[短編連載SS]魔物娘たちとの日常 作:Vermillion
――台所―――
軍曹「・・・。」カチッ
パッ[点灯]
隊長「ぐっ!」ビクッ
軍曹「・・・!?? ちょっと、なんでついてきているのよ?!」
隊長「【信頼できる魔物娘の傍から片時も離れるな】・・・博士から・・・の
伝言守らない・・・と・・・! ぐぅぅう・・・っ!!」ガクン
軍曹「・・・・・・でも勝手に出歩かれて・・・言っている場合じゃないわね・・・!
とにかく、私の寝室に戻るわよ!!」ヨッコイセッ ダキカカエ ダッ カチッ
パッ[消灯]
――廊下―――
隊長「・・・むにゅ・・・? 軍曹?」
軍曹「何?!」ノッシノッシノッシ
隊長「なんか・・・一瞬でダルさが消えた・・・。」キョトン
軍曹「・・・。・・・・・・は?」
隊長「と、とりあえず降ろして!」ジタバタジタバタ
軍曹「・・・・・・はい。」スッ
隊長「・・・・。」
軍曹「・・・・。」
隊長「・・・なんともない。」キョトン
軍曹「・・・おちょくって遊んでないわよね?」ギロッ
隊長「状況を考えて、流石にそれはない。・・・なんだったんだ?
今の、立ちくらみとめまい・・・。」
軍曹「・・・そこの板目の直線上歩いてみて。」
隊長「・・・。」スタスタスタ クルッ スタスタスタ
軍曹「・・・正常ね。」
隊長「・・・うん。」
軍曹「・・・。・・・一度戻りましょうか。・・・また何かあったらすぐに言いなさい。」
隊長「あぁ。」
――台所―――
軍曹(何がいけなかったのかしら。何か体調を豹変させるようなものでも・・・・
置いてないわね・・・。)キョロキョロ チラッ
隊長「?」キョトン
軍曹(・・・・・。原因がわからないものほど恐ろしいものはないわ・・・。
原因さえわかれば、対処法を編み出せるから助かるのだけれど・・・。)カチッ
パッ[点灯]
隊長「ぐぅっ!!!?」ガクン
軍曹「?!?!」ビクッ
隊長「寒・・・・苦し・・・ぐぅうぅううっ!!!!」ブルブルブル
軍曹「・・・!」カチッ
パッ[消灯]
隊長「フゥー・・・! フゥー・・・!! フゥー・・・?」
軍曹「・・・・・・そういうこと・・・。・・・これは・・・厄介ね。」ジー
隊長「・・・これ・・・完全に風邪じゃないよな・・・。・・・・・・ぐんそぉ・・・。」ウルウルウル・・・
軍曹「・・・男でしょ。このぐらいで涙目にならないでもらえるかしら?
ちょっと、隊長デコを貸して。」スッ
隊長「ん。」ピト・・・
軍曹(・・・平熱+1度ってところかしら・・・・。)
隊長「・・・どう?」
軍曹「もういいわよ。」スッ
隊長「ん。」
軍曹「・・・隊長。光の浴びるような場所に出歩かないでもらえるかしら?」
隊長「・・・軍曹がそういうのなら・・・。」
軍曹「えぇ、平常時のように駄々を捏ねなくて助かるわ。」
隊長「・・・。」コクン
軍曹「それじゃ、何かあったら呼びなさい。いいわね。」
隊長「防犯ブザーじゃないの・・・?」
軍曹「近い距離でしょ。必要ないわ。ま、でも声が出せない緊急時にでも使いなさい。」
隊長「はーい・・・。」
――元帥・曹長―――
元帥「・・・・・・それで、今日はどうするんだ・・・?」
曹長「・・・・・・・・・。」
元帥「おい! シカトかよ!!!」
曹長「・・・・・元帥。」ユビサシ
元帥「・・・?」
曹長「・・・・・・!!」ドゲシッ!
元帥「ア゙ァ゙!?」ズデン!!
曹長「・・・。」ホッコリ
元帥「痛ってぇな!! 何しやがるッ!!!?」ガバッ
曹長「・・・別に・・・。・・・腑抜けた・・・表情だから・・・・・・喝を・・・入れた・・・だけ・・・。」
元帥「テメェ・・・。」ゴゴゴゴゴ・・・
曹長「・・・こわーい・・・。・・・・・・そんな、怖い顔・・・・・ばっかり・・・していると・・・
隊長に・・・・・・嫌われちゃうよ・・・?」
元帥「・・・そうやって誤魔化そうたって、今日という今日は許さねぇぞ・・・。」ゴゴゴゴゴ
曹長「・・・お? やる気・・・?
・・・どっちが・・・各上か・・・・・・ココで・・・決めちゃう・・・?」ヒュンヒュンヒュン (^ω^≡^ω^)
元帥「」ブチッ ギリィ・・・!
曹長「・・・・・おっおっおっ?」ヒュンヒュンヒュン
元帥「」ジャキッ
曹長「・・・おっおっ・・・? ・・・!?」ビクッ
元帥「くたばれッ!!!」ズダァン!!
曹長「オホーッ!?!?」ササササッ
元帥「オラァ!! いつもみたいに、ふざけた踊りを乱舞しながら掛かってこいよ!!
ゴルァッ!!!」ガッシャコ!!!
曹長「タンマ・・・! タンマ!!!! ちょっと待って!? ・・・死んじゃう・・・!
・・・現状・・・! ソレ・・・!! あったったら・・・死んじゃうって・・・ッ??!?!」
元帥「各上を決めんだろ!? ちょこまか逃げてないで、2週間前みたいに掛かってこいや!!!
オラァァアァアアアッ!!!!」ズダァン!!
曹長「ウヒーッ!!!!」サササササササッ
――伍長・尖兵―――
伍長「・・・うーん。」
尖兵「ごちょー。何処を回る?」
伍長「キラー2・・・尖兵はどこか行きたいところとかあるー?」
尖兵「呼びやすい方でいいよ? どっちの名前も私だからね!
あと元帥達が向こう側に行ったから、私達は反対側かな・・・。」
伍長「うん。じゃあ、竹藪の龍虫とかに何か知らないか聞いてみる?」
尖兵「そうだね。それじゃ、順番に回ってみようか。」
――竹藪・奥―――
伍長「龍虫ー。」ガサガサ
龍虫「・・・な、なんでしょうか・・・?」
尖兵「うーん。やっぱり、草食男子っぽいなぁ・・・。」ガサガサ
龍虫「」ガーン
尖兵「あ、気にしないでね。ただの独り言だから・・・。」
龍虫「それ・・・ヘタレさん一家にも言われました・・・。」ズーン・・・
尖兵「あぁ、うん・・・なんか・・・ご愁傷様・・・。」
龍虫「そんなに私って草食系に見えるんですか・・・? これでも元は百足で
肉食系なんですよ・・・?」
伍長「・・・うん・・・そうだね。下は百足で肉食だと思うんだけど・・・。」ジー
尖兵「問題は上半身だね・・・。」ジー
龍虫「・・・。」ズーン・・・
伍長「お、落ちこまないで! きっと龍中は龍虫の良さがあるんだよ!
その容姿にも、きっと男の人を怖がらせない、安心させるって言う意味が
込められているんじゃないかな!?!?」
龍虫「いいんです・・・いいんです・・・・・・私なんか、どうせ外見草食系男子ですよ・・・
草花を貪っているのがお似合いってみんな思っているんです・・・。
あぁ、なんであの時、リリム様に魔物化したいなんて願ってしまったのだろう
こんなに思い悩むぐらいなら、魔物化せずにすっぱり短い余命を虫のまま
全うすればよかった。周りが次々に魔物化していくからって、わたしなんかが
便乗すべきじゃなかったんだ・・・。あれからずっと出番も無いし・・・非日常しか
こうやって出られない私の存在って・・・。あぁ、もう・・・。」ウジウジ・・・
尖兵「」ウ、ウワァ・・・
伍長「なら龍虫!」
龍虫「そもそもバイオベースちゃんだって・・・・・・はい?」
伍長「出番が出ないなりに、その出番があるときに頑張ればいいんじゃないかな!
それに肉食系なのに草食系に見えるって事は良い事だよ! 私は外見肉食系だけど
中身はやや草食系寄りだし・・・悩みはなんとなく分かるよ! でも今の時代
魔物は肉食系だらけの顔つきしか居ないから、草食系はステータスだと思うな!」
龍虫「そ、そうですかね・・・?」
尖兵「そ、そうだよ(便乗) それで龍虫、何かこれまでで気付いたこととか・・・。」
龍虫「・・・気付いたこ―――」
ズダァン!!!
龍虫「」ビクゥ
伍長「」ビクッ
尖兵「」ドキッ
伍長「た、たぶん、元帥だと思うよ・・・。・・・曹長が、何か悪巧みしていたし・・・。」
尖兵「そ、そうだね。龍虫。それで、気付いたことってあったりする?」ウ、ウン
龍虫「・・・えっと・・・気付いたこと・・・・・・あ・・・そうだ。
わいふぁいが切れたのは知ってます?」
伍長「そうなの?」キョトン
尖兵「・・・そうなのかな?」
龍虫「それで、わいふぁいは切れて外と連絡ができなくなったようなんですけど・・・。」
尖兵「あれ? 別にWi-Fiが無くても、普通に連絡ぐらいならできるよ?」
伍長「野良の電波を拾えるんだっけ?」
龍虫「・・・そう・・・・・・だったんですか? ・・・。」ガックリ・・・
伍長「あ、えっと。・・・それでそれで?!」
尖兵「で、出番なんだから頑張らないと!!」グッ
龍虫「外との連絡は確かに閉ざされたんですけど・・・。中、この敷地内は連絡が
取れるみたいで・・・。試しに掛けてみましょうか?」
伍長「軍曹が、内線なら繋が――ムグッ!?」
尖兵「・・・。」フルフルフル
龍虫「・・・?」
尖兵「な、なんでもないよ! あ、それならこれ私の電話番号。」カキカキ・・・ スッ
龍虫「・・・掛けてみますね。」pipipi
尖兵「わっ。本当だ。繋がってる!」pllllll
龍虫「・・・これぐらいですかね・・・。」
伍長「わぁ! ありがとう、龍虫!!」
龍虫「・・・役に立てば幸いです・・・でも・・・・・・こんなのなんの役にも立ちませんよね。
・・・わかってます・・・・・珍しい組み合わせですが2人は、犯人を捜しているん
ですよね・・・。どうでも良いような内容なんか、役に立たないですよね。」ウジウジ
伍長「そんなことないと思うよ! ね! 尖兵!!」
尖兵「うん。下手に携帯の使用を控えなくても、これですぐに通信できることが
分かったからね。サンキュー、龍虫!」メモメモ
龍虫「・・・。」パァ・・・
伍長「それじゃ、次に近い所は・・・。」
尖兵「博士に資料貰うんだっけ?」
伍長「そうそう。それじゃ、またね! 龍虫!!」
龍虫「はい・・・。頑張って下さいね・・・。」
――防空壕・入口―――
ピンポーン・・・
尖兵「・・・。インターホン押しても出てこないね・・・。」
伍長「・・・。・・・!」ムキッ キリッ
尖兵「・・・何やってるの?」
伍長「防犯カメラがあるから、ちょっとポーズを取ってみようかなって。
尖兵もやる?」シャキーン
尖兵「そうだね! 出ないし、やってみようかな。あ、そうだ。折角だから・・・
伍長・・・耳貸して・・・。」
伍長「何? 何?」
ヒソヒソヒソ・・・
尖兵「始めまーす!!」ヨロッ ニッコニッコ[下]
伍長「尖兵行くよー!」ニッコニッコ[上]
尖兵・伍長『組体操! サボテン!!!』チャキーン!
尖兵・伍長『からの~?』ヨイショッ
尖兵・伍長『ツバメ!!!』ドヤッ
尖兵・伍長『そして、フィナーレ!!』
尖兵・伍長『タイタニック!!』エンダァァァァァアアアア!
伍長「・・・出てこないから、先にバイオベースやヘタレの家を回る?」
尖兵「・・・だね。お出かけ中みたいだしね。」
――台所―――
伍長「軍曹ってさ・・・男体化しても、元の体でも普通に隊長を持ち上げるよね。」
元帥「男体化してから、筋肉が付いたってことか? でもそれだと・・・。」
キラー2「隊長が軽いのか、軍曹がバカ力なのか・・・。」
隊長「やだ☆ 私は軽いに決まってるでしょ☆」テヘペロリンヌ
曹長「・・・つまり・・・バカ力なんだよ・・・。」
軍曹「アンタ達・・・さっきから黙って聞いていれば・・・。」ワナワナワナ・・・
龍虫「・・・! あ、えっと・・・その・・・『名探偵 曹長!』・・・です。・・・次回。」モゴモゴ