ダンジョンに異世界のアイテムを持ち込むのは間違っているだろうか(本編完結)   作:にゃはっふー

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小話二つ目、道具人気の話。


第14話・小話が二つ目、遠征前のロキたちとスピカの関係

 ダンジョン15階層、そこでスピカ、リリ、ナーサリーライム、椿と言うパーティーでダンジョンを進んでいた。

 

「【ゴールドフェザー】」

 

 黄金の羽根を五つ、星の形を描いて【いかずちのつえ】の効果を底上げして放つ。

 

「【真っ赤に燃えて、お花みたいに咲きほこれ】」

 

 ナーサリーライムの魔法も相まって、モンスターたちが纏めて燃える。

 

「また妙な物を作りましたね」

 

 呆れるリリはモンスターから魔石とドロップアイテムを回収して、椿はほうと顎をさする。

 

「また見知らぬ鉱石が使われている気がするが、どうなんだ?」

 

「黙秘します」

 

「それ、もうあるって言ってるみたいなものじゃないですかもう」

 

 リリはそう言い、椿はいずれ尻尾を掴むと燃え上がる。

 

 この【ゴールドフェザー】と【シルバーフェザー】は【生命の光(ソウル・ライト)】で生まれた鉱石をふんだんに使った物。魔法の威力を上げたり、精神力回復できる品物である。

 

 スピカがいま着ている服は【みずのはごろも】。攻撃魔法で【生命の光(ソウル・ライト)】を使いつつ、この階層でナーサリーライムとリリの経験値(エクセリア)を稼いでいた。

 

「そう言えばふと思ったんですけど」

 

「どうしたのリリ?」

 

 休憩にお弁当を広げ、もぐもぐ食べている一向。リリは『いや、ね』と付け加えながら、リリが仕事の都合上自腹で用意した杖を持つ。もちろんこれも【いかずちのつえ】だ。

 

「これで攻撃したり、回復したら、経験値(エクセリア)もらえていますよね?」

 

「うんそうだね、それがどうしたの?」

 

「あーいやスピカよ、それは魔力アビリティなどに経験値(エクセリア)が入っている事を言っているんではないか?」

 

 あーと納得するスピカ。なぜかは知らないが、雀の涙ほどではあるが【魔道武具(マジックウェポン)】での攻撃などでも経験値(エクセリア)は入るのはすでに確認されている。

 

 リリも改めてそれを聞き、通りで人気があるはずだと納得する。

 

「スピカ様の作る【魔道武具(マジックウェポン)】や魔道具(マジックアイテム)が売れるのは、微弱でも経験値(エクセリア)が手に入るからですかね?」

 

「魔剣の場合、さすがに魔力は上がらんからな。砕けぬ魔剣も、その辺りが関係するのやもしれんな……」

 

「椿さんはいまだに砕けない魔剣作りしてるんですよね」

 

「まあな、詠唱付きで【魔道武具(マジックウェポン)】も良いかもしれないが、初心忘れるべからずだな。砕けぬ魔剣が手前の願望だからな」

 

 やばい顔で笑う椿に、少し引くリリ。スピカはヴェルフも気にせず、砕けない魔剣を打ち始めれば良いと思いながら、お弁当を食べているナーサリーのお世話をする。

 

「最近【ブルーメタル】のおかげで、新しい領域に入れた気がする。正直その【ゴールドフェザー】などに使っている鉱石も提供して欲しいのだが」

 

「良い鍛冶師は鉱石だけで領域を開かないはずです」

 

「それを言われると言い返せぬな。まあいい、いまは【ブルーメタル】を味わい尽くそうか」

 

 ぐふふと笑う椿。スピカはいつか見つかるんじゃないかと思って怯える。

 

 こうしてダンジョンアタックしながら、スピカは日々を過ごす。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 書類を纏めて、今度の遠征に備えるロキ・ファミリア。様々な問題を解決しつつ、着々と潜る階層を増やしている。

 

「【いかずちの杖】の詠唱がばらけてるっすか?」

 

「そうなのよ、ヘスティア・ファミリアから直接買った奴じゃなくって、団員が格安で用意した奴」

 

「あー、それはたぶんあれっすね」

 

 ラウルは思い当たる節はある。神々が派閥の資金を使い、買いあさった【魔道武具(マジックウェポン)】だろう。のちに団員の手により、転売扱いで売られたりするのだが、詠唱がとにかく長い。

 

 それが良いと言う者もいるのだが、別段短くても長くても威力が変わらないのなら、短い詠唱のが役に立つ。不注意に発動しないように少し長くしているが、十分超短文詠唱扱いのロキ・ファミリア。詠唱がばらけていると問題なので、それは個人に使ってもらおう。

 

「足りない分はすぐにスピカさんに注文出しておくっす。他はっと………」

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「あれ? ベートさんブーツの色変えたんですか?」

 

「アァ? まあな」

 

「ベートのいまの【フロスヴィルト】はほぼ純濃精製の【ブルーメタル】でできてるからね」

 

 リーネの問いかけにフィンが答え、ふへぇ~と驚く一同。

 

「【ブルーメタル】も十分超高額貴金属なのに、思い切った行動ですね」

 

 リーネは銀色では無く、銀と青で彩られた長靴を見る。ベートはめんどくさそうではあるものの、変わった得物に対しては満足していた。

 

「椿の野郎が、新しく能力を持たせたらしい。少なくても貯めた魔力を倍加するみたいでよ。【魔道武具(マジックウェポン)】ぐらいの威力でも役に立つ」

 

「満更でもないようで何よりだよ」

 

 フィンはそう言い、ベートは無言のまま、作業に戻る。

 

「うん……今は無理だけど、彼女を遠征に連れて行くのもありだな」

 

 スピカ本人の人気を考えて、遠征に加わっても反感は薄いと判断するフィン。

 

 だが、彼女たちヘスティア・ファミリアが遠征を手伝ってくれるのなら、それなりに【魔道武具(マジックウェポン)】を出してくれるだろう。そうでなくても【せかいじゅのしずく】は本当に助かるので、それだけで十分だ。

 

「確か自分らで使うのは自腹か派閥の資金で賄ってるんだったな。彼女たちも派閥運営を頑張っているようで何よりだ」

 

 そう呟き、自分たちもやるべきことをやる為に、書類の確認し出すフィン。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 スピカが『ロキ・ファミリアが遠征に出かけた際に遠征に役に立つ道具があればいいんじゃないか』と考え色々試行錯誤していた夜の時間帯に、それは現れた。

 

【初めまして【幸福妖精(ブラウニー)】。夜分遅くの訪問、申し訳ない】

 

「………何者ですか」

 

 懐に隠しているコインを手に置き、黒いローブ姿の男か女を見つめる。種族も性別も分からず、警戒するこちらを気にせずに話を続けた。

 

【ただのしがない魔術師(メイジ)さ、君がいま作ろうとしている物に、いささか興味があってね。マップ製作を助ける魔道具(マジックアイテム)か【魔道武具(マジックウェポン)】だろうか】

 

「それがなんなんですか?」

 

【それを作るのをやめてほしい、正確には作っても広めないでほしいかな?】

 

 その言葉に不審に思う。自分の所だけなら話は分かるが、出さないで欲しいはおかしい。スピカは少し疑問に思いながら、工房の道具をチラ見する。

 

「おかしな事ですね、探索系なのに地図製作する道具を作ってなにか悪いのですか?」

 

【君の魔道具(マジックアイテム)は良くも悪くも強力すぎる。それが世に出ると少々困るのだよ】

 

「嫌だと言えば」

 

 そう言って杖を手にしようとした次の瞬間だった。

 

【君の魔法によって新たな鉱石が生まれる。このことの秘匿が条件でどうだろうか?】

 

 それに固まるスピカ。一気に汗が噴き出し、スピカの目が泳ぐ。

 

【それとも君の回復魔法が木々の成長を早め、特殊な大樹からポーションに近い水を生み出すとかかな?】

 

「ストーカーですか!?どうしてヘスティア・ファミリア最大の秘密をそうぽんぽん知ってるんですかあなた?!」

 

【さすがに都市外の畑であの四季を無視して実る畑と、水を流す大樹には驚いた】

 

 スピカはまずいと思う。目撃されたのが発見済みの畑では無く、まさか内緒で作った畑の方だとは思ってもいなかった。ただでさえ自分の魔法は厄介な物が多いのに、それが公になれば仕事量が増えるとすぐに気づく。

 

 ここは自動マッピング機能を持つ道具は諦めようとすぐに決めた。

 

【それと、これは別だが、普通の商談だ。ダンジョン内部で畑を広げる方法を教えてほしい】

 

「それは構いませんが、ぜひヘスティア・ファミリアの秘密をばらさないでくださいね」

 

 こうしてスピカはマップ作りのアイテムは作らず、魔術師(メイジ)を名乗る者にいくつか道具とレシピを売って、事なきを得た。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 スピカの製作物を買うためには、いくつかパターンがある。一つはヘファイストス・ファミリアやミアハ・ファミリアなど彼女が卸した品物を取り扱う店で購入する。もう一つはヘスティア・ファミリアへ直接注文する事だろう。

 

 後は転売されている品物くらいか。信用と信頼が欲しいのなら、なるべくスピカ本人から買い求めるのが得策だ。転売された物は詠唱が無駄に長かったり、サイズが合わなかったりする。それと偽物がある。

 

 スピカ本人に注文を出すのにも、お金がだいぶかかるが、その分的確な物、サイズなどやや余裕ある程度の品物が買える事だろう。

 

 ドラクエ10の装備系をその時にカタログ扱いで【よろいの置きもの】で展示している。主に【ネヴァンメイル】や【アビスセーラー】。それに【ヴィーラのころも】だろうか。

 

 服系は洋服店などでも売れるようにしている。決して洋服店の娘さんが可愛いから贔屓にしていない。

 

 スピカはその所為で、ほぼ毎日鎧や武器など品物を作る日々、新しい物を作る余裕は無いのだろうが、腕が上がるまでは箱詰めである。それでも休息を入れられる辺り、真面目に商売をしているのだろう。

 

 そんな日々の中、ついにスピカ専用の装備、少なくとも普段着は決めた。鍛治する場合は【みずのはごろも】だろう。だがこれは本格的に違う。

 

「これはどうですかリリ」

 

「これはこれは」

 

 それは【極地用カルデア制服】と言う品物であり、幻術を使い回避させたり、味方を回復したり、攻撃を高めたりする基本を押さえた服である。

 

 それを聞き、うわぁーまた大変なの作ったよこの人と言う目で見て来るリリ。スピカは得意げに、ただ胸を揉みながら呟く。

 

「胸辺りもまあまあですね」

 

 そこそこ背丈は伸びたが、胸はまあまあある方だ。リリはやめなさいはしたないと叱り、はーいと返事をするスピカ。

 

「他にも礼装作ったので、リリの分もあるので着てくださいね」

 

「資金はどれほど出せば良いんですか?」

 

 リリも働くようになってそれなりにお金はある。前の派閥にいた頃では信じられないほどだ。基本そこから道具を買って使用しているリリ。だが礼装はテストも兼ねているのでタダらしい。

 

 リリに礼装を着させ使い方を教えながら、今日も今日とて面白い物を作り、オラリオを震撼させるスピカであった。




【ゴールドフェザー】【シルバーフェザー】出典ドラゴンクエスト、ダイの大冒険

破邪の洞窟内で製作された魔法を増幅させたりできる。破邪の秘術が使用されており、ゴールドフェザーは魔法の効果を高める効果、相手を一時的に動けなくさせることもできる。

シルバーウェザーは回復用であり、刺すと痛いが、並みの魔法使いを2、3人満タンに回復させられる。

スピカはそれを【生命の光(ソウル・ライト)】で作り出して、自分の道具の効果を高めて使用している。


【いかずちのつえ】出典ドラゴンクエスト

道具として使用すると雷とされているが、効果的にベギラマと言う魔法として処理されている。先端にオーブと翼を広げたドラゴンの像と言うデザインだったりする。

スピカが愛用している。ちなみにスピカ作品は明らかにベギラマ、炎のような魔法を放つ。


【フロスヴィルト】出典ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか

ベート愛用の装備、椿が作った品物で魔剣や魔法の効果を吸収して放つことが可能。

ブルーメタルとの出会いで吸収した魔法の効果を倍増かさせる。さらに貯め込んでいると勝手に限界まで倍増させる為、使用には気を付けないといけないが、ベートはいつもギリギリまで威力を高めて使用としている。


【ネヴァンメイル】【アビスセーラー】【ヴィーラのころも】出典ドラゴンクエスト

ドラクエ10に出て来る装備、自分はドラクエ10をしていないため、細かい説明はできない。オラリオでは全てセットとして販売しているため、キメラ装備みたいにばらけて装備している人は少ない。10の装備はたくさん作っているが、本人も性能はともかく、由来などどういうものか分かっていない。


【極地用カルデア制服】出典Fate/Grand Order

主人公、マスターが着こむ礼装の一つ。第二部で渡されて攻撃力、回復、回避のマスタースキルが使用可能。スピカは他にも制服など作っているが、正直ダンジョンアタックには似合わない物が多い。


自動マッピングは隠れ里を見つける事もできると思うんですよね、ちなみにスピカの周りに不自然な小鳥などが二、三羽は必ずいます。ダンジョン内部では、ここにはいなそうなモンスターか、なぜか襲ってこないモンスターがいたりして。

椿みたいに他の鍛冶師も、その腕を劇的に上げています。ベートの武器が超短文詠唱の魔法を超長文詠唱並みに跳ね上げて、ベートも機嫌が良いです。

それでは皆さん、お読みいただき、ありがとうございます。
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