[短編連載SS]魔物娘たちとの日常 作:Vermillion
――隊長の部屋―――
隊長「・・・・・・♪」ピコピコ・・・
ヘタレ「あ、あのっ・・・。」オドオド
隊長「・・・♪」ゴロン ピコピコ
ヘタレ「・・・・・・。」シュン・・・
隊長「・・・♪ ・・・――・・・!?!」ガバッ! チャキッ
ヘタレ「ひっ!」ビクゥッ
隊長「お、おう・・・なんだ・・・ヘタレか・・・音もなく部屋に来るのやめろよ・・・。
見慣れない姿があるから、思わず魔王軍の尖兵か何かかと思って
銃口を向けちまったぜ・・・。」
ヘタレ「ご、ごめんなさい・・・。」ビクビクビク・・・
隊長「いや・・・謝るほどの事じゃないけどさ・・・。
それで、今日はどうした? 真夜中、巣に俺を呼び出すんじゃなくて、
真昼間から ヘタレ直々に俺の部屋に来るって事は何かしらの事情があるんだろ?」
ヘタレ「は、はい・・・実は・・・――」ビクビク
隊長「あ、ちょっと待った。」スッ
ヘタレ「っ!」ビクゥッ!!
隊長「・・・別に叩く訳じゃないんだから・・・。それに距離的にも無理だし・・・
そんなに手を突き出しただけで、怯えられても反応に困る・・・。」ポリポリ・・・
ヘタレ「ご、ごめ、んなさっ・・・。」ビクビクビク
隊長「うーん・・・やっぱり、そんな状態じゃ満足に会話は出来ないよなぁ・・・
日中、俺の部屋は色んな奴(主に元帥と伍長)が出入りするし・・・
よし客間に移動しよう。あの場所なら、俺も動ける程度に薄暗いし
ヘタレもある程度は普通に話せるだろ?」
ヘタレ「は、はいっ・・・。」オドオド
隊長「よし、ならさっさと客間に移動しよう。
他のヤツが絡むとまともに話が進まないことも多いし。善は急げだ。」
ヘタレ「・・・・・・。」オドオド・・・
――客間2―――
隊長「光源よしっ・・・と。ヘタレ、どうだ?
この程度なら ある程度は普通に話せそうか?」
ヘタレ「は、はい・・・。本調子は出ませんけど・・・
相談程度なら・・・できます。」
隊長「うん。俺も本調子出されると非常に困る。ワーバット種は特に。」ウンウン
ヘタレ「はい・・・。」
隊長「それで。今日はどうした?
いい加減、ヘタレって呼ばれるのに嫌気が指して変更名を希望か?」
ヘタレ「出来れば、それについても考え直して欲しいですけど・・・
今日は・・・もっと別の相談があって・・・・・・。」
隊長「別の・・・別と言うと・・・・・・洞窟の補強工事についてか!?
一応、出来る限りの人脈で補強工事を行わせたが・・・もうガタが来たか?!」ガタッ
ヘタレ「いえ・・・あの・・・隊長さんのおかげで・・・その節は・・・。
特に目立つ異常もなく・・・以前より住みやすくて・・・・ありがとうございました。」
隊長「なら良いんだけどさ・・・。その他で、ヘタレ家の事で相談したい事ってなんだ?」
ヘタレ「はい・・・あの・・・実は、妹たちの身体的と精神的な事で・・・
相談に乗って欲しくて・・・。本来なら、街まで降りてお医者さんに診て
もらったり・・・するのが普通なんでしょうけど・・・・・・。
その・・・。休診時間とか・・・本人が拒んだりして・・・。」
隊長「・・・。」ウーン・・・
ヘタレ「出張診療だと・・・莫大に費用が掛かっちゃうし・・・。
わたしたち・・・保険に入ってなくて・・・10割負担で・・・
以前、博士さんにもお頼みしたんですけど・・・ダメで・・・。
もう・・・対魔物に詳しい隊長さんしか・・・・・・頼めなくて・・・。」
隊長「・・・とりあえず、妹さんの状況を見ないと何とも言えないな。
身体的・・・と言うと身長とか、風邪とかについてか。
精神的は・・・うつ病にでもなったか? 一応、精神分析できるぞ。
それで、具体的にはどう言った状態だ?」
ヘタレ「・・・! ・・・ありがとうございます!!」
隊長「礼は、治ってからでも良い。やっぱり、ちょっと待っててくれ。
メモとペンを用意する。」
ヘタレ「はいっ・・・♪」
隊長「よし。具体的に頼む。」ペラッ
ヘタレ「まず、精神的な病の妹なんですが・・・。」
隊長「精神的ね・・・。」メモメモ
ヘタレ「末っ子が・・・暗闇でも明るみでも臆病で・・・
その・・・常に誰かと一緒じゃないと何もできなくて・・・。」
隊長「つまり、裏表がないのか。本来ワーバット種は暗闇の中だと
意地悪で強気な態度に出られるところが、ヘタレの妹は暗闇でも弱気な状態と。」
ヘタレ「はい・・・。」
隊長「うーん・・・。」メモメモ
ヘタレ「それで、身体的な問題を抱えている妹なんですが・・・。」
隊長「うん? うん。身体的ね。」メモメモ
ヘタレ「あの子・・・最近、胸が大きくなっているんです。」
隊長「・・・うん・・・胸が・・・ぅん? 胸が?」チラッ
ヘタレ「はい・・・おっぱ―――」
隊長「軍曹で言えば。」
ヘタレ「?」
隊長「軍曹で言えば、ダブルウォーターメロン?」バユンバユン
ヘタレ「・・・。・・・! ・・・そうです・・・。」
隊長「別に・・・胸囲が大きくなるぐらい、いくらワーバット種とはいえ・・・
女の子である+人間の男を欲情させる魔物娘である点から見れば
普通だと思うんだけど・・・。」ウーーーン
ヘタレ「でも、その・・・大きくなり方が異常で・・・。」
隊長「・・・現在、どのくらいの大きさ?」
ヘタレ「・・・そうですね・・・今は・・・半キャベツぐらいですか・・・?」
隊長「半キャベツ・・・ねぇ。」ウーン
ヘタレ「・・・どう・・・ですか・・・・・・・?」
隊長「明日、いや今夜でもいいや。本人たちを連れてくることは可能か?」
ヘタレ「で、できれば・・・今夜と明日の朝ではだめですか・・・?」
隊長「・・・2人同時は難しそう?」
ヘタレ「末っ子の方が・・・暗闇を怖がってしまって・・・。」
隊長「そうか・・・。
ちょっと、ごめん。席を外しても良いか?」
ヘタレ「は、はい・・・どうぞ・・・・・・。」
隊長「あ、今更だけど。よかったら、これ食べてくれ。」
ヘタレ「・・・?」
隊長「ばーむくーへん。かぼちゃ味。俺も半分喰ったけど
なかなか美味かった。」
ヘタレ「・・・すみません・・・。」
隊長「あぁ。」ノシ
ヘタレ「・・・・・・。」
ヘタレ「・・・。」ピリッ・・・ パクッ モグモグ・・・
ヘタレ「・・・♪」
隊長「はい、ただいま。」
ヘタレ「・・・!? ゲホッ!? ゴホッ!!?」
隊長「・・・大丈夫か?」
ヘタレ「は・・・はい・・・。ゴホッ」
隊長「・・・なんか、ごめん。・・・これ暗闇でも読めるか?」スッ
ヘタレ「・・・! これって・・・。」
隊長「旧魔物娘図鑑。今は手に入りにくい非売品。
あのリリムや魔王軍が侵攻してくる前に購入した“元”娯楽作品の1種。
コレがあったから、俺や女隊長 他の反魔物派は人間として生き残れた。」
ヘタレ「・・・すごい・・・。」パラパラパラ
隊長「そこの71ページを見てくれ。」
ヘタレ「・・・! わたし達の・・・!」
隊長「あぁ。旧魔物図鑑だからモノクロだけど。それで、下の方を見てくれ。」
ヘタレ「・・・・・・?」
隊長「俺が迎えに行けば、末っ子は来れそうか?」
ヘタレ「・・・。い、いいんですか・・・?」
隊長「構わんよ。ただし、1つだけ条件があってな。」
ヘタレ「・・・条件・・・ですか?」
隊長「大したことじゃない。ちょっと、その・・・ヘタレ家の凶暴な奴等を
抑えてくれるだけで良い。まぁ、妹をコレから診るって言うのに
襲わないとは思うけどよ・・・念のためな?」
ヘタレ「はいっ・・・! お姉ちゃんたちにも・・・ちゃんと言い聞かせます!!」
隊長「なら、問題ないな。今夜、迎えに行く。23時ぐらいで良いか?」
ヘタレ「・・・よろしくお願いします・・・!」
隊長「あ、それと・・・。」
ヘタレ「・・・?」
隊長「ヘタレ家は13人家族だって知ってるけど。
ヘタレ自身は何番目なの?」
ヘタレ「・・・えぇと・・・4番目です・・・。」
隊長「ふーん・・・そうなんだ・・・。それじゃ、23時。」
ヘタレ「23時に・・・!」