ダンジョンに異世界のアイテムを持ち込むのは間違っているだろうか(本編完結) 作:にゃはっふー
あの女神様が出番欲しいと言うので投稿。
最高の出来の【おうじゃのつるぎ】を作り、納品するためにヘスティア様と共にバベルの最上階、フレイヤ・ファミリアがいるフロアへと上がる。
「いいかい、フレイヤの事を直接見るんじゃないよ。見たら魅了されちゃう」
「一応魅了耐性の装備着こんでますけど」
「だからそんな服装なのかい。それでも危ないからダメ」
スピカは【聖賢のローブ】を下に着こみ、その上から【双頭の鷲のよろい】を着て、マントである【大樹のマント】と【ユグノアのマント】を二枚着こみ、アクセサリーに【不惑のネックレス】を二個装備している。ゲームと違い、こんな装備の仕方ができるのは現実だけだろう、変に見えないように調整した服装でスピカはそう思う。
アポを取っているので入口から案内されて中に入り、フレイヤやその幹部たちがいる部屋に入る。入ると幹部たちはスピカたちを見て、女神は微笑んだ。
「やあフレイヤ、注文の品物ができたよ」
「ありがとうヘスティア、意外と早かったのね」
微笑むフレイヤをチラッと見るスピカは、綺麗と思うよりやばいと思う、膝枕させてくれるあの村の女神様とは違う。
「オッタル」
「はっ」
控えていた身の丈を遥かに超える大男であるオッタル、都市最強がすぐに剣を受け取り、それを片手で持つ。
「………」
静かに振るうだけで雷鳴が轟き、空気を切り裂く。それだけでなく説明を受けて詠唱する、【バギクロス】と言う風の刃を巻き起こした。
室内でいいんだろうかとヘスティア共々思いながら、言われた詠唱を刻んだ【おうじゃのつるぎ】は、空気を切り裂く風を巻き起こし、それを見ていたフレイヤ・ファミリア幹部たちも感心する様子である。
「どうオッタル?」
「問題なく、フレイヤ様の為に使うに値します」
そう感心して、そのまま腰に提げる。すぐに支払い、値段を説明すると大量のヴァリスが詰まった袋をすぐに渡される。さすがにふええと震えあがりながら思う。
(あの金額を不満言わずに払うってどうなんだよっ!?)
ヘスティアはロキと良いフレイヤと良い、お金ぽんぽん使ってと思う。彼ら並みに資金源があるのに、いまだジャガ丸くんや自給自足の品物が食卓に上がるヘスティア・ファミリア、お金の感覚が分からず混乱する。
「ああ、そうだわ。アレンたちの分も用意して欲しいのだけど」
「ふへぇぇぇ」
スピカは七人いる幹部たちを見る。フレイヤ幹部の【
幹部全員分、ファミリアの資金で出すなんてと思う一方、それを用意するまでの時間を考える。絶対に見合う物を作れるかと言われればまだまだである。
この【おうじゃのつるぎ】をスキルで作るまで、いくつもの失敗作があるのだが、フレイヤはそれら全てにお金を出している。まだ出せるらしく、ヘスティア共々驚愕した。
「し、支払いは大丈夫なのかい?」
その辺りを心配してしまい聞いてしまったヘスティア。フレイヤはなんてことないように大丈夫と言う。
「もし払えなかったら」
そう言っていつの間にかスピカの側まで来ていて、頬を優しく撫でる。
「身体で支払って良いかしら?」
「良い訳あるかーーーー!!」
すぐさまスピカと引き離して、そのまま帰るヘスティア。スピカは危なかったと怯えつつ、ヘスティアと共に帰宅する。
◇◆◇◆◇
オラリオより北の位置、ペオル山脈で大枚を支払い、山脈の一部を買ったスピカたち。その下見に外に出ていた。
「良い土地ですね、なにもねえや」
「広いですの♪ ここで一体何をするのかしら?」
「ここで大丈夫なのかいスピカ君?」
ヘスティアが心配する中、ボーダーを走らせてこの場所に来た一行。まずするべきこと、鉱山の有無は確認済みである。
「ただ、トロッコなどの施設、滞在する環境、モンスターの有無。それらの問題は山ほどありますが、解決すれば大量の鉱物、金と銀が手に入ります」
「金脈と銀脈は共存しましたっけ?」
「細かい事は良いんだよリリ」
ともかくここに宿場町を作り、発掘してもらいましょうと、スピカは宣言した。
◇◆◇◆◇
迷宮都市オラリオから北に位置する山脈に、新たな宿場町が出来上がった。
名も無き宿場町はいまではゴールドラッシュが起きていて、冒険者を挫折した者たちは次にここに夢見て訪れる。
町の一番目立つところに金のモニュメントが目立つ酒場をメインに広がった町は、オラリオに負けず年がら年中賑やかに騒いでいた。
「これで金や銀不足は起きないな」
「ボクら、なにしてるんだっけ?」
「気にしてはいけませんヘスティア様」
「金ぴかでお目々はいたいです」
◇◆◇◆◇
一定の武器を作ると、よほどの事が無い限り、スピカはロキ・ファミリアに渡しに出向く。性能チェックしつつ、ロキ・ファミリアに守ってもらわないと、スピカ引き抜き戦争が起きるからだ。
「今日は【ルビスの短剣】と【聖風の槍】です」
「相変わらず、成功率が低い物ができると規格外だね」
そう言い、製作してたまたまできた成功率が低い、最高品質の武器を手に取り、フィンはふむと顎をさする。
ヘスティア・ファミリアは自由な時間に新しい物か、確率の低い物を製作する。まずは成功率が高い物を、そして自分たちの安全を確保する為、こうして低い物を作り、ロキ・ファミリアにタダで卸す。
フィンもバカでは無い。タダだからと言って全部ほいほいもらったりはせず、性能を確かめ、必要な物に関してはより良い物が無いか確認して品物を選ぶ。いまのところそう言う関係がヘスティア、ロキ・ファミリアの関係だ。
「【ルビスの短剣】はもう一つ欲しいな、ベート用に使いたいんだけど」
「そう言うと思って、同品質の物がここに」
「ありがたい、後は性能を詳しく聞かせてくれ」
こうして良い物をよく見て手に入れるロキ・ファミリア。品物を卸し帰るスピカに挨拶したロキが改めて武器を見る。
「隠しているもう一つの鉱石やな? 【ブルーメタル】とはちゃう精霊の力を感じるでこれ」
「隠すのは仕方ないからいいし、それをふんだんに使った武器も歓迎だよ」
そして改めて幹部会議するときに、武器をそれぞれの得物に合わせて渡して、性能チェックをする。ベートは短剣を腰に提げ、ティオナはいいな~と呟く。
「いちいち得物を変えるのはどうかと思うが、あのチビの作品なら使い潰しても問題ないな」
「ベートってば性格悪い~、タダでもらったからって壊して良い訳ないじゃん」
「ハッ、一番壊してる奴が言うな」
そんな会話の中、アイズも時々片手剣系を渡されるので、スピカが来た時の楽しみにしている。
「中にはやはり、スピカ様の武器をメインにする人もいますね」
「ああ、物は限りなく良い物を回してもらっているからな」
レフィーヤとリヴェリアの言葉にフィンも頷き、ガレスも髭をさする。
「欲を言えば、品質の高さが安定して欲しい所だな。いま手元にある武器を再度手に入れるのに要する時間と金が問題だ」
「んーそればかりは彼女の腕、スキルの力が上がることを期待するしかないね。昔より【はやぶさの剣・改】は安定し出したし、彼女も若い。後数年すればその問題も解決するだろう」
そうすれば割引の権利を持つロキ・ファミリアはありがたい。第一等武装の特殊な武器が少しでも安く、多くの団員に渡せられる。それだけでヘスティア・ファミリアの問題を聞いたり、助太刀する価値はある。
「いろんな武器だけじゃなくって、薬まで開発するんだもん。凄いよね」
「まあね、私たちも助かるし、最近冒険者の死亡率が下がったって話も聞くわ」
「だからって、チビの得物を手に入れただけで強くなれるかよ。それだけで強くなったって思う雑魚には困りもんだ」
「ベートうるさいなーもう」
そんな会話をしているとき、それは発言された。
けして言ってはいけない言葉、けして考えさせてはいけなかったタブー。
「なんか頼めばなんでも作ってくれそうだよね~」
そうたわいない会話をしつつ、その日の会議は終わりを告げて解散する。
ただ、フィンの親指はなぜか、急に疼き始めていた………
◇◆◇◆◇
「ふがっ、あー………びっくりした。自分の寝言で起きちゃった」
夜の時間帯、自作した時計を見てなんつー時間に起きたんだと思いながら、工房のベットでごろごろしていると………
「ん?」
なんだろう? ノックしている誰かがいる。こんな時間帯に?
不審に思いながらも、後は静かに鳴り続けている、渋々ドアまで近づき、外の様子を見る。
「誰ですかー」
「夜分遅くすいません、私です。ロキ・ファミリアの者です」
「あーあなたですか」
外の様子を覗き込んでみると、褐色の肌。アマゾネスの姉だと理解して、鍵を開ける事にしたスピカ。
何か盛大に開けてはいけない気がするが開けてしまい、中に上げてしまった。
「こんな時間帯にどうしたんですか?」
「はい、どうしてもスピカさんに聞きたい事があって」
何か話し方違う気がするスピカだが、はあと相打ちをして、話を進ませる。
そして静かに、暗闇に慣れた目が見たのは………
「惚れ薬って作れますかッ?!」
目がやばい状態のティオネを見て、そう言って両肩をがしっと掴まれた。荒い息を向けられるスピカ。
(ああこれ渡しちゃいけない気がする)
そう思い、実はフィルヴィス用に作った物がある。時々お茶に誘ったり、仲の悪いエルフたちの橋渡ししようとしている。決してとある村にいる、リューの話が好きな女神様みたいに膝枕とか、なにか良い感じの事を期待している訳では無い。
フィルヴィスがあまりに断るので惚れ薬的な物を作ったが、俺がしたい事と違うと思って使用を止めたため、丁度運悪く工房にある。
思いとどまった事がまさかの悲劇の始まりだとは、物作りの悲劇であった。
「あるんですね?!」
「ま、待って、惚れ薬違う。あれはどちらかと言えば、元気になる薬」
「むしろウェルカムですッ!!」
あかん、逆効果。そう思ったがすでに遅く、肩がミシミシ言い始めた。
「ダメ、心を弄ぶのはいけない。引き返すべき」
「ドコニアリマスカ?」
一瞬視線だけがそこを見て、瞬間正確にそれを手に入れた。
「なんでわかるの!?」
そしてスピカは丁寧に縛られ、ベットの上に置かれていった。
朝から様子見に来るリリたちがそれを見つけて、急いでロキ・ファミリアへと向かった。
◇◆◇◆◇
とある神々の証言。
何か起きないかなとスピカの工房を見守っていたら、【
【
割と命の危機的にやばい事になったが、ディアンケヒト・ファミリアのおかげで命の危機は守られた。その後、薬の出どころであるスピカ氏は、この薬を二度と作らないとリヴェリア氏に反省文を提出して(書かされて)、世に出回る事は防がれた。
ちなみに効果を薄めた物は他の派閥でも製造可能で、イシュタル・ファミリアに出回り、またヘスティア、ミアハ・ファミリアの財政が潤ったらしい。
◇◆◇◆◇
「ごめんなさい団長ーーー許してくださいーーーーッ!?」
ちなみに今回の事件に関してフィンは大変怒っていて、しばらくスピカの深層アイテム確保に遠征チームが組まれる。ティオネは確定で。
「なんで俺らまで尻拭いしなきゃいけないんだ」
「ベートさん、今回は私たちが悪いですから」
「スピカも妙な物を作るが、基本は向こうの自由だ。反省文は自分から書いているし、こちらも誠意を見せなければいけない」
「遠征組は任せたよガレス、リヴェリア。僕は警備の見直しに地上に残るから」
こうしてしばらくスピカから物をもらうのをやめて、彼女の為に下層と深層のアイテム確保に奔走する。何度か地上を行き来する中、ティオネは一か月も団長に会えず発狂するのであった。
【聖賢のローブ】【双頭の鷲のよろい】【大樹のマント】【ユグノアのマント】【不惑のネックレス】出典ドラゴンクエスト11
全部合わせて100%魅了を防ぐ。本来マント二枚装備や、ローブと鎧を同時に着ることはできないが、スピカはゲームでは無いので装備できた。
【ルビスの短剣】【聖風の槍】。出典ドラゴンクエスト、星ドラ
星ドラの装備品、申し訳ないがこれも作者が調べたにわか知識の物、詳しくは説明できません。ただ強力な装備であり、短剣は二刀流可能。
実は星ドラ系は一通り作っているスピカ。封印されていたりしている。
【はやぶさの剣・改】出典ドラゴンクエスト
二回攻撃できるはやぶさの剣の強化版。スピカの物は使用者によって四度斬るほどの速さを獲得できる。一時アイズのサブ武器として活躍していたが、同じ四度振るえて、破壊力がある【はかぶさの剣】に入れ替えられた。
これはスピカが悪いのでしょうか?
お読みいただきありがとうございます。