[短編連載SS]魔物娘たちとの日常 作:Vermillion
――台所―――
元帥「・・・えっ?」キョトン
曹長「・・・え? ・・・違うの?」カタカタカタ・・・
伍長「・・・うーん? でも、『主人公という意味では同じだが 男性がヒーロー
女性がヒロイン』ってヤホー知恵袋に書いてあるよー?」
曹長「・・・・・・yahoo・・・ヤフーね。・・・軍曹はどう思う?」チラッ
軍曹「私? 私にそんな事、聞かれたって分からないわよ。
どっちでも良いんじゃないの?」パリッ・・・モグモグモグ・・・
元帥「あーっ! いいなぁ! なぁ、俺も食って良いか?! その醤油煎餅!」
軍曹「別に良いわよ。今日はお昼のおやつ出さなかったし。
ほら、曹長も伍長も。」ズイッ
元帥「へへへっ♪ ありがとうな!」パリッ モグモグモグ
曹長「・・・いただきます。」パキッ モグモグモグ
伍長「うん。塩せんべいも美味しいけど、しょうゆも良いね。」モグモグモグ
曹長「それで、軍曹・・・どっちかって言ったら?」モグモグモグ・・・
軍曹「・・・しつこいわね。・・・貴方も。」
曹長「・・・・・・へっへっへっ・・・。・・・カマキリは・・・一度狙い定めた・・・獲物は・・・・・・
手が届かなくなるまでは・・・追いかける・・・。」[カマキリ拳の構え]シュッシュッ
軍曹「・・・・・・。この際だからハッキリ、言わせてもらうけど。
その魔物化前に威嚇として行っていた蟷螂のポーズ。ぜんっぜんッッッッッ
可愛らしくないからね?」
曹長「・・・・・・。」
軍曹「さらに言わせて貰うと。それを隊長に向けてしない方が良いわよ。
理由は・・・私の隣でご機嫌に尻尾を揺らして、醤油煎餅をしゃぶっている
伍長に聞きなさい。曹長は分かると思うけど。」
元帥「なぁ、伍長?」
伍長「ん?」♪
元帥「なんで、隊長にカマキリのポーズを取ったらいけないんだ?」
伍長「うーん・・・。それは隊長が、そのポーズを取ると開戦の合図だと思って
百裂拳を放ってくるからかなぁ・・・。」モグモグモグ
元帥「!? なんで、開戦の合図になるんだ!?」
伍長「それは曹長に聞けば分かると思うよー。」パリパリ・・・
元帥「曹長、なんで――」
曹長「・・・元々・・・この蟷螂の構えは・・・・・・相手に威嚇・・・の・・・構え・・・。
・・・隊長は・・・ほら・・・・・・長年、私達と暮らしてきたから・・・。」モグモグモグ
元帥「あー・・・。でも、威嚇だけなら・・・。」
曹長「・・・・・・威嚇+魔物娘要素。」バリッ モグモグモグ
元帥「・・・なんか、納得できた。」
曹長「それで、軍曹・・・。」チラッ
軍曹「・・・ったく、わかったわよ。そうね。隊長はヒ-―――。」
隊長「ただいもー。」ガラガラガラ・・・
伍長「・・・! おかえりんごー!!」モグモグモグ!
軍曹「・・・。」
曹長「・・・隊長は?」
軍曹「・・・。」
隊長「・・・? ただいまー。こんな夕飯3時間前から、集まっているなんて珍しいな。
何か話でもしていたのか?」スタスタスタ
元帥「おう。隊長はヒロインか、ヒーローかって話を ちょっとな。」
隊長「また面白そうな話をしてるなぁ。
別にくだならないとか俺は思わないけどよ。」ジー
軍曹「・・・。」イラッ
隊長「それで、俺は――」
軍曹「どちらかと言えば、ヒロインね。」
曹長「・・・!」グッ[ガッツポーズ]
元帥「え。」ボーゼン
隊長「・・・え?」キョトン
伍長「・・・♪」パリッ モグモグモグ
軍曹「正確にはヒーロー。だけど、ポジション的にはヒロイン。
大体そんな感じじゃないかしら。」
曹長「・・・私の感は・・・・・・間違ってなかった・・・!!」グッ
隊長「え・・・マジ? マジで言ってるの・・・?」
軍曹「よぉぉぉぉぉく、“自分の”胸に手を当てて考えて見なさい。
隊長が巫女装束を着たときも、白い大きなオタマジャクシが召喚された時も――」
曹長「・・・! ・・・ニエと・・・精s――」
軍曹「完全な『助けて貰う側』のヒロインだったじゃない。」スパーン
隊長「・・・。」
軍曹「よくそんな状態で自分はヒーローだ なんて思えるわね。」
隊長「・・・言われてみれば・・・。この前の軍曹ボディプレス事件も・・・
俺が地雷を派手に踏み抜いて 曹長と元帥、伍長にまで救出されたし・・・。」
軍曹「・・・。」ジトー
隊長「その巫女装束ってのは、よく覚えてないから分からないけど
白いオタマジャクシに襲われた時も、色んな敷地内の連中に助けて貰ってたな!」
軍曹「自覚して貰えたかしら。」
曹長「・・・軍曹先生。」
軍曹「誰が先生よ。」
曹長「・・・・・・つまり・・・私達は、ヒーローポジ・・・・・・と言う事・・・ですよね?」
軍曹「そうなるわね。
性別的に見ればヒロイン・・・魔物化前がオスの魔物娘も居るけど。」ジー
伍長「・・・?」モグモグモグ・・・ パリッ
軍曹「ポジション的に考えたら、私達はヒーローかしら。」
曹長「・・・よく物語で・・・・ヒーローは、ヒロインを・・・無理ヤり・・・押し倒して・・・
子作りに励む・・・! ・・・と言う構図を・・・見かけますが・・・ヤっても良いですか?」ニタァ
軍曹「・・・。」ジー
隊長「」ビクッ
元帥「た、隊長は俺が守るぞ!!」ザッ
軍曹「・・・隊長。いつまでもそんな感じだから、
男なのに半永久的に ヒロインポジション固定なのよ。
・・・今回も別に止めないから、好きなようにすれば良いんじゃない?」
曹長「ヒッヒッヒッヒ・・・。」ジュルリ・・・ シュタッ
軍曹「でも、曹長。そのヒロイン。自身の魔物化が関わってくると
暴力系オラオラヒロインに変貌するわよ?」
曹長「・・・・・・問題ない・・・。」ジュルリ
曹長「・・・・クロビネガ魔物娘の・・・魅力は絶対・・・へっへっへっ・・・安心して隊長・・・
辛いのは最初だけ・・・・・・気絶するのも最初だけ・・・。」ジリッ・・・ ジリッ・・・
隊長「バーロー! 俺を腹上死させるつもりか!?」ジリッ
元帥「ん? 隊長、腹上死って?」ジリッ ジリッ
隊長「テクノブレイクのこと。」コソッ
元帥「そういうことか! そうだ! そうだ!! 回数を考えずに始めて
隊長が死んだらどうするんだ!!」
曹長「だいじょぉぶ・・・。・・・魔物娘との性交で・・・人間は死にませーん・・・。
・・・・気絶のみで・・・コトを済ませられます・・・。」
曹長「・・・スゥッ。愛のない性交ならば、愛を生み出せばよい!
昼は女の様に組み伏せ、夜は女として組み伏せて・・・
朝は私の腕の中で、隊長の耳元で愛と夢を囁こうではないか・・・ヘッヘッヘッ」ジュルリ・・・
隊長「イヤー!! この元オオカマキリ、何処かの征服王が言い出しそうなこと
言い始めた!!」ガッデム!
元帥「そうか・・・。どんな無茶な性交をしても、魔物娘相手だと
テクノブレイクしないのか・・・そうか。そうか。」ウツムキ
隊長「・・・げ、元帥?」チラッ
曹長「そう・・・。どんな無茶な性交を行おうと魔物娘相手ならば、
人間は絶対に死ぬことは無い!! ・・・そうだ、元帥。
わたしの みかたになれば たいちょうの はんぶんを げんすいに やろう。」
伍長(よく喋るなぁ・・・。でも、なんだか おもしろい!!)パリッ モグモグモグ!!
軍曹「・・・。」ジトー
曹長「なに うしろの たいちょうを さしだすだけで よいのだ。
たいちょうの はんぶん わるいはなしでは ないだろう。」
元帥「・・・。」ウツムキ
隊長「げんすい・・・。」
曹長「さあ ひめを さしだすのだ げんすい!」
元帥「・・・。おれは おれは・・・。」プルプルプル
軍曹(そろそろ、夕飯を作り始めましょ。)ヨッコイセ
伍長(ど、どうなるんだろう!?)ドキドキ
元帥「俺は、お前の言葉などに屈しない! 曹長!!!」ギリッ
隊長「元帥!」ダキッ
元帥「・・・///!! 隊長、俺は純愛モノが大好きだ。
だから・・・だから・・・この戦闘で勝って、結婚しよう!!」
隊長「あぁ、知ってる! 『勝ったら』な!!」ギューッ
曹長「ふっ・・・そうか。愚か者め! 死に晒すがよい!!」シャキンッ! シャキンッ!!
元帥「・・・! 隊長! 離れてくれ!! ・・・行くぞ! 曹長!!!」スッ ガッシャコ
元帥「デヤーーーッ!!」ズドンッ
曹長「イヤーーーッ!!」ダダダッ
伍長「・・・。」ドキドキ
隊長「・・・。」ゴソゴソ
軍曹「そうね。夕飯は鳥の唐揚げと大根味噌汁、カブの漬物にしましょ。」ゴソゴソ
元帥「・・・・・・。」シュタッ
曹長「・・・・・・。」シュタッ
伍長「・・・。」ドキドキ
隊長「・・・。」ゴソゴソ
元帥「ぐはっ!」グワーッ!!
伍長「あぁ! 元帥がやられた!!」パリッ モグモグモグモグモグ!!
曹長「おまえの しゅごは おわった。ゆっくり えいえんに やすむがよい!
わあっはっはっはっ!!!」
隊長「遅い。」シュバッ チャキッ
伍長「おおおっ!! 素早い動き! 曹長の後ろを取った!!」パチパチパチ
曹長「はっはっはっ・・・・・・は?」
隊長「遅いと言ったんだ。愚か者め。勝敗が付いたのなら、勝利宣言などせずに
俺に向かってくるんだったな 。時間を与えたのが貴様の運の尽きだ。」
軍曹「ご飯は、まだあるわよね? 1、2、3、4、5・・・大丈夫ね。
ちゃんと5人前あるわ。」パカッ カチッ・・・
曹長「ク、ククク・・・ふふふふふふふ・・・。」
伍長「隊長! 気を付けて!! 曹長、何か企んでるよ!!」パリッ モグモグモグ!
隊長「何が可笑しい?」
曹長「いつから わたしが ひとりだけだと さっかく していた?」ニヤリ・・・
隊長「・・・ッ!」
曹長「ゆけ! わがしもべ ぐんそうよ! たいちょうを しばりあげ――」
軍曹「今、油で唐揚げ揚げているから無理よ。それと、私がいつ貴方の僕に
なったのかしら? 調子付いていると揚げるわよ?」ニッコリ
曹長「」ゾッ
隊長「言いたいことは、それだけか外道。
元帥を殺った罪、今ここで償って貰おう。」ゴゴゴゴゴ・・・
曹長「ま まて! そ そうだ! いま わたしの みかたになれば
げんすいの すべてを たいちょうに やろう!!」
隊長「・・・・・・。」
曹長「そ それだけでは ない! わたしの すべても そなたに やろう!!
どうだ?! わるいはなしでは ないだろう!?」
隊長「・・・。」
曹長「な? な!?」
伍長「・・・・・・。」ドキドキ
軍曹「今日のお味噌汁は~♪ 大根♪ 大根♪ 大根こん♪」コトコト・・・
曹長「どうだ!?」
隊長「いいたいことは それだけか くされ げどう。」
曹長「」
隊長「わが いかりの ばっくしょっとしぇるの だんがんで
ちけむりと なって むさん しろ。」グッ
曹長「や―――」
ズドン!!
伍長「ヤッター!! 悪をやっつけたー!!!」バンザーイ!! モグモグモグ
元帥「た、隊長・・・。」ゴフッ
隊長「・・・!! 元帥!」ダッ ヨイショ ダキッ
元帥「へ、へへへっ・・・か、カッコいい所・・・見せるつもりが、まさか・・・こんな
醜態をさらしちまうなんて・・・な。」
隊長「そんなことないよ。元帥はカッコ良かったよ。」
元帥「ははは・・・嬉しいな・・・ぁ・・・。・・・隊長・・・俺、死ぬのかな・・・。」
隊長「さぁ・・・どう・・・だろう。」チラッ
曹長「」ノ[カンペ:死にます 致命傷]
隊長「だ、だいじょうぶ。すぐによくなるよ・・・。今、手当するね・・・。」プルプル
元帥「・・・駄目・・・なんだな・・・。」
隊長「そんなことない! 大丈夫! 大丈夫だから!!」
元帥「・・・ありがとな、そう言ってくれてよ。」
隊長「・・・・・・。」プルプルプル
元帥「でも・・・分かるんだ・・・もうダメだって・・・。
やっぱり・・・死亡フラグが、いけなかったのか・・・?」
隊長「・・・・・・。」プルプルプル
元帥「俺の死体は、ここへ置いて行ってくれ・・・外には、まだ沢山の理性の無い
魔物が徘徊している筈だ。」
隊長「・・・・・・。」フルフル
元帥「置いて行くんだ・・・俺と一緒に出て行っても・・・ただの的だ・・・!
早く・・・はやく行ってくれ・・・ココにも魔物が・・・なだれ込む前に・・・。
俺は・・・もうダメだから、置いて・・・行――」
隊長「・・・! 元帥!? 元帥!! そ、そんな・・・。」
こうして、勇者・元帥と姫君・隊長の手によって、魔王・曹長は倒されたのでした。
しかし先の戦いで勇者は、致命傷を負い 大量出血してしまい魔王城にて
姫に見取られながら、静かに人生の幕を降ろしました・・・。
血煙霧散した魔王とは違い、その死に顔はとても安らかでやり切った顔だったと
その後1人魔物を蹴散らしながら帰還した姫より伝えられ、亡骸は無いものの
盛大な弔いが行われ勇敢な勇者を国は讃えました。
その勇者と姫君と魔王の最終決戦から、1週間も経たないうちに姫の嫁を希望する者が
大勢、城を訪れました。国王は大変喜びましたが、姫は気乗りしないようで全て見合いは
断り自室で、いつまでも・・・いつまでも・・・空しき希望を持ち
亡き勇者の帰りを待っているのでした。
おしまい。
伍長「ううう~っ! アドリブだらけの即席感があったけど、感動したよ~!!
元帥、曹長、隊長! いい演技力だね!!」パチパチパチッ!!
軍曹「ファンタジー物語は終わった? それじゃ、御飯よ。
さっさと、起きて席に座りなさい。」
3人「はーい。」スクッ
軍曹「まったく、よくこんな狭い台所で劇が出来るわね。ある意味感心するわ。」ゴトッ
全員『いただきます。』
【おまけ】
元帥「そういや、タイトルの~曹長~ってなんだ?」パクパク モグモグ
曹長「・・・・・・来週・・・わかる・・・。」パクパクパク
隊長「軍曹、ケチャップ。」
軍曹「はい。」ドンッ