ダンジョンに異世界のアイテムを持ち込むのは間違っているだろうか(本編完結)   作:にゃはっふー

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ヘスティア「スピカ君に工房の方で預けてあるお金、まとめ上げないと。そう言えば仕事中の工房に行くのは初めてだな」

ガチャと扉を開けると、スピカが鉄を打ち、スピカが寸法を合わせ、スピカが鋼の応用で【ブルーメタル】を作る………

ヘスティア「す、スピカ君が数十人いるように見えるっ?!」

のちに聞いたが、スキルのおかげでなんか現実では不可能な働きができるらしい。

ヘスティアはそれを聞いて、発言権を強く持ち、無茶ぶりを跳ね除けられるようになろうと強く想った。

スピカ「実は分身を楽しんでるのは内緒にしよう」


第10話・魔法の効果

 魔法が発現してしばらくして、二つの魔法を確認しているスピカ。【妖精の種火(トーチ)】は竈の火としてとても機能している。武器の成功率が上がる他に、いままで作れなかった武器や防具が打てるようになった。

 

 もう一つの【慈愛の聖水(ヒール)】は簡単な回復薬(ポーション)を生み出すような効果だと発覚。かわきのつぼの中身をこれにしたら畑の成長率が高くなり、高級感溢れる【レッドキャベツ】や【びっくりトマト】。それに【ドデカボチャ】ができたり、サボテンができたりした。それにはヘスティアもスピカも口をあんぐりと開けている。

 

「えっと、食用ですねこのサボテン」

 

「サボテンって砂漠じゃなくてもいけるんだ………」

 

 そんなわけなく、ヘスティア・ファミリアがなにかしないか出待ち、ストーキングしていた暇を持て余した神々がついに畑を見つけて、旬や大きさガン無視した畑を見つけて大騒ぎ。野菜も買う者が現れ、デメテル・ファミリアが畑の秘密を探り出す。

 

 かわきのつぼとその中身をけして知られ無いようにしながら畑の管理をする。そんな中、最後の一つである【生命の光(ソウル・ライト)】と言えば………

 

「と言う訳で試します」

 

 ダンジョン上層でスピカは杖系を背負い、はかぶさの剣を片手に一人でダンジョンに来た。とりあえずLv2であるため、ここまでは一人でこの装備だけで問題ない。

 

「一応【慈愛の聖水(ヒール)】は回復薬(ポーション)の代わりになりますし、使える物はなんでも使わないと」

 

 そして長い詠唱が書かれた紙(普通の紙を作った)を片手に、日本語で書かれた詠唱をゴブリンに向かって詠唱する。

 

 すると光の玉が現れた。

 

「………ん~」

 

 光の玉が現れてから首をしげて見る。ずっと杖を前にかざして、その杖の先端に光の玉が浮かび、杖を動かすと動く。と言うより、思い通りに動く。

 

「うーん、とりあえずぶつけてみましょう」

 

 えいやと光の玉がゴブリンに激突するイメージでやる。

 

 

 

 スパーン!!

 

 

 

「えっ」

 

 気が付くとゴブリンの頭部が消し飛んで倒れ、どさっと地面に倒れた。血が流れ、壁は穴が開いていていた。スピカは口を開いたまま驚き、光はレーザーのような軌跡を描いて飛んだようだ。

 

「れ、レーザー魔法……? 攻撃可能ってすげえ」

 

 他にも使い道が無いか調べてみることにした。

 

「鉄に付加魔法(エンチャント)できるのか、ん~?」

 

 たまたま見つけた上層の鉄、鉱石に付加してみることにした。魔法を唱え、付与するイメージで鉄に重ねると、砕ける変わりに生まれ出た鉱石。新たなレシピが頭の中から湧く。

 

「あれ? 俺、また新鉱石作っちゃった?」

 

 ………

 

 スピカはすぐさまその鉱石を懐に隠し、その場から逃げるように立ち去った。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 ここ最近は【ブルーメタル】を作っては卸す事を繰り返し、他の【魔道武具(マジックウェポン)】も時折作る程度。新しい物に手を出すのはいまだしていない。

 

「うわ~疲れた~」

 

 鉱石ばかり作る日々は退屈で、ぶっ飛んだ物を作りたい。だけどと思いながら外を見る。

 

『『『………』』』

 

 いくつもの視線を感じる中、外に顔を出すと何事も無い。

 

「一応ギルドにごまをすったし、娯楽に飢えた神々は一応満足してるから、これ以上変なことする奴はいないと思うよ」

 

 とヘスティア様が言う。いまの状況は多少の我が儘は聞いたので、妙に圧力をかける派閥は現れないだろう。ロキ様、ヘファイストス様側も、この程度は仕方ないけど、それ以上するのなら潰しにかかると脅している。神々もそれを恐れ、これ以上の事はしない。

 

「適度にガス抜きしてれば、問題ないらしいし」

 

 結局ヘスティア・ファミリアは団員一名の弱小派閥。この程度できるのならしてガス抜きして、引き抜き合戦に発展しなければそれでいい。

 

 一応ハイエルフの可能性が高く、強力な武器を作り、騒ぎの真ん中にいるからだろうか、ガネーシャ・ファミリアが見回りに来てくれる。

 

「エルフの人たちもホームに乗り込んで来たりしないし、この程度は我慢しないと、物作りを好きにできないか」

 

 工房で昼飯を食べるヘスティア様と俺。実際頑張ったおかげで、日程のスケジュールをしっかりしていれば、休日も作れる。他の神も監視はするがそれ以上の事はしないし、客として物を買う。

 

「実際頭の悪い神ならもう人さらい的な事してるからな。全く、娯楽に飢えた神はめんどくさい」

 

「エルフの人も、ホームに工房に乗り込まなくはなりましたね」

 

「その辺もこの前の事で、手を出さなくなったんだろうね」

 

 そう言う意味では、この前のは良い事だろう。とりあえずいまだのんびりハードモードだが、それだけで済んだのはロキ様たちのおかげだろう。

 

 そう思っていると………

 

「外が騒がしいですね」

 

 そう呟くと戸が叩かれる。俺はすぐパスタを全て食べ終え、急いで出る。

 

「は~い、どなたですか~」

 

 そう言い戸を開けると………

 

「俺がガネーシャだッ!!」

 

 そう言い、象の仮面を付けた男神がポーズを取りながら現れた。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「それでなにか御用ですか?」

 

 高い紅茶と菓子を用意してガネーシャに話を聞くと、ポーズを決めて言う。

 

「最近、インパクトが欠けていると思うんだ」

 

「インパクトですか?」

 

「ああっ!!」

 

 インパクトはあるが、それは初見の者くらいだろう。慣れ始めたファミリアの団員からはいまいちな反応しか返ってこない。なら、どうすればいいんだろうか?とガネーシャはスピカたちを頼ってきた。

 

「ならインパクトを強めればいいんじゃないですか?」

 

「どうにかできるのか?!」

 

「はい、丁度いいものがあるので」

 

「お、おいスピカ君。安請け合いしていいのかい?」

 

「ここでガネーシャ・ファミリアに恩を売っておきたいんです」

 

 そう言われ引き下がるヘスティア。ガネーシャはありがとうと言って、笑顔で帰って行く。さて、後は準備をするだけだ。

 

「出ないのなら、出るまで回そう、星5鯖」

 

 そんな意味深かつ嫌な予感がする言葉を最後に、工房へと引っ込むスピカ。

 

「あれ? やってないよねボク?」

 

 嘘は言っていなかった。なら大丈夫だろうと思いながらも、少し不安になる。

 

 ヘスティアはしばらく工房に引きこもり、それでも卸す品物は途絶えさせないスピカに安心しながら、畑を世話をする。

 

 しばらくして時々スピカが精神力(マインド)を回復させるために薬を大量に買って飲んでいる事に気づきながらも、温かく見守った。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 フィンたちロキ・ファミリアは遠征資金を稼ぐ為に、18階層にテントを置き、下の階層でドロップアイテムなど集めている。

 

「少し『リヴィラの町』で食料を買い込むか」

 

 フィンがもう少し鉱石を集めたいと思っている。ここ最近オラリオの鉱物の物価は高く、品薄である。故に下層、深層から発掘される物が普段よりも倍の値段で取引されている。

 

 これもスピカのおかげであり、いまのうちに鉱物をメインに手に入れておこうとフィンは資金集めとスピカへの依頼も兼ねて狙っていた。

 

 幹部たちも頷きながら、買いだし班は少しだけ頭が痛い。

 

「リヴィラの町か、久しぶりだな」

 

「とはいえ、あの町で買い物は高いからのお。どう交渉するか」

 

「まあ彼女のおかげで鉱石や下層、深層のドロップアイテムは普段より取引されている。少しの出費は問題ないよ」

 

 フィン、リヴェリア、ガレスはそう会話していた。そうしてリヴィラの町に顔を出すとだいぶ様変わりしている。

 

 天幕や簡単な作りの建物しか無かったはずのリヴィラの町は、いつもよりも強固な壁と武装をしていた。

 

「あれは、バリスタか。壁付近に武装を付けながら、壁の厚みが増してるね」

 

「所々で見たことない道具があるが、なんだろうか?」

 

 そう思いながら、買い物をし出すが、どうも食料が多くある。ここはダンジョンで食料も上から持って来ないといけないから量に限りがあるが、それなりの量が売られている。

 

「まあ、値段は前と変わらんがな」

 

「とは言えなにかあったようだな」

 

「ん~おそらくだけど、僕らが知っている人物が関わってそうだね」

 

「なに?」

 

 リヴェリアが疑問に思いフィンを見ると、フィンは指さしで答える。

 

「スピカの姉御のおかげですよ♪ いつもご贔屓ありがとうございます♪」

 

「うん、他に入用の物は無い? 必要な物と交換したい」

 

「そうですかい? なら【バギバキューム】をいくつか」

 

 スピカがこの町をまとめ上げている、ならず者である『ボールス』に頭を下げられている。

 

 取り巻きたちも笑顔でスピカにへこへこしている。その手には【魔道武具(マジックウェポン)】を持っていたり、纏っていたりしていた。

 

「とりあえず頼まれていた施設の設計図ができましたから、完成させてみましょう。なに、この人数なら10分あれば完成します」

 

「さすがです姉御、お前ら、新しい酒場と宿屋作るぞっ! 手ぇ空いてる奴は面貸せええ!」

 

 歓声を上げるならず者たちは拓けた空き地に次々と集まり、建物を作り出す。

 

「さすが姐さんっ、頭の中にレシピが入ってるみたいだぜ」

 

「これなら俺らでも建てられるぜ♪」

 

「いっやふぅぅぅぅぅ」

 

 瞬く間に簡易の宿屋と酒場が出来上がり、ボールスはよっしゃーっ!と歓声を上げる。

 

 このままボールスの部下はいくつか作る為に散らばって、ボールスはスピカにへこへこしていた。

 

「【大弓】の他に【デインバリア】の設置に入りますから、場所の指示を。その後に取引素材を回収させていただきますね」

 

「へい、わっかりましたっ!!」

 

 ボールスに案内された場所で柱を設置したり、バリスタを設置するスピカ。機を見てフィンたちが休憩中のスピカへと近づく。

 

「あっ、フィンさん」

 

「やあ、君の所は相変わらずだね。ボールスたちを味方にしたのかい?」

 

「はい、リヴィラの町は何度も壊されては立て直されている町ですから、俺のスキルがかなり役に立ちました」

 

 どうもスピカが作ったレシピ、設計図を見ると頭の中に残り、いつでも思い出して作れるらしい。専門の者か信用できる者に建物のレシピを見せて作らせる。それだけで簡易建物がすぐに作れるとのこと。

 

「念のため宿屋、酒場の他に道具屋なども作って、それを後で持ち主がカスタムする形ですね。後は武器ですね」

 

「あの大型のバリスタか?」

 

「ええ、後はモンスターにしか反応しない魔法の壁を発生させる柱と、スイッチ一つで凍結魔法か炎熱魔法を放つ床。飛んでいるモンスターを叩き落す装置です」

 

 それを聞いて、欲しがりそうな人たちを頭に浮かべるフィン。これはまた新商品を作ったなと感心する。

 

 リヴェリアもまた、また騒動の種を作ってと心配してため息をつき、ガレスは豪快に笑う。

 

「それじゃ、帰りはヘファイストス・ファミリアの方とご一緒ですから安心してください」

 

「ああ、君も気を付けて。この前の件で、神々がけん制し合ってるけど、神はなにするか分からない。まあ満足している節があるから、一人で出歩いても問題は無いと思うが」

 

「はい」

 

 そう言って別れた後、フィンはふむと考え込む。

 

「いまのリヴィラの町の様子、スピカが関わっているか?」

 

「おそらくね、彼女自身話してないけど、この食料の多さも彼女が関わってそうだ。建物が簡易とは言え、ボールスたちでも作れるようになっているのなら、畑とかも作られているのかもしれないね」

 

「とりあえずリヴィラの町で食料確保は心配しなくて済みそうじゃな。値段はふっかけられるだろうが」

 

「そうだね」

 

 苦笑してガレスに賛同するフィン。実際その通りであり、スピカ監修の下、岩壁の中に畑を作り、その作物でビールを作ったりして騒いでいる。

 

 細かい事は気にせず、普通より早く収穫できるそれを大いに受け入れ、ボールスがよりこの町を牛耳り、スピカは協力者として長い付き合いになるのであった。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「俺がッ、新ッ、ネオガネーシャだッ!!」

 

 星を思わせる光を放ちながら、鎧姿のガネーシャは道行く人々の目に留まり、人気を集めている。

 

「すっげえええガネーシャさまーー♪」

 

「かっこいいーーー♪」

 

「俺がネオガネーシャだっ!!」

 

 ポーズを取るガネーシャが着込んでいるのは【星神の兜・朱】や【星神の鎧上・朱】。さらに【星神の鎧下・朱】と【星神の盾・朱】。

 

 それを着こみ【星神の剣】を背負うガネーシャを見ない冒険者はいない。

 

 ガネーシャはスピカたちに感謝して、これからもよろしくとスピカは言っておいた。ガネーシャも力強く返事をしてくれた。

 

 そして変わったことがある。工房にまたヘファイストスとロキが眷属たちを連れてやってきて家探しをし出す。

 

「もう何も無いよ~」

 

「嘘つけ嘘を」

 

「あれには【ブルーメタル】とは違う鉱石が使われていた。まだなにか隠し持っているなお主」

 

「黙秘します」

 

 椿の問いかけにスピカは黙秘して神の前では何もしゃべらない。ヘスティアはそもそも知らないから分からない。

 

 一応この程度は別に構わないが、何かする前に相談してほしいと怒られるスピカ。こうしてスピカは時々羽目を外して、楽しく過ごしているのであった。




種火は生み出す力、鍛治の能力アップ。

水は育む力、畑の物を全て最高品に育てる。

光は可能性の力、ほとんどの事が出来て、新しい鉱石がスピカの可能性を開きます。

後スピカ当たるまで引く勢に一度なりました。無茶なことを。

なにがやばいって、これら全てレフィーヤに教えたら、犠牲者が増えるよ。

お読みいただきありがとうございます。
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