と悪の協奏曲   作:ミクス

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駆逐艦に災難が訪れるようです

私がここ、横須賀鎮守府に来て2週間が経過した。

2週間の間に私はメキメキと練度を上げ第1改装をすることができた。

ちなみに第1改装を行うまでの最速記録を更新したらしい。

そして今日、ついに高山司令官の研修期間が終わる日だ。

 

「本日をもって高山研修員の研修期間を終了とする。1年間ご苦労だった。」

 

こうして高山司令官の研修期間は終了。

この後一度大本営へと戻り様々な手続きをしてから正式に鎮守府の提督になれるそうだ。

朝潮型の4人と高雄さんと愛宕さん、夕立さん、時雨さんは高山司令官の初期艦として高山司令官の下につく形になる。

高山司令官がどこの鎮守府に行くかはわからないが精一杯頑張ろうと思う。

 

「それじゃあ僕は大本営に行くよ。」

「はい、お待ちしておりますねぇ〜。」

「早く提督に会いたいっぽい!」

「ははは、すぐに会えるさ。」

 

そう言って高そうな白い車に乗って大本営へと出立していった。

 

「それじゃあ私達は演習に行きましょうか。」

「「「「「はーい。」」」」」

 

今日も今日とて演習に参加。

最近はよく夕立さんと1対1の演習をやっている。

夕立さんは本当に強い。

反射神経もいいしスピードも速く、何より次の行動が読めない。

想定外のことばかりやってくるのだ。

 

「朝潮ー!今日も演習やるっぽい!」

「今日は負けませんよ。」

 

現在の記録は37戦18勝19敗、夕立さんに勝ち越されている状態です。絶対に負けられません。

 

「ほんと、姉さんと夕立は仲がいいわね。」

「なに、霞。あんたもしかして嫉妬?」

 

ニヤニヤしながら聞いてくる満潮。

 

「ちょっ!満潮姉さん!?全然違うわよ!」

「図星だわ。」

「図星ね。」

「図星ですね。」

「〜〜〜〜!?」

 

何やら霞達の方が騒がしいですね。

何かいいことでもあったんでしょうか?

 

「ほら、貴女達。速く演習場に行きなさい。」

 

高雄さんに促され私達は演習場へと向かいます。

演習場は艦種ごとに分かれているためここで高雄さんと愛宕さんとはお別れです。

私はもちろん駆逐艦用の演習場です。

 

「朝潮早くやるっぽい!」

 

演習場に着くや否やすぐに夕立さんに誘われました。

どうやら今日は1対1の演習を行うようですね。

 

「勝ち越しは許しませんからね。」

「望むところっぽーい!」

 

絶対に負けられない戦いです。

 

「満潮は僕とやろう。」

「はいはい。」

 

満潮は時雨さんとやるようです。

なんでも満潮と時雨さんは艦の頃、西村艦隊に所属していたらしい。

そのおかげか艦娘として生を受けた時もすぐに仲良くなったという。

 

「また姉さんを…!グヌヌ…!」

「まぁまぁ、落ち着いてください霞ちゃん!霞ちゃんは大潮とやりましょう!」

 

大潮に首根っこを掴まれて引き摺れられていく霞。

いつもの光景ですね。

 

演習を行う前には必ず準備運動を行います。

そして準備運動が終わると艤装を取りに工廠へ行きいざ海へ。

まぁ、私は工廠に行く事はなく、そのまま艤装を出して海に出るのですが。

 

「お待たせっぽーい!」

 

夕立さんが来ましたね。

さぁ、今日は負けませんよ。

 

「それじゃあ、準備はいい?」

 

審判は時雨さんと満潮。

この演習のルールは簡単。

1対1の戦い。

砲弾はペイント弾を使用。

大破又は轟沈判定で試合終了。

大体こんな感じだ。

 

「準備オッケーっぽい!」

「私も大丈夫です。」

「姉さん頑張ってー!」

 

霞の応援もあるので負ける事はありませんね。

まぁ、いつものことなのですが。

 

「はじめ!」

 

試合開始の合図とともにまず私は後ろに移動。

その直後今まで立っていた場所に水柱がたちました。

試合開始の合図と同時に一瞬で狙いをつけ撃ってきたのです。

 

「いつもいつも、危ないですね!」

 

まだこれは挨拶がわり。

本番はここからです。

後ろに移動した後私はすぐさま水柱に向けて発砲。更に水柱を挟むように魚雷を撃ちます。

これで仕留められれば私も楽なのですが、そうは行きません。

 

「がるるー!」

 

なんと夕立さんは私の撃った砲撃を顔に当たるギリギリのところで回避して突っ込んできました。

どういう反射神経を持ってるんでしょうねぇ。

そしてそのまま夕立さんは私の左右に魚雷を発射して、逃げ道を封じてきます。

そんな事は予想できていたので私は前進し夕立さんと至近距離で向かい合います。

 

「これで避けられないっぽい!」

「さて、どうでしょうかね。」

 

そのまま夕立さんは私を狙って砲撃しようとしています。

私は魚雷を空中に向けて放ちそれに向けて砲撃します。

その直後爆煙と水しぶきによりお互いの姿が見えなくなりました。

更に私は私の感に従い即座に発砲。

 

「にゃあっ!?」

 

爆煙と水しぶきがなくなったときに見えたのは、右肩にペイントが付着している夕立さんの姿。

ようやく私の攻撃が命中しました。

 

「まだまだ行くっぽい!」

 

あぁ、楽しいですね…。

 

「もっとです…。もっと私を楽しませてください!」

 

加速。

夕立さんより速くもっと速く。

 

「ッ!」

 

夕立さんの背後に回り発砲。

そして夕立さんが後ろに振り向いた時には私はもう反対側へ移動しています。

 

「さっきより速くなってるっぽい…。」

 

演習場を縦横無尽に走り回り夕立さんを撹乱していきます。

さらに走りながら魚雷を発射していき夕立さんの逃げ場をなくしていきます。

さぁ夕立さん、全方向からくる大量の魚雷群をあなたはどうやって避けますか?

 

「処理が追いつかないっぽい…!」

 

最初のうちは砲撃と魚雷で一つずつ処理していたようですが、ついに処理速度が追いつかなくなりました。

そして魚雷が当たりそうになった時、夕立さんは思いっきりジャンプしました。

これは前回の演習で見せた魚雷の避け方。

あの時は私も体制が崩れていましたが今回は違います。

 

「終わりです。」

 

空中にいる夕立さんに向けてヘッドショット。

 

「夕立轟沈判定により朝潮の勝利。」

 

これで演習は終了しました。

 

 

「うぅ…。負けたっぽい…。」

「これで勝敗は五分五分ですね。」

「というか朝潮、最後のあれやばいっぽい。夕立より速かったぽい。」

「あぁ、あれですね。あれは私もよくわかりません。夕立さんよりもっと速くって思ってたらできたんですよ。」

 

最後変なテンションになっていましたしね。

 

「はぁ、まぁいいっぽい。次は絶対に勝つっぽい!」

「次も私が勝たせてもらいますよ。」

「望むところっぽい!」

「それではお風呂に行きましょうか。」

「そうするっぽい。誰かさんが顔に撃ってきたから超困るっぽい。」

「なんのことでしょうか。」

 

それから私たちは先にお風呂へ入り、体についた汚れを取りました。

 

演習場へ戻ってくると満潮と時雨さんが戦っています。

2人とも身体にペイントが付着しているのでもうそろそろ終わりでしょう。

 

「あっ姉さん。さっきの演習すごかったわ!」

「霞の応援のおかげよ。」

 

これは最近知ったことなのですが、うちの霞はかなり特殊なんだそうです。

普通はツンツンしていてリーダーシップを発揮するような感じなんだそうです。

うちの霞はそんなことはなく、結構甘えてくる方です。

やはり妹というのは可愛いですね。

 

「次は霞と大潮よね。頑張ってね。」

「ええ!もちろん頑張るわ!」

「大潮も妹には負けて入られません!アゲアゲでいきますよー!」

「ちょっと審判、しっかりしなさいな。」

 

私たちが話していると満潮と時雨さんが戻ってきました。

 

「あっごめんなさい!僅差で満潮の勝利ですね!」

 

ペイントの付着量は2人ともあまり変わらず、若干時雨さんの方が多い感じ。

 

「それじゃあ僕たちはお風呂に入ってくるよ。行こう満潮。」

 

そう言って2人はペイントを落とすためお風呂へと行きました。

最後の霞と大潮の演習は2人ともペイントまみれになっていましたが頑張っていました。

これで午前の分は終了となりました。

 

それから昼食を食べ、午後の自主訓練となりました。

自主訓練では砲撃、雷撃、対潜、対空など様々な分野の演習に参加することができます。

私は対空が少し苦手なので、対空演習に参加することにしました。

 

対空演習では空母の方々が艦載機を発艦し攻撃を避けながら撃墜していく演習です。

艦載機の練度も高く私はまだ数回しか撃墜に成功していません。

 

数時間後、私はまたペイント塗れとなって演習が終了しました。

やはり全然10cm連装高角砲が当たりません。

なぜなのでしょう?

 

それは置いといてまずはお風呂に行きましょう。

ペイント塗れですし海水も浴びたのでベタベタします。

 

お風呂に入ると珍しく誰もいませんでした。

お風呂には大抵誰かがいるのですが本当に珍しいですね。

まぁ、1人というのも寂しいですしさっさと上がって食堂に行きましょう。

 

お風呂から上がった後、お花摘みにいき食堂へと向かおうとした時でした。

突然背後から口を塞がれました。

口にはハンカチが当てられており少し甘い匂いもしました。

私は即座に艤装を出そうとしましたが、それよりも早く私の意識が薄れていき、艤装を出すことができません。

 

「姉さん!」

 

愛する妹の声が聞こえたのを最後に私の意識は深い暗闇へと誘われていきました。




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