[短編連載SS]魔物娘たちとの日常 作:Vermillion
――旧倉庫―――
隊長「うーん・・・ないなぁ・・・。」ゴソゴソゴソ
元帥「ん? 隊長!!」
隊長「おっ。元帥。よぉ!」
元帥「おう! 隊長、なにしてんだ?」
隊長「いや・・・な? キャノン砲の作成をしようと思ったから、部品を探してるんだが・・・
てやんでぇい! これが見つからねぇんだ。ダハハハッ!!」ペチッ
元帥「お、おう・・・。」
隊長「・・・うん。俺も駄目だ。自分のテンションに付いていけない。」
元帥「隊長。俺もキャノン砲を造ってみたいから、手伝っても良いか?」
隊長「お願いします。むしろ、是非お願いします。」
元帥「おっしゃ! まかせ――」
隊長「あ、その前に一つ。」
元帥「ん?」
隊長「手袋とマスク。手袋は絶対に付けて。」
元帥「え・・・お、おう! 隊長がそういうなら・・・。」キュッキュッ
隊長「ん。それじゃ始めようか。」
元帥「おう!」
元帥「ねぇなぁ・・・。」ゴソゴソ
隊長「ないだろ・・・?」ゴソゴソ
曹長「・・・。」ヒョコ
元帥「そっちは調べたか?」
隊長「いや、まだだ。」
曹長「・・・・・。・・・何してるの・・・・・・?」
隊長「曹長! キャノン砲をな? 作る部品を探してるんだけどな?」ゴソゴソ
元帥「これが見つからねぇんでぇい! だはははははっ!!」
曹長「・・・・・・。」ジトー
元帥「・・・・・・///」
隊長「結構、恥ずかし悲しいだろ・・・?」
元帥「おう・・・。ぉぅ・・・。」
曹長「・・・・・・隊長、手伝うよ・・・。」
隊長「お願いします。」
元帥「んじゃ、曹長 コレとコレ付けてくれ。」
曹長「・・・・・・?」
元帥「骨董品とか日本刀とか色々あるらしいんだ。
そんな重要なものに、俺達の指紋や油、唾を付けるわけには行かないだろ。
だからよ。」
曹長「・・・わかった。・・・始めよう」キュッキュッ
隊長「見つからない・・・。」ゴソゴソ
元帥「見つからないなぁ・・・。」ゴソゴソ
曹長「・・・隊長、元帥・・・!!」
隊長「見つかったか!?」
元帥「なんだ!?」
曹長「・・・・・・この衣装・・・何?」
元帥「・・・またかよ・・・曹長・・・俺等はキャノン砲の砲筒を探してんだよ。
さっきは日本刀。その前は榴弾砲。さらにその前は掛軸って・・・おい。」
隊長「おおっ! その衣装は!!」
元帥「隊長!?」
曹長「なんの衣装・・・?」
隊長「神様を讃えて踊りを見せるための衣装だよ! 女の子用だけど・・・
いやぁ・・・まだあったのか! 懐かしいなぁ!!」
元帥「・・・もう・・・隊長も・・・。」ゴソゴソ・・・
曹長「神様って・・・?」
隊長「んー・・・確か、土なんとか神様だった気がするなぁ・・・。」
曹長「隊長は・・・見たことあるの・・・?」
隊長「見たことがあるってか・・・一応、踊る程度の事までなら・・・。
じっちゃに叩き込まれたから・・・。」
曹長「・・・・・・!」キラキラキラ!
隊長「しっかし・・・懐かしいなぁ・・・。それじゃ、続きを――」
元帥「見つけたーー!!」
隊長「・・・! 本当か!?」
元帥「おう! キャノン砲の筒だ!!」
隊長「ナイス! 元帥!! それじゃ、作成したら一緒にぶっ放そうぜ!!」
元帥「勿論だぜ!」
曹長「隊長・・・隊長・・・・・・。」
隊長「ん?」
曹長「踊って・・・。」
隊長「んー・・・まぁ。良いけど・・・キャノン砲の筒を部屋に置いたらな?」
曹長「・・・やった・・・。」グッ
――座敷の間―――
隊長「・・・・・・なんと言いますか・・・身が引き締まるな・・・。」
曹長「隊長・・・。」
元帥「似合ってるぜ!」
隊長「そうか。ありがとな。
それでは皆様お静かに。では、神讃の儀を取り行いたいと思います。」
元・曹「「・・・・・・。」」
隊長「・・・。」パッ サッ サッ
元帥「・・・ぉぉ・・・。」
曹長「綺麗な舞・・・・・・。」
隊長「・・・。」クルクルクル・・・ササッ・・・ サ・・・
元帥「おおっ~~!!」パチパチパチ!
曹長「扇から桜吹雪・・・?」
隊長「・・・。」スッ ササッ・・・クルッ
元帥「・・・。」キラキラキラ
曹長「・・・・・・。」ウーン・・・
軍曹「・・・。何をしているの?」
隊長「・・・・・・! 土蜘蛛神様・・・!」サッ
軍曹「・・・・・・は?」
元帥「えっ?」
曹長「軍曹・・・・・・いつの間に・・・?」
隊長「人間界から天界へ、ご招待頂きありがとうございます。
最後の時まで、誠心誠意尽くさせていただきます。」
軍曹「懐かしいような悲しいような音色が聞こえてきたから来てみれば・・・。
元帥、曹長。何か新しい遊び?」
元帥「え? 音楽なんか、かけて無いぞ?」
軍曹「いいえ。かけていたでしょ? 琵琶と琴と縦笛の演奏曲。」
元帥「だから掛けて無いって・・・。」
軍曹「それに季節外れだけど桜の香りがしたわね・・・。」
曹長「・・・桜の香り・・・。元帥、そう言えば・・・桜の花びらは!?」キョロキョロ
元帥「花びらなら、そこに・・・・・・あれぇっ!?」キョロキョロ
隊長「土蜘蛛神様。」
軍曹「・・・・・・。」ジトー
隊長「何なりとお申し付けください。」
軍曹「・・・・・ふざけているの・・・?」
隊長「滅相もございません。土蜘蛛神様。」
元帥「・・・・・・。」
曹長「・・・。」
軍曹「・・・・・・それじゃ、肩を揉んでもらえるかしら?」ジトー
隊長「はい・・・。ただいまお揉み致します。」サッ
軍曹「・・・・・・。」
隊長「土蜘蛛神様。」
軍曹「なによ。」
隊長「大変申し訳ございません・・・前からお揉みさせて頂いても宜しいでしょうか?」
軍曹「好きにすれば?」
隊長「・・・失礼いたします・・・。」スッ・・・ モミモミモミ
軍曹「・・・・・・ん・・・。なかなか、良い腕しているわね・・・。」
隊長「お褒めに与りまして、ありがとうございます。」モミモミモミ
軍曹「・・・・・。」
隊長「・・・・・。」モミモミモミ
軍曹「・・・ふぅ・・・・・・。もういいわ。」
隊長「えっ・・・。まだ、肩の凝りが解れていないのですが・・・
力が強過ぎましたか? では、もっと優しく――」
軍曹「いいって言ってるの。向こうへ行って。」ギロッ
隊長「も、申し訳ございません! そ、そのようにさせて頂きます・・・。」ブルブルブル・・・
軍曹「・・・・・・。」ジトー
隊長「し、失礼いたしました・・・。」ブルブルブル・・・
元帥「ぐ、軍曹・・・。」オロオロ
軍曹「曹長、元帥・・・。隊長に何をしたの・・・?」
曹長「何って・・・旧倉庫に・・・あった・・・・・・衣装を着て貰っただけ・・・。」
元帥「・・・・・・!」コクコクコクッ!
軍曹「・・・・・・そう。」ウーン
曹長「・・・・・・軍曹・・・?」
軍曹「いつ頃からあんな調子なの?」
元帥「え、えっと・・・大体あの衣装を着てからぐらいからな。
なんというか、声質が少し高くなったような・・・。」
曹長「・・・何か・・・・・・まずいものだった・・・?」
軍曹「・・・えぇ。ちょっとね・・・。ふざけているだけなら良いけど・・・
あれをもしも、素でしているのなら。相当まずいかもしれないわ。」ウーン・・・
元帥「・・・え・・・。」
軍曹「怯え方も、媚び方も、礼の仕方もいつものような遊び感覚じゃなかったのよね。
・・・本当に琵琶と琴と縦笛の大合唱は流してないのよね?」
曹長「・・・うん。・・・軍曹・・・・・・そんな曲は流してないよ・・・。」
軍曹「・・・そう。2人ともお願いがあるのだけど、その旧倉庫からこの家の家系図と
信仰神書、神讃書の3つを探し出して貰えるかしら。」
曹長「・・・どうして・・・?」
軍曹「どうしてって・・・。とにかく必要なものだからよ。
隊長を死なせたくなかったら、黙って探してきなさい。」
元・曹「「えっ・・・。」」
軍曹「あの神儀の巫女装束を効力を見ての通り、旧倉庫内の道具は何も触らない事。
特に元帥は武者甲冑。曹長は大鎌に魅入られないように気を付けて。」
元帥「み、魅入られ・・・?」
曹長「大鎌・・・!!」キラキラキラ
軍曹「・・・・・・素手で触ったら・・・・・・自我を失って衰弱した後、死ぬわよ?」
元帥「・・・肝に銘じておく・・・。」
曹長「・・・なんで、そんな危険なものが・・・家にあるの・・・・・・。」
軍曹「知らないわよ。とにかく、あの倉庫の物は訳アリの物品があるから
触れない事。もちろん、訳アリじゃないものもあるのだけれど大体は
いわく憑きの物だから。よろしく頼むわね。」
元・曹「「はーい・・・。」」
――廊下―――
軍曹「さて・・・と・・・。」クルッ
隊長「・・・っ。」ビクッ ブルブルブルブル・・・
軍曹(本当に別人のようね・・・。
よりにもよって、なんでこの巫女装束を着たのかしら・・・。)
隊長「つ、土蜘蛛神様・・・。」ブルブルブル・・・
軍曹「なに。さっき私の言うことを素直に聞かなかったことに まだ怯えているの?」
隊長「め、滅相もございません・・・土蜘蛛神様のことを恐れるなど・・・。」ブルブルブル・・・
軍曹「なら、その震えはなんなのよ。
私から見ると、隅っこで怯え震えているようにしか見えないんだけど?」
隊長「も、申し訳ございませんっ! 今止めますので、どうか、どうか・・・!
お許しください!!」プルプルプルプルプル・・・!
軍曹「・・・。」
隊長「・・・・・・。」プルプルプル・・・
軍曹「隊・・・。いえ、貴方、名前は?」トコトコトコ
贄(隊長)「・・・ニ、ニエ・・・ニエと・・・申します・・・。」プルプルプル・・・
軍曹(・・・ニエ・・・ニエ・・・贄ねぇ・・・・・・。
まずいわ・・・本当にマズイことになったのかも・・・。)
贄「つ、土蜘蛛神様・・・?」プルプルプル
軍曹「本当の名前は?」
贄「本当の・・・名前で、ですか・・・?」プルプルプル
軍曹「えぇ。その贄ってのは儀式用の名前でしょ。
なんと名づけられて、この世に生を享け産まれてきたの?」
贄「・・・・・××です・・・。」プルプルプル
軍曹(・・・・・。××・・・。
昔、家系図を見せて貰った時にそんな名前もあったような・・・。)
贄「・・・・・・。」プルプルプル
軍曹「それじゃ、××・・・。」
贄「つ、土蜘蛛神様っ!」
軍曹「な、何?」ビクッ
贄「お、驚かせてしまい・・・も、申し訳・・・申し訳ございません・・・。
あの・・・大変申し上げにくいのですが・・・。」プルプルプル・・・
軍曹「・・・なによ。」
贄「
土蜘蛛神様に人間の名で呼ばさせてしまうなど・・・土蜘蛛神様の威厳を
損なわせてしまいますので・・・。ぁ・・・また土蜘蛛神様に・・・。」ガクガクガク・・・
軍曹「わかったわよ・・・。とりあえず、私の目の前で怯えないで貰えるかしら?
私が貴方の事を怯えさせているようで、嫌になってくるわ・・・。」ハァ・・・
贄「は、はひっ・・・!」プルプルプル・・・
軍曹「・・・。それじゃ、ニエ。貴方は何のために、どうして神讃の儀を行ったか
説明できるかしら?」
贄「も、勿論でございます。今回、土蜘蛛神様をお呼びしましたのは 我が一族を
お救い願うためでございます・・・! 今、我が一族は異邦より来たりし鬼が
暴れ回っておりまして・・・一族滅亡の危機を回避するために土蜘蛛神様のお力を
御貸し願いたく神讃の儀を行わせて頂きました・・・。」プルプルプル・・・
軍曹「・・・・・・そう。」
贄「はい・・・。」
軍曹「・・・わかったわ。それじゃ、その鬼とやらを討伐するのに力を貸してあげる。
だか――」
贄「ほ、本当でございますか!!」
軍曹「え、えぇ。だ、だか――」ビクッ
贄「ありがとうございます! ありがとうございます!!
これで・・・これで、一族が滅びることはないのですね・・・! す、すみません・・・
安心したら・・・涙が・・・。」ポロポロ・・・
軍曹「えぇ。大丈夫。大丈夫だからね。だから――」
贄「では、土蜘蛛神様・・・一族を代表とするニエとして、鬼が再度襲来するまでの間
御奉仕の方をさせて頂きます。よろしくおねがい致します。」スッ
軍曹(・・・・・・満足させて・・・隊長を返して貰うつもりだったのだけど・・・
効果無かったようね・・・。)
贄「何なりとお申し付け下さい。料理から風呂掃除、洗濯、部屋掃除まで
幅広く致しますので・・・。」
軍曹「そ、そう・・・。それなら、夕飯の作成をお願いできるかしら?」
贄「お任せください!」
軍曹「えぇ・・・・・・。・・・これで、ふざけてましたとか ひょっこり顔を出したら
フライパンでサンドバック殴打の刑、確定ね。」
曹長「・・・軍曹。」スッ
元帥「・・・・・・軍曹。」
軍曹「曹長、元帥。見つけた・・・?」クルッ
曹長「いや・・・暗くなってきたから・・・。あの部屋・・・電気無いの・・・?」
軍曹「無いわ。・・・隊長の事だけれど・・・。」
元帥「・・・おう・・・。」
軍曹「重症ね。まるで乗り移られているみたいよ。・・・はぁ・・・・・・。」
元帥「・・・マジかよ・・・・・・。」
曹長「それで・・・。隊長・・・・・は?」
軍曹「料理とか出来るって言っていたから、今作らせているわ。
・・・はぁ・・・本当にどうしましょ・・・・・・。」
元帥「なぁ・・・。隊長には今、何が移ってるんだ? やっぱり・・・霊的なやつ・・・?」
軍曹「霊と言うより・・・アレは過去の人間の残した思念ってところかしら・・・。
近所の神社に連れて行って、除霊・・・は難しいでしょうね・・・。」
曹長「・・・軍曹・・・。隊長は・・・死ぬの・・・?」
軍曹「少なくとも、このままあの状態ならね。鬼の襲来がいつなのかは知らないけど・・・
その襲来と共に・・・隊長の命は燃え尽きるでしょうね。」
元帥「・・・鬼の・・・しゅ、襲来・・・?」
軍曹「隊長・・・いえ、ニエがそう言ったのよ。鬼の襲来って。
多分、昔この一族を襲ったとされている外国人盗賊あたりの事でしょ。
とにかく残り時間を知るためにも、家系図とか、その他の指定した物が必要なの。
明日も本腰を入れて探すように。」
曹長「・・・・・・ニエ・・・って誰・・・。」
軍曹「隊長に乗り移った残留思念。」ハァ・・・
伍長「たっだいま~!」ダダダダダッ
元帥「げっ・・・伍長・・・。軍曹、伍長には・・・。」
軍曹「私から説明しておくわ。・・・はぁ・・・・・・。」トボトボ・・・
曹長「・・・・・・元帥。」
元帥「おう。隊長の確認・・・だな。」
曹長「・・・・・・。」コクン
元・曹「「・・・。」」ソー
シーン・・・
元帥「・・・あれ? 台所に誰も居ないぞ?」
曹長「・・・隊長は・・・?」
「ゴホッゴホッ・・・。」
元・曹「「・・・! 外・・・!!」」
贄「ゴッホゴホ・・・。あ・・・。」
元帥「おいおい・・・こりゃ・・・・・・どう言うことだ・・・?」
曹長「・・・・・・隊長・・・?」
贄「す、すみません。もう少しで出来上がりますので・・・
もう暫くお待ちください・・・。ゴホッ・・・。」
元帥「い、今時・・・釜戸で・・・料理・・・・・・。」マジマジ・・・
曹長「・・・隊長って・・・・・こんなにスレンダーで細々してたっけ・・・?」マジマジ・・・
贄「あの・・・失礼ですが・・・土蜘蛛神様の式神様の方たちで御座いますでしょうか・・・?」
元帥「・・・。」チラッ
曹長「・・・。」チラッ
元帥「い、いや・・・なんつーのか・・・俺等は・・・・・・。」オロオロ
曹長「土蜘蛛の後輩・・・。」キリリッ ドヤッ
元帥「ちょっ・・・。」
贄「こ、交配・・・? あ、神様同士ですから・・・・・・。
土蜘蛛神様のお相手の方々でしたか・・・。」マジマジ・・・
元帥「そ、そーちょ・・・? なんか、とんでもない勘違いされてないか・・・?」
曹長「・・・。・・・後輩っていうのは・・・神用語で・・・人間界では見習いともいう・・・。」
贄「・・・! も、申し訳ございません! 私、ご無礼な事を・・・!」ビクビクビク
曹長「いいの・・・・・・。誰にも・・・間違いはある・・・。萌え・・・。」ポンポン
贄「申し訳ございませんでした・・・!」ビクビクビク
元帥「あ、俺は気にして無いぜ。それより・・・なぁ、寒くないのか?」
贄「え、えっと・・・。」オドオド
曹長「・・・それは・・・・・・私も思った・・・。」
元帥「ほら、俺のコート。隊長の部屋から持ってくるよりも、この方が早いから
着ろよ。このままだと風邪引くぞ?」
贄「いえ、私は大丈夫で御座います。それに・・・神様のお召し物を贄の私が着る訳には、
参りません。穢れてしまいます・・・。」ブルブルブル
元帥「大丈夫だっての。1回着ただけで、コートは穢れないさ。
ほら。着ておけよ。」バサッ
贄「・・・・・・申し訳ございません。」
曹長「・・・何か・・・手伝うこととかある・・・? 配膳とかなら手伝うけど・・・。」
贄「いえ、神様方は御休みになられて下さい。
私が全てしておきますので。」ペコッ
元帥「そ、そうか? それじゃ、何かあったら俺等を呼べよ?
俺等はそこの台所に居るからな?」
贄「はい。お気遣いありがとうございます。」
曹長「・・・・・・じゃ。」
元帥「じゃあな!」
贄「・・・・・。」ペコッ
元帥「・・・・・・。」
曹長「・・・・・・。」
元帥「なぁ・・・。」
曹長「想像以上に・・・深刻かもしれない・・・。顔、見た?」
元帥「あぁ。隊長の面影はあったが・・・隊長じゃなかった・・・。
しかも、そこのカルキ入り水道水じゃなくて、ありゃ天然井戸水使ってたぜ・・・?」
曹長「・・・。・・・元帥。」
元帥「おう。わかってるよ。」
曹長「・・・明日・・・・・・本腰を入れて・・・旧倉庫で見つけよう・・・。」
元帥「あったりまえだ。・・・ネタいいか?」
曹長「・・・・・・うん。」コクン・・・
元帥「・・・あたり、」
曹長「・・・前原の?」
元・曹「「クラッカー!! いぇーい!!!!」」パチン!
元・曹「「・・・・・・なんか違う・・・。」」
贄「土蜘蛛神様・・・。お食事の準備が出来ました。」スッ
軍曹「え。えぇ・・・。随分と時間が掛かったわね・・・。」
贄「・・・っ。」ビクッ
軍曹「あ、いいのよ!? えぇ。そんなことないわよね!
気のせいよ! 気のせい!! だから、別に謝らなくても―――」
贄「申し訳・・・ございま・・・せん・・・・・・。
次回からは・・・もっと早く・・・支度できるように・・・致しますので・・・
お許しください・・・。」プルプル・・・ グスッ・・・
軍曹「いえ、あの・・・だからね・・・?」
元帥「土蜘蛛、贄を泣かせやがった! 贄、大丈夫か!?」ササッ
贄「いえ・・・私が不甲斐ないせいで・・・申し訳ございま・・・せん・・・。」プルプル・・・
曹長「・・・土蜘蛛先輩、ども・・・。・・・料理が遅いからって・・・ニエを怖がらせるのは
自分・・・どうかと・・・・・・思うッス。」ジトー
元帥「そうだぜ。土蜘蛛先輩。なら自分で――」ジトー
軍曹「・・・。」イラッ
ゴンッ! ゴンッ!
元帥「痛い・・・。」シュー・・・
曹長「・・・土蜘蛛先輩・・・本気で殴った・・・。」シュー・・・
贄「・・・っ。」ビクビクビクッ
軍曹「・・・ニエ。それで、料理は何処?」
贄「は、はひ・・・こちらです・・・。」ビクビクビク・・・
軍曹「・・・。薄暗いわね。」
贄「・・・申し訳ございません・・・。」ビクビクビク
軍曹「こういう時は、電気を付ければ良いでしょ。」パチッ
贄「・・・!」ビクッ
伍長「そして、突然のドーン!」ガバッ
贄「わぁっ!」
伍長「・・・・・・。」ノシッ・・・ クンクンクンクン
贄「ひ、ひっ・・・。」ビクビクビクッ
軍曹「・・・伍長。」
伍長「・・・うん・・・。隊長だけど・・・隊長じゃないね・・・。
ニエちゃんだっけ? 私、えっと・・・「犬神」!」
贄「い、犬神様ですか・・・!? ニエです・・・しばらくの間・・・
よ、よろしくお願い致します・・・。」
伍長「もっと、柔らかくていいんだよー。短いけどよろしくね!」
贄「は、はい・・・。」
軍曹「・・・ニエ、食事ってアレ・・・?」
贄「は、はいっ。白米のお代わり分も、ちゃんと作りました・・・!!」
軍曹(・・・膳に乗った料理って・・・。まるで江戸時代まで遡った気分ね・・・。)
贄「・・・で、出来るだけ・・・私の知っているお料理を御作りさせて頂きましたが・・・
やはり、少ない・・・でしょうか・・・?」
軍曹「いえ。・・・十分よ。さぁ、食べましょ。」
軍曹「・・・。」モグモグモグ
元帥「・・・。」モグモグモグ
曹長「・・・。」モグモグモグ
伍長「・・・。」モグモグモグ
贄「ど、どうですか・・・? 御口に合いますでしょうか・・・?」ビクビクビク
軍曹(塩分控えめで、味がないわね・・・。)
元帥(味がまったくしないな。)
曹長(山塩って・・・いつの時代の料理・・・・・・。)
伍長(・・・味がない・・・。)
贄「・・・・・・合いません・・・でしたか・・・。」シュン・・・
全員『・・・!!』
元帥「い、いやー。美味いぞ。普通に・・・。なぁ?」
曹長「・・・うん・・・味が薄いけど・・・・・・うん。」
軍曹「味に問題は無いわ・・・今度は調味料を渡すわね。」
伍長「味が無いですー。」
贄「・・・・・・。」シュン・・・
元帥(お前等・・・。)ピキピキピキ
伍長(えー・・・だって、本当に味が無いんだもん・・・。)
曹長(味が薄いだけ・・・問題ない。)
軍曹(オブラートに包んだけど・・・駄目かしら?)
贄「なにも・・・お役にたてなくて・・・ごめんなさい・・・。」ボソッ・・・ シュン・・・
曹長(・・・元帥、元帥・・・。)
元帥(少しは・・・なんだよ。)
曹長(・・・今の隊長のショボーン顔・・・庇護欲を引き立てられて、キュンキュン♥しない?)
元帥(・・・一理あるな。)
曹長「一発、犯したい。」
贄「・・・・・っ。」ビクッ
軍曹「・・・・・・曹長。」ジトー
曹長「・・・つい、本音が・・・。気にしないで・・・。」フヘヘヘ
贄「・・・あ、あの・・・もし・・・」オドオド
伍長「・・・?」
贄「土蜘蛛神様がお許しになられるのなら・・・夜伽に参りますが・・・。」ギュ
元帥「」ブハッ
曹長「」ブハッ
伍長「よとぎって、なーに?」
軍曹「・・・・・・。知らなくていいわ。」
曹長「・・・土蜘蛛神様。」
軍曹「・・・なによ。」
曹長「・・・お願いします。今晩、ニエを・・・貸してください。」[土下座]
軍曹「・・・・・・。」ジトー
贄「・・・土蜘蛛神様・・・。」ブルブルブル
軍曹「・・・ダメ。」
曹長「そんなぁ・・・。」
贄「・・・。」ブルブルブル
元帥「ま、当然だよな。・・・ニエ、おかわり貰っても良いか?」
贄「・・・! はい! ただいま、およそり致します!」
贄「土蜘蛛神様・・・。」オドオド
軍曹「なに?」
贄「お背中を流しましょうか・・・?」
軍曹「・・・。そうね・・・。お願いしてみようかしら・・・。」
贄「はいっ! 暫しお風呂場でお待ちください!」
――浴槽―――
軍曹「・・・はぁぁ・・・。」ガラガラガラ・・・
伍長「やっほー。」フリフリ
元帥「おう。軍曹。」
曹長「・・・・・・。」ブクブクブク・・・
軍曹「・・・アンタ達・・・。」
伍長「せっかく、隊長に体を洗って貰えるんだから洗って貰わないとね♪」
曹長「土蜘蛛先輩・・・抜け駆けはズルい・・・・・・。」
元帥「いいだろ。どうせ、大浴槽なんだし。変わらないぜ。」
贄「あの・・・土蜘蛛神様、お背中を流しに参りました・・・・・。失礼します・・・。」ガラガラガラ
軍曹「・・・はぁ・・・。」
贄「っ・・・!」
伍長「やっほー。ニエちゃーん。」
曹長「・・・・・・。」ブクブクブク・・・
元帥「俺等の分も頼めるか?」
贄「土蜘蛛神様・・・。」
軍曹「えぇ。そのくらいなら・・・でも変な事をしたら、全員叩きだすわよ・・・?」
伍長「それじゃあ、洗って貰うの曹長 最後ね。」
曹長「・・・!?」
元帥「必然的にそうなるな。」
曹長「・・・。」ブクブクブク・・・
軍曹「ニエ、お願い。」
贄「は、はい!」スッ
曹長「・・・・・・。」チャプチャプ・・・
元帥「ふぅ・・・。何にも問題を起こさなくてよかったぜ・・・。」
軍曹「はぁ・・・。極楽ねぇ・・・。」
贄「そ、それでは・・・私はこの辺りで失礼致します・・・。」
伍長「えっ? ニエちゃんは一緒に入らないの?」
贄「はい・・・。私が入ると・・・穢れてしまうので・・・。失―――」
伍長「神様命令です。一緒に入ろー♪」ガシッ
贄「で、ですが・・・。」
伍長「軍曹、良いでしょー?」グイグイ
軍曹「・・・えぇ。」
贄「え、で―――」
伍長「げんすーい。」
元帥「おう! 任せろ!!」ズルズルズル・・・
贄「あわわわわわわっ!?」
元帥「曹長・・・!」
曹長「・・・!」ブクブクブク・・・
元帥「パス。」ヒョイッ
曹長「・・・。」キャッチ
贄「はぅっ!」ザッブーン
曹長「ニエ・・・冷たい・・・・・・。」ギュー・・・
贄「えっ!? えっ!? あ、あのっ!」
元帥「しばらく俺等と一緒に温まってから出ようぜ。」ヌクヌク
伍長「お風呂に一緒に入っただけじゃ穢れないよー。
その位で穢れちゃうなら、どれだけひ弱な神様なの?」ヌクヌク
軍曹「・・・・・・。」ジー
贄「・・・っ。」ビクッ
軍曹「ゆっくり入ってから出なさい・・・。」
贄「あ、あ、あ・・・ありがとうございます。」オドオド
曹長「・・・♪」モソモソ
贄「ひゃっ! か、神様・・・一体何を・・・っ。」
曹長「フヘヘ・・・フヒヒヒヒヒヒッ。」モゾモゾ
元帥「おい、コラ曹長! いきなり体を弄るなよ!!」
曹長「いや・・・夜伽をしてもらえないからつい――」レロォ♥
贄「っ・・・。」ビクッ
軍曹「・・・。」ガシッ ジャブッ
曹長「あ・・・。」バシャッ
軍曹「・・・。」ポイッ
元帥「・・・バカだな・・・。」
伍長「バカだね・・・。」
贄「・・・・・・っ。・・・っ。」ビクビク
元帥「俺等は紳士的だからな。怯えなくても、大丈夫だぞ。」ナデナデ
伍長「うんうん。いきなり、人の胸元に手を突っ込んで乳首をつまんだり、
耳を甘噛みしたり、首筋を舌で舐め遊んだりしないからね!」ギュー
軍曹「・・・・・・。」チャプッ
曹長「・・・・・・。」ショボーン
――脱衣所―――
贄「あのっ・・・。」
軍曹「・・・・・なにかしら?」ゴシゴシ
贄「土蜘蛛神様、お風呂を頂き・・・ありがとうございました。」ペコッ
軍曹「たかがお風呂じゃない。別に大したことじゃないわ。」ゴシゴシ
贄「はぃ・・・。では、土蜘蛛神様のお部屋で準備をして参ります。
お先に失礼します・・・。」ペコッ
軍曹「えぇ・・・。・・・・・・準備?」ゴシゴシ・・・?
――軍曹の部屋―――
贄「お待ちしておりました。土蜘蛛神様・・・。」スッ
軍曹「・・・これって・・・。」
贄「・・・不束者ですが、よろしくお願い致します・・・。」スルッ・・・
軍曹「待ちなさい。待って。これは何・・・?」
贄「夜伽で・・・御座いますでしょうか・・・?」
軍曹「なんで準備した貴方が疑問形なのよ・・・。」
贄「・・・夜伽で御座います・・・。」
軍曹「・・・そう。言っていること・・・自分で分かっているのよね?」
贄「はい・・・。」
軍曹「後悔とかしないわよね?」
贄「・・・勿論で・・・御座います。土蜘蛛神様が私の一族を救って下さると言うならば、
この身も、命も、全て投げ出す所存でございます・・・。」
軍曹「・・・!」ガバッ
贄「っ・・・!」
軍曹「本当に・・・後悔してないの・・・?」ギロッ
贄「は、はい・・・っ。一族の為・・・土蜘蛛神様のお力になれると言うのならば・・・
どんなことでも、私は致します・・・っ。」ウルウルウル・・・ ポロポロ・・・
軍曹「・・・。」スッ
贄「・・・つ、土蜘蛛神様・・・?」グスッ
軍曹「・・・。寝るわよ・・・。」
贄「え・・・?」
軍曹「寝るって言ったの。夜伽の代わりに添い寝をお願いできるかしら?」
贄「・・・! はい! もちろん・・・!!」
軍曹「・・・・・・。」
贄「・・・・・・。」スヤスヤ・・・
軍曹(布団で横になるなんて・・・何年振りかしら・・・。
××・・・。家系図だけじゃダメね・・・一族史も必要だわ・・・。
・・・昼間より、また一段と小柄になった様な・・・。)モゾモゾ・・・
贄「・・・うぅん・・・。」ギュッ
軍曹「・・・!!」ビクッ
贄「土蜘蛛神様・・・。どうか・・・どうか・・・一族を・・・・・・。」スヤスヤ・・・
軍曹「ホッ・・・。・・・!」モゾモゾ・・・
贄「・・・・・・。」スヤスヤ・・・
軍曹(な、ない・・・? そ、そんなはずは・・・。)モゾモゾ
贄「・・・・・・。」
軍曹(・・・。無いわ・・・隊長の・・・隊長の・・・・・ナニが・・・無くな――)モゾ―
贄「土蜘蛛神様。」パチッ
軍曹「・・・っ!!?!?」ビクゥッ!
贄「やはり、始めましょう・・・。このままではいくら土蜘蛛神様とも言えども
我慢は お体に毒です・・・。失礼致します・・・。」チュッ・・・♥
軍曹「い、いえ・・・っ こ、これは・・・違うのよ!」
贄「土蜘蛛神様は身を委ねてください・・・。私が致しますので・・・。」チロッ♥
軍曹(・・・弄り過ぎた・・・!)
【仕切り直し】
大将「今度こそ、いっくよ~☆」
博士「さて、来週の魔物娘との日常は?」キリッ
伍長「伍長だよー。とりあえず今は、隊長が倉庫内にあった巫女装束を着て
大変ことになったんだ。肉体は隊長だけど外見は別人・・・
うーん・・・考えたらちょっと頭が痛くなってきちゃった・・・。
来週は非日常47話 何としてでも元に戻さないとね!!」
曹長「・・・・・・来週も・・・・・・見に来て・・・。」
元帥「じゃーんけーん・・・。」
毒蛇「ぽん☆」キラリン☆ チョキ
元帥(うわぁ・・・。)
曹長(うわぁ・・・。)
博士(うわぁ・・・。)
伍長(うわぁ・・・。)
軍曹「・・・。うふふふふふぅー(棒)」ノシノシ [一転凝視]
贄「つ・・・土蜘蛛さまぁ・・・。」プルプルプル