[短編連載SS]魔物娘たちとの日常   作:Vermillion

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日常69話-伍長「・・・・・・!」ドゲシッ!

――隊長の部屋―――

 

伍長「たいちょぉ・・・♥」パタパタ・・・♥

 

 

隊長「ん。伍長か、なんだよ。なんで俺を見てそんなに尻尾を振るんだよ。

   発情期か? 発情期なのか!? 発情期なら・・・」ガシッ バキバキバキッ!

 

 

伍長「イタタタタタタタタタ!! 痛いよ! 痛いってば!! イタタタタタッ!

   発情期は、まだだよ!! イタタタタタタタッ!!」

 

 

隊長「・・・じゃぁ・・・なんだよ。」パッ

 

 

伍長「イタタァ・・・。うん・・・あのね・・・・・・?

   ちょっと敷地内を一緒に散歩して欲しいかなって・・・♥♥♥」ウワメヅカイ

 

 

隊長「・・・。わかった、とりあえず。その上目使いと♥を止めろ。

   お前、♂だろ。♂に上目使いされてもガン飛ばされてるようにしか見えんわ。」

 

 

伍長「えぇぇぇ・・・。今は♀だよぉ・・・。」

 

 

隊長「魔物化前、つまり初期は♂だろ。今は、人間も♀化できる時代だぜ?

   上目使いされても、嬉しくないね。」

 

 

伍長「むぅぅ・・・。」プクー

 

 

隊長「はいはい。口を膨らませても可愛くないぞ。

   先に行ってろ。俺も、すぐに後を追う。」

 

 

伍長「絶対、来てよ! 絶対、絶対、来てよ!!

   ぜっっっっっったい、だからね!!」

 

 

隊長「はいはい。」

 

 

伍長「・・・もうっ!」

 

 

隊長「・・・・はははっ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――玄関・外―――

 

隊長「・・・寒っ・・・。夏なのに・・・伍長、そんな薄着で大丈夫かよ・・・。」

 

 

伍長「大丈夫! ちゃんと考えてるから!!」パタパタパタ♪

 

 

隊長「はいはい。それで? 敷地内の何処を巡るの?」

 

 

伍長「あ・・・え、ええっとぉ・・・。」

 

 

隊長「考えてないんだな?」

 

 

伍長「ちゃ、ちゃんと・・・か、考えているよぉ・・・。

   えっと・・・その・・・・・・。」オロオロ・・・

 

 

隊長「中庭から回るか。」

 

 

伍長「・・・! う、うん! そう!! 中庭から回ろうと思ってたの!! うん!」

 

 

隊長「はいはい。」

 

 

 

 

 

伍長「・・・・・・♪」ギュー♪

 

 

隊長「防寒対策って、俺に抱き着くことかよ・・・。」

 

 

伍長「えへへ・・・あったかぁい・・・。」パタパタ♪

 

 

隊長「あのだな、伍長。

   お前の尻尾が、俺のケツにバシバシ当たってるんだが・・・。」

 

 

伍長「いいではないか。いいではないか♪」ギュー♪

 

 

隊長「・・・それとあんまり俺に引っ付き過ぎると――」

 

 

 

 

 

トウッ!

 

 

 

 

 

伍長「・・・!」

 

 

隊長「ほら、噂をすれば・・・。」

 

 

曹長「・・・伍長! ・・・隊長に近――」

 

 

伍長「・・・・・・!」ドゲシッ!

 

 

曹長「―――っ!?」――ゴロンゴロン

 

 

隊長「・・・?!」

 

 

伍長「隊長、行こっ♪?」ギュー♪

 

 

隊長「え。えっ?!」キョトン

 

 

伍長「大丈夫だよ。曹長なら、ちゃんと手加減したから! えへへっ・・・♪」ギュー♪

 

 

曹長「」

 

 

隊長「お、おう・・・。」

 

 

伍長「・・・♪」ギュー♪

 

 

 

 

 

隊長「竹藪の方も回るか?」

 

 

伍長「うん・・・♪」ギュー♪

 

 

隊長「流石に、これだけ蚊取り線香焚けば蚊もこないよな・・・。」

 

 

伍長「竹はいつ見ても緑色だねー♪」

 

 

隊長「あぁ。真っ青だな。」

 

 

博士「おや、隊長君に伍長――」

 

 

伍長「・・・・・・!」ドゲシッ!!

 

 

博士「―――!?」ゴロゴロゴロ

 

 

隊長「ちょ、おわっ・・・! 伍長・・・!!」

 

 

伍長「この前の、お尻拡張事件の仕返し・・・だよ。」フゥーッ! フゥゥゥッ!! ガルルルル・・・

 

 

博士「」

 

 

隊長「ご、伍長・・・?」

 

 

伍長「・・・! ・・・♪ 次の場所見て回ろっ♪ 隊長♪」ギュー♪

 

 

隊長「・・・・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――洞窟前―――

 

伍長「子供の時、一緒に洞くつ探検したの。覚えてる?」ギュー

 

 

隊長「ん。子供の時って言うと・・・魔物化前か?」

 

 

伍長「うん♪ 結構深いんだよね、この洞窟・・・。浅い地底湖もあって・・・

   一緒に泳いだりもしたよね。」ギュー♪

 

 

隊長「あー・・・。あの後、ばっちゃとじっちゃに散々叱られた場所かぁ・・・。」

 

 

伍長「いい思い出でしょ?」ギュー チラッ?

 

 

隊長「じっちゃにグーパンで頬を殴られたこと以外はな。」ハァー・・・

 

 

伍長「ふふふ~。その後、隊長がした行動は覚えてる~?♪」ギュー♪

 

 

隊長「・・・? いや? 俺、その後・・・俺何かしたっけ?」

 

 

伍長「あの後、私の小屋まで泣きながら来たんだよ?

   覚えてない? 軍曹の元じゃなくて私の元に・・・♥♥♥」ギュー♪

 

 

隊長「あー・・・朧気だが・・・そんな記憶も無くはない・・・かな。」

 

 

伍長「あの時は・・・嬉しかったなぁ・・・・・。」ホノボノ・・・

 

 

隊長「そりゃ、魔物化後の感情も混じってるからそう思うだけださ。

   魔物化前はそうじゃなかったと思うぞ。」

 

 

伍長「・・・! そんなことは無いよぉ! 嬉しかったよぉ!!」ギュー!

 

 

隊長「いやいや。どうだか・・・。だって、伍長は経立前に魔物化したじゃん。

   人間っぽい感情があったかどうか・・・。」

 

 

伍長「あった!」

 

 

隊長「ないね。」

 

 

伍長「あった!」

 

 

隊長「ない。」

 

 

伍長「あった!!」

 

 

隊長「・・・。」

 

 

伍長「・・・・・。本当に嬉しかったんだよぉ。いつも軍曹にベッタリだったから・・・。

   私はいつも外で1人ぼっちだったのに・・・。軍曹は皆に囲まれて生きて。

   だから、隊長が私の元に逃げてきた時は嬉しかったんだよぉ・・・。」プルプル・・・

 

 

隊長「わかった。・・・わかったから、泣きそうになるな。

   心が痛くなってくる・・・。」

 

 

伍長「・・・でも今は皆で過ごしてるから、寂しく無いけどね!

   邪魔な鎖にも繋がれてないし♪」ギュー♪

 

 

隊長「・・・・・・。」ポンポン・・・ ナデナデ・・・

 

 

伍長「それじゃ、次の場所に行こう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――大将家・裏庭―――

 

隊長「大将家の裏か?」

 

 

伍長「うん! ここで、フリスビーを投げて いっぱい一緒に遊んだよね!!」ギュー♪

 

 

隊長「あーうん・・・。」ポリポリ・・・

 

 

伍長「・・・覚えてない?」ギューー・・・

 

 

隊長「・・・ごめん。俺はココに違う思い出があるから・・・あまり・・・。」

 

 

伍長「・・・・・・もしかして・・・・?」

 

 

隊長「あぁ・・・。中学生の時、虐められて・・・嫌になって・・・・

   そのまま・・・首を・・・・・・。」・・・。

 

 

伍長「・・・! ごめんなさい・・・! い、いやな事を思い出させちゃったね!

   ほ、他の場所に――」グイッ――

 

 

キラー「あら、騒がしい――」

 

 

伍長「邪魔ッ・・・!!」ドゲシッ

 

 

キラー「危な・・・危ないわね!! 何を・・・・・あれ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――新・伍長の家―――

 

隊長「・・・。」ボー・・・

 

 

伍長「・・・隊長?」ノゾキコミ

 

 

隊長「・・・・・?」

 

 

伍長「・・・大丈夫?」

 

 

隊長「・・・あぁ・・・・・・。・・・あぁ。大丈夫だよ・・・えっと、ここは・・・。」

 

 

伍長「私の小屋! 隊長と、じっちゃと、Gハンターメンバー全員と、私で作った

   私の新しい小屋だよ!!」

 

 

隊長「・・・あぁ。懐かしいな。」

 

 

伍長「とりあえず、入って入って! なにも出せないけど、ここよりは暖かいから!!」

 

 

隊長「・・・じゃ、おじゃましまーす。」

 

 

伍長「ただいまー!!」

 

 

隊長「この間まで准尉が使っていたから、そこまで埃は酷くないな。」キョロキョロ

 

 

伍長「・・・うん。ほのかだけど、准尉の香りがするね!」ガチャリ ペタペタ・・・

 

 

隊長「そういや・・・ココを建てたばっかりの時は、木の香りがしたっけなぁ・・・。」

 

 

伍長「色々と懐かしいでしょ? この部屋、この間取り!」

 

 

隊長「あぁ。この中でトランプやら、ゲームのキューブやら・・・6人で

   騒ぎまくった記憶がある。」

 

 

伍長「あの時は楽しかったね・・・。元帥と軍曹がぼろ負けして・・・

   准尉と曹長が手を組んで・・・。隊長と私は負けた2人のフォローに回ったっけ。」

 

 

隊長「あぁ・・・。・・・楽しかったな。」

 

 

伍長「・・・・・・うん。」

 

 

隊長「・・・。」

 

 

伍長「・・・。」ギュー・・・

 

 

隊長「・・・伍長。・・・何か、俺に話したい事があるのか・・・?」

 

 

伍長「・・・・・!」ギュー・・・!

 

 

隊長「いや、無いなら良いんだが・・・。敷地内を歩き周りながら、

   思い出話をしてたのには、何か理由があると思って・・・な。・・・無いなら良い。」

 

 

伍長「・・・隊長・・・。」ギュー・・・

 

 

隊長「・・・。魔物化に関することならNGだが、相談ぐらいなら乗ってやるよ。

   ・・・邪魔が入らないようにか、俺を逃がさないためかは知らないけど、

   扉の鍵を閉めて、上から瞬間接着剤を塗ったのは何かしら意味があるんだろ?」

 

 

伍長「・・・・・・なんでも、お見通しだね・・・。」ギューー

 

 

隊長「伍長も俺と同じだけ、一緒に生きて遊んだだろ。

   大体の行動は掴める。・・・訂正。伍長の行動は掴める。」

 

 

伍長「私のは・・・って、軍曹の行動は読めないの・・・?」

 

 

隊長「・・・軍曹は必ず俺の1,2枚上手を読んで行動するからな・・・。

   ちょっと、掴めない。」

 

 

伍長「・・・そうなんだ・・・。」

 

 

隊長「あぁホント、軍曹には敵わない・・・。おっと。話が逸れたな。

   それで、どうしたんだ?」

 

 

伍長「うん・・・。隊長、・・・・・・あのね・・・ヘンかもしれないけど・・・。

   前々から、突然・・・寂しくなることがあるの。最初はね? 皆と別行動をしてる時

   だったから、それのせいで寂しいんだって思ってたんだけど・・・。」ギュー・・・

 

 

隊長「・・・違うのか?」

 

 

伍長「・・・うん。今は、隊長とこうして一緒に居る時でも、寂しく感じるんだ・・・。

   博士にもね、魔物娘特有の寂しくなる病気について聞いてみたんだけどね・・・

   答えが分からなくって・・・。でも、途中でした思い出話とかをすると

   心が晴れるんだ。なんていうのかな・・・満たされる・・・みたいな・・・・・・。

   うん・・・。それに最近は寂しさだけじゃなくて・・・。恐怖も感じるようになって・・・。」

 

 

隊長「・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――中庭―――

 

元帥「おいおい、曹長・・・。いくら俺等の身体は丈夫だっても・・・

   こんな寒い日に外で寝てると風邪ひくぞ? 寝るなら、起きろって・・・」ユサユサ

 

 

曹長「・・・隊長!」ガタッ

 

 

元帥「うわっ! びっくりしたぁ・・・。」ビクッ

 

 

曹長「・・・。元帥・・・・・・隊長と伍長は?!」ガシッ

 

 

元帥「俺が通った時は、居なかったぞ。随分、焦ってるようだが・・・もしや・・・

   2人に なにかあったのか?!」

 

 

曹長「・・・! ・・・元帥、落ち着いて・・・・・・聞いてほしいことが・・・ある。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――新・伍長の家―――

 

伍長「それで・・・それでね・・・・・・。」

 

 

隊長「・・・。」フニッ

 

 

伍長「はぉっ!?」

 

 

隊長「・・・。」フニフニフニフニフニ・・・

 

 

伍長「な、なに? なんで、急に肉球をフニフニ触り出したの!?」

 

 

隊長「・・・。」フニフニフニフニフニフニフニフニ・・・

 

 

伍長「ちょっ! やめて!! くすぐったいよぉ!!」

 

 

隊長「・・・。」フニフニフニフニフニフニフニフニフニフニ・・・

 

 

伍長「やめっ! くすぐった・・・! ははは!! あははははははっ!!」バシバシバシ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――中庭―――

 

元帥「隊長が、伍長に拉致られたぁ!?」

 

 

曹長「・・・そう。行ってしまった・・・円環の理に導かれ・・・ブフォォ!」

 

 

元帥「マミさんを虐るのは やめてやれよ。あの人、昔の隊長と同じぼっちなんだからよ

   それと、拉致られたって割りには あまり緊張感ないのな。」

 

 

曹長「・・・隊長に発信器・・・つけてるからね・・・・・・。」ドヤドヤドヤァ

 

 

元帥「・・・。」イラッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――新・伍長の家―――

 

伍長「ひぃっ! ひぃっ!! も、もうやめて・・・っ! 笑い過ぎてお腹痛い・・・!!」バシバシ!

 

 

隊長「・・・。」パッ

 

 

伍長「あはははははっ・・・! ひぃ・・・! ふぃ・・・!」ゼェ・・・ゼェ・・・

 

 

隊長「・・・。まだ、寂しいか?」

 

 

伍長「・・・ふふふ・・・・。ありがと、少し寂しくなくなったよ・・・♪」

 

 

隊長「少しか・・・。伍長・・・その寂しさって、喪失感とかか?」

 

 

伍長「そう・・・しつ・・・かん?」

 

 

隊長「喪失感って言うのはな?」

 

 

伍長「・・・うん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――中庭―――

 

元帥「で、隊長を拉致した伍長は何処に?」スタスタスタ

 

 

曹長「・・・伍長の小屋。」スタスタスタ

 

 

元帥「特定早いな!」ビックリ

 

 

曹長「・・・・・携帯と連動・・・。」ドヤドヤドヤァ・・・

 

 

博士「ううぅ・・・?」ヨロヨロ・・・

 

 

元帥「あ、博士だ。」

 

 

博士「元帥君と曹長君か・・・くっ・・・・・・。」ヨロヨロッ・・・ガクン・・・

 

 

元帥「おい!? どうした?! 何があった!!」ダッ ダキッ

 

 

博士「・・・と、突然・・・伍長君に蹴り飛ばされてだな・・・自衛に移る暇すらなかった。」

 

 

曹長「・・! ・・・博士、隊長を・・・・・・助ける手伝いして・・・。」

 

 

博士「・・・隊長君を?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――新・伍長の家―――

 

伍長「そう! それだよ! 隊長!! わからないけど、ココロに穴が開いた!

   大体、そんな感じ・・・!!」ギュー♪

 

 

隊長「・・・・・・。」

 

 

伍長「・・・隊長? ・・・心当たりあるの?」

 

 

隊長「・・・どうしてそう思う?」

 

 

伍長「・・・。複雑な顔をしてたから・・・。」

 

 

隊長「・・・。伍長・・・これから話す事は伍長にとって辛いことかもしれないが・・・

   平常心を保って聞いて貰えるか?」

 

 

伍長「・・・・・・うん。喪失感の原因が分かるなら、私 頑張るよ・・・。」

 

 

隊長「・・・よし。」

 

 

 




――後日談―――

隊長「まさか、この件があんなことに繋がろうとは・・・。」


曹長「・・・・・・ホントにね。」



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