何か2ch的な乗りのモンハン (多数の読者参加希望)   作:竜神

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 こんにちは、竜神です。

 ソードアート・オンラインの小説を書くモチベーションが上がらないのに、妄想があふれてこうなりました。

 モチベアップのために、書いてみます。

 独自の世界観がかなり盛り込まれてるので、読むのは気を付けてください。


ハンターズギルドに裸装備で来た伝説

 それはある晴れた日のこと、一台の荷車がある峠の道を歩いていた。

 

 道路は舗装がされておらず砂と岩で荒れており、その上を通る荷車は大きく揺れた。

 

 荷車を操っているのは猫だった。ただし、動物の猫ではない。アイルーと呼ばれる高い知能を持った獣人だ。人との意思疎通も可能で、荷車に繋いであるガーグァの手綱をにぎっているのも、そのアイルーである。

 

 

アイルー「旦那しゃん、もうすぐ開拓地域に着くにゃ。支度するといいにゃ」

 

???「んん……!ふぁぁ……」

 

 

 アイルーからの声に、荷車の中から少年が体を起こした。その姿は一目でみすぼらしいとわかるような恰好だった。服と呼べるような服はなく、腕と脚と腰巻にインナーを身に着けているのみ。まるで放浪者の姿といったふうである。いや、放浪者の方がまだまともかもしれない。

 

 そんな彼の名は、アルメン=アンカース。普段の名はアレン。

 

 

アレン「これが俺の……ハンター伝説の幕開けだーーーー!!!」

 

アイルー(防具なしとかムリゲーにゃ……)

 

 

 伝説級のハンターを目指す、まだ普通の少年である。

 

 

 

 

 

アイルー「ここが開拓地域の最前線の村、デリーだにゃ」

 

 

 さらにしばらく揺られた後に着いた場所は、共和国と呼ばれる国の最西部に位置する国境。別名、開拓地域である。

 

 

アレン「ありがとな!この借りは依頼で返すから、頼ってくれよ!」

 

アイルー「別に商売のついでだったし、礼なんていいにゃ。依頼するかどうかは考えとくにゃー(すぐに死ぬだろうけど)」

 

 

 運んでくれたアイルーに別れを告げ、片手剣を持って荷台を降りる。村の前の粗末な門をくぐると、まずは仄かに硫黄の匂いが漂ってきた。

 

 

アレン(ユクモ村やジパングと同じ匂いだ。温泉入りて~!)

 

 

 以前に兄に連れられて行った時の記憶を思い出し、笑みが浮かぶ。

 

 

アレン(って、いかんいかん。まずはギルドでハンター登録だ)

 

 

 一番上に見える大きな建物がおそらくこの村のギルドだと予測し、階段を上る。

 

 途中で周りの店を見て、雑貨屋、鍛冶屋、食事処、宿屋らしきところを見つける。

 

 

アレン(農場はこっちにはないのかな?兄貴は毎日嬉しそうに耕してたけど)

 

 

 階段を上がり、一番上の建物に入ると、そこは以前見たギルドと同じような造りに、緑色のロングスカートにエプロンドレスを着た受付嬢がいた。

 

 めちゃくちゃ気だるげな雰囲気で。

 

 

アレン「あの、もしもし?」

 

???「ん~。ようこそ、ハンターズギルドへ。ただ今所属してるハンターがいないので、依頼はこの用紙に書いて、そこの掲示板に貼っといてくれですぅ……」

 

アレン(ハンターいないんかい……!)

 

 

 アレンがここの村に来た理由は、未開拓地域を探索できることと、新しくできたばかりの村だという、2つがある。だからハンターがいなくても不思議ではない。むしろアレンにとっては、万歳な状況である。

 

 それにしたって態度がひどい、と思いながら彼女に言った。

 

 

アレン「いや、俺はハンター登録に来たんだけど……」

 

 

 すると、ピクリと彼女が反応し、むくりと体を起こした。

 

 

???「ようこそ、ハンターズギルドへ!受付嬢をさせていただいてる翠星石といいますですぅ!本日は、ギルド移籍登録でよろしいですか?」

 

 

 さっきとは打って変わって、輝かんばかりの営業スマイルで対応してきた。

 

 受付嬢って怖い、そう思った。

 

 

アレン「あ、移籍登録じゃなくて新規登録です」

 

翠星石「へっ?じゃ、じゃあ装備を……」

 

アレン「いや、これ一張羅だけど」

 

翠星石「…………はぁ~~~。こっちの手合いですか」

 

 

 ポカンとした表情で俺の全身を見渡すと、再びガッカリといった表情になり、盛大に溜息をつかれる。

 

 

翠星石「はいはい、新規ですね。[カタカタ] じゃあ武器の登録から始めるです」

 

アレン「あ、ああ……この片手剣で」

 

 

 コロコロと変わる翠星石の態度に唖然としながらも、俺は家から持ってきた片手剣を差し出す。

 

 

翠星石「んじゃ、とっととスキャンしちゃうですよー」

 

 

 翠星石はピー、と手に持った機器から出た光を武器にあて、コードで繋がれたモニターを見て確認し始めた。

 

 

翠星石「ん、んん!?」

 

 

 そしてモニターに現れた結果に、翠星石は目を見張ると、

 

 

翠星石「と、盗掘品ですううううううううう!!!」

 

 

 と叫び、大急ぎで集会場から出て行ってしまう。

 

 

アレン(………………て、なに?)

 

 

 今聞き捨てならないんだけど!?

 

 

アレン「待て!盗掘品ってどういうことだ「チェイサーーーーーー!!!」よ!?!?」

 

 

 翠星石を追ってギルドを出た俺の眼前に、ものすごい衝撃と硬い物がぶちあたる。

 

 そしてそのまま、深く意識が沈んでいったのだった。

 

 

 

 

 

Side アレン

 

 その後どうなったかというと…………。

 

 

???「へー、これが伝説級の単一武器なのね」

 

翠星石「ランク9、虹怪鳥・ジーネの爪から作られた武器ですぅ」

 

アレン「おーい」

 

 

 俺は両手足を縛られて、ギルドの隅に転がされていた。

 

 先程から何回呼びかけても、ガン無視である。

 

 

???「にしても、あいつもバカよねー。英雄の武器を盗み出すとかありえないっての」

 

翠星石「ミコトもそう思うですか?しかも双剣なのに片方だけですし、バカ丸出しですぅ」

 

ミコト「そうよねー。んで、どんな処分が決まるの?」

 

翠星石「英雄の武器を盗んだんですから、悪いと処刑。最前線を退いているところを考慮すると共和国追放ってところですか?」

 

アレン「いやいやいや!違うから!ちょっと待ってくれって!」

 

 

 転がる肉体を転がして、2人の足元にまで行く。

 

 

ミコト「うわっ!」

 

翠星石「キモイ動きしやがるですぅ」

 

 

 そういう反応は地味に傷つくのですが。

 

 

アレン「それより、俺は盗んでなんかいない!」

 

ミコト「犯罪者って、皆テンプレな回答言うのよねー」

 

翠星石「こういうやつ初めて見たです」

 

アレン「ああ!?端から信用されてない!?」

 

 

 翠星石は呆れた視線で俺の武器を持ち上げると、

 

 

翠星石「いいですか?おめーが持ってきた片手剣って言った武器は、2大陸で一つしか製造されてない双剣の片方なんですぅ」

 

アレン「え?(双剣だったの?)」

 

ミコト「で、そういう武器は盗難を防ぐために、大抵持ち主と一緒にギルドデータに登録されてるのよ」

 

アレン「そ、そうなのか?」

 

翠星石「そうですぅ。しかも新種の双極竜を討伐したアシュトン=アンカースの武器を持ち出すとは、ふてえ野郎です」

 

アレン「ちょ、ちょっと、俺はそのアシュトンの弟なんだよ!アルレン=アンカースていう名前なんだ!武器は家から持ってきたもので」

 

翠星石「はいはい、嘘乙です。ハンターズギルドの登録名簿には家族内容も含めて入ってるんですから、照合すればわかることで………………」

 

 

 そう言って、カタカタと情報を打ち込んでいた翠星石が一瞬固まる。

 

 

ミコト「……ちょっと」

 

翠星石「ま、まあ、名前なんてちょいと調べりゃ、わかることですし?正式な身分証明がない以上無実とはいかないですよぉ?」

 

アレン「えーと……、身分証明になるかはわかんないけど、以前に兄貴の狩りに付き合ったとき、変な紙みたいなのを作ったぞ?」

 

翠星石「それは今どこに?」

 

アレン「インナーの中」

 

ミコト「この変態が!!」

 

アレン「ごふぅ!」

 

 

 蹴られた。めっちゃ痛いです。

 

 

アレン「な、なんで蹴るんだよ……。ちゃんとポケットに入ってるっての……」

 

ミコト「へ?」

 

翠星石「なんて紛らわしい言い方しやがるですか」

 

 

 その後、ごそごそと紙を発見し、再びカタカタと作業をした後、

 

 

翠星石「………………はぁ、解放するですぅ」

 

ミコト「ちょ、マジで!?」

 

翠星石「マジですぅ。このインナーのみ武器なし野郎は、アシュトン=アンカースの正真正銘の弟です。写真付きで仮登録されてたです」

 

ミコト「ええええええええ…………」

 

 

 胡散臭げに俺を一瞥したミコトは、身体を縛っていた縄を渋々と切った。

 

 

アレン「いつつ……、とにかくこれで無実だと証明されたよな」

 

翠星石「武器持ち出しの件が残ってるですけどね」

 

アレン「あ~、あれは兄貴が護身用にくれたもんなんだよ」

 

ミコト「ハンターナイフ替わりってこと?それで双剣の片方だけを渡すあんたの兄さんもおかしな人ね」

 

アレン「ぐっ、いや、それは……」

 

ミコト「まあいいわ」

 

 

 会話をする気がないのか、話を適当に打ち切ったミコトは翠星石に向き直った。

 

 

ミコト「それで?私の移籍登録は終わったの?」

 

翠星石「もう終わってるですよ。はい、どうぞ」

 

アレン「ハンターだったのか?」

 

ミコト「見てわからない?これでもスチュアートじゃ、そこそこ腕が立ってたのよ。ハンターランクだって……3!?」

 

アレン「うおっ!?」

 

 

 フフンと胸を張って話していたミコトは、ギルドカードを確認して驚愕の声を上げた。

 

 

ミコト「ちょっと!ちゃんと私のハンターデータを確認したの!?私のランクは5のはずよ!」

 

翠星石「残念ですけど、それが規定になってるんです。だからそれで合ってるですよ」

 

アレン「規定?」

 

 

 翠星石の言葉に首をかしげるアレン。それを見た翠星石は、言い聞かせるように言った。

 

 

翠星石「知ってるとも思いますが、ここは開拓地域です。開拓地域前線じゃ、モンスターの得意個体や変異種なんて、よくあることです。そんな奴らに無謀に挑んでは死ぬハンターを軽減させるために、ギルドは村や街から来たハンターのランクを2つほど下げて移籍させるんです」

 

アレン「へー」

 

ミコト「だから私のも下がってるっていうの」

 

翠星石「いやならクエストこなすか、戻るかのどっちかですねぇ」

 

ミコト「…………ふん!」

 

 

 怒りの表情を浮かべるミコトだったが、さっさと上げてやるわ!、と啖呵を切ると、ギルドを出ていった。

 

 

アレン「いいのかな……」

 

翠星石「開拓地域じゃ珍しくねえ反応ですぅ」

 

 

 翠星石は、そうこぼした。

 

 

翠星石「あ、そうそう。お前さんの持ってきた武器はランク上の規定や単一登録で使えねえですから。さすがに武器なしは論外ですから、後でまたこっち来るです。訓練所が出来たときのための初心者用武器が来てるんで、貸してやるですぅ」

 

アレン「あ、ありがとう」

 

翠星石「訓練所が出来たら取り上げるですから。せいぜい金貯めて武器を買うですよ」

 

 

 その後も口は毒を吐いてはいたが、内容はこちらを心配してのものだった。

 

 ドジなとこもありそうだが、悪い人ではないらしい。

 

 ギルドから出た後、俺は他の人に挨拶回りに出かけることにするのだった。

 

 

 




・アルレン=アンカース

 本作のオリジナル主人公で、アシュトンの弟。連邦の首都・カルナスの出身。
 性格は天然、そしてバカ。底抜けに明るい事が自慢で、いざという時には命がけの覚悟を決めれる。
 ハンターになる過程で一悶着あり、面倒事を避けるためと一旗揚げるために開拓地域に来た。
 兄とともにハンター狩猟に参加したこともあり、ハンターとしての知識はそこそこ。でも制度とかに関しては、知識ゼロ。
 仮登録したことも、新規ではないとも、知らなかった。せいぜい証明書の代わりくらいの認識。


・ミコト

 「とある科学の超電磁砲」より出演。
 本来は御坂美琴だが、大陸の都合によりミコト=ミサカになっている。
 東方の島国・ジパングの出身。幼馴染とともにハンターになるために大陸に渡る。
 そこそこ経験のあるハンターでランクは5。宗教都市・スチュアート所属。
 あることが原因で開拓地域にやってきており、パーティは組む予定がない。
 へヴィボウガン使い。電撃弾の速射、連射が得意。白兵戦や近接戦もかなりできる。
 素直になれないことが悩みで、それが原因で仲間との間に不和を呼ぶことがある。


・翠星石

 「ローゼンメイデン」より出演。
 帝国の首都・ラプラス出身。ギルドガールとして共和国に留学中。
 ハンターとしての腕前もあるが、ゴロツキから身を守るくらいであまり強くはない。
 毒舌で現実主義だが根は優しく、我儘や融通を聞かせるくらいはやる。
 受付嬢の仕事に誇りと同時に葛藤を抱いている。


・世界観

 ゲーム内に出てくる大陸とは別の大陸。
 大陸内には帝国・共和国・連邦の3つの国が存在する。それとは別に島国が存在する。
 島国と帝国は祖先が同じだったこともあり、名前の書き方が似ている。
 帝国と共和国は近年まで戦争をしていて、今は停戦協定を結んでいる。
 連邦は複数の国が集まってできた国で、技術や文化が一番進んでいる。ぶっちゃけこの国が停戦の理由。
 大陸の東に帝国、西に共和国、北に連邦が存在する。


・ランク

 ハンターとしての実力を表すランク。どんなモンスターを狩れるかによってランクが違う。
 詳しくは、別話参照。基本的に全部で9。


・開拓地域

 共和国、連邦の西側にある未探索領域を開拓している地域。
 情報や物流の行き交いにやや乏しく、訳ありの人間などが来ることが多い。
 モンスターなども新種が発見されることがあり、危険地域として知られている。


・虹怪鳥 ジーネ

 アシュトン=アンカースが撃退した巨大な白い羽に七色の尾を持つ古龍。
 爪と羽を斬り落としたことで撃退し、これによって英雄として一躍有名になった。
 羽は勲章に、爪は双剣として加工された。


・双極竜

 アシュトンが討伐した新種の龍。双頭の龍であり、それぞれ炎と氷を操る。
 開拓地域からやってきた龍で、詳しいことはわかっていない。
 双剣と防具に加工されたが、完成品ではなく試作品といえる。


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