[短編連載SS]魔物娘たちとの日常 作:Vermillion
――防空壕・王の間―――
龍虫「・・・・・・。」メソメソ・・・ シクシク・・・・
11女「そ、そんな落ち込まなくても、龍虫さんは龍虫さんなりに良い所がありますよ。」
龍虫「そうかな・・・。」メソメソ
11女「そ、そうですよ。例えば・・・。」[目逸らし]
龍虫「例えば?」シクシク・・・
11女「・・・・・・・。」
龍虫「・・・・・・。」
11女「・・・。」
龍虫「・・・。」
11女「・・・毒とか。」ポツリ
龍虫「・・・。」ドヨーン・・・
11女「あ、えっと、その、えっと、私は、これくらいしか、思いつきませんが・・・
他の人ならもっと・・・見つけられると・・・思います・・・よ?」
龍虫「・・・他の人って?」ドヨヨーン・・・
11女「・・・・・。」
龍虫「・・・・。」
11女「お姉ちゃんとか、隊長さんとか・・・あ、軍曹さんやバイオベースさんも観察力が
ありますよ!!」
龍虫「ぅん・・・。」
11女「だから、そこまで落ち込まなくても・・・。」
龍虫「そっか・・・そうだよね・・・。」
11女「・・・・・。」
龍虫「ありがとね! なんだか悩みが解決できたかも。」ニッコリ
11女「それは・・・・良かったです。」
龍虫「・・・お礼に上げるものなんて・・・・・・何もないけど・・・。
一つだけ・・・・しても良いかな・・・?」
11女「・・・・・・?」
龍虫「ありがとホールド・・・・えっと、抱きしめても・・・。」チラリ
11女「・・・・・!?」オドッ
龍虫「・・・・やっぱり嫌だよね・・・こんな醜い巨大な身体に抱き着かれたら
なにされるか分からないもんね・・・。」ドヨヨヨヨーン
11女「・・・! ホ、ホールドしましょうか・・・?」
龍虫「・・・いいの? 内心嫌だったり・・・しない?」
11女「しないです。しないです!」
龍虫「それなら・・・。」パァ・・・
11女「はい・・・。今は男体化して色気も何もありませんが・・・その・・・・・ハグ・・・
しましょうか・・・。」パタパタパタ
龍虫「うん。」ダキッ
11女「・・・。」ダキッ
龍虫「私ね、ヘタレ家の皆が大好きなんだよ。」ギュー
11女「・・・?」ギュー
龍虫「もちろん、性的とかそういうことじゃなくて隣人として・・・友達として。」ギュー
11女「・・・。」ギュー
龍虫「朝方地底湖入口へ帰ってくるとき、いつも羽音を響かせないようにして
洞窟に戻ってきているでしょ? あの配慮なかなかできないと思うんだ。」ギュー
11女「・・・。」ギュー
龍虫「だから、だからね――」
曹長「あは、あははははははは!!!」ゲラゲラゲラ
兵長「フハハハハハハ!!!」ゲラゲラゲラ
11女「」ビクゥ
龍虫「・・・。」ビクッ
11女「あ・・・えっと・・・・・何か言いかけませんでしたか?」
龍虫「・・・うん。・・・・だから。」ギュー
11女「・・・・。」
龍虫「こんな事をするのは忍びないけど許してね。」ジロリ
11女「・・・!」ゾワッ
龍虫「逃がすわけないよね。折角 範囲内に紛れ込んだ獲物だもん。」ガシッガシッ
11女「!!!」バタバタバタ!
龍虫「・・・すぐに済むから。」ガブッ
11女「ッ~~~~!!!!」バタ・・・バタ・・・・・
龍虫「・・・・ごめんね。・・・ほんとうにごめんね。」ギュー
11女「」パタリ・・・ グデー
龍虫「・・・・・・。11女ちゃんは・・・王の机に寝かせて・・・・・と。・・・残るは・・・。」クルッ
曹長「・・・。・・・・・!」ピクッ
龍虫「・・・曹長か。・・・・・・いいや・・・どうせ・・・・・私は足止め薬だし・・・・・。
1人だけでも戦闘不能に追い込めたから・・・成果上々かな・・・・・。」
曹長「・・・・・ま、元帥は・・・手が離せそうにないし・・・・・・行くか。」シャキン!
龍虫「・・・・・・。」シュル・・・
曹長「・・・・・ヘタレ11女のように・・・・・簡単に・・・・仕留められると・・・思ったら・・・・・
大間違いだ・・・・ぜ?」
元帥「くそっ!!」ガッシャコ! ズダァン!!
バイオベース「ふっふっふー! 無駄無駄無駄無駄!! 元帥の弾丸は全て無駄なのだー!」ヒュンヒュン・・
元帥「・・・!」ダダダッ
バイオベース「逃げる気かなー? いいのかなー? 元帥が逃げちゃったら、私は追いかけられる
だけの足を持ってないから、攻撃目標を兵長と絶賛 競り合っている曹長や
必死に龍中の事をフォローしているヘタレ家の・・・・・誰あの子。・・・その子に
標的を変えるだけなのだけどいいのかなー?」ニコニコ
元帥「ぐっ・・・!」シャコシャコシャコ
バイオベース「あ、なるほど。リロードをする算段だったのね。
まぁ、そんな悠長に隙を逃してあげるバイオベースちゃんじゃないよ。」ヒュンッ!
元帥「・・・!」カガミコミ
バイオベース「ほら! ほらほら! ほらほらほら!! 同時に動かせる蔓は1本だけじゃないよ!
合計8本の同時攻撃だー!!」ヒュン! ヒュン! ヒュン! グオッ! ベシッ! バシッ!! グォォ!!
元帥「ひぃっ!」ダダダダッ ガッシャコ ズダァン!!
バイオベース「だーかーらー無駄だってば! その弾丸で霧散するほど蔓は脆くないよ!
見て分かる通り一時怯ませるけど実弾でもない限り無駄だって!」
元帥「じゃ、じゃあ俺はどうすれば良いんだよ!!」シャコシャコシャコ・・・
バイオベース「それ、敵の私に聞いちゃう? まぁ良いけど。
そうだね、降参すればいいかな。」
元帥「断る!!」
バイオベース「だよねぇ。じゃ、弾切れになるまで持ちこたえるか ツルの鞭によって
叩きのめされるか。好きな方を選んでよ。どちらにしろ元帥が勝てる見込みは
ないけど。」ヒュンヒュンヒュン・・・
元帥「・・・ぅ。」ジリッ
バイオベース「特にサドっ気がある訳じゃないけど、絶望に打ちひしがれた顔を見るのって
案外悪くないね。でも気持ちは分かるよ。隊長を助けるには邪魔者である
まず私達を倒さないと助けに行けないんだから。軍曹達の姿が見えないけど
別の救助ルートを模索しているのかな? ま、見つからないとおもうけどね!」
元帥「・・・・・・。」ガッシャコ
バイオベース「本体を狙う感じ? だけど――」バサッ
元帥「」ズダァン!!
バイオベース「花弁を周囲に覆うだけでそんな攻撃メでもないんだよね。」モゴモゴモゴ
元帥「・・・・。」ガッシャコ
バイオベース「万策ついた感じ? 万策ついた感じなのかな?
元帥、落ち込むことないよ。最悪元帥達も王に従えばいいんだから。
きっと隊長ならそんな堕ちた元帥達を見ても優しく接してくれると思うよ。
会える頻度は格段に減るだろうけど。」バサッ ウデグミ ウンウン
元帥(確かに万策尽きた・・・これ以上の戦術組立は俺には出来ない・・・。
でもココで諦める訳には・・・。)
バイオベース「あ、先に言っておくと今、向こうで兵長とバカ笑いしている曹長に助けを
請おうとしても無駄だよ。例え曹長がこっちに来ても無力化できる自信が
あるし、何よりも龍虫の方は終わったみたいだから。」ユビサシ
元帥「・・・11女!?」バッ
11女「」チーン・・・
バイオベース「ね? 龍虫と私。元帥と曹長でタッグマッチも良いと思うけど
攻略難易度は跳ね上がるんじゃないかなぁ。元帥がそれでも良いって
言うなら一旦攻撃を待つけど。」
元帥「・・・。」
バイオベース「どうする?」
元帥「・・・・いや、結構だ。俺は俺だけでバイオベースを倒す。」
バイオベース「あ、そう? それじゃ続きと行こうか?」ヒュン!!!
元帥(バイオベースのツルの挙動は、完全自由自在に動かし続けられるわけじゃない・・・!
鞭状態の時 自在に扱えるのは、根元のみ!! だから挙動を呼んで回避!!)ササッ
バイオベース「元帥賭けをする? 元帥の弾薬が尽きて降参するのが先か。
元帥が私を打ち倒して龍虫戦に持ち込むのが先か。」ビシィ!! バシッ!
元帥「賭けるまでもないな!! 俺がバイオベースを打ち倒して龍虫戦に突入だ!!」ズダァン!!
バイオベース「できるといいね!」ヒュンヒュンッ!
元帥「・・・・!!」ササッ シャコシャコシャコシャコ・・・ガッシャコ
バイオベース「回避しながらリロードかぁ・・・いいねぇ! だけど、弾は有限。
ちゃんと残弾計算しないと私には勝てないよ♪」
元帥「・・・・ッチィ!」ズダァン!!
バイオベース「本体攻撃も無駄無駄ァ!」モゴモゴ
元帥(どうしよう・・・本当にどうすれば・・・バイオベースに・・・・・そうだ!!)ガッシャコ・・・
バイオベース「勝ち目なんか――」バサッ――
元帥(花弁が開いた瞬間を狙う!!)ズダァン!!
バイオベース「おっと。隙間から元帥の姿が見えなければ即死だった!」モゴモゴモゴ!
元帥「・・・・。」ギリィ!!
バイオベース「ふっふっふー! 見える、見えるぞー! 元帥が放った攻撃が見事に花弁に弾かれて
四苦八苦している姿が、想像だけど見えるぞー!」クネクネクネ モゴモゴモゴ
元帥「・・・・・。」シャコシャコ・・・
バイオベース「花弁が開くのを待っても無駄だぞ! あんな戦術が出たのに見す見す二回も
同じことは繰り返さないからね!!」モゴモゴモゴ クネクネクネ
元帥「・・・・・。」
バイオベース「さぁ! どこからでも掛かってこい! 私は逃げも隠れも・・・
隠れるけど! 逃げたりはしないよ!!」モゴモゴモゴ クネクネクネ
元帥「・・・・・・。」ジリッジリッ・・・
バイオベース「さぁ!さぁ!さぁ!」モゴモゴモゴ クネクネクネ
元帥「・・・・・?」ジリジリジリ・・・
バイオベース「降参するなら武器を降ろして、銃器から5mは離れて、両膝をついて
両手は頭の後ろ! そして『降参です』って大きな声で言ってね!!」モゴモゴ
元帥(・・・・・・。バイオベースのヤツ・・・俺が右にズレたのに・・・俺のいた場所に向かって
モゴモゴ言っているな・・・そういえば、花弁が閉じた時はツルの攻撃をして
こなかった。フォアエンドを引いたあと花弁の開閉も無防備だったし・・・
もしかして・・・音もよく聞こえてないんじゃ・・・。)
バイオベース「あれ? げんすい? げーんすーい? 無反応だけど逃げちゃった?
いいのー? 曹長を龍虫と一緒にフルボッコにしちゃうよー。いいのー?」モゴモゴ
元帥(・・・そうだとしたら・・・・・!! 背後に回って花弁が開いた時が勝負!!)スススススス・・・
バイオベース「・・・・・・へんじがない。だたのしかばねのようだ。」バサッ
元帥(背後からのゼロ距離射撃はまずいな・・・。仕方ない・・・よな。)
元帥「・・・!!!」ブオン
バイオベース「龍虫。曹長討伐、手伝――」クルッ――
元帥(銃床アタック!!!)ガンッ!
バイオベース「ッ!!」ガツン!! ベシャァ・・・
元帥「はぁ・・・・・。今回も駄目だったら・・・
次は、本気で曹長に助けを求めに行くところだったぜ。で、曹長は・・・。」フリムキ
龍虫「本当に申し訳ございませんでした。」[土下座]
曹長「・・・・・本当に・・・そう思ってる?」グリグリグリ
龍虫「もう刃向ったりしませんので・・・ご慈悲を・・・・!!」[土下座]
元帥「・・・・・!?」(⦿Д⦿ )!?
曹長「あ・・・元帥・・・・・・そっち終わった?」グリグリグリ・・・
元帥「そ、曹長?!?」
曹長「ご覧のとおり・・・こっちは2匹とも・・・・・・叩き潰した・・・。」グリグリグリ
元帥「い、いやぁ、そういうことじゃなくてな・・・。」
曹長「・・・龍中の頭と胴体を踏みつけている件か?」グリグリ
元帥「」プルプル・・・ コクン
曹長「こうでもしないと、コイツは噛みつくからな。
11女の二の舞はゴメンだ。」
龍虫「ヘタレ家の子のことは本当にごめんなさ――」
曹長「テメェは黙ってろ。」グリッ!
龍虫「っ!」
元帥(ぇぇぇぇぇぇぇ・・・。)[ドン引き]
曹長「・・・コイツには隊長について尋問を終えたが、特に気になる情報は持ってなかったな。
この分だとバイオベースやここまでの道中で遭遇した蜜蜂共もその程度の情報しか得て
ないだろう。あの蜜蜂の量から察するに、王女も居るんだろうけど あの蜜蜂を
押しのけて王女をブチ止めすって手は・・・時間的に非効率だしな。」
元帥「」
曹長「さっきから何も話さないがどうした? 何か気になる事でもあるのか?」
元帥「・・・そ、曹長・・・その喋り方・・・・・・。」
曹長「・・・・・・軍曹・・・を・・・・・・リスペクトしてみた・・・・・・。」
元帥「・・・。」
曹長「と言う理由が0.5割。もう9.5割はイライラした結果。」
元帥「・・・。」
曹長「・・・。元帥。」
元帥「ぉ、おう?」
曹長「どんなに苦虫を奥歯で磨り潰した顔をしようが、ドン引きしようが構わねぇ。
だがな? ・・・オレがココで魅せた仕草や言葉遣い。他所でブチ撒けたら、
テメェの臓物も薄汚ねぇ雑草の肥料になるようにブチ撒けるからな?」ギロッ
元帥「」サーー・・・
曹長「・・・・・・・・顔を青ざめなくても・・・言わなきゃ・・・・・良い事だから・・・・・。
龍虫。テメェもだぞ? コラ?」アァン? グリ!
龍虫「」ガタガタガタ・・・
元帥「わ、わかったよ・・・。龍虫が可哀想だしもう踏みつけるのは止めないか・・・?
龍虫も もう噛みつかないよな? な?」
龍虫「か、噛みつきません・・・。」
元帥「だってさ! 曹長!!」
曹長「・・・・だから元帥は甘いんだよな・・。・・・。・・・龍虫。
・・・・・噛みついたら・・・・・・どうなるか・・・・・・・・・分かっているよね・・・・・・・・?」
龍虫「」コクコクコクコク!!
曹長「・・・念のために言っておくと・・・・・・その下半身の分厚い天然装甲を・・・・・・
ナイフで1枚1枚・・・じっくり剥してやるから・・・。」ジロリ
龍虫「」コクコクコクコクコクコクコクッ!!!!!!
元帥(怖えぇよぉ・・・。曹長 怖えぇよぉ・・・。
踏まれながらも可能な限り龍虫の髪がヘッドバンのように乱れて
いるけど・・・そんなことにツッコミを入れる暇がないぐらいに怖ぇぇぇ・・・。)
曹長「・・・・・・。」スッ
龍虫「」シクシクシク・・・
元帥「・・・。」
曹長「・・・さて、と。元帥。結束バンドで兵長とバイオベースを縛り上げて
龍虫は放置でいい。ただテメェは自分で部屋の隅に行け。」
龍虫「」ガクガクガクブルブルブル・・・
曹長「よし。」
元帥「曹長、バイオベースのツルはどうすれば良い?
縛り上げても・・・あまり効果が無さそうなんだが・・・。」キュッキュッ
曹長「同時に何本も振り回されるよりはマシだ。一本にまとめて縛り上げれば・・・ん?」
元帥「どうかしたか?」キュッキュッ
曹長「ん、ちょっとな。本棚に興味深いものが・・・。」マジマジ・・・
元帥「興味深い物?」ススス・・・
曹長「それはコッチで解読すっから、お前はさっさと念入りに拘束しとけ。」シッシッ
元帥「[ビクッ] わ、わかった。」ソソクサ
曹長「・・・・・・。なんだかんだ言って、王も結局ポンコツ犬に巻き込まれたのな。
うわっ。全巻揃っているしどんだけハマったんだ。・・・・上段1冊分空きがあるな
机の上にはそれらしき本はないし・・・。貸出中か? どれ・・・一冊・・・・。」
――何処か―――
11女「最近、『何処か』って表示多いよね。ナニコレバグ?」
バイオベース「0と1に還元・・・うっ! 頭が・・・!! 特に黒歴史が・・・ッ!!!」
龍虫「あれは・・・・嫌な事件でしたね。」
曹長「私の・・・・使い・・・・・回しはよ・・・・。元帥だけ・・・現状・・・7回も使われるとか・・・。」
元帥「と、言っても・・女性として扱われたのは、い、1回だけだし・・・。」