《書き直し中》天才少女と元プロのおじさん   作:碧河 蒼空

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 誇示報告頂きありがとうございます。
 修正いたしましたので、この場にて報告させていただきます。




 コミックの球詠選手名鑑を参考に主人公のプロフィールを作ってみました。


~三輪 正美(みわ まさみ)~

ポジション ーー ベンチ 日替り

右投げ両打

バッティングフォーム ーー スクエアスタンス

ピッチングフォーム ーー スリークォーター

学年 ―― 1

背番号 ―― 10

誕生日 ―― 7月23日

身長 ―― 143cm

出身チーム ―― ウィングス(現在も在籍中)

好きな動物 ―― ハリネズミ

趣味 ―― 映画鑑賞

進学理由 ―― 通いやすさと学力


 笑顔をよく見せる少女。たまにあざとい側面を見せることもある。

 高校生にしては低身長だが、本人は全く気にしておらず、初見で実年怜より下に見られるのを楽しむ事もしばしば。

 低身長ゆえに下から笑顔を向けられ、ノックアウトした男子も居るとか、居ないとか。

 キャラのベースになっているのはハチナイ椎名ゆかり。まあ、まったく原型は残っていませんが。なので、あえてイメージCVを入れるとしたら『船戸 ゆり絵』さんですね。


目指せ全国編
【書き直し中】4話 ずっとそんな野球をしてきたからさ……


 正美が入部した翌日の放課後。ゴールデンウィーク前ならば友人と出掛けるか真っ直ぐ帰宅するかのどちらかだった正美が校内の野球場に居た。昨日、詠深と勝負していた時に着ていた練習用のユニフォームを身に纏い白菊とキャッチボールをしている。

 左手に着けているオールラウンド用グラブは部の備品である。入部したばかりの正美は硬式用のグローブを持っていない為、次の休みにマイグローブを用意するまではこのグローブを借りる事となっていた。

 硬式球の感覚を一球一球確かめながら正美によって投じられるボールは、最初こそ白菊の胸から逸れることもあったが、今や全てのボールは高校から野球を始めた白菊でも捕りやすい位置に集まっている。硬式球はの対応は問題無さそうだ。

 

 続く守備練習は芳乃のノックをファールグラウンドで受ける。硬式球に慣れる為に正美のみ別メニューで行っていた。芳乃の打った白球を捕ったら横に置かれた籠に入れていく。

 

「どう?硬式(こっち)でもやっていけそう?」

 

 芳乃の篭が空になり正美の方の篭と交換するタイミングで、芳乃は正美に聞いてみた。

 

「ピョーンと高く弾みにくいのは硬式の良いとこだよね。私の身長でも届く球が増えそうだよ」

 

 正美の身長は部で一番の低かった珠姫よりも更に小さい。軟式球は硬式よりも大きく弾む為、高いバウンドがバントシフト中の正美の頭上を越えていった事があったほどだ。

 正美のずれた発言に芳乃は苦笑しつつフェアグラウンドに目を向けると、二人を除く部員が藤井教諭のシートノックを受けており、終わり間際の様で打球を捕った者からホームベース付近に抜けていっていた。

 

「そろそろ向こうは終わりそうだね。どう?正美ちゃんも先生のノック受けてみる?」

「そうだね。せっかくだから受けてみようかな」

 

 芳乃は藤井教諭の元へ、正美はショートへ向かう。

 芳乃から報告を受けた藤井教諭の指示により珠姫と希が内野に残った。

 

「お願いしまーす!」

 

 正美の緩い声出し。チームがチームなら咎められる事もあるだろうが、藤井教諭は何も言わずトスした白球を正美に向けて打つ。藤井教諭が打ったそれは芳乃のものよりも速くグラウンドを駆けるが、正美は少しも慌てる事なく打球をグラブへ収めるとホームの珠姫へと投げた。

 藤井教諭が続々と放つ打球は次第に球威を増していくも正美は危なげな様子を一切見せない。稜ならばギリギリ捕れるか捕れないかといったコースであろうとも送球まで意識された体勢で捕球できているのでスローイングも安定している。

 

「先生のノックをいとも簡単に······。稜、あんたレギュラー陥落の危機ね」

「はは······正美は控えで良いって言ってたじゃんか••••••。そ、それに全ポジション守れるんだから菫だって同じだろ!」

「うっ······」

 

 菫は稜に憐憫を掛けるが、同じ穴の狢であることを指摘され言葉を詰まらせた。

 

「ほっ••••••それっ••••••シュババッ」

 

 正美が難しい打球を軽快に処理する度に菫と稜は顔をひきつらせていく。

 

「次はセンターに移動しますねー!」

 

 各塁への送球も何度かこなした所で正美はセンターへと移動した。

 一般的な定位置よりも前で守る正美を見て藤井教諭はセンターオーバーの大飛球を放つ。こちらでも怜ならば定位置から何とかギリギリ追い付くであろう打球に正美は追い付いてみせた。

 詠深との対決で見せた脚力は守備でも健在で、内・外野の間へ落とす打球も正美には通用しない。前を守っているので、普通ならシングルヒットになるはずが、彼女は白球が地に触れる前に捕球してしまう。まさかダイレクトに捕られるとは思ってもみなかったノッカーの藤井教諭は思わず目を見張った。

 その後も正美はセンターを小さな体躯で疾風の如く駆ける。その姿はまるで······。

 

「なんつーかネズミみたいだな」

「こらっ、失礼でしょ」

 

 フェアグラウンドの外では稜が菫に嗜められていた。

 

 

 

 

 

 

「凄いよ!予想以上だよ~!」

 

 芳乃はツインテールをピョコピョコするほど興奮していた。

 

「基本的には理沙先輩と伊吹ちゃんが登板する時にサードかレフトを守ることになるけど、それ以外でもここぞと言う時には代走で入ってもらうから、どこでも守れるように準備してね」

「あいあいさー」

「休憩が終わったらシート打撃するから、ピッチャーお願いね」

 

 ベンチに戻り、水分補給をしながらキャッチャーの珠姫に持ち球を伝えると、二人でサインを決める。

 正美の持ち球はフォーシーム、ツーシーム、スローカーブ、チェンジアップ、高速シンカー、カットボールシュート。

 

 正美と珠姫はみんなより早めに休憩を上がると、投球練習をしながら打ち合わせをした。

 

「タマちゃん、どんな感じ?」

 

 ホームの回りに張られたネット裏から、芳乃は珠姫にボールを受けた感想を聞く。

 

「うーん······。速さは普通だけどノビは良いよ。コントロール良いし、緩急を使えるから打たせてとる組み立てになるかな」

 

 走攻守三拍子揃った正美である。どんなピッチングを見せるのかと思っていた珠姫だが、意外にも普通だなといった印象を抱いた。

 

「そうなんだ。みんな~、そろそろ始めよっか。最初は希ちゃん!」

 

 芳乃の指示のもと休憩が終わり、希意外が守備につく。

 

「それじゃあみんなー、後ろは任せたよー」

 

 正美はそれぞれの守備位置に向かうメンバーの方を向き、右手を口に当てて声を上げた。

 

 希がバッターボックスに入って構えると、正美はセットポジションから余計な力の抜けたしなやかなフォームで投げ込む。内角の高速シンカーを希は見逃し、0ー1。

 

 珠姫からボールが返ってくると、サインに頷き、2投目を放つ。ストライクからボールへ落ちるチェンジアップにバットが止まり、1ー1。

 

 次も順調にサイン交換が済み、3球目を投げる。内角高めのストレートを希はセカンドへ打ち上げた。

 

 二打席交代で回す為、希は再び構えをとる。その鋭い眼光が正美を差した。

 

 次の打席は希がセンターに弾き返し、菫と交代する。菫はショートゴロとサードライナー、怜はキャッチャーフライと右中間の長打、稜はサードゴロと三振。ここで正美はマウンドを降りたため、成績は8打席投げて被安打2の長打1となった。

 

 

 

 

「一度も首を降らなかったけど大丈夫だった?」

 

 練習後、珠姫は正美に自身のリードについて確認した。

 

「全く問題なし!気持ちよく投げられたよー。それに私、首振らないから。私の被打率は山崎さんに掛かってるよー」

「人を頼っちゃ駄目なんじゃ無かったっけ?」

 

 珠姫は笑いながら、昨日、正美が言った言葉を言う。

 

「あはっ。これは一本とられましたなー」

 

 正美もおかしそうに笑った。

 

「あと、私の事は珠姫でいいよ。私も正美って呼ぶから」

「りょーかい!」

 

 二人でベンチに戻ろうとすると、希が正美の事を呼び止めた。

 

「ねえ、このあと自主練に付き合うてくれん?」

「いいよー。何するー?」

「ティーバッティングばお願い」

 

 

 

 

 希と正美はグラウンドの隅にネットを出して、ティーバッティングを始めた。

 

「そんなんだー。私は普段強く振って、実践になったら6,7割で振るかなー」

「なるほど······」

 

 二人はバッティングについて話をしながら練習をしている。

 

 ふと、希がバットを下げた。

 

「ねぇ······私、全国に行きたかっちゃん」

「おぉ、いいねー。目標は大きくなくちゃねー」

「やったらっ」

 

 希は声を少し荒げる。

 

「なんで、本気でやきゅうしぇんと?うちには三輪さんみたいな足はなかし、あげん守備は出来ん。正直、嫉妬しとーよ。それだけ実力があるとに、なして全力でレギュラーば取りに行かんと?······三輪さんは一緒に全国ば目指してくれんと?」

 

 太陽の光は既になく、照明の灯りだけが二人を照らしていた。

 

 僅かな沈黙の後、正美は困ったように笑うと、握っていたボールをいじりながら口を開く。

 

「……私さ、今までずっとパパと同じチームで草野球やってたんだ。練習も楽しく、みんなそれぞれの体力に合わせてやって。試合も実力関係なく全員が出れるように回して。勝ったら祝杯、負けても残念だったねーって、笑って宴会をするんだ。ずっとそんな野球をしてきたからさ……今更、勝負の世界なんて分からないよ……」

 

 夢に出てきたおじさんは負い目に感じる必要はないというが、今の正美には他にも理由があった。

 

「私がレギュラーになるには、誰かが控えに回らないといけないでしょ?さっきみたいな川崎さんをみちゃうと、ね」

 

 正美の告白が終わると、彼女はボールを籠に戻して立ち上がる。

 

「あはっ。今日はもう終わりにしよっか。ボールは私が片付けとくねー」

 

 正美はいつもの笑顔に戻るとボール籠を持って部室へ歩き出す。

 

「ばってん、うちは全国に行きたかよ······」

 

 希の言葉を受け、正美は一度、歩みを止めた。

 

「……そっかー」

 

 正美はそれだけ答えると、振り向きもせず、再び足を動かした。




 外野のポジショニングはSatozaki Channelにて里崎氏がお話しされていた『上手い内野手は後ろを守り、上手い外野手は前を守る』を参考にしました。
 我らが東京ヤクルトスワローズも2021年日本シリーズでは深く守っていた宗と紅林にかなり苦しめられました······。


 希ちゃんのセリフは方言変換を使っています。(https://www.8toch.net/translate/


 明日も20:00に更新されるよう、予約投稿しております。
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