ダンジョンに異世界のアイテムを持ち込むのは間違っているだろうか(本編完結)   作:にゃはっふー

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スピカ「召喚式も受肉も問題ない、もうすぐ完成だ」


第12話・完成するもの

 その日は徹夜だった。丸一日二日掛けての工房に引きこもり、何かを作るスピカ。ヘスティアがご飯を用意しても食べずに何かを必死に作る。

 

「なに作ってるんだろう?」

 

 教会の方で作った庭に【かわきのつぼ】から【慈愛の聖水(ヒール)】の水を撒く。カカオなどはこれで最近作っている。

 

「最近【慈愛の聖水(ヒール)】で品質も良くなってるし、この壺があればいくらでも使えるから気を付けないとな」

 

 そして工房へと帰り、様子を見に行くとスピカが倒れていた。

 

「スピカ君!?」

 

「お腹すいた……」

 

 お腹を空かせたスピカが居て、急いでご飯を用意しようとした。だがスピカがそれを止める。

 

「へ、ヘスティア様、それより先にして欲しいことが」

 

「い、一体なんだいそれは」

 

「はい……()()()()()()()()()()()()()

 

「えっ……ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!?」

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 ヘスティアは困惑した。最初、何かの冗談かと思ったが、詳しい話を聞いてヘスティアはいいねそれと思った。

 

 その後はご飯を食べたスピカと共に恩恵を刻み、それは起動する。

 

「ごきげんようマスター、ヘスティア様♪」

 

 それは白い肌をした人形、銀色の長い髪、小柄な少女の身体。アメジストの瞳。

 

 Fate/シリーズの『ナーサリーライム』と言う少女に瓜二つ。いやナーサリーライムそのものである。

 

 召喚式とリンクして受肉する形での召喚。同意が無ければ無理だっただろうが、OKだったらしいとスピカは喜ぶ。

 

「動いたーーーー動いた、動いたよスピカ君ーーーーっ!!」

 

「はいっ、実験は成功しました♪」

 

 ナーサリーライムは首を傾げ、スピカは洋服を着せて、ヘスティアも団員が増えて頬が緩む。

 

 三人は早速パーティーを始める。ナーサリーライムの誕生日もしっかりカレンダーに刻み、こうしてヘスティア・ファミリアに団員が増えた。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「言い訳を聞こうかしら?」

 

 当然の如くロキ、ヘファイストス側に怒られた。

 

「すいませんついできる物だから、後悔も反省も無いです」

 

「スピカ君は悪くないッ!!いまだちゃんとした団員が来ない方がおかしいんだ!!」

 

 スピカたちを囲むのはヘファイストスとリヴェリア。ロキは「うちにも欲しい」と言ってリヴェリアに怒られたので、別位置で正座していた。

 

 ナーサリーライムは前世の知識(この辺は誤魔化しながら)をフルに使い作り出した人形だ。神の恩恵(ファルナ)を刻むことで起動して、冒険者のように成長するよう設計されている。

 

 魔法も使う事ができて、神の恩恵(ファルナ)で成長する少女。こんなことが神に知られればバカのように騒ぐ。そんなものを生み出したスピカは長い時間、正座させられている。

 

 実はもう一体作ろうとしているが、いまは行動しない方が良いと思い心の内に秘めている………

 

「んじゃあ、ナーサリーたんもステイタスあるのかドチビ」

 

「あっうん、いまは恩恵を付けたばかりだからいいか、はいこれ」

 

 そう言って渡した羊皮紙を、ロキとヘファイストスは見ずにろうそくの火で消す。

 

「ドーチービー」

 

「しまっ、つい流れ的に見せてしまうところだったっ」

 

 今回はさすがにやり過ぎなので、二人してお説教時間を伸ばすことにする。

 

 フィンもこの場にいて、んーと困った顔をしていた。

 

「ともかく、もう無かった事にもできないし、このまま小人族(パルゥム)として過ごした方が良いんじゃないかな?」

 

「それしかあるまい。幸い人形だのなんだのは見た限り、関節部分さえ見られなければ問題ない」

 

「まあ放っておくともう一体作りそうやし、そこは厳重にせんとな」

 

「? マスターたちと一緒にいていいんですの?」

 

「ええでええで、好きにせんとなー」

 

 嬉しそうに正座する二人に抱き着くナーサリー。フィンたちも強く言えず、こうしてこの場が終わると思ったときだ。

 

 フィンがふと思いついた。

 

「神ヘスティア、スピカ・シロガネの恩恵は更新したかい?」

 

「? いいや、してないけど」

 

「どうしたフィン?」

 

「いや、曲がりなりにも生きる人形を作り出したから、経験値(エクセリア)はどうなっているのだろうと思ってね」

 

「あーそうだね、確認しようかスピカ君」

 

「はい」

 

 二人は震える足でヘファイストスに部屋を借りて、恩恵を更新を始めるが………

 

「やはりこの二人にはお目付け役が必要だね」

 

「せやなー」

 

 お茶菓子を食べて嬉しそうなナーサリーを見ながら、ヘファイストスはため息をつく。ここでヘスティアたちは、鍛治などの物作りでスピカが経験値(エクセリア)を確保しているとバラしてしまった。

 

 元々おかしいなと思っていたフィンたち。疑問が確信に変わり、少し呆れてしまう。

 

 自分たちは確かに味方だが、隠さなければいけない事はある。まあ不審な行動をすれば調べるが、ステイタスに関しては口を出す気は無い。だが隙あらば調べる、派閥運営なんてそういうものだ。

 

 これも日々、相手より優位に立ち交渉を優位に持って行く為の訓練だ。ヘスティアには成長してもらわなければいけない。今回の件も含めて成長してもらわないといけない。

 

 こうして色々バレてしまい、ヘスティアはノォォォと叫ぶがスピカはLv3へとランクアップ可能になり、様子を見てランクを上げる事にした。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 それからしばらくは物作りとナーサリーの経験値(エクセリア)稼ぎをメインに動く。

 

 しばらくは大人しくしようと思い、物作りに励むスピカ。【おうじゃのつるぎ】に【ひかりのよろい】に【ゆうしゃのたて】を作る。

 

 自分で装備できないが、他にも強力な【ふうじんのたて】なども作る。勇者シリーズは作っておいた。

 

 武器、防具作りだけじゃなく、薬関係も製作に入るスピカは【せかいじゅのしずく】を完成して、ミアハを通してディアンケヒト・ファミリアで販売する。振り撒くと仲間たちが回復する為、冒険者パーティの命綱として買い求められていく。

 

 なにげに【エルフののみぐすり】も作り出して、迷宮都市(オラリオ)一の治療師(ヒーラー)の『アミッド・テアサナーレ』がスピカを鍛治師(スミス)から治療師(ヒーラー)に鞍替えさせようとして騒がれた。

 

 さすがにこれだけ【魔道武具(マジックウェポン)】を作り出すと、ついにスピカ以外にも【魔道武具(マジックウェポン)】を作り出す者が出始める。その第一号はもちろん椿だ。

 

 こうなると後は正式魔法(オリジナル)ほどで無くても、通常の魔剣並みの威力を持つ【魔道武具(マジックウェポン)】作りへと時代が変わり、数多くの道具によってか、冒険者の死亡率は少しずつ下がっていく。

 

 そんな日々の中、変わり出す運命はある。ヴェルフは残念ながら壊れない魔剣が作れる可能性を見ながらも、いまだ進んで魔剣の研究をしないでいた。熱意はくすぶっている中、別の少女の運命が変わる。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「【縁下力持(アーテル・アシスト)】持ちの募集……」

 

 リリルカ・アーデ、14歳。何か楽な冒険者依頼(クエスト)が無いか確認していた。例え自分にできなくても、色々知っているとで変わるからと思ってだ。

 

 リリルカは主神が趣味神で、団長が小悪党。意識が吹き飛ぶほど酔う【ソーマ】で団員たちの心を縛り付けて、金を集めさせる派閥である。残念ながら両親がソーマに入っているからと言う理由で生まれた時から団員扱いのリリルカは、脱退する為にお金を集めている。

 

 だが冒険者としての才能が無く、サポーターの立場で先輩を自称する冒険者やサポーターを蔑む冒険者から巻き上げられ、巻き上げる日々を過ごしていた。

 

 そんな中で、唯一のスキル【縁下力持(アーテル・アシスト)】持ちを募集する派閥を見つけたのが、彼女の転機である。

 

「嘘、こんなスキルにこんな額払う訳……ロキ・ファミリアにヘファイストス・ファミリアのサイン付き……」

 

 募集するヘスティア・ファミリアは団員数こそゼロに近いが、稀有なレアスキルや魔法で今では迷宮都市(オラリオ)を騒がせるファミリアとして有名だ。

 

 その派閥が自分みたいな者を集めて何をする気だ?と思いながらも、自分が真面目にサポーターしたり、蔑む冒険者に頭を下げたりしても届かない高過ぎる給金に、リリルカは疑いながらもそれを手に取る。

 

「まあ、普通にダンジョンに潜ったり、冒険者を騙すよりマシですね」

 

 バックにロキ・ファミリアがいるのなら、少なくともヘスティア・ファミリアの下で活動する自分に手荒な真似をしないだろうと踏んで、安心安全にお金を稼ぐ為に募集に参加する。

 

 ここでリリルカの生活が一変するとは思いもよらなかった。

 

 まずは契約の前金で纏まった給金をいただけた事、その為にそれを巻きあげたカヌゥたちが調子に乗って、仕事中のリリルカを襲った瞬間だろう。

 

 リリルカがヘスティア・ファミリアの仕事で稼いでいる事はバレている。むしろ知られた方が良いと考えて公言していた。相手はロキにヘファイストスと言った派閥をバックに付けて、その団長であるスピカはハイエルフなのだ。そこに手を出すと言う事は、少なくともエルフたち全てを敵に回すも同然なのに手を出して来た。

 

 彼らはすぐにロキ・ファミリアから貸し出された団員に制圧され、詳しい話を聞いたスピカとヘスティアは激怒した。

 

 さらに仕事の内容もやばかった。ギルドを含めた鍛冶派閥に卸す【ブルーメタル】と言う貴重貴金属を運ぶ仕事なのだ。当然ギルドの耳にこの事件は届いた。

 

 あれよあれよとリリルカですら驚くほど被害者として立場が守られていき、ソーマがギルドに厳重注意されると言う事態に陥った。

 

 その結果、恐るべき酒を販売するソーマと団長の手口が明らかになり、酒作りを禁止され、リリルカのような酒に縛り付けて働かされている団員たちの処遇を正させ始めた。

 

 こうしてリリルカの悪夢はあっけなく終わりを告げた。正直あっけなさ過ぎて実感を感じないリリルカは、ギルドとソーマと話し合いの末、公に決まった脱退資金をすぐに集め、このたびヘスティア・ファミリアに入ることになった。

 

 もちろんソーマからの報復を考えて、安全なこの派閥に入るのだが、ここから副団長兼【ブルーメタル】管理人としてリリルカは活動する。

 

「人生何があるか分かりませんね」

 

 そうリリルカは呟き、大量の【ブルーメタル】を運んでいくのであった。




倫理観ガン無視した場合。

白い髪のとある少女に似たホムンクルスが生まれる。

ロリモードレッド「問おう、お前が俺の母上か?」

スピカ「そうですよモードレッド」

ロリモードレッド「母上っ!!」

こうして幸せに過ごして、のちにマシュも作るのであった。

スピカ「これはさすがにまずいか、美少女人形にしよう」

こうして男のロマンは、可愛らしい生きた人形を作るに変更されました。

しばらく小話を投稿します。そんなに大きい変化ないと思うけど、良ければ読んでください。

それではお読みいただき、ありがとうございます。
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